こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。ASUSが1月27日に発表したゲーミングノート「TUF Dash F15 FX516」をいち早く実機レビューさせていただきます。ASUSのTUFブランドは堅牢な筐体と購入しやすい価格で、従来モデルから非常に高い人気を誇っていましたが、今回レビューさせていただくTUF Dash F15は、従来のTUFブランドとはガラッとイメージが変わり、「めちゃめちゃカッコいい!」ゲーミングノートになりました。お世辞抜きに、ウインタブがここ最近レビューさせていただいたノートPCの中でも最高レベルのカッコよさだと思っています。
もちろんカッコいいだけではなく、最新のCPUとGPUを搭載し、周辺のスペックも非常に高くなっていますので、性能の面でも大いに期待ができる製品です。さっそくチェックしてみましょう。
目次
1.スペック
TUF Dash F15 FX516 | |
OS | Windows 10 Home |
CPU | Intel Core i7-11370H |
外部GPU | NVIDIA GeForce RTX 3070(8GB) |
RAM | 16GB(DDR4-3200) |
ストレージ | 512GB/1TB SSD(PCIe3.0 ×4) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 15.6インチ(1,920 × 1,080)60Hz/144Hz/240 Hz |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.1 |
入出力 | USB Type-C(Thunderbolt 4)、USB 3.2 Gen1 × 3、HDMI、オーディオジャック、LAN(RJ45) |
カメラ | なし |
バッテリー | 稼働時間約12.6時間 |
サイズ | 360 x 252 x 19.9-20.9 mm |
重量 | 2.1 kg |
バリエーションモデルは3つ
FX516PR-I7R3070ECG:ストレージ1TB / 240Hzディスプレイ
FX516PR-I7R3070ECW:ストレージ1TB / 240Hzディスプレイ
FX516PR-I7R3070GP:ストレージ512GB / 144Hzディスプレイ
上の2つは全く同じシステム構成ですが、筐体色が異なり、上(型番末尾ECG)はエクリプスグレー、下(型番末尾ECW)はムーンライトホワイトとなります。また、一番下(型番末尾GP)は筐体色エクリプスグレーで、この型番のみ発売が「2月上旬」です。
今回実機レビューするのは上から2番目の「FX516PR-I7R3070ECW」です。
最新のCPUとGPU
ゲーミングPCの心臓部とも言えるCPUとGPUが「超最新」です。CPUは第11世代(Tiger Lake H35)のCore i7-11370H、GPUはGeForce RTX3070と、2021年1月にリリースされた最新の型番を搭載していて、もちろんウインタブでもこの構成の実機に触れるのはこれが初めてです。ゲーミングノートとしては上位クラスの構成と言え、ベンチマークテストでは「Core i7-10750H/RTX2070」という、ひとつまえの構成の既存製品とどのくらいの差になるのかが楽しみです。
高リフレッシュレート・高画質なディスプレイ
TUF Dash F15のディスプレイは2バリエーションあり、下位モデルでも144 Hz、上位モデルだと240 Hzと高速です。また、このディスプレイは単に高リフレッシュレートなだけでなく、応答速度も3msと高速、Adaptive-Syncにも対応し、さらにsRGB100%の発色になっていますので、ゲームだけでなく、クリエイティブワークにも向きます。
Thunderbolt 4搭載
私事で恐縮ですが、先日モバイルモニターの実機レビューをしまして、Thunderboltの有用性を改めて感じています。USB Type-Cポートには「データ伝送のみ」と「ディスプレイ出力やUSB PDもサポート」など、複数の種類があります。またポート形状はUSB Type-Cで、(ほぼ全て)USB Type-Cポートとしても使える「Thunderbolt 3もしくは4」という規格があり、Thunderboltはさらに「PCI Expressもサポート」します。ディスプレイ出力だけなら必ずしもThunderboltである必要はありませんが、PCI Expressもサポートするということになれば、外部GPU(GPU BOX、eGPU)の接続も可能になるなど、有用性がさらに向上します。
TUF Dash F15は本体のシステムスペックが非常に新しくて優秀なので、すぐにGPU BOXの接続が必要とは思いませんが、個人的にはこの先、中上位クラスのノートPCはThunderbolt(この先はUSB 4/Thunderbolt 4が主流になると思います)を装備しているのが製品選びの一つの基準になるのではないか、と思っています。
スリムでタフな筐体、でもカメラなし
その名の通り「タフ」な筐体を備えていて、ミリタリーグレード(MIL-STD-810H、米国国防総省物資調達基準)に適合しています。また、タフなだけでなく、ゲーム以外の用途でも使いたくなるスリムで美しいデザインです。
珍しいのが「Webカメラがない」という点です。デザインをより美しく見せるというメリットがあるものの、ZoomなどのWebミーティングでは外付けのカメラが必要になります。
では、筐体を見ていきましょう。
2.筐体
同梱物です。今回は発売前のものをお借りしていますので、正式なものではない可能性があります。簡単な取扱説明書(クイックスタートガイド)と広告の冊子が少々。ゲーミングノートということでACアダプターは200Wの大型タイプですが、重量の実測値は588 g(電源ケーブル込み)と、比較的軽量です。
天板です。レビュー機の筐体色は「ムーンライトホワイト」といいますが、「純白」に近い、非常に美しい白でした。この画像の下部がヒンジ側ですが、ヒンジに近い部分が大きくくぼんでいます。この形状は最近のASUS製ゲーミングノートによく見られるもので、通気性能・冷却性能を向上させるため、と説明されています。
それ以外に天板に凹凸はなく、しばしばゲーミングノートに見られるライティングやイルミネーションもありません。ただ、大きく「TUF」とペイントされていて、「元気がいい」PCと感じさせてくれます。また、筐体素材は樹脂ですが、天板のみ金属製(アルミ製と思われます)です。
底面です。ユーザーの開口は可能ですが、気軽にメンテナンスできるようなハッチはありません。また、「足が長い」といいますか、ゴム足が結構な高さになっています。この構造もおそらくは(接地面に空洞を作り)冷却性能を高めるためのものと思われます。
画像下部が手前側ですが、左右にスピーカー穴があります。
前面にはポート類・ボタン類はありません。エッジが効いた、スクエアな形状になっています。
背面です。大きな通気口がありますが、ポート類やボタン類はありません。
左側面です。画像左からDC-IN、有線LAN、HDMI、USB Type-A、USB Type-C(Thunderbolt 4)、そしてイヤホン/マイクジャックがあります。ゲーミングノートなので音声入力と出力のジャックは別々にあったほうが良かったかもしれません。
右側面です。画像左からUSB Type-A × 2、通気口を挟んでセキュリティロックスロットがあります。USBポートの数は十分ですし、Thunderbolt 4も搭載していますので、当座ポート不足を感じることはないでしょう。ただし、SD(microSD)カードリーダーがない、という点は注意しておくべきかと思います。
キーボードです。15.6インチサイズながらテンキーは装備していません。以前は15.6インチノートにテンキー、というのは常識のようなものでしたが、最近はゲーミングノートを中心にテンキーなしのものが増えています。数値入力が多いという人には不便かもしれませんが、ゲームプレイを念頭に置くのであれば、ホームポジションが筐体の中央になるテンキーレスのほうが使いやすいと思います(テンキーがつくと、アルファベットキーが左側に寄ってしまいますよね?)。
キーピッチは左右方向に19 mm、上下方向に18 mmと、ノートPCとしてはほぼ標準的なサイズです。ゲームプレイであってもテキストライティングであっても、狭苦しさを感じることはないでしょう。また、キーストロークはノートPCとして標準的~若干深めくらいです。
それと、キーボード面上部に「ホットキー」が設けられており、音量上下やマイクオフ、設定アプリ「Armoury Crate」の起動がワンボタンで可能です。
ゲーミングノートらしくW,A,S,Dキーのみキートップの素材とデザインが異なります。この製品のバックライトは「グリーンの単色」ですが、バックライト点灯時はW,A,S,Dキーがグリーンに明るく光ります。バックライトの輝度は3段階に調整可能です。
正面から見たところです。ご覧のように上部と左右のベゼルが非常に細くなっていて、ゲームプレイ時の没入感を高めてくれます。
繰り返しになりますが、この製品にはWebカメラがありません(ゆえに上部ベゼルも非常に細い)。ASUSのゲーミングノートにはしばしばWebカメラなしのものが見受けられますが、ノートPC全体としてみれば「レア」ですね。ほとんどの人は「ノートPCにWebカメラがあるのは常識」と考えているでしょうから、この点には注意して下さい。まあ、外付けのWebカメラは2,000円とか3,000円くらいで高品質なものが手に入るんですけどね。
ディスプレイはノングレア(非光沢)タイプです。また、メーカーサイトには記載がありませんが、視野角が広く「IPS相当」の液晶が使われています。
この画像は「できるだけ映り込みが激しくなるように」して撮影しましたが、ご覧のように映り込みは小さく、使う場所を選びません。
ヒンジの開口角度は普通くらいですね。最近良く見かける180度開口ではありませんが、ゲーミングノートとしては問題なく使えると思います。また、この画像を見ると「エルゴリフトヒンジ構造(ヒンジ開口時に筐体後部がせり上がり、キーボード面に適度な角度がつく構造)」っぽいですが、そうではありません。上に書いたように底面のゴム足がやや高い(大きい)ので、エルゴリフトっぽく見えるだけです。
一応「向かい側の席」からどう見えるか、という画像も掲載しておきます。LEDライトやイルミネーションこそありませんが、「それなりに派手」ではあります。個人的にはこのデザインはすごく好みで、カッコいいとも思います。まあ、ゲーミングノートですし、もちろんそこらへんのノートPCとは比較にならないくらいの高性能マシンでもありますので、このくらい目立っていいんじゃないでしょうか。
3.使用感
キーボード
「ゲーミングノートあるある」の話ですが、この製品のキーボードは打鍵音が非常に静かです。ゲーミングノートはゲームプレイ中に「強打」されることを想定して作られていますので、キーボードも頑丈です。ということで、多少強めに打鍵してもキーボード面がたわんだりせず、おそらく「頑丈さの副産物」として打鍵音が静かなんですよね。また、押下圧(キーの重さ)はやや大きめと感じましたが、使っていて疲れる、という感じではありません。むしろ確実な打鍵感が得られますので、個人的には好感を持ちました。
実際にFPSゲームをプレイしてみましたが、キーピッチが十分にありますし、キーの「押しごたえ」もあり、全く問題ありませんでした。また、このキーボードにはホットキーがあり、マイクのオン/オフや音量調整のために独立したキーが割り当てられていますので、特にゲームプレイ中は便利に使えると思います。
スピーカー
TUF Dash F15は底面にステレオスピーカーを搭載しています。
また、音響アプリとして「DTS:X Ultra」が入っています。DTS:X Ultraにはグラフィックイコライザーや「オーディオカスタム」機能もあります。
いろいろ設定を変えて音楽を聴いてみましたが、DTSの音楽モードにして「素で聴く」のが最もバランスが良く、そのままで十分音楽を楽しめました。下手にイコライザーとかオーディオカスタム機能を使わないほうがいいかも。EDMなどパワフルな音楽を聴く場合はイコライザーが役に立つと思いますが、基本的に「何もしなくても十分」な音質です。音楽鑑賞でもゲームでも十分楽しめると思いますが、FPSなど、音の方向が重要になるようなゲームの場合はヘッドセットを使うほうがいいと思います。まあこの点はゲーミングPCであればどれも似たようなものだと思います。
ディスプレイ
TUF Dash F15のディスプレイは非常に高品質です。真っ先に目が行くのが「240 Hzのリフレッシュレート」です。このリフレッシュレートはゲームの大会で使われる機材と同じもの、という話を某メーカーの人から聞いたことがありますので、ある意味大会レベルのゲーマーにふさわしい品質といえます。
画質のほう、手持ちのディスプレイと比較してみました。今回は14インチで4K解像度のモバイルモニターも比較対象にしています。
結論から言うと、手持ちの4Kモバイルモニターの発色性能には及びません。ただし、モバイルモニターはグレア(光沢)タイプでTUF Dash F15はノングレア(非光沢)タイプなので、ある程度やむを得ない結果だとは思います。一方で、さすがsRGB100%を謳っているだけあり、手持ちのノートPC(ノングレアタイプの液晶を搭載するMSI GP65 Leopard)よりも発色は鮮やかで自然な感じでした。GP65もかなり高品質なディスプレイなんですけどね。
この製品のディスプレイ品質であれば、繊細な色の識別が必要なお仕事をしている人でも不満なく使えるんじゃないか、と思います。
バッテリー
最初に言っておきますと、オンラインゲームをプレイするのなら電源接続は必須です。バッテリー稼働の場合、バッテリー消費が激しくなるだけでなく、そもそもパフォーマンスが全然出ません。これはTUF Dashだけに言える話ではなく、すべてのゲーミングノートに共通する話です。
ただし、TUF Dash F15はゲーム以外の用途でも使いたくなる製品ですし、実際にビジネス目的で外に持ち出す可能性も十分あると思いますので、非ゲーミング用途の場合のバッテリー稼働について、少しテストしてみました。
●ディスプレイ輝度100%でWebブラウジングとテキストライティングを30分
●ディスプレイ輝度50%、ボリューム35%でYouTubeの動画視聴を30分
※Armoury Crateのモードは「サイレント」
パフォーマンス設定を低く抑え(これでも十分過ぎるくらいの性能はあります)、上記の通り1時間ほどバッテリー稼働をしてみたところ、バッテリー消費は11%でした。この使い方だと単純計算で9時間はもつ、ということになります。レビュー機が新品のコンディションであったことを差し引いても、かなり優秀なバッテリー持ちだと思います。あくまで「ゲームをしない前提」ではありますが、これならビジネス・スタンダードノートとしても十分使えますね。
Armoury Crate
ASUSのゲーミングPCには設定アプリ「Armoury Crate」がインストールされています。この画像は「システムモニター」機能ですが、左下に「サイレント」とか「Turbo」といったモードを切り替えるところがあります。上のバッテリー稼働のテストでは「サイレント」モードにしましたが、これから記載する「性能テスト」では「Turbo」モードにして測定しています。
Armoury Crateではこの他「Game Visual」という、プレイするゲームの種類やゲーム以外の利用シーンに合わせてレディメードで画質を調整してくれる機能や、プレイするゲームに応じて各種設定をプリセットできる機能なども搭載されています。TUF Dash F15を購入したら真っ先にチェックしておきたいアプリです。
4.性能テスト
ゲーム・グラフィックテスト
3D Mark
参考:
ASUS ROG Strix SCAR 15(i9-10980HK、RTX2070SUPER):8,435、20,017、47,193
Lenovo Legion 750i(Core i7-10750H、RTX2080SUPER Max-Q):8,156、18,070、40,408
MSI GE66 RAIDER(i7-10875H、RTX2070):7,882、18,288、46,133
MSI GP75 Leopard(i7-10750H、RTX2070):7,415、17,589、40,262
HP ENVY 15(i9-10885H、RTX2060 Max-Q):5,597、13,382、33,102
ASUS ROG Zephyrus G14(Ryzen9 4900HS、RTX2060 Max-Q):-、13,719、31,513
※左からTime Spy、Fire Strike、Sky Diverのスコア
※CPUが第10世代Core、もしくは第3世代Ryzen搭載のノートPC
※ROG Zephyrus G14はTime Spyのデータなし
まずはグラフィック性能を測定する3D Markのスコアから。TUF Dashのシステム構成「Core i7-11370H/GeForce RTX3070」の前身スペックと言えるMSI GP75 Leopardとのスコア差に注目していましたが、Sky Diver以外はTUF Dashのほうが上回りました。ただし、その差はそれほど大きくはありません。というか、ごくわずか、という感じですね。
参考
ASUS ROG Strix SCAR 15 G532LWS(i9-10980HK、RTX2070SUPER):5,049
Lenovo Legion Y740(17)(i7-9750H、RTX2080Max-Q): 4,491
MSI GP75 Leopard(i7-10750H、RTX2070):4,446
HP OMEN X 2S 15(i9-9880H、RTX2080 Max-Q):4,216
ドスパラ GALLERIA GCF2070NF(i7-8750H、RTX2070): 4,198
ASUS ROG Zephyrus S GX502GV(i7-9750H、RTX2060): 3,641
MSI GP65 Leopard(i7-9750H、RTX2060): 3,503
MSI GL63 8SE(i7-8750H、RTX2060): 3,246
HP ENVY 15(i9-10885H、RTX2060 Max-Q): 3,150
ASUS ROG Zephyrus S GX502GV(i7-9750H、RTX2060):3,123
ドスパラ GALLERIA GCF2060GF-E(i7-8750HRTX2060 Max-Q): 2,955
次に「リアルタイムレイトレーシング」の性能を測定する3D Mark内のテスト「Port Royal」です。ここでは顕著に高いスコアになったと感じます。RTX30シリーズはリアルタイムレイトレーシング性能が特に大きく向上しているという印象です。
Final Fantasy 15
参考:
ASUS ROG Strix SCAR 15(i9-10980HK、RTX2070SUPER):8,946
Lenovo Legion 750i(Core i7-10750H、RTX2080SUPER Max-Q):8,431
MSI GE66 RAIDER(i7-10875H、RTX2070):8,230
MSI GP75 Leopard(i7-10750H、RTX2070):7,995
ドスパラ GALLERIA GCR2070RNF(i7-9750H、RTX2070):7,440
MSI GL63(i7-8750H RTX2060) :6,982
ドスパラ GALLERIA GCF1070NF(i7-8750H GTX1070):6,691
HP ENVY 15(i9-10885H、RTX2060 Max-Q): 6,068
ASUS ROG Zephyrus G14(Ryzen 9 4900HS、RTX2060 Max-Q):6,041
次にオンラインゲーム「ファイナルファンタジー15」のベンチマークスコアです。これはイマイチですね。いや、全然悪くないスコアなんですけど、RTX30シリーズの性能向上があまり感じられません。個別のゲームなので、ここはあまりこだわっても仕方ないか?
CPUテスト
CINEBENCH R23
参考:
ASUS VivoBook S15 K513EA(Core i7-1165G7): 1,342、5,788
MINISFORUM EliteMini X400(Ryzen 5 PRO 4650G):1,245、8,651
Lenovo IdeaPad Flex 550 14(Ryzen 7 4700U):1,140、6,710
MINISFORUM H31G(Core i5-9500F):1,105、5,922
MSI GP65 Leopard(Core i7-9750H)(注):1,077、5,999
ひつじ 自作PC(Core i7-6700 GTX980ti):1,031、5,078
ASUS ZenBook 14(Core i5-8265U)(注):1,023、3,691
Microsoft Surface Laptop Go(Core i5-1035G1(注):1,006、3,559
ひつじ 自作PC(Core i3-7100T):840、1,826
HP Pavilion x360(Core i5-7200U)(注):790、1,740
※左から順にシングルコア、マルチコアのスコア
(注)ノートPC、(注)ないものはデスクトップPC
続いてCPU性能だけを測定するCINEBENCH R23のスコアです。CINEBENCHはつい最近バージョンアップしたところで、前バージョンの「R20」とはスコアの互換性がないため、過去データが十分ではありません。しかし、Tiger LakeのCore i7-1165G7や第3世代のRyzen 7 4700Uよりも高いスコアをマークしていますね。まだサンプル数が少ないですが、Tiger Lake H35の性能はかなり高いと言えます。
PC総合テスト
PC Mark
参考:
HP OMEN X 2S 15(i9-9880H、RTX2080 Max-Q):6,447
Lenovo Legion Y740(17)(Core i7-9750H、RTX2080Max-Q): 6,151
MSI GE66 RAIDER(i7-10875H、RTX2070):6,081
ASUS ROG Strix SCAR 15 G532LWS(i9-10980HK、RTX2070SUPER):6,023
ASUS ROG Zephyrus G14(Ryzen 9 4900HS、RTX2060 Max-Q):5,852
Lenovo Legion Y740(15)(Core i7-9750H、RTX2070 Max-Q): 5,830
ASUS ZenBook Pro Duo UX581GV(Core i9-9980HK、RTX2060): 5,727
MSI Bravo 15(Ryzen 5 4600H、Radeon RX5300M): 5,635
Lenovo Legion Y7000(Core i7-9750H、GTX1650): 5,618
ドスパラ GALLERIA GCR1660TGF-QC-G(Core i7-9750H、GTX1660Ti): 5,573
ASUS ROG Zephyrus S GX502GV(Core i7-9750H、RTX2060): 5,506
ドスパラ GALLERIA GCR2070RNF(Core i7-9750H、RTX2070): 5,505
DELL G7(Core i7-8750H、GTX1060): 5,401
ドスパラ GALLERIA GCF2060GF-E(Core i7-8750H、RTX2060): 5,328
MINISFORUM EliteMini X400(Ryzen 5 PRO 4650G):5,304
ドスパラ GALLERIA GCF1070GF(Core i7-8750H、GTX1070): 5,122
ASUS ZenBook 14 UM4125IA(Ryzen 7 4700U): 5,014
MSI GF75 Thin(Core i7-8750H、GTX1050Ti): 5,009
グラフィックだけでなく、表計算ソフトやビデオチャットなどもシミュレートする、PCの総合性能テスト、PC Markのスコアです。CPU性能の差が出やすいとされていますが、テスト項目にグラフィック関連のものも含まれるので、GPU性能もスコアに影響します。
ここでも高いスコアが出ました。上から3番めにMSI GE66 Raiderのスコアがありますが、この製品のCPU「Core i7-10875H」は8コア16スレッドと、ゲーミングノートに一般的に使われているCore i7-10750H(6コア12スレッド)よりもずっと高性能です。それを踏まえると、TUF Dashのスコアは相当に高いと言えるでしょう。
ストレージテスト
Crystal Disk Mark
最後にストレージの読み書き速度を測定するCrystal Disk Markのスコアです。TUF Dash F15のSSDはPCIe 3.0の×4接続ですが、ご覧の通りめちゃめちゃ高速です。この水準ならストレージ速度に不満を感じる人はまずいないだろうと思います。ゲームプレイ以外の場面ではもはやPCIe x2接続との速さの違いを認識できないくらいのレベルだと思います。たぶんExcelのアイコンをクリックする前にExcelが起動するんじゃないでしょうか(冗談です)。
一通りベンチマークテストをしてみましたが、どちらかというとCPU性能の伸びが大きいと感じました。GeForce RTX3070はレイトレーシングの性能が大きく向上していると感じられたものの、汎用のゲーミングベンチマークである3D MarkのTime SpyやFire Strikeのスコアに関しては「決して悪くはなく、十分に高性能だが、RTX2070とそこまで顕著な差は感じられない」という印象です。
ただ、ノートPC用のRTX30シリーズをテストするのは今回が初めてですし、この先ドライバーのアップデートなどもあると思いますので、RTX20シリーズとの差は拡大すると思います。
発熱について
1時間ほどオンラインゲームをプレイしてみましたが、発熱は「常識の範囲内」というか、それなりには熱くなるものの、パフォーマンスの低下を感じることもなく、全く問題はないと思います。また、発熱する箇所はキーボード面の上部(これも普通ですね)で、タイピングに影響を及ぼす部位ではありませんので、不快に感じることもないと思います。
5.まとめ
ASUS TUF Dash F15はASUSストアで1月27日に発売(FX516PR-I7R3070GPのみ2月上旬発売)されました。また、ASUSからウインタブ読者に限定クーポンを頂いております。ニューモデルの発売と同時に限定クーポンをいただくのはウインタブ史上初です。ASUSにはこの場にて御礼申し上げます。ありがとうございました。
●クーポンコード:WinTab_New_ROG2021_1
●対象期間:1/27-2/4
●割引内容:5%OFF+送料無料
●対象機種:
・FX516PR-I7R3070ECG
・FX516PR-I7R3070ECW
・FX516PR-I7R3070GP
※TUF Dash F15の全モデルが対象
・G733QS-R9XR3080EC3
・G533QS-R9XR3080EC
※上記2機種は同時発売のROG Strix SCAR 15&17
通常価格およびクーポン割引後価格は下記のとおりです。
●FX516PR-I7R3070ECG(1TB SSD/240Hz DP、グレー)
●FX516PR-I7R3070ECW(1TB SSD/240Hz DP、ホワイト)
通常価格199,818円(219,800円)→ 割引後189,827円(208,810円)
●FX516PR-I7R3070GP(512GB SSD/144Hz DP、グレー)
通常価格181,636円(199,800円)→ 割引後172,554円(189,810円)
※カッコ内は税込み価格
※この製品は「30日間返品保証」がつきます。詳しくはこちら
レビューを終えてみて、この製品は「買い」と断言できます。まず、ゲーミングノートとしてのスペックが「とにかく新しい」こと。この点はゲーミングPCという製品ジャンルの特性上、極めて重要なポイントです。次にCore i7-11370HとRTX3070という、上位スペックの製品であるにも関わらず、価格がかなり低めに設定されていること。CPUもGPUもこの先時間の経過とともに製品価格が下がっていくものとは思いますが、現時点では非常にお買い得感が高いと思います。
そして、個人的にはこの点を最も強調したいのですが、筐体のデザインが異常なくらいにカッコよく、しかも堅牢・剛性感抜群なことです。このカッコよさは「いかにもゲーミングノート」的なものではないし、逆に老成しているという方向性でもありません。老若男女誰が使ってもカッコいいはず。レビュー機は筐体色が「ムーンライトホワイト」でしたが、他に「エクリプスグレー」という、少し落ち着いた色も選べます。私としては「いやどう考えてもムーンライトホワイトでしょ!」とは思いますが、この点はお好みで決められたらいいかと思います。
ここ最近で最も興奮した実機レビューでした。
6.関連リンク(ASUS Store)
FX516PR-I7R3070ECG(1TB/240Hz、グレー)
FX516PR-I7R3070ECW(1TB/240Hz、ホワイト)
FX516PR-I7R3070GP(512GB/144Hz、グレー)
※この製品は「30日間返品保証」がつきます。詳しくはこちら