記事にアフィリエイト広告を含みます

ドスパラ Altair VH-AD3 - 14インチでApollo Lakeを搭載しつつも「異常なコスパ」のノートPC(実機レビュー)

ドスパラ Altair VH-AD3 正面
こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。今回はドスパラの14インチノートPC「Altair VH-AD3」の実機レビューです。製品の型番が示す通り「Altair VH-AD」という製品シリーズの3世代目、ということになります。ウインタブでは「VH-AD」「VH-AD2」についても実機レビューをさせていただいたことがあり、ある意味「勝手知ったるパソコン」と言えます。

スポンサーリンク

このシリーズはモバイルノートと呼んでも差し支えないくらいのサイズ感(重量は約1.6 kgあるので、やや重いですが)、Celeronでも比較的スペックの高いものを搭載していることによる十分な処理性能を持ちながら3万円前後で購入できる、極めて高いコストパフォーマンスが魅力です。

3世代目となり、CPUも筐体もリニューアルされたAltair VH-AD3、試用するのが楽しみでした!

1.スペック

ドスパラ Altair VH-AD3 スペック表

クリックで拡大します

Altair VH-AD3(以下、VH-AD3といいます)は前身機ではCPUにCeleron N3150を搭載しており、低価格帯の製品によく使われるN3050、N3060よりもワンランク上の処理性能がありましたが、最新モデルではCPUがApollo Lake世代のCeleron N3450に変更されています。

N3450についてはウインタブでも実機をテストしたことがありますが、まだまだサンプル数が少なく、いいとも悪いとも評価できない状態なので、いつも通りベンチマークテストなどをしてみたいと思います。

また、RAMが4GBというのもこの価格帯のノートPCとしてはありがたいところながら、ストレージは32GBと、前身機と同じ構成にとどまりました。後述しますが、この製品はDIYでストレージを増設できるようになっているのですが、OSの入るプライマリーディスクとしては少し不満が残ります。

スペック表上の変更点としてはCPUのほか、Wi-Fiが802.11 a/ac規格(5GHz帯)に対応するようになったこと、USBポートが一つ減ったものの、3.0規格対応のものが2つになったことがあげられます。また、筐体も新しくなりましたが、サイズはほぼ同じで、重量も変わりません。

2.筺体

ドスパラ Altair VH-AD3 同梱物
まずは同梱物から。本体のほか、「はじめにお読み下さい」の小冊子(取扱説明書)、外付けストレージ用のマウンター(自分でHDDやSSDを増設する際に使う台座のようなものです)、電源ケーブルが入っていました。マウンターというのは新鮮に感じられますが、VH-ADシリーズでは「普通」なんですよね。このクラスの製品でこういうことをしてくる、というのがドスパラのいいところです。

ドスパラ Altair VH-AD3 天板
筺体は前身機と同じようにホワイトで、素材はプラスティックです。はっきり言って高級感はありません。しかし、非常に価格コンシャスな製品でもあるので、この辺については文句をいうべきではないでしょう。

ドスパラ Altair VH-AD3 左側面
入出力ポート類は左側面に集中しています。画像左からDC-IN、HDMI、USB 3.0 × 2、SDスロット、オーディオジャックです。残念ながら前身機VH-ADやVH-AD2と比較して、USBポートが「マイナス1」となりましたが、その分「2つとも3.0(前身期は2.0 × 2、3.0 × 1でした)」となっています。

ドスパラ Altair VH-AD3 前面
前面(開口部)です。ここは前身機からデザインが大きく変わりました。VH-AD3のほうがより普通っぽいというか、薄さを感じさせてくれるものになっています。

ドスパラ Altair VH-AD2 前面
ちなみにこちらが前身機です。「途中でスパッと切断して、断面が黒い」という印象で、これはこれでいいアクセントでしたが、若干個性が強かったですよね。

ドスパラ Altair VH-AD2 右側面
右側面です。ポート類はありませんが、外付けストレージを装着するスペースが確保されています。

ドスパラ Altair VH-AD2 ドライブベイ
これ、前身機の画像なのですが、VH-AD3でも同様の構造となっています。同梱物のところで説明したマウンターを使ってSSDやHDD(2.5インチサイズ)を増設することができます。

ドスパラ Altair VH-AD3
背面です。この面にもポート類はありません。前身機はこの部分が黒かったのですが、この製品では普通にホワイトに変更されています。

ドスパラ Altair VH-AD3 底面
底面です。この面の素材もプラスティックです。通気口が見えますが、この製品はファンレス設計となっています。画像の下側左右にスピーカーが見えますね。この製品はしっかりステレオスピーカーが装備されています。

ドスパラ Altair VH-AD3 ななめ
筺体を開きました。デザインは前身機から結構変わっています。タッチパッドのトリミングが目を引きますね。また、筺体も全体に少し丸みが強くなっています。

ドスパラ Altair VH-AD2
ちなみにこちらが前身機です。角ばっているのと、キーボード周りの印象が少し違っているのがわかると思います。どちらのデザインがいいかは好みの問題だと思いますが、使用感は大差ありませんでした。

ドスパラ Altair VH-AD3 キーボード
ドスパラ Altair VH-AD キーボード
いたずらに新旧比較をするのはこれで最後です。上段がVH-AD3、下段が前身機のキーボードとなります。基本的な配列はほぼ変更がありませんが、キーボード面がフラットになり、剛性感が増したという印象です。以前から感想を述べていますが、Enterキーの右にある一列に少しクセを感じます。ちなみに私は他機種でもこんな配列の製品を何度か試用したせいか、今回は特に不満を感じなくなってしまいました。ただ、慣れないとEnterキーとのミスタイプは多少発生すると思います。

ドスパラ Altair VH-AD3 キーボード拡大
キーの表面はフラットで、後述しますが実用性は高く、入力は確実に行なえます。キーピッチ、キーストロークはこのクラスとしては標準的で、高級モバイルノートのキーストロークと比較すると若干深めですね。ただ、好みの差が出るほどのクセは感じませんでした。

ドスパラ Altair VH-AD3 ヒンジ最大開口
ヒンジを最大開口するとこのくらいになります。実用上十分な開口角度だと思います。

スポンサーリンク

Vh-AD3は筺体デザインが変更になったということで、試用前から少し期待していました。私の感想として、特に高級感が出たとかは感じません。ま、キープコンセプトです。ただし、心なしかキーボード面が少し頑丈になったかな、という気がします。ただ、前身機のころから若干チープな感じがしつつも実用性がしっかり確保された筺体だったので、特に不満を感じることはありませんでした。

3.使用感

ディスプレイ

実は歴代のVH-ADシリーズの数少ない泣き所はディスプレイにあります。解像度がHD(1,366 × 768)であるのは価格帯からしてやむを得ません。また、これも価格帯を考えればやむを得ないのかもしれませんが。視野角が狭いです。正面から見る限りは発色もよく、おかしなギラツキもなく、キレイな画面ですが、少し角度をつけると白っぽく見えてしまいます。ノートPCという製品の特性を考慮すれば、これでも十分と言えるのかもしれませんが、ここはウインタブです。日頃タッチ対応のタブレットを使っている人の中には不満に感じる人もいるでしょう。タブレットって、低価格品でもIPS液晶が採用されているのが普通ですし、その結果発色、視野角とも同価格帯のノートPCよりは高水準なんですよね。

キーボード

しばらくテキスト入力をしたり、ブラウザゲームをしたりしてみたのですが、実用品としては高水準で、使っていて大きな不満はありません。強いて言えばキーボードの打鍵感が少しだけプラスティックっぽいかな、と感じます。ただし、私は前身機の実機レビューで「打鍵感はよく、安っぽさは感じない」と書いていて、「この差は何なのよ?」ということになってしまうのですが、「レビュアーが経験を積んだからです」ということでご容赦下さいw 前身機よりも品質が悪くなっている、ということではありませんし、普通に使っていて気になるようなものではありません。

それと、配列は少し慣れが必要です。上に書いたとおり、「Enterキーの右側の一列」というのは、慣れていないと使いにくいと思いますし、Enterキーの誤押下につながるかもしれません。それともうひとつ、左右のShiftキーが少し小さめです。私がよく使うのは左側のShiftキーなのですが、試用中何度も「¥」が入力されてしまいました。というか、「¥」がこの位置ってどうよ?と思ったりするのですが、Shiftキーが小さいことも慣れを要求する点だと思います。ただし、慣れてしまえばそんなに問題はないと思います。

スピーカー

スピーカーは上に書いたとおり筺体の底面左右に配置されます。ステレオ感はしっかり出ますが、音質は「価格なり」です。過度の期待はしないほうがいいですね。実用品レベルとしては十分ですが、音楽鑑賞をするのなら外付けのスピーカーを用意すべきです。

バッテリー

これはApollo Lakeになったせいなのか、かなり改善されたように思われます。ちなみに前身機であるVH-AD2のバッテリー稼働時間は6.9時間、この製品は7.9時間というのが公称値です。「ディスプレイ輝度40%の状態でオンラインゲームのベンチマークテスト、YouTubeの動画視聴、ブラウザゲーム、テキストライティングなどを1時間」やってみて、バッテリー消費は13%でした。なので、この程度の使い方であれば公称値に近い水準の稼働時間は確保できそうに思います。

その他

このほか、ブラウザゲーム「御城プロジェクト:RE」で挙動を確認しました。このゲームはFlashを使うもので、データのロード時間やキャラクター操作のタイムラグをみることによって、体感的なものではありますが、製品の処理性能の差を感じることができます。そのため、ベンチマークソフトのように係数化したデータは取れないものの、私はここ最近の実機レビューでは必ずこのゲームを試すことにしています。この製品の場合、データのロード時間はやや長めとなるものの、キャラ操作のタイムラグは小さく、十分に「やる気がでる」挙動となりました。Atom Z8300(Z8350)搭載機だと、キャラ操作のタイムラグがかなり大きくなり、このゲームを遊ぶのはしんどいと感じるのですが、この製品なら大丈夫かな、と思います。

あと、テキストライティングやWebブラウジングについては、コメントの必要はないと思います。全くストレスを感じませんし、十分快適に使えます。

4.性能テスト

いつものように「ドラゴンクエスト X ベンチマーク」をやってみました。

ドスパラ Altair VH-AD3 ドラクエベンチ
参考:
Cube Mix Plus(Core m3-7Y30): 6,293
Lenovo ThinkPad 13(Core i3-6100U): 5,409
ドスパラ Critea DX11(Core i3-6100U): 4,956
Lenovo Miix 700(Core m5-6Y54): 4,741
DELL XPS 12(Core m5-6Y57): 4,658
Lenovo Yoga 700(Core m3-6Y30): 4,004
GPD WIN(Atom X7-Z8700): 2,829
ドスパラ Diginnos DG-CANPC(Atom X7-Z8700): 2,618
Beelink BT7(Atom X7-Z8700): 2,488
Teclast TBook 16 Power(Atom X7-Z8700): 2,463
ドスパラ Altair VH-AD2(Celeron N3150): 2,381
VOYO VBook V3(Pentium N4200): 2,369
KINGJIM PORTABOOK XMC10(Atom X7-Z8700): 2,304
Jumper EZBook Air(Atom X5-Z8300): 1,929
ドスパラ Diginnos Stick DG-STK4S(Atom x5-Z8500): 1,871
Chuwi LapBook 14.1(Celeron N3450): 1,835
Jumper EZpad mini 3(Atom x5-Z8300): 1,717
MINIX NEO Z83-4(Atom x5-Z8300): 1,683
YEPO 737S(Atom x5-Z8300): 1,631

思ったよりずっと高いスコアとなりました。Apollo Lake機についてはまだサンプル数が少ないのですが、同じCPUでも製品によるバラツキが大きいと感じます。先日レビューしたPentium N4200(VH-AD3に搭載されているCeleron N3450よりも上位のCPUです)搭載のVOYO VBook V3よりもこの製品のほうがスコアが上ですからね。

また、同じCeleron N3450を搭載するChuwi LapBook 14.1だと1,835というスコアになっていますから、それと比較すると段違いの結果です。一応、ドラクエベンチは試行のタイミングでスコアにバラツキが出やすいので、特にApollo Lake機は時間を置いて何度もテストするようにしているのですが、それでもこんなに違ってしまいます。メーカー側で調整している結果だと思いますが、ドスパラは無理なことはしないはずなので、この結果は歓迎していいと思います。

6.まとめ

ドスパラ Altair VH-AD3はドスパラ公式サイトで販売中で、3月7日現在の価格は税抜きで29,800円、税込みで32,184円(セール価格)です。この価格は14インチのApollo Lake搭載ノートPCとしては最安値と言ってよく、その割にRAMも4GBありますし、極めて競争力のある設定だと思います。

私がAltair VH-ADシリーズを試用するのは、上に書いたとおりこれでもう3度めとなります。最新のVH-AD3に関しても総論としては「異常にコスパが高いので、買って間違いないよ」というのが結論であることは変わりません。実際、価格を見ずに製品を使っても、性能面で不満を感じることはほとんどないと思います。筺体の質感はそれほど高くはないですが、実用性を損なうようなものではなく、十分に満足できるでしょう。

しいて要望をあげるとしたら、ディスプレイ品質とストレージ容量、ということになりますが、これらを改善すると当然価格が跳ね上がることにもなりますので、「ないものねだり」をしているのかもしれません。おそらくドスパラは「3万円」という金額を目安にVH-ADシリーズの開発をしていると思うので、これを「4万円」に、また「5万円」にすれば格段に高性能な製品ができるんでしょうが、そうなると、この製品の強みというか他にはない独自性が失われるような気もします。

この製品は国内に競合が存在しないと思います。それくらい価格と性能のバランスが群を抜いています。ストレージが32GBというのが少しだけ懸念材料ですが(ま、ドスパラなんでWindowsの大型アップデートについても、聞いたらちゃんとアドバイスしてくれるでしょうし)、初心者が初めて購入するパソコンとしてもおすすめできます。

7.関連リンク

Altair VH-AD3:ドスパラ公式サイト

スポンサーリンク

コメント

  1. デジノス11L買った匿名 より:

    ¥キーは最近のドスパラPCだと、なぜか大概あそこなんですよね。
    本機のようにbackspaceキーにゆとりがある機種でもあそこです。

    個人的にはbackspaceキーを半角にしてでも本来の位置に置いて欲しいのですが。

    ¥キー自体は殆ど使いませんが、左shiftキーやZキー押す時に邪魔になります。