富士通が10.1インチのWindows タブレット「arrows Tab QH」の最新モデルを発売します。今回のQHシリーズはWeb限定販売で、型番は「WQ2/D1」となります。従来はCPUにAtomを搭載していましたが、それもGemini LakeのCeleronに換装され、一段と魅力を増しています。
1.スペック
Web限定販売ということは「カスタムメイドモデル」ということになりますが、タブレット製品のためカスタマイズできる項目はそれほど多くありません。
まず、OSは「Pro版オンリー」です。CPUとRAMは「セットでカスタマイズ」ができ、Celeron N4000を選ぶとRAMは4GBに、Celeron N4100を選ぶと8GBになります。ウインタブではこれまでN4000を少しばかりナメてまして、「絶対にN4100にすべき」と考えていたのですが、先日のドスパラ Diginnos Stick DG-STK5Sのレビューで、「実は侮れない」ということを実感しました。なので、タブレットとしてタッチ操作メインで使うのであればN4000でもよさそうですね。キーボードを接続してノートPCとして使う場合はN4100を選ぶに越したことはないと思います。
ストレージはeMMCとなりますが、容量を64GB/128GBから選択可能です。ディスプレイは10.1インチのIPS液晶で、解像度はWUXGA(1,920 × 1,080、アスペクト比16:10)なので、一般的なノートPC(アスペクト比16:9)よりも少し縦に長くなります。まあ、タブレットとしては16:10のほうが一般的ですけどね。
ディスプレイはペン入力が可能で、2,048段階の筆圧に対応するスタイラスペンが付属します。このペンは鉛筆のように六角形になっていて、本体に収納することができます(なにげに絵描きさんは大喜びしそう…)。
入出力ポートに関しては、本体の装備もそんなに悪くはないのですが、この製品の場合、周辺機器が非常に充実していまして、「拡張クレードル」「LAN付軽量スリムキーボード」「軽量スリムキーボード」などを選ぶことによって拡張性が変わってきます。特に拡張クレードルを選ぶと「USB3.0 × 3、HDMI、D-SUB、LAN(RJ45)」と、飛躍的にポートの種類と数が増えます。また、キーボードに関しては基本的にポートはついておらず、LAN付軽量スリムキーボードのみLANポートが装備されます。
サイズは10.1インチタブレットとしては厚く、重いです。ただ、これには理由がありまして、この製品は「タフネスタブレット」なんです。富士通によれば「本体は水ぬれや埃に強い防水(IPX5/7/8)(注1)・防塵(IP5X)、本体に格納できるペンは防滴(IPX2)」という設計になっていて、筐体には補強がなされています(後述します)。
2.筐体
タブレット本体です。この画像を見ればわかると思いますが、四隅が補強され、見るからに頑丈なものになっています。
背面には滑りにくく傷や指紋が目立ちづらいテクスチャー処理が施されています。また、画像左上にあるのは指紋センサーです。
ポート構成です。面白いのが「ペンひも取り付け穴」ですね。お仕事現場用だとは思いますが、ここも絵描きさんが喜びそうな配慮だと思います。
上の画像が「フォリオカバー」、下の画像が「拡張クレードル」です。上にも書きましたが、拡張クレードルのほうは飛躍的にポートの数を増やしてくれますので、自宅や職場でミニPC(デスクトップPC)として使う場合には威力を発揮しそうです。ただ、ちょっとお高い(2月12日現在20,444円)ですけどね…。
こちらはLAN付軽量スリムキーボード。「スリム」といいつつ少しゴツさを感じますが、装着時の総重量は1 kgなので、モバイル利用にも困らないでしょう。なお、拡張クレードルとフォリオカバーはキーボード装着時には使えません。
この製品はオプションが非常に豊富です。全部揃えるとかなりの金額になってしまいそうですが、ガジェット好きって、こういうのに弱いんですよね…。
3.価格など
富士通 arrows Tab QH(WQ2/D1)は2月21日の発売となっていますが、富士通WEB MARTではすでに注文ができます。価格は税込み80,919円(クーポン価格です)から、となっています。なお、この価格は無料会員(My Cloud)用のもので、通常価格よりも安くなっています。富士通WEB MARTで買い物をする場合は(何のリスクもないので)かならず無料会員登録をするようにしてください。
個人的な趣味で、「Celeron N4100/RAM8GB/128GB eMMC/LAN付軽量キーボードセット」にして試算してみました。117,527円でした。LAN付軽量スリムキーボードが2万円弱しますので、それで少し価格が上がっちゃうんですよね…。
どういう構成を選び、どういうオプションをつけるかによって価格は変わってしまいますが、この価格帯だとCore i5搭載のモバイルノートが購入できます。一方で「ノートPCとしても使えるスペックのタブレット」とか「イラストを描けるタブレット」とか「頑丈なプロ仕様のタブレット」といったニーズのある人には非常に魅力的な製品だと思います。ちょっと考えてみたのですが、直接の競合機種ってあんまりないですよね。思い浮かぶのがSurface Go、あるいはドスパラのraytrektab DG-D10IWPですが、製品特性上、おそらくこれらの製品と比較検討する人はそんなに多くないような気がします。
ウインタブならどれがいいと思うか、というのもノーコメントです(読者なら容易に想像できそう…)。
コメント
Gemini Lake対応のタブレット出て来たのは嬉しいね
こんにちは。どうしてもCPUの型番を基準にして価格を見てしまうので、そうするとこういう製品はやたらと高く感じられてしまうのが残念なところではあります。でもAtomじゃなくなったというのは大きなメリットだと思います。
Lenovo傘下になった事によって生まれたブツっぽいですね
Lenovo Tablet 10の兄弟?な感じ
以前からあった機種の年次マイナーチェンジではないですか?
Lenovoとの部品の共用化くらいはやっているでしょうけど。
こんにちは。おっしゃる通り製品自体は以前からありました。CPUが換装されたというのが最大の変更点だと思いますし、それがまた非常に魅力的。
一応国内メーカーが2 in 1やタブレットを製造し続けるのは貴重…ただ、チャネルが直販のみということに厳しさを感じる。。。
こんにちは、おっしゃるとおりです。富士通で直販限定だと「法人モデルの余剰分」みたいな感じに見えなくもないですよね。