
HPがPC「HP EliteBoard G1a Next Gen AI PC」を国内発売しました。一応ジャンルとしてはデスクトップPC、またミニPCといってもいいと思いますが、「キーボードの内部にPCのパーツを詰め込んだ」製品です。このジャンル (キーボードが本体のミニPC)は過去にもありました (過去の製品1 / 2 / 3)が、このEliteBoardはHPが手掛けているだけあって性能が非常に高く、メンテナンス性もしっかり考えられた製品です。
1. スペック
スペック表
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| OS | Windows 11 Pro |
| CPU | AMD Ryzen AI 5 330/Ryzen AI 7 PRO 350 |
| RAM | 16GB/32GB (DDR5-5600) ※2スロットあり、初期状態で1スロット空き |
| ストレージ | 256GB/512GB SSD (M.2 PCIe NVMe) ※M.2 PCIe x4-2280スロット (空きなし) |
| ディスプレイ | なし |
| 無線通信 | Wi-Fi7、Bluetooth 6.0 |
| ポート類 | USB4 Type-C (最大40Gbps、PD/映像出力対応) USB Type-C (最大10Gbps、PD/映像出力対応) |
| カメラ | なし |
| バッテリー | なし / 32Wh ※外部ポータブルモニター使用時:最大約3時間 ※外部モニター使用時:最大約7時間 |
| サイズ | 357.95×18.5×12.5 – 17.5 mm |
| 重量 | 約676g~ (バッテリなし・ケーブル着脱式) 約726g~ (バッテリなし、固定ケーブル) 約768g~ (バッテリあり、ケーブル着脱式) |
バリエーションモデル
・ケーブル着脱式/バッテリ非搭載/Ryzen AI 5/16GB/256GB
・固定ケーブル/バッテリ非搭載/Ryzen AI 5/16GB/256GB
・ケーブル着脱式/バッテリ内蔵/Ryzen AI 5/16GB/256GB
・固定ケーブル/バッテリ非搭載/Ryzen AI 7/32GB/512GB
・ケーブル着脱式/バッテリ内蔵/Ryzen AI 7/32GB/512GB
2. OS/CPU
HPの「Elite~」というのは法人向けPCに使われるブランド名です。よってこのEliteBoardも法人向けストアで販売されていますが、HP公式ストアは個人でも法人向けPCを購入できます。ということで、OSはWindows 11 Proのみです。
CPUはAMD Ryzen AI 300シリーズ (Krackan Point)のRyzen AI 5 330/Ryzen AI 7 PRO 350です。「同じシリーズならRyzen (AI) 5よりRyzen (AI) 7のほうが高性能」ではあるのですが、この2つの型番については一般的なイメージよりもはるかに大きい性能差があります。

Passmarkが公表しているベンチマークスコアです。この製品が搭載するRyzen AI 5 330とよく似た型番でRyzen AI 5 340というのがあります。340のほうは2025年に発売されたノートPCに採用例が多く、性能のほうもRyzen AI 7 (PRO) 350と「まあ妥当」な差になっていると思います。
一方で330のほうはコア数/スレッド数が少なく、特にマルチスレッド (CPU Markの数値)がかなり低めになっているのがわかります。だからといって330が低性能過ぎて使えない、ということは全然ないのですが、購入前に「こういう事情になっている」のは理解しておくほうがいいでしょう。
3. RAM/SSD

EliteBoard G1a Next Gen AI PCは「トップマウントキーボード、RAM、SSD、オプションバッテリーを簡単に交換可能なモジュラー設計」です。
RAMはRyzen AI 5モデルが16GB、Ryzen AI 7モデルが32GBで、いずれも初期構成は「シングルチャネル」です。RAMスロットの空きが1つありますので、増設は容易です。
SSDはRyzen AI 5モデルが256GB、Ryzen AI 7モデルが512GBです。ただし、RAMのように空きスロットはありませんので、換装 (初期搭載のSSDと交換する)は可能ですが増設 (初期搭載のSSDにプラスする)はできません。
4. 筐体

EliteBoard G1a Next Gen AI PCは1月のCES 2026で発表されました。当時「面白そうなので記事を書こうかな」と思ったのですが、国内発売されるか疑問だったので、記事にするのを見送りました。結果、しっかり国内発売されたわけですが、ご覧の通り「しっかり日本語配列」になっています。ちゃんとローカライズしてくれていますね。
キーピッチとキーストロークはスペック表には記載されておらず「HP Premium Keyboard(日本語版キーボード、バックライト機能、防滴仕様)」とだけ開示されています。

こちらは背面です。やはり普通のキーボードとは違っていますね。通気口があります。また、角度調整用のスタンド (脚)はついていません。

側面です。これを見ると軽く角度がついた形状であることがわかります。あと、すごくわかりにくいですが、画像左側にスピーカーが見えます (この製品はステレオスピーカーを内蔵しています)。

ポート構成です。「背面」と書かれていますが、使用時には上側 (奥側)になる部分です。この製品のポートはUSB Type-Cが2つだけです。

この製品には「HP HDMI マルチポートハブ」が付属します (製品紹介ページではオプションという説明になっていましたが、公式のスペック表及び注文時のカスタマイズ画面を見ると「付属品」になっていました)。
他にはマウスが全モデルに、USB4 Type-C ケーブルがケーブル着脱式のモデルのみに、ソフトキャンバスカバーケースがバッテリー内蔵モデルのみに付属します。
なお、この筐体はHP独自の品質テストに加え、MIL規格 (MIL-STD 810H)13項目のテストにパスする堅牢性を備えています。そして、HPの法人向けPCなので強力なセキュリティシステム「HP WOLF SECURITY FOR BUSINESS」も搭載しています。
5. 価格など
HP EliteBoard G1a Next Gen AI PCはHP公式ストアで販売中です。3月22日現在の価格は下記の通り。
・ケーブル着脱式/バッテリ非搭載/Ryzen AI 5/16GB/256GB:232,800円
・固定ケーブル/バッテリ非搭載/Ryzen AI 5/16GB/256GB:238,300円
・ケーブル着脱式/バッテリ内蔵/Ryzen AI 5/16GB/256GB:249,300円
・固定ケーブル/バッテリ非搭載/Ryzen AI 7/32GB/512GB:359,300円
・ケーブル着脱式/バッテリ内蔵/Ryzen AI 7/32GB/512GB:370,300円
※ほかにモニターセット、Officeセットのモデルもあります。
買いたいと思うかどうかは別として、面白そう、手に取ってみたいとは思えます。特にバッテリー内蔵モデルならいろいろな使い道もあるかな。
6. 関連リンク
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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