もはや好みの製品を探すのも困難になってしまった10インチサイズのWindowsタブレット。このジャンルを手掛けている数少ない国内メーカーである富士通が「arrows Tab QHシリーズ」をリニューアルしました。店頭販売用の「カタログモデル」はなく、富士通WEB MARTのみで販売される「カスタムメイドモデル」のみ設定され、型番は「WQ2/F1」となります。
1.スペック
スペック表
arrows Tab QH(WQ2/F1) | |
OS | Windows 10 Pro |
CPU | Intel Celeron N4500/Celeron N5100 |
外部GPU | なし |
RAM | 4GB/8GB |
ストレージ | 64GB / 128GB / 256GB eMMC |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 10.1インチ(1,920 x 1,200)タッチ |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.1 |
入出力 | USB 3.2 Gen1 Type-C、USB 3.2 Gen1、オーディオジャック、microSDカードリーダー |
カメラ | イン200万画素/アウト800万画素 |
バッテリー | 稼働時間 約13時間 |
サイズ | 262.8×168.7×12.3 mm |
重量 | 610 g |
ポイント
●Jasper LakeのCeleron搭載
●防水(IPX5/7/8)・防塵(IP5X)設計
●過酷な品質評価試験をクリアした堅牢性
●筆圧4096段階のWacom製デジタイザ搭載・ペンも付属
●豊富な周辺機器
コメント
arrows Tab WQ2/F1は2020年に発売されたWQ2/E1のマイナーチェンジ版と言えます。変更点はそれほど多くはありません。最大の変更点はCPUで、Gemini Lake世代のCeleron N4000/N4100からJasper Lake世代のCeleron N4500/N5100となりました。Jasper Lakeについてはベンチマークスコアの情報が十分ではありませんが、PassmarkがN4500のスコアのみ公開していて「1967」でした。
非常にざっくりした話で恐縮ですが、コア/スレッド数で見ると、N4500と対比すべき型番はN4000(ともに2コア2スレッド)で、N4000のPassmarkスコアは「1433」ですから、Jasper Lakeになってかなりの性能アップを果たしたと言えるでしょう。N5100についてはスコアがありませんでしたが、同じ4コア4スレッドのN4100のスコアが「2457」なので、「あるいは3,000オーバー」をマークするのかもしれません。ということは第7世代のCore i5-7200U(Passmarkスコア3398)に近いくらいの実力か?と思いました。従来モデルのArrows Tabからかなり大きな性能アップとなっているのは間違いなさそうです。
RAMはCeleron N4500を選ぶと4GB、N5100を選ぶと8GBに固定されます。また、ストレージはすべてeMMCで、64GB/128GB/256GBを選べます。
ディスプレイは10.1インチのWUXGA解像度で、タブレット製品としては珍しくノングレアタイプです。
また、この製品はワコムデジタイザーを搭載しているため、4096段階の筆圧に対応したペン入力が可能です(ペンも付属します)。
通信まわりでは、Wi-Fi6(ax規格)に対応するようになりました。また、入出力ポートの構成は従来モデルから変更ありませんが、USBポートを2つ備えるなど、10.1インチタブレットとしては充実しているほうです。
この製品、「タフネス・タブレット」と言える製品特性なので、サイズは結構大きいです。詳しくはこのあと。
2.筐体
前面です。一般的なタブレットよりも厚みがあり、四隅が補強されているのがわかると思います。また、ベゼル幅も決して細いとは言えませんね。
背面です。フラットなデザインで、左上にある四角い窓は、なんと指紋センサーです。カメラは上部中央やや左寄りにある小さな丸い穴です。
背面には滑り止めの意味合いで摩擦力の高いテクスチャーが採用されています。指紋や汚れもつきにくいとのこと。
ポートの配置です。USBポートとmicroSDカードリーダーはパッキンで覆われています。また、付属のペンは本体に内蔵でき、さらに「ペンひも取り付け穴」までついています。なんか作業現場っぽいですが、それだけに実用性は抜群と言えるでしょう。
arrows Tab WQ2/F1はオプションパーツも豊富です。この画像は「LAN付軽量スリムキーボード」で、この他にクレードル(ドッキングステーション)やフォリオカバー(タブレットカバー)、キャリングケースなどの周辺機器も用意されています。
ちなみに、このLAN付軽量スリムキーボード、ヒンジ付きの本格的なもので、往年のWindowsタブレットファンなら思わず欲しくなりますよね!
3.価格など
富士通 arrows Tab WQ2/F1は富士通WEB MARTで販売中で、4月8日現在の価格は税込み80,652円から、となっていますが、製品ページに4月21日(水)14時まで有効の3,000円OFFクーポンがありましたので、77,652円から購入ができます。なお、この価格は富士通WEB MARTの会員価格です。会員登録は無料で、登録すると割引率が大きくなりますので、ご利用の際は必ず会員登録を済ませるようにしてください。
また、この製品は「カスタムメイドモデル」なので、注文時に高性能カスタマイズができます。「Celeron N5100/RAM8GB/128GB eMMC」という構成で試算してみたところ、102,960円(会員価格。3,000円OFFクーポン適用後99,960円)となりました。周辺機器をいくつかセットすると10万円を越えてしまいますね。
富士通ならではの、こだわりの品質のタブレットです。価格なりの機能を備えた製品である、ということは皆さん納得できると思います。しかし、わかっていても「Celeronの10インチタブレットに10万円」というのは少々厳しいものがありますよね。タフネス筐体のニーズがある人にはとても魅力的だとは思います。
4.関連リンク
arrows Tab WQ2/F1:富士通WEB MART
arrows Tab QHシリーズ:富士通
コメント
10インチのタブレットって需要ないんですね…
私は愛用してます。
法人向けであればPentiumも選べるようになりますしなんなら13型のi5モデルもあるんですよね..
コストが高かったりしますけど一般向けでも需要は確実にあるんですけどね..どうして..
こんにちは。情報ありがとうございます。法人向けのページを確認してみたところ「本商品は、法人のお客様向けの商品です。(個人でご購入された場合、技術・修理サポート(有償)の対応ができませんのであらかじめご了承ください。)」という但し書きがありましたので、個人購入はちょっと難しそうですね。さすがにちょっと高価だけれど、いい製品だと思うんですけどね。