Microsoftが2024年後半に次期オフィススイート製品、Office 2024をリリースすることを発表しました。主にサブスクリプション版Microsoft 365 Apps(旧Office Pro Plus)を利用できないオフライン環境でPCを使用している企業・個人ユーザーや、メーカー製PCにプリインストールすることを想定している製品で、おそらく今まで通りPOSAカードやオンラインからのダウンロードという形でも一般販売されると思われます。対応OSはWindows 10(32bit・64bit)・Windows 11とmacOSです。
新機能を搭載
Office 2024では現行バージョンとなるOffice 2021の発売以降にサブスクリプション版Microsoft 365 Appsで利用可能になった一部新機能が組み込まれる予定です。具体的には情報管理ソフトのOutlookでは「新しい会議作成オプション」と強化された検索機能が、表計算ソフトのExcelではMicrosoft 365 Apps版で行われたグラフ機能・関数機能の拡充が反映されています。
ただしオンプレミス(自社運用)や完全オフライン環境での利用を想定しているため、Microsoft 365 Appsで利用できる「Microsoft Editor(文章校正機能)」や「Microsoft Copilot」(AI関連の機能)などの一部オンライン機能は利用できません。
現時点では企業ユーザー向けに提供されているLTSC版(Long-Team Servicing Channel)のみ発表されているので、個人向け製品では一部内容が変更される可能性がありますが、チラシ・広告作成ソフトの「Publisher」が廃止され、個別でダウンロードできるグループチャットツールのTeamsも同梱されなくなることが発表されています。
サポート期間は5年
Office 2019までは新機能が追加される「メインストリーム期間」とセキュリティアップデートのみ提供される「延長期間」の2段階でサポート期間が提供されていましたが、Office 2021からは延長サポート期間が廃止され、10年間(メインストリーム5年 + 延長サポート5年)提供されていたサポート期間が5年間に短縮されています。
ちなみにMicrosoft Office 2021のサポート期間は2026年10月13日までとなっているため、同バージョンを使用している方はこの日までにMicrosoft 365 Personal/Familyを契約するか、Office 2024に移行する必要があります。
一般ユーザーはMicrosoft 365 Personal/Familyがお得かも
Microsoft Office 2024はまず法人向けとなるLTSC版の商用プレビューが4月より開始となり、2024年後半に正式リリースされる予定です。一般ユーザー向け製品の詳細は今後発表される予定で、前述のとおりパッケージ製品(POSAカード・ダウンロード販売)とメーカー製PCにプリインストールする形で提供されるOEM(PIPC)版が用意されるものと思われます。
Microsoft Officeは仕事で使う方には必須アプリですし、Microsoft Office 2021のサポート期限が残りわずかになっていることもあり、そろそろ乗り換え時期に差し掛かってきていますが・・・
Office 2016以降、既存のユーザー向けに安価な価格で最新バージョンに更新できる「アップグレード版」が廃止されたため、Office 2024にするにはWord、Excel、Outlookのみの「Personal」でも約4万円で販売されているフルパッケージ版を新規購入する必要があり、さすがに躊躇するという方も多いのではないでしょうか。
Microsoft自身買い切りパッケージ版Officeよりもサブスクリプション版Microsoft 365 Appsにリソースを費やしている印象があり、Microsoft CopilotなどのAI機能も使えて、最大5台のデバイス(Windows、Mac、Androidスマートフォン・タブレット、iPhone・iPad)で同時に利用可能、OneDrive 1TB使用権なども付属するMicrosoft 365 Personal/Familyを契約した方がお得なのではないかな・・・と個人的には考えています。
もちろんオフライン環境でしか利用できないという方や、サブスクリプションサービスの契約に抵抗があるという方もおられるでしょうが、その場合Office 2024を単体で購入するのではなく、おそらく今年後半から販売開始になるであろうOffice 2024プリインストールPCに買い替えてしまった方がいいんじゃないかと思います。