このところ新製品が立て続けに登場している10インチクラスのWindowsタブレット。Windows OSも「with Bing」という低価格版が登場したため、新製品ほど価格が割安、という傾向が強くなっています。そんな中、ついに3万円台で買える10インチタブレットが現れました!しかも日本のメーカー、EPSONからです。
さっそく製品の内容を確認してみましょう。
目次
1.スペック
さすがEPSON、非常に親切に、詳細にわたってスペックを公開していますので、興味のある人は確認してみてください。一応チェックポイントというか、要点をまとめてみました。
CPUにCeleron N2807
このCPUはドスパラのDiginnos DG-D10IWと同じもので、低価格帯のタブレットに搭載されることが増えています。ちなみにIiyama 10P-1000-C-VGにはCeleron N2806が搭載されていますが、ドスパラのもIiyamaのも、低価格がウリの機種です。他のタブレットで主流となっているAtomシリーズとの性能差は良くも悪くも大きくはないと思いますが、Instant Go(ついていなくても大きな問題ではないが、ついていると、スリープ状態でもアラームを鳴らせるなど、よりスマホのような使い方ができる)に対応していない場合がありますので、注意が必要です。
64ビットOSだけどRAM2GB
OSはWindows8.1 with Bingの64ビット版となっています。以前も書きましたが、「with Bing」は出荷時のInternet Explorerの検索エンジンがBingになっているという以外に通常のWindows8.1との相違点はなく、検索エンジンは購入後好きなものに変更できるので、実質的には通常版と何ら変わりません。
64ビット版のOSということで、処理速度の向上やマルチタスク時のパフォーマンスアップが期待できますが、RAMが2GBと小さいため、実用上のメリットはあまり大きくないと思われます。要するに32ビット版とあんまり変わらないだろう、ということです。
ディスプレイ性能は並
液晶は視野角が広く美しいIPSですが、解像度は1280×800と、8インチタブレットと変わりません。実用上は全く問題がありませんが、ThinkPad 10などでは1920×1080なので、視力が良くて10インチ画面をフルに使いたい人にはちょっと物足りないかもしれません。逆に視力があまり良くない人には1280×800の方が使いやすいと思います。
HDMIがついているので外部モニター出力が便利
最近の10インチタブレットにはほとんどついていますが、この機種にもmicroHDMI端子がついています。8インチタブレットだと省略されてしまうことがほとんどなのですが、HDMIがついていると外部モニター出力が簡単にできるので、特に仕事などでプレゼンをするような人には便利です。なお、それ以外の入出力はmicroUSB2.0がひとつだけなので、入出力インターフェースとしては他のタブレット同様、ちょっと貧相ですし、やや不便を感じるかもしれません。
サイズ感も並
サイズの方は258×173×11mm、重さ約690gとなっており、他の10インチタブレットとの比較では特に軽くもなく、薄くもなく、小さくもなく、という感じです。ThinkPad 10の厚さが9mmを切っていて重さも590gとなっていることを思えば、むしろ重くて厚い、ということになりますが、価格もスペックも違いますし、低価格モデルとしては決して悪い数値ではないと思います。
カメラも並、スピーカーはモノラル
カメラはインが100万画素、アウトが500万画素と、これまた並です。タブレットの場合、趣味で美しいスナップ写真を撮るのだ、という人は多くないと思いますし、仕事等でのメモ代わり、という用途であれば十分な性能でしょう。あと、外部スピーカーはモノラルです。音楽を聴くことが多い人には要注意ポイントです。低価格モデルでもステレオスピーカーが装備されているモデルが多いので、比較の際にはちょっとした減点項目になりそうですね。
2.文句なしのオプション群
またしてもさすがEPSON、といいたくなります。オプションが非常に充実していて、特に目を引くのが上の画像にある「オプションパック」です。キーボード(3,240円)と本体カバー(2,700円)、タッチペン(2,160円)、液晶保護フィルム(1,080円)の4点セットで7,020円とお買い得価格になっています。もちろん価格だけでなく、需要の高そうなものをセットにしてくれる発想がすごく親切ですよね。10インチタブレットの場合、外付けのキーボードはぜひとも持っておきたいものですし、本体カバーも純正品があるとうれしいです。この機種はタブレット本体と外付けキーボードを物理的にドッキングさせる仕様ではないので、ノートPCのようにして使うにはキーボードだけでなく、タブレットを立てかけるための本体カバーも必要になるので、注意が必要です。
※この項目で表示している価格は全て税込みです。
3.価格と評価
Endeavor TB20Sのラインナップは2つで、内蔵ストレージの容量とMicrosoft Office Home&Business(PowerPointつき)のバンドル有無が相違点です。
エントリーモデル(32GB, Officeなし):
37,800円+送料1,620円=39,420円
スタンダードモデル(64GB, Officeつき):
46,440円+送料1,620円=48,060円
※ともに税込価格
今のところEPSONダイレクト限定モデルなので、どうしても送料がかかってしまいます。しかし、エントリーモデルは支払総額で見事に3万円台を達成していますね。Officeを使わない、という人にはOfficeレスで価格を安くするという発想はうれしい限りです。また、現実問題としてOfficeなしだとWindowsタブレットを購入する意味がない、という人も(特にビジネスユースでは)多いと思われますが、その場合でも5万円でお釣りがくる、という価格設定は非常に魅力的です。
せっかくのタブレット、デザインとかスペックにこだわりたいという人はThinkPad 10とかLaVie Tab Wになるんだろうと思いますが、このEndeavor TB20Sは日常の趣味や仕事は問題なくこなせるスペックですし、WindowsXPマシンの買い替えとか初めてタブレットを買おうと思ってるんだけど予算が…という人にはおすすめできる機種だと思います。