こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。今回はドスパラの15.6インチスタンダードノート「Critea DX-KS H3」の実機レビューです。ドスパラ製とはいえ、この製品は特に尖ったところがない、といいますか、むしろ「普通」のノートパソコンです。しかし、「ドスパラ史上最軽量の15.6インチスタンダードノート」で、筐体もリニューアルされています。さて、ドスパラの新生Critea、どんな感じでしょう?
1.スペック
最初にスペック表から。ドスパラの「Critea DX-KS」という製品にはCore i3を搭載する「H3」とCore i7を搭載する「F7」があります。今回レビューするのは「H3」なので、CPUはCore i3-7100Uで固定されます。型番が7,000番台なので、第7世代(Kabylake)となりますが、Core i3の第8世代は「8130U」という型番がノートPC用には存在するものの、まだ搭載製品は出てきていません。
RAMは標準で4GB、注文時のカスタマイズにより8GB/16GBに増設が可能です。ストレージは標準で500GB HDDとなりますが、物理ストレージは2基搭載可能で、SSD + HDDのデュアル構成にすることも可能です。ドスパラはSSDを追加するとOSをSSD側にインストールしてくれますので、個人的にはSSDを追加したほうが一段と快適に使えるだろうと思います。
ディスプレイは15.6インチで解像度はHD(1,366 × 768)にとどまります。また、カスタマイズの対象外になっているため、FHDなどの高精細ディスプレイは選べません。ポート類はごく標準的ですね。USBポートが合計で3つ、HDMIに有線LANポートも装備します。入出力ポートの数と種類には少し厳しい見解を持つウインタブとしては、USBポートがもう一つくらいほしい、というのはありますけど、この構成で特に不満を感じることはないだろうと思います。
サイズのほうは割と標準的です。新製品紹介記事を書く際にいつも言ってますが、15.6インチノートの場合、狭ベセルの製品だと横幅360 mm強、通常の製品だと380 mm程度というのが一般的なので、この製品は特に小さいということはありません。また、厚さ23.9 mmというのも決して厚くはありませんが、非常に薄い、という感じでもないです。重量は1.8 kgなので、かなり軽量ですね。15.6インチだと2 kgを越えるのが普通で、多くの場合2.2 kgくらいはありますから。モバイル利用にはちょっと重いですが、たまに外出先に持ち出すくらいなら大丈夫だと思います。
レビュー機のシステム構成です。ご覧の通り、「Windows 10 Home / Core i3 / RAM4GB / 500GB HDD」となっていて、この製品の標準構成です。
2.筐体
あらかじめお断りを。Critea DX-KS H3は純白の筐体が魅力なのですが、このレビューで掲載する画像は少し黄色っぽく見えています。これは私がこの製品を撮影する際、木目のテーブルを使用したため、筐体にテーブルの色が写り込んでしまっているのが原因だと思います。実際の筐体色は「きれいなホワイト」です。
今回は取扱説明書等はなく、本体とACアダプターのみでした。実際にこの製品を購入される場合、取扱説明書やスタートアップガイドなどが付属すると思います。
ACアダプター一式の重量は実測値で268 gでした。スタンダードノートのACアダプターとしては軽量だと思います。本体も1.8 kgなので、外に持ち出す気になれそうですね。
天板です。実際の色は「純白」ですが、画像が少し黄色っぽくなってしまいました。筐体素材はプラスティックです。しかし、安っぽいという感じは全然ありません。感じ方は人それぞれですが、私が「安っぽい」と感じるのは「素材感(手触りなど)のよくないプラスティックを、あたかも金属製であるかのように塗装しているんだけど、仕上げもよくないので金属っぽくない」みたいなケースです。このCriteaのように、特にプラスティック製であることを隠すこともせず、素材感をいかした手触りに仕上げている場合は全然安っぽさを感じません。むしろ好感が持てます。ちょっとポップな印象もありますね。
右側面です。特にスリムとは感じませんが、スッキリとまとめられている感じはします。主要な入出力ポートはこの面に配置されていて、画像左からUSB 3.0 × 2、HDMI、有線LAN、セキュリティロックスロットとなります。
前面(開口部)です。この面にはポート類はありません。
左側面です。こちらには画像左からDC-IN、USB 2.0、SDカードスロット、オーディオジャックがあります。またLEDインジケーターもあり、画像左から充電、ディスクアクセス、電源オン・オフの状態表示となっています。
背面です。少し目立つ感じで通気口がありますが、ポート類はこの面にはありません。
底面です。ドライバーを使って開口することは可能ですが、メンテナンス用の開口部(ハッチ)はありません。また、バッテリーも着脱式ではないですね。それと、画像中央に穴がありますが、これ、通気口と言っていいのかスピーカーと言っていいのかよくわかりません。後述しますが、音楽などを再生すると、ここからも音が聞こえます。本来のスピーカーはキーボード面にあるはずなので、「位置的にスピーカーユニットに近く、開口しているから音も聞こえる」ということなんだろうと思います。
キーボードです。キーボード面とキーの素材はプラスティック製で、きれいなホワイトになっています。配列についても素直なほうだと思います。矢印キーの周辺の配置が若干乱れてしまうのはノートパソコンとしては仕方のないところでしょう。
キートップはフラットで、特に加工は施されていません。
筐体はこんなデザインです。天板、底面、側面、キーボード面がホワイト、ディスプレイ面がブラックとなります。シンプルかつクリーン、という感じですね。
正面から見てみます。スペック説明でも書きましたが、この製品は横幅382 mmなので、特にベゼルが細いというわけではありません。しかし、配色がいいのか、実物は割と締まって見えます。
ヒンジを最大開口したところです。開口角度は小さめで、最近の製品に見られるリフトアップ構造(天板が底面に潜り込み、筐体後部がせり上がるしくみ)でもありません。ただ、実用性は十分確保されていると思います。
一通り筐体をチェックしてみましたが、筐体の質感は少し独特です。これは、プラスティック素材をあえて素直に見せているせいで、好みの問題だとは思いますが、個人的には変ないやらしさがなく、シンプル&クリーンという印象でした。これまで多くのドスパラ製品をレビューしてきましたが、それらとは異なりますね。新型筐体の良さが出ていると思います。一方で、設計が新しいわけですから、横幅をもう少し小さめに仕上げても良かったような気がします。
3.使用感
ディスプレイ
ドスパラではディスプレイの形式を公開していませんが、おそらくTN液晶です。視野角が狭く、角度をつけて見ると白っぽくなります。視野角以外の点では品質はいいと思います。安物のTN液晶だと画面が変にギラついたりしますが、この製品のディスプレイはそんなことはありません。正面から見た際の発色も非常によく、この点ではIPS液晶と比較してもそん色はないと思います。
一方で解像度がHD(1366 × 768)にとどまっていて、画面の粗さは特に気にならないものの、15.6インチでHD解像度の場合、表示が少し大きすぎると感じる人がいるかもしれません。私は視力が悪いこともあり、この解像度(HDで表示倍率100%)というのは、「恥ずかしながら」むしろ使いやすいと感じますが、画面を広く使いたいという場合は不満を感じるかもしれません。ちなみに、この解像度の場合、Windowsの設定では100%より小さい表示倍率にはできません。
でもリビングルームに置くファミリー用パソコン、またテキストライティングやOfficeソフトがメインという場合は問題ないです。とても見やすい画面ですよ。
スピーカー
スピーカーについても合格点をあげられるレベルだと思います。音質がすごくいい、とは言えませんが、価格からイメージできる水準は軽くクリアしていると思いました。筐体説明のところでも書いたとおり、この製品のスピーカーは、キーボード面の上部、ということでいいと思いますが、実は底面にある通気口状の穴からも音が聞こえます。意図してそうなっているのかはわかりませんが、音質という面ではむしろメリットがあるように感じました。おそらく低音の再現には寄与しているだろうと思います。
サイズが15.6インチということもあり、ステレオ感はしっかり出ますし、聞こえ方も自然です。音質はそれほどクリアであるとは言えませんが、パソコン作業中にBGMを流すくらいなら十分に使えるレベルだと思います。ただし、音量はそれほど大きくはなりません。HPのSpetre 13なんかは、深夜に自室ででもフルボリュームにするのがはばかられるくらいですが、この製品は深夜のフルボリュームでもなんとか大丈夫な感じです(利用環境によります)。また、フルボリュームでも音は割れません。
キーボード
使いやすいですね。この製品は筐体がプラスティック製で、キーボード面とキーも同様にプラスティック製ということもあり、高級な打鍵感ではありません。しかし、キーピッチ、キーストロークとも妥当なサイズになっていて、初めて使ってもミスタイプはほぼ発生しませんでした。打鍵音は「パチパチ(薄型ノートっぽい音)」と「ポコポコ(デスクトップ用っぽい音)」の中間くらいで、音量はそれほど大きくはありませんし、音質も不快感のあるものではありません。ただし、静音というほど静かではないので、図書館などでの利用には気を使うと思います。
あと、ドスパラ製品ですが、Windowsキーはちゃんと左側にありますw
バッテリー
ディスプレイ輝度を75%に設定し、ブラウザーでYouTubeの音楽を流しつつ、テキストエディターで文書作成に30分使用してバッテリー消費量は15%でした。次に、ディスプレイ輝度を50%に落とし、音楽を止めてブラウザーを立ち上げ、随時webで調べ物をしつつ、テキストエディターで文書作成を30分してみたところ、バッテリー消費量は12%でした。
この製品はスタンダードノートではありますが、重量が1.8 kgと軽量なため、毎日ではないにせよ、出先に持ち込んで使うことも可能です。そのためバッテリー性能に関しても一般的なスタンダードノートよりも重要になると思います。
ドスパラの公称値は7.4時間となっていますが、試用してみた感想としては、「そこまでは無理」だと思います。比較的バッテリー消費に気をつかいながら一般的なオフィスワークをこなす場合で、せいぜい5時間くらいでしょう。
4.性能テスト
ウインタブでは比較的レビュー頻度の低いCore i7-7100Uを搭載する製品でもあり、ベンチマークスコアは気になるところです。今回も「ドラゴンクエスト X ベンチマーク」「ドラゴンズドグマオンライン(DDON)ベンチマーク」「3D Mark」「PC Mark」をやってみました。
参考:
NEC LAVIE Direct NEXT(Core i7-8550U): 9,643
HP Spectre 13(2017)(Core i7-8550U): 8,727
HP Spectre x360(Core i7-7500U): 8,385
HP Spectre x2(Core i5-7260U): 8,207
ドスパラ Altair F-13(Core i5-7200U): 8,106
富士通 LIFEBOOK WS1/B3(Core i7-8550U): 8,055
HP ENVY 13(Core i7-8550U): 7,646
DELL XPS 13(Core i5-7200U): 7,405
DELL XPS 13(Core i7-6500U): 7,230
東芝 dynabook VZ72/B(Core i7-7500U): 7,224
FRONTIER NLK(Core i5-7200U): 7,162
富士通 LIFEBOOK WU2/B3(Core i7-8550U): 7,053
NEC LAVIE Direct HZ(Core i7-6500U): 6,986
マウス m-Book F(Core i7-7500U): 6,974
Microsoft Surface Pro(Core i5-7300U): 6,902
Lenovo ThinkPad X1 Carbon(Core i7-6500U): 6,775
HP Spectre 13(Core i7-6500U): 6,505
DELL Inspiron 13 5000(Core i3-6100U): 6,418
Lenovo ThinkPad X1 YOGA(Core i7-6500U): 6,352
Cube Mix Plus(Core m3-7Y30): 6,293
HP Spectre 13 x360(Core i5-6200U): 5,859
Lenovo ThinkPad 13(Core i3-6100U): 5,409
ドスパラ Critea DX-K H3(Core i3-7100U): 5,159
ドスパラ Critea DX11(Core i3-6100U): 4,956
マウス LuvBook J (Core i5-5200U): 4,819
Core i3搭載機としては高いスコアになりました。私が愛用しているThinkPad 13もCore i3機(第6世代)なのですが、さすが第7世代!とちょっと時代錯誤の感想を持ったりして…。この製品はディスプレイ解像度がHDなので、「標準品質」のみをテストしましたが、これなら実際にドラクエで遊べそうです。
参考:
NEC LAVIE Direct NEXT(Core i7-8550U): 4,365
HP Spectre 13(2017)(Core i7-8550U): 3,921
富士通 LIFEBOOK WU2/B3(Core i7-8550U): 3,890
富士通 LIFEBOOK WS1/B3(Core i7-8550U): 3,858
HP ENVY 13(Core i7-8550U): 3,487
ドスパラ Altair F-13(Core i5-7200U): 3,436
DELL XPS 13(Core i5-7200U): 3,379
FRONTIER NLK(Core i5-7200U): 3,326
Lenovo ThinkPad X1 Carbon(Core i7-6500U): 3,260
DELL XPS 13(Core i7-6500U): 3,085
NEC LAVIE Direct HZ(Core i7-6500U): 3,068
HP Spectre 13(Core i7-6500U): 2,869
HP Spectre x360(Core i7-7500U): 2,867
マウス m-Book F(Core i7-7500U): 2,755
Lenovo ThinkPad X1 YOGA(Core i7-6500U):2,751
Microsoft Surface Pro(Core i5-7300U): 2,558
HP Spectre 13 x360(Core i5-6200U): 2,484
Lenovo ThinkPad 13(Core i3-6100U): 2,393
DELL Inspiron 13 5000(Core i3-6100U): 2,387
Cube Mix Plus(Core m3-7Y30): 2,264
ドスパラ Critea DX-K H3(Core i3-7100U): 2,087
ドスパラ Critea DX10(Core i3-6100U): 1,960
マウス LuvBook J (Core i5-5200U): 1,898
続いてDDONです。こちらもCore i3機としては高いスコアになりました。第7世代のCore i5機と遜色ないですね。ただ、「普通」という評価になっていますが、実際にDDONで遊ぶのは少し苦しいかもしれません。
参考:
HP Spectre x2(Core i5-7260U): 1,114、4,389
NEC LAVIE Direct NEXT(Core i7-8550U): 1,097、4,471
富士通 LIFEBOOK WU2/B3(Core i7-8550U): 1,017、4,350
HP Spectre 13(2017)(Core i7-8550U): 1,000、4,304
富士通 LIFEBOOK WS1/B3(Core i7-8550U): 949、4,137
HP Spectre 13 x360(Core i5-7200U): 932、3,994
ドスパラ Altair F-13(Core i5-7200U): 930、4,028
HP ENVY 13(Core i7-8550U): 923、3,857
FRONTIER NLK(Core i5-7200U): 877、3,991
DELL XPS 13(Core i7-6500U): 871、3,710
Lenovo ThinkPad X1 Carbon(Core i7-6500U):857、3,608
マウス m-Book F(Core i7-7500U): 811、3,782
Microsoft Surface Pro(Core i5-7300U): 790、3,812
Lenovo ThinkPad X1 YOGA(Core i7-6500U):784、3,608
HP Spectre 13 x360(Core i5-6200U): 749、3,414
Cube Mix Plus(Core m3-7Y30): 680、2,889
マウス LuvBook J (Core i5-5200U): 626、2,631
Lenovo Miix 700(Core m5-6Y54): 611、2,469
ドスパラ Critea DX10(Core i3-6100U): 577、2,780
※左からFire Strike、Sky Diverのスコア
3D Markでも同様です。この製品、意外にゲーム系には強いですねー。スタンダードノートということもあり、クロックスピードを高めに調整しているのかもしれません。また、冷却ファンですが、ベンチマークテスト中もファン音はそれほど大きくなりませんでした。無理なくスコアが出ている、という感じです。
参考:
NEC LAVIE Direct NEXT(Core i7-8550U): 3,704
HP ENVY 13(Core i7-8550U): 3,534
富士通 LIFEBOOK WS1/B3(Core i7-8550U): 3,479
富士通 LIFEBOOK WU2/B3(Core i7-8550U): 2,873
HP Spectre x2(Core i5-7260U): 2,822
最後にPC Markです。パソコン性能の総合テスト、という位置づけになります。このテストはウインタブではデータが十分に揃っておらず、Core i3機でテストするのは初めてです。なので、確証はありませんが、スコアはかなり良好と思われます。Core i7機、Core i5機と比較してもそれほど遜色がないですよね。
5.まとめ
ドスパラ Critea DX-KS H3はドスパラ公式サイトで販売中で、2月28日現在の価格は56,980円(税込み61,538円、キャンペーン価格)となっています。Core i3を搭載する15.6インチスタンダードノートとしては最安値とはいえないものの、低価格な部類に入ると思います。個人的にはぜひSSDを追加したいところですね。ちなみに128GBのSSDを追加すると7,380円(税込み7,970円)の追加となりますが、期待以上にパフォーマンスが高い製品なので、ストレージをSSDにすると快適性がガラッと変わると思います。
一通り実機を試用してみましたが、新設計の筐体品質はかなり満足の行くものでした。1.8 kgというのは気軽に毎日持ち歩くには少し重いですが、スタンダードノートとしてはかなり軽く感じます。室内でちょっと移動するにも便利ですね。筐体はプラスティック製ではあるものの、ドスパラらしいしっかり感があり、(ゲーミングノートではありませんが)キーボードはある程度強めにタイピングしてもたわんだりしません。そして、ベンチマークテストでも思った以上にいい結果が出ました。
ちょっとマイナスに感じられるのはディスプレイですね。TN液晶であるということはそれほどマイナスには感じませんでしたが、最近は低価格なスタンダードノートでもFHD解像度になっているものが増えていますので、この製品の格から言ってFHDディスプレイであったほうがより高く評価できたと思います。
スタンダードノートというのは様々な利用シーンを想定して作られている製品ジャンルですが、この製品であればビジネス用、家庭用とも不満なく使えるだけの実力はあると思います。難しいのはオンラインゲームくらいでしょうか。また、純白の筐体はとてもきれいなので、リビングルームにおいても映えると思いますよ!
コメント
外観とかVH-ADシリーズに寄せてきたんでしょうかね?
嫌いじゃないというかむしろこっちの方が見た目好きです。
m.os.otaさん、こんにちは、コメントありがとうございます。私も同感です。ヘタに高級感を演出するよりも、ポップな感じで軽快にまとめているのがいいと思います。
こういう普通なのがレビューするの難しいんですよね
プリセットできるデジカメならグレースケールすれば色は引きづられないですよ
オートしかないなら露出補正をプラス側にしていけば強制的に白くすることも可能です
なおさん、こんにちは、コメントありがとうございます。はい、難しいですw 他の製品と異なるところを探さなくちゃいけないという強迫観念みたいなのがありまして。あと、デジカメ撮影もうちょっと勉強します。