こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。今回はHPの13.3インチ・コンバーチブル2 in 1「ENVY 13 x360」の実機レビューです。この製品は2018年6月にリリースされているので、古いということはありませんが最新モデルというわけでもありません。いやね、ウインタブでセール情報記事を掲載する際に毎回「うわ、安いわー」と思っていて、どう考えてもめちゃめちゃハイコスパな製品に思われましたので、HPにお願いして貸していただきました。
このレビューでは、HPのプレミアムラインであるENVYの一員として、どのくらいの実力、どのくらいの品質なのかをチェックするとともに、読者から指摘されたことのある「ちょっと気になる点」を確認してみたいと思います。
1.スペック
ENVY 13にはクラムシェルノートと2 in 1があり、この「x360」は2 in 1です。ヒンジが360度開口するコンバーチブル2 in 1というジャンルで、HPではこのタイプの筐体を持つ製品には「x360」という名称をつけています。
クラムシェルノートのENVY 13や、ほとんどのHP製品ではCPUにIntel製のものを搭載しますが、ENVY 13 x360にはIntel製のCPUは搭載されず、「AMD Ryzenのみ」となります。また、HPのプレミアムノートには「Spectre」と「ENVY」という2つの製品ブランドがありますが、2018年くらいから両者のシステム構成は差別化が進み、Spectreは「ハイエンド」、ENVYは「ハイエンドのちょっと下、上位クラス」という性格付けがなされていて、この製品でもRyzen 7の設定はなく、Ryzen 3とRyzen 5のみとなります。
RAMは4GB/8GB/16GBの3種類があり、Ryzen 3モデル(ベーシックモデル)は4GB/8GB、Ryzen 5モデル(スタンダードモデルとパフォーマンスモデル)は8GB/16GBです。また、ストレージはRyzen 5モデルのうち、パフォーマンスモデルのみ512GB、それ以外は256GBとなっています。
ディスプレイは13.3インチのFHD解像度、IPS液晶で、コンバーチブル2 in 1なので全モデルでタッチ対応しますし、別売りで1,024段階の筆圧に対応するSpectreアクティブペン(電池式、傾き検知なし)もしくはSpectreアクティブペン2(充電式、傾き検知あり)を使うことができます。今回のレビューではペン入力についてはテストできませんでしたが、Spectreアクティブペンはイラストやマンガ用途にも十分使える品質になっていると思います。
入出力ポートの数と種類はあまり充実している方ではありません。しかし、この製品は薄型のコンバーチブル2 in 1であり、サイズ面での制約があることを思えば納得ができる水準だと思いますし、最も使用頻度が高いであろうUSBポートも合計で3つありますので、普段使いで不足を感じることは少ないでしょう。
サイズは13.3インチの2 in 1としては十分コンパクトだと思います。横幅も310 mmを切っていますし、厚さも16 mm、そして重量は1.31 kgと若干重いほうではあるものの、コンバーチブル2 in 1筐体である(一般にクラムシェルノートよりも重量面では不利です)ことを考慮すれば立派だと言えるでしょう。
レビュー機のシステム構成とストレージ構成です。もっとも低価格なベーシックモデルで、Ryzen 3/RAM4GB/256GB SSDという構成でした。このモデルをレビューしたいと思っていた(現状激安価格なので…)ので、これは助かりました。
2.筐体
レビュー機に付属していたケーブル類はACアダプターと電源ケーブルのみです。ACアダプター+電源ケーブルで283 gとまずまずの軽量で、持ち運びにも苦労しないと思います。
ペーパー類は多いですね。外資系メーカーながら国内メーカー以上に多くのペーパー類がついてきます。左上にある「パソコン生活まるごとガイド」と「速効!HPパソコンナビ」は初めてPCを購入する初心者の人にはありがたいガイドブックだと思います。
多くのウインタブ読者の場合は左下の「セットアップ手順(スタートアップガイド)」という一枚ものがあればとりあえず大丈夫か、と思います。
天板です。この製品は筐体色が「ダークアッシュブラック」のみです。従来のEVNYシリーズはシルバーとか、一部シャンパンゴールドが使われていましたので、ある意味ENVYっぽくはなく、むしろ上位ブランドであるSpectreに近い印象です。
筐体素材はアルミニウム、表面には手触りをよくするため、わずかにざらついた「梨地加工」が施されています。また、HPのロゴはENVYとSpectreのみに許された(一部法人向け製品にもありますけど)「プレミアムロゴ」が採用されています。
左側面です。左からUSB 3.1、オーディオジャック、電源ボタン、通気口を挟んでmicroSDカードリーダーがあります。
右側面です。左から音量ボタン、USB Type-C、USB 3.1、そしてDC-INです。なお、この製品はUSB Type-Cポートを使っての充電にも対応します。側面に関しては、コンバーチブル2 in 1筐体ということで電源ボタンと音量ボタンがついている、というのが特徴ですね。
背面です。一見するとなにもないように見えますが…、
アップで見ると「ダマスカス鋼」をモチーフにした模様が入っています。背面にこの模様を入れるのがENVYシリーズ共通の特徴と言えます。
前面にはポート類やボタン類はありません。
底面です。底面もアルミ製ですね。画像の下側が手前(開口部)なのですが、下側左右にスピーカーがついているのがわかると思います、この製品はクワッド(4)スピーカーを搭載していて、底面左右に2つ、キーボード面上部に2つのスピーカーが配置されています。音響システムはもちろんBang&Olufsenです。
キーボードです。アルファベットキーのキーピッチは手採寸で左右方向に約19 mm、上下方向に約18.5 mmとなっていて、十分な余裕があります。配列面ではHPらしく「Enterキーの右に一列ある」タイプですね。もともとのHPユーザーはこの配列でいい、というかむしろこの配列であるべき、と考えると思いますが、他メーカーのノートPCからの乗り換えだと使いはじめのうち少し戸惑うことになると思います。
また、バックライトも装備されています。バックライト色は一般的なホワイトで、輝度の調整はできません。
正面から見たところです。ベゼル幅がわかりやすいように、設定アプリ(背景が白なので…)を開いています。上下のベゼルはある程度の太さがありますが、左右のベゼルはかなり細いです。というかカッコいいですよね、ENVY。
極めて業務的ですがw、一応スタンドモードとテントモードにしてみました。この2つのモードは動画視聴の際とか外付けコントローラーを使ってのゲームプレイなどの際に便利だと思います。
タブレットモードです。このモードは手書き入力の際に非常に有効です。このモードの際、側面は完全な一枚板のようには見えず、それなりに隙間は空きます。まあ、このタイプの製品はどれも似たようなものですけどね。
一通り筐体を確認してみました。もともとHPのノートPCはエントリーモデルにせよハイエンドモデルにせよ、価格以上の質感を備えていますし、デザインもよくまとまっています。このENVY 13 x360も、HPのプレミアムPCにふさわしいデザインで、アルミ筐体の質感も非常に高く、購入して不満を感じるようなものではないです。というか、現在(2019年3月)の実売価格を考えると、めちゃめちゃ割安感がある筐体品質だと思います。あとは筐体色がダークアッシュブラックのみ、という点が多少賛否あるでしょうね。
3.使用感
スピーカー
この製品はHPお得意のBang&Olufsenスピーカーシステムを採用しています。このシステムはHPの中上位クラスの製品には広く採用されていて、経験上PC用スピーカーとしてはベストなもののひとつだと思っています。
音質のほう、低音はいまひとつながら、PCスピーカーによくある「ペラペラな音」ではなく、期待を裏切らない出来だと思います。キーボード面上部と底面左右に配置されたクワッドスピーカーにより、ステレオ感がしっかり出ています。音量もかなり大きくすることができ、大きな音量でも音が割れたりはしません。ポップ系の曲を聴く分には十分満足ができると思います。
また、Bang&Olufsen Audio Controlというアプリがインストールされていて、レディーメードの音場設定(ロック、ジャズ、低音など)ができるほか、イコライザーで細かく設定することも可能です。モバイルノートのスピーカーとしては文句なしの出来だと評価します。
ディスプレイ
いつものようにブラウザーのEdgeを開き、Bing検索で「花」の画像を表示して手持ちのディスプレイと比較してみました。ThinkPad 13(13.3インチIPS液晶、FHD解像度)との比較では「圧勝」です。この製品のディスプレイと比較するとThinkPadのディスプレイは色がかなり薄く感じられてしまいます。発色の良さ、くっきり感、いずれも高水準のディスプレイであると思います。
現状手元にないのではっきりしたことは言えませんが、Spectreシリーズ(Spectre 15 x360、Spectre 13 x360)のレビューを思い出しつつ書くと、色味ではあまり変わらないような気がしますが、明るさは少し劣りますね。Spectreのディスプレイはめちゃめちゃ明るかったのですが、ENVYのほうは日中の室内で輝度75%くらいに設定しないと少し暗く感じます。もちろん輝度100%であれば問題ないので、実用上困るということではありません。
SpectreとENVY、ともにHPのプレミアムラインの製品ですが、おそらく液晶パネルの品質はSpectreのほうがワンランク上だろうと思います。
キーボード
アルファベットキーのキーピッチは手採寸で左右に約19 mm、上下には約18.5 mmくらいなので、打鍵していて窮屈な感じは全くありません。キーストロークはモバイルノートとしてはやや浅めですが、確実な打鍵感を得られます。
打鍵音はかなり小さいですね。パチパチ、という感じではなく、モソモソ、という感じの音質ですが、感触がいいので打鍵していて気持ちいいです。このキーボードであれば静かな場所でもあまり気を使わなくていいと思われます。
配列に関しては右側に少し癖があります。HPのモバイルノート(テンキーのないノートPC)の多くはEnterキーの右側にPgUp、PgDnなどのキーが一列分ついています。HP製品に慣れていない場合、使い始めのうちEnterキーを押したつもりがPgUpとかPgDnを押してしまい、カーソルがぶっ飛ぶ、という現象に悩まされるかもしれません。ただし、私はもう何台もHP製品のレビューをしているのですっかり慣れてしまいましたし、これからENVYを購入する場合でも、短期間で慣れることができると思いますので、別に心配はいらないでしょう。
また、キーボードにはバックライトが装備されていて、色はホワイトのみで明るさの調整もできませんが、必要にして十分な機能になっていると思います。
バッテリー
バッテリーに関しては高い評価はできません。「バックライトオン、ディスプレイ輝度75%に設定し、YouTubeの音楽をバックグランドでボリューム25%で流しつつテキストライティング、ウェブブラウジング、画像加工をとりまぜて1時間ほど使用」し、バッテリー消費は30%ほどでした。この使い方だと4時間持たないと思います。もちろんディスプレイ輝度を落としたり、バックライトを消したり、音を消したりすればもう少し稼働時間は伸びると思いますが、そもそもウインタブの実機レビューでは毎回わりとライトな使い方しかしてないんですけどね…。
ENVYの名誉のために書いておきますと、レビュー機は「ベテラン」でして、おそらく何回(あるいは何十回)もいろんな人が入れ替わりでレビューをしてきた個体で、バッテリーの保護みたいな配慮も一切されていないはずなので、少々ヘタっているという可能性があります。ただし、それを割り引いてもモバイルPCとしてはほめられた性能とは言えないですね。最低でも5~6時間くらいは不安なく使えてほしかったと思います。
4.性能テスト
参考:
iiyama Style 17FH054 i7(Core i7-8750H): 10,659
HP Spectre x360 13(Core i7-8565U): 10,020
NEC LAVIE Direct NEXT(Core i7-8550U): 9,643
DELL Inspiron 13 7370(Core i7-8550U): 9,058
東芝 dynabook AZ65/G(Core i7-8550U): 8,909
東芝 dynabook VZ82/F(Core i7-8550U): 8,923
HP Spectre 13(2017)(Core i7-8550U): 8,727
Lenovo ThinkPad X280(Core i7-8550U): 8,606
DELL XPS 13(9370)(Core i7-8550U): 8,409
HP Spectre x360(Core i7-7500U): 8,385
HP Spectre x2(Core i5-7260U): 8,207
東芝 dynabook DZ83/J(Core i7-8550U): 8,186
Lenovo ideapad 520(Core i5-8250U): 8,129
ドスパラ Altair F-13(Core i5-7200U): 8,106
富士通 LIFEBOOK WS1/B3(Core i7-8550U): 8,055
ドスパラ Critea DX-KS RH3(Core i3-8130U): 7,938
Microsoft Surface Pro 6(Core i5-8250U): 7,920
ドスパラ Altair F-13KR(Core i5-8250U): 7,722
HP ENVY 13(Core i7-8550U): 7,646
Microsoft Surface Laptop 2(Core i5-8250U): 7,481
DELL XPS 13(Core i5-7200U): 7,405
富士通 LIFEBOOK WU2/C3 (Core i7-8565U): 7,363
DELL XPS 13(Core i7-6500U): 7,230
東芝 dynabook VZ72/B(Core i7-7500U): 7,224
FRONTIER NLK(Core i5-7200U): 7,162
東芝 dynabook UZ63/F(Core i7-8550U): 7,080
富士通 LIFEBOOK WU2/B3(Core i7-8550U): 7,053
HP ENVY 12 x2(Core i5-7Y54): 7,030
ドスパラ Critea DX-KS F7(Core i7-8550U): 7,001
参考:
iiyama Style 17FH054 i7(Core i7-8750H): 4,821
Lenovo ThinkPad X280(Core i7-8550U): 4,720
NEC LAVIE Direct NEXT(Core i7-8550U): 4,706
HP Spectre x360 13(Core i7-8565U): 4,605
DELL XPS 13(9370)(Core i7-8550U): 4,571
ドスパラ Altair F-13KR(Core i5-8250U): 4,559
Microsoft Surface Laptop 2(Core i5-8250U): 4,337
東芝 dynabook AZ65/G(Core i7-8550U): 4,238
DELL Inspiron 13 7370(Core i7-8550U): 4,234
HP Spectre 13(2017)(Core i7-8550U): 4,210
東芝 dynabook VZ82/F(Core i7-8550U): 4,199
Microsoft Surface Pro 6(Core i5-8250U): 4,165
ドスパラ Critea DX-KS F7(Core i7-8550U): 4,128
ドスパラ Altair F-13(Core i5-7200U): 4,115
富士通 LIFEBOOK WU2/C3(Core i7-8565U): 4,003
HP Spectre x360(Core i7-7500U): 4,003
DELL XPS 13(Core i5-7200U): 3,958
Lenovo ideapad 520(Core i5-8250U): 3,895
NEC LAVIE Direct HZ(Core i7-6500U): 3,787
東芝 dynabook DZ83/J(Core i7-8550U):3,724
富士通 LIFEBOOK WU2/B3(Core i7-8550U): 3,674
HP Spectre x2(Core i5-7260U): 3,670
富士通 LIFEBOOK WS1/B3(Core i7-8550U): 3,645
HP ENVY 13(Core i7-8550U): 3,634
参考:
Lenovo ThinkPad X280(Core i7-8550U): 4,465
DELL XPS 13(9370)(Core i7-8550U): 4,385
HP Spectre x360 13(Core i7-8565U): 4,375
NEC LAVIE Direct NEXT(Core i7-8550U): 4,365
DELL Inspiron 13 7370(Core i7-8550U): 4,247
ドスパラ Altair F-13KR(Core i5-8250U): 4,154
Microsoft Surface Laptop 2(Core i5-8250U): 4,079
Microsoft Surface Pro 6(Core i5-8250U): 3,985
東芝 dynabook VZ82/F(Core i7-8550U): 3,951
東芝 dynabook AZ65/G(Core i7-8550U): 3,940
ドスパラ Critea DX-KS F7(Core i7-8550U): 3,935
HP Spectre 13(2017)(Core i7-8550U): 3,921
富士通 LIFEBOOK WU2/B3(Core i7-8550U): 3,890
富士通 LIFEBOOK WS1/B3(Core i7-8550U): 3,858
富士通 LIFEBOOK WU2/C3(Core i7-8565U): 3,665
Lenovo ideapad 520(Core i5-8250U): 3,596
iiyama Style 17FH054 i7(Core i7-8750H): 3,554
HP ENVY 13(Core i7-8550U): 3,487
ドスパラ Critea DX-KS RH3(Core i3-8130U): 3,312
まずはドラクエベンチとドラゴンズドグマオンライン(DDON)ベンチです。この製品はRyzen 3 2300Uを搭載し、いわゆる外部GPUは非搭載です。この2つのゲームのベンチマークテスト結果はIntel製のCPUとは明らかに異なる傾向を示しています。まず、ドラクエベンチのほうですが、いきなりメタルスライム(スコア1万点以上)が出ています。このスコアは第8世代のCore i7(型番末尾U)でもめったに出ません。一方でDDONに関してはドラクエの面影もない低スコアにとどまりました。
このテストを通じて言えることは「ENVY 13 x360はドラクエに向き、DDONには向かない」ということなんですけど、それって読者の中の1%にも満たない人の参考にしかなりませんよね?もう少し普遍的な言い方だと、「プレイするゲームや操作するグラフィック処理によってはCore i7に勝るとも劣らない実力を発揮するが、ツボをはずすとCore i3にも負けちゃうかも」という感じだと思います。
参考:
Lenovo ThinkPad X280(Core i7-8550U): 1,211、4,871
HP Spectre x360 13(Core i7-8565U): 1,178、4,574
DELL XPS 13(9370)(Core i7-8550U): 1,161、4,719
Microsoft Surface Laptop 2(Core i5-8250U): 1,157、4,652
Microsoft Surface Pro 6(Core i5-8250U): 1,136、4,524
ドスパラ Altair F-13KR(Core i5-8250U): 1,126、4,746
東芝 dynabook AZ65/G(Core i7-8550U): 1,116、4,367
HP Spectre x2(Core i5-7260U): 1,114、4,389
富士通 LIFEBOOK WU2/C3(Core i7-8565U): 1,111、4,325
NEC LAVIE Direct NEXT(Core i7-8550U): 1,097、4,471
東芝 dynabook VZ82/F(Core i7-8550U): 1,084、4,282
iiyama Style 17FH054 i7(Core i7-8750H): 1,082、4,559
ドスパラ Critea DX-KS F7(Core i7-8550U): 1,070、4,365
DELL Inspiron 13 7370(Core i7-8550U): 1,020、4,358
富士通 LIFEBOOK WU2/B3(Core i7-8550U): 1,017、4,350
HP Spectre 13(2017)(Core i7-8550U): 1,000、4,304
ドスパラ Critea DX-KS RH3(Core i3-8130U): 992、4,007
Lenovo ideapad 520(Core i5-8250U): 984、4,262
富士通 LIFEBOOK WS1/B3(Core i7-8550U): 949、4,137
マウス m-Book J(Core i5-8250U): 942、4,118
東芝 dynabook UZ63/F(Core i7-8550U): 936、3,972
※左からFireStrike、SkyDiverのスコア
続いて3D Markです。こちらは傾向としてはドラクエベンチの結果に近いと言えます。Core i7(型番末尾U)よりも上ですね…。3D Markのほうは固有のゲーム用のベンチマークソフトではありませんし、ウインタブではFireStrike、SkyDiverの2種類のスコアで性能比較していますから、より普遍的な結果になっていると思います。すげえわ、Ryzen 3…。
参考:
ドスパラ GALLERIA GCF1060GF-E(Core i7-8750H、GTX1060): 4,976
ドスパラ GALLERIA Mini 1060(Core i5-7500、GTX1060): 4,906
ドスパラ GALLERIA GCF1050TGF-E(Core i5-8300H、GTX1050Ti): 4,545
OMEN X by HP(Core i7-7820HK、GTX1080): 4,290
iiyama STYLE-17FH054-i7(Core i7-8750H) : 4,281
HP Spectre x360 13(Core i7-8565U): 4,223
Lenovo ThinkPad X280(Core i7-8550U): 3,909
ドスパラ Altair F-13KR(Core i5-8350U): 3,778
NEC LAVIE Direct NEXT(Core i7-8550U): 3,704
ドスパラ Critea VF-HEKS(Core i7-8550U、MX150): 3,704
DELL Inspiron 17 5000(5770)(Core i7-8550U、Radeon 530): 3,607
東芝 dynabook AZ65/G(Core i7-8550U): 3,546
HP ENVY 13(Core i7-8550U):3,534
DELL XPS 13(9370)(Core i7-8550U): 3,518
ドスパラ Critea VF-HGK1050(Core i7-7700HQ、GTX1050): 3,492
東芝 dynabook VZ82/F(Core i7-8550U): 3,491
富士通 LIFEBOOK WS1/B3(Core i7-8550U): 3,479
Microsoft Surface Pro 6(Core i5-8250U): 3,399
東芝 dynabook DZ83/J(Core i7-8550U): 3,353
マウス m-Book J(Core i5-8250U): 3,350
東芝 dynabook UZ63/F(Core i7-8550U): 3,341
ドスパラ Critea DX-KS RH3(Core i3-8130U): 3,254
Microsoft Surface Laptop 2(Core i5-8250U): 3,199
HP Spectre Folio 13(Core i5-8200Y): 3,108
ドスパラ Critea DX-KS F7(Core i7-8550U): 2,921
富士通 LIFEBOOK WU2/B3(Core i7-8550U): 2,873
DELL Inspiron 15 7000(7570)(Core i7-8550U、GeForce MX130): 2,824
HP Spectre x2(Core i5-7260U): 2,822
ドスパラ Magnate IM(Core i5-7400): 2,763
One Netbook One Mix 2S(Core m3-8100Y): 2,664
HP ENVY 12 x2(Core i5-7Y54): 2,606
HP 15-db0000(AMD Ryzen 3 2200U): 2,455
ドスパラ Critea DX-KS H3(Core i3-7100U): 2,198
ラストはグラフィック性能だけでなく、表計算や画像加工なども含むPCの総合性能テスト「PC Mark」です。ここではCore i3~Core i5と同等クラスと言えそうな結果になりました。もともと「Ryzen 3ならCore i3くらい」という、非常にざっくりとした理解をしていましたが、その理解から大きくは外れない結果、あるいはそれを少し上回る結果だと思います。
AMDのCPUとIntelのCPU、どっちが高性能か、という議論は結論が簡単に出せるようなものではありませんし、それぞれ一長一短があると思いますので、このレビューの結果だけで決めつけることはできませんが、今回のテスト結果は少なくともグラフィック性能に関しては同クラスのIntel CPU、具体的にはCore i3(型番末尾U)を凌ぐものであるとは言えるでしょう。
発熱について
記事の冒頭に書いた「ちょっと気になる点」というのは発熱のことです。この製品に限らず、Ryzenを搭載するノートPCは発熱が大きい、ということが言われています。レビューにあたり、この点には注意をはらいました。結論を言うと、確かにRyzenはCore iプロセッサーよりも発熱量は大きめと感じました。具体的には各種ベンチマークテスト中にそれを感じました。
しかし、発熱量が極端に大きいという感じではありませんでした。筐体の底面に多少熱を持つ(ぬるい、という感じで、熱い、という感じではありません)程度で、危険を感じることはありませんでした。また、テキストライティングやWebブラウジングの際には発熱を感じませんでした。冷却ファンの音量も常識的なもので、特に大きいということもないです。
実機レビューの範疇を越えた長時間のゲームプレイなどの場合、これ以上に発熱する可能性はあると思います。しかし、ENVY 13 x360はゲーミングPCではなく、どちらかと言うとビジネスマシンの範疇に入ると思いますので、その意味では発熱については気にしなくていい、というのが私の評価です。
5.まとめ
HP ENVY 13 x360はHP Directplusで販売中で、3月17日現在の価格は70,000円(税込み75,600円)から、となっています。なお、レビュー機は70,000円の構成(ベーシックモデル)です。
スペック面だと、70,000円の構成だとRAMが4GBになりますので、もう少しだけお金がかかりますが、RAMを8GBにカスタマイズ(税込み5,400円)して注文するとより安心かと思います。逆に言えばそれ以上のカスタマイズはできませんし、する必要もないと思います。ビジネス用途や大学などの学習で使うのなら、個人的にはRyzen 5は必要ないと思います(膨大なデータを使う統計処理などの場合はこの限りではありません)。
以前から感じていたことですが、実機レビューを終えたいま、改めて言わせてもらうと、この製品の実売価格は明らかに(いい意味で)おかしいです。筐体品質、処理性能から考えると割安すぎます。でも世界一のPCメーカーが保証をつけてこの価格で売ってるわけですから、心配しなくていいでしょうね。
6.関連リンク(HP Directplus)
HP ENVY 13 x360 製品詳細
アウトレットパソコン特集
※3月17日現在、70,000円のモデルは、製品詳細ページではなく、アウトレットパソコン特集のページから購入できます。
コメント
熱くなってから性能が下がるとかいう噂を気にしなくていいなら
ホントにこの値段は、買わざるを得ないって感じですよね!
実機レビューありがとうございます。
AMDのプロセッサーはK5やK6の頃からINTELの同等製品と較べて相対的に製造プロセスルールが大きくて消費電力が多く、バッテリー保ちも悪かったので、Ryzenでのバッテリー保ちの結果にもなんとなく納得出来てしまいました(以前、同社のK6-Ⅱを搭載したノートPCを使っていましたがバッテリー保ちの悪さには苦労させられました)。電気食いですが基本性能は高い、だけど主要なベンチマークソフトはINTELの製品に最適化されていて一段低いスコアしか出ないとか、使える命令セットの違いから用途によって性能が乱高下するといった特徴はPentiumⅢ対AthlonでPC情報誌が盛り上がっていた時代の構図から変わってないなぁ、と妙に懐かしく思ってしまいました(加えて、GPUもNvidiaのRIVAシリーズ、ATIのRAGEシリーズ、3dfxのVoodooシリーズ、MatroxのMillenniumシリーズが得意分野の違いこそあれ覇を競う賑やかな時代が有りましたが、3dfxがNvidiaに吸収され、ATIがAMDと合併し、Matroxは家庭用製品を出さなくなって業界の統廃合が進んで選択肢が減ったのも寂しい限りですね…)。