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ASUS Gaming V16 V3607 レビュー - RTX 50シリーズ対応、デザインと使い心地をチェック(GPUベンチなし)

ASUS

ASUS Gaming V16 V3607 レビュー
ASUSのノートPC「ASUS Gaming V16 V3607」の実機レビューです。ASUSのゲーミングブランドには「ROG」と「TUF Gaming」がありますが、V16はそのどちらのシリーズにも属さず、メーカーサイトでは「ASUS Gaming」というカテゴリ分けがなされています。

メーカーでは「ゲームとクリエイティビティの無限の世界へとアクセスできるパスポート」と称しており、PCゲームもコンテンツクリエーションもこなせる、高性能で多彩な使い方ができる製品と言えます。

なお、このレビューはメーカーより実機の貸し出しを受け、実施しています。

おことわり:このレビューではゲーミングPCで重要なGPU性能の測定ができておりません。よって、主に筐体の各部説明やディスプレイ、キーボードなどの使用感のレビューが中心となります。大変申し訳ありませんが、ご了承のほどお願いいたします。

ここがおすすめ
・GeForce RTX 50シリーズの設定がある
・コンテンツクリエーションやビジネスにも向くデザイン
・打鍵感の良いキーボード
・下位グレードは購入しやすい価格
ここはイマイチ
・ゲーマーにはおとなしすぎるデザインかも?
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1. スペック表

項目 仕様
OS Windows 11 Home
CPU Intel Core 5 210H/Core 7 240H
GPU NVIDIA GeForce RTX 4050 Laptop GPU
GeForce RTX 5050 Laptop GPU
GeForce RTX 5060 Laptop GPU
RAM 16GB/32GB(DDR5-5600、最大32GB) 
ストレージ 512GB/1TB SSD (PCIe4.0 x4接続 NVMe/M.2)
ディスプレイ 16インチ (1,920 x 1,200) 144 Hz
無線通信 Wi-Fi 6、Bluetooth 5.3
ポート類 USB 3.2 Gen1 Type-C(映像出力/PD対応)
USB 3.2 Gen1 Type-A × 2
HDMI、オーディオジャック
カメラ Webカメラ(207万画素)
バッテリー 63Wh
サイズ 357.0 × 250.7 × 18.0-22.0 mm
重量 1.95 kg

2. バリエーションモデル

・V3607VU-C5165R4050W:Core 5/RTX 4050/16GB/512GB
・V3607VU-C7165R4050W:Core 7/RTX 4050/16GB/512GB
・V3607VH-C5161R5050W:Core 5/RTX 5050/16GB/1TB
・V3607VH-C7165R5050WP:Core 7/RTX 5050/16GB/512GB
・V3607VM-C7161R5060W:Core 7/RTX 5060/16GB/1TB
・V3607VM-C7325R5060W:Core 7/RTX 5060/32GB/512GB
・V3607VM-C7321R5060W:Core 7/RTX 5060/32GB/1TB

レビュー機はV3607VH-C7165R5050WPです。また、このモデルのみOffice互換ソフトのWPS Officeが付属します

3. 外観

天板と底面

ASUS Gaming V16 V3607 天板

天板です。天板素材は金属製で筐体色はブラック、ご覧の通りASUSのロゴがあるだけのシンプルなデザインです。「いかつい」外観になっていることが多いASUS製のゲーミングノートとしてはかなりおとなしめです。このあたり、「ゲーミング一辺倒ではない製品特性」がうかがえます。

ASUS Gaming V16 V3607 底面

底面です。樹脂製でこちらもシンプルなデザインですね。左右にスピーカーグリルがあるものの、ユーザーが簡単に筐体内部にアクセスできるような開口部(ハッチ)はありません。

側面

ASUS Gaming V16 V3607 前面

前面です。ポート類やボタン類はなく、中央にWebカメラの物理シャッターボタン(レバー)がついています。

ASUS Gaming V16 V3607 背面

背面です。通気口が大きめで、ここはゲーミングノートっぽさを感じます。ポート類やボタン類はありません。

ASUS Gaming V16 V3607 左側面

左側面です。画像左からDC-INジャック、HDMI、USB 3.2 Gen 1 Type-A、USB 3.2 Gen 1 Type-C、イヤホンジャックがあります。USB Type-Cポートは映像出力とUSB PDにも対応します。

ASUS Gaming V16 V3607 右側面

右側面にはUSB 3.2 Gen 1 Type-Aのみ。ポート数は16インチノートとしてはやや少なめで、Gen 2規格(転送速度10Gbps)やThunderbolt 4などの高規格なものはありません。

ASUS Gaming V16 V3607  側面拡大

すみません、ちょっとピントが甘くなりました。側面には薄っすらと模様が入っています(ツイルテクスチャーディテール)が、正直なところほとんど目立ちません。

キーボードと使用感

ASUS Gaming V16 V3607 キーボード

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ASUS Gaming V16 V3607 キーボード(バックライトON)

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キーボードです。キーピッチは手採寸で19 mm弱(18.6-18.8 mmくらいか)で狭苦しさはありません。ただしテンキー部分はキーピッチは狭く、また右下の方向キーのサイズも小さく、これらのキーを多用する場合は少し慣れが必要かと思います。ゲーミングノートPCらしく作りが頑丈で、多少強打してもたわんだりしません。このことは打鍵感の良さや静音性につながっています(いやほんと、ゲーミングノートのキーボードは見た目によらず静音であることが多いんです)。

バックライト色は「ターボブルー」といいます。思ったほど派手ではないので、ゲーミング以外の用途でも違和感は大きくないと思いますが、W,A,S,Dキーと方向キーはキートップがクリアタイプになっていますので、点灯時は目立ちます。…まあ、このくらいはゲーミングPCっぽさがあっても良いんじゃないかと思います。

バックライトを消灯すると薄暗い場所ではキーボード面の印字が見にくくなるので、レビュー期間を通じ、常にバックライトを(3段階の明るさのうち、一番暗くして)点灯していました。

ディスプレイと使用感

ASUS Gaming V16 V3607 ディスプレイ

ディスプレイは16インチで解像度はWUXGA(1920×1200、アスペクト比16:10)、リフレッシュレートは144Hzです。いまや144Hzのリフレッシュレートはそこまで高速とも言えませんが、ゲーミングPCとしての水準はクリアしていると思います。

発色のほう、「並」クラスです。手持ちのPCモニター(100%sRGBのもの)と比較してみましたが、やや色味が淡く感じられ、それほど鮮やかには感じられませんでした。おそらく「45%NTSC」クラスの発色品質だと思います。この製品を単体で使う分には不満を感じないと思いますが、100%sRGBなど高発色のモニターと比較すると少し色味は劣りますね。

筐体その他

ASUS Gaming V16 V3607 ヒンジ最大開口

ヒンジの開口角度は大きく、ほぼ水平位置(180度)まで開口可能です。

スピーカーの使用感ですが、音楽も気持ちよく聴けるクリアな音質です。ただ、思ったよりも音量が小さめで、それもあって音圧は今一つおとなしい感じがしました。PCの内蔵スピーカーとしては高水準と評価できます。

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4.性能テスト

ベンチマークテスト

ASUS Gaming V16 V3607 MyASUS

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ベンチマークテストの実施にあたり、ASUS Gaming V16を電源に接続し、アプリ「MyASUS」のファンモードを「フルスピードモード」に、GPUモードを「スタンダード」に設定しました。この設定により、最も高いパフォーマンスを発揮できるはずです。

なお、今回のレビューではGPU周りの測定結果を掲載できません。3D Markやモンハンワイルズ、FF15のベンチマークテストなどを実施したところ、異常値としか思えないスコアになったためです(モンハンワイルズでは最低画質でも「動作困難」、FF15ベンチでは高品質でRTX4050搭載機よりも45%も低いスコアでした)。レビュアーの私の設定方法に問題があった可能性もありますし、レビュー機のコンディションに問題があったかもしれません(ASUSにはその旨報告済みです)。ともかく、このレビューでGPU系のベンチマークスコアをそのまま掲載すると読者に誤った情報を提供することになると判断しました。大変申し訳ありませんが、何卒ご了承ください。

ASUS Gaming V16 V3607 CINEBENCH 2024

CPU性能のみを測定するCINEBENCH 2024のスコアです。このテストではGPU(GeForceなど)の搭載有無は影響を受けないとされています。

参考(過去データから一部抜粋):
Core Ultra 9 275HX:132、2,094
Core i7-14700:122、1,177
Core Ultra 7 258V:121、676
Core i9-13900H:117、687
Ryzen AI 9 HX 375:114、1,144
Core Ultra 9 185H:111、910
Ryzen AI 9 HX 370:110、942
Ryzen AI 9 365:109、1,008
Snapdragon X Elite:108、1,038
Ryzen 9 8945HS:108、958
Snapdragon X Plus X1P-42-100:108、754
Ryzen 7 8845HS:106、956
Ryzen 9 7940HS:106、914
Core Ultra 7 155H:105、964
Core Ultra 7 155U:101、533
Ryzen 5 8645HS:98、585
Core Ultra 5 125U:95,533
Core Ultra 5 125H:95、516
Ryzen 9 PRO 6950H:93、774
Ryzen 7 PRO 6850H:91、765
Ryzen 7 5825U:85、590
Ryzen 3 5425U:78、365
※左からシングルコア、マルチコアのスコア

ASUS Gaming V16の搭載CPUはCore 7 240Hです。「Coreシリーズ2」に属する最新の型番ですが、コードネームは第13世代Coreと同じRaptor Lakeなので、性能は「第13世代Coreと同等か、少し上くらい」というイメージです。

スコアの方、シングルコア(シングルスレッド)が非常に高くなりました。一方でマルチコア(マルチスレッド)性能はそれほど高くないですが、ハイパースレッディングが廃止されたCore Ultraシリーズよりは上ですね。

ASUS Gaming V16 V3607 Crystal Disk Mark

ストレージの読み書き速度を測定するCrystal Disk Markのスコアです。PCIe 4.0 ×4接続らしく非常に高速です。

GeForce RTX50シリーズのベンチマークスコア

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GPU系のベンチマークスコアが掲載できないので、参考までにPassMarkが公表しているGPUベンチマークスコア(平均値)を載せます。表の「G3D Rating」という数値が総合性能を示すもので、最も参考になります。ただし、この数値は複数の製品から集計されており、搭載するCPUや冷却方式などの条件がまちまちなので、完全に公平な比較とは言えません。また、RTX 5050についてはサンプル数が60と少なめです。よって「大まかな目安」としてご覧ください。以下に、一般的な視点での寸評を書きます。

RTX 4050(G3D Rating:約14,400)
エントリー向け。FHD(1,920×1,080)なら設定を調整すれば最新ゲームも十分遊べる。VRAMが6GBと少なめで、重量級タイトルでは画質を落とす必要あり。

RTX 5050(G3D Rating:約16,600)
4050より1割強性能が伸び、VRAMも8GBに増加。高負荷ゲームやクリエイティブ用途でも余裕が出てくる。

RTX 5060(G3D Rating:約18,200)
4050/5050から大きく性能アップ。FHDでは高画質設定で安定し、WQHD(2,560×1,440)でも設定次第で快適に使える。

バッテリー駆動時間

ASUS Gaming V16は外部GPU搭載機ですが、一応「事務仕事や動画視聴など、軽作業をした場合のバッテリー駆動時間」をチェックしてみました。設定アプリMyASUSのファンモードを「ウィスパーモード」に、GPUモードを「エコモード(GeForceを動かさない)」にして、下記の作業をしてみました。なお、このテスト結果はPCゲームやコンテンツクリエーションなどの高負荷な作業時の参考にはなりません。また、外部GPUは消費電力が大きいため、バッテリー駆動ではその実力を発揮できませんので、電源接続が必要です。この点ご注意ください。

・画像加工ソフトGIMPで簡単な画像加工を約25分
・ブラウザー上でYouTubeの動画視聴を約20分
・ブラウザー上で文書作成を約15分

上記の通り約60分作業し、バッテリー消費は21%でした。単純計算だとバッテリー駆動時間は約5時間となります。Core Ultraシリーズ2(Lunar Lake)などの最新AI CPUを搭載する製品だと10時間以上のバッテリー駆動を実現している製品が珍しくないので、約5時間というのは少々短いと感じられますが、この製品の特性上、バッテリー駆動で長時間作業する機会はそんなに多くないでしょうから、このくらいでも十分かな、とは思います。

発熱とファン音

バッテリーのテスト(軽作業のみ)ではファン音はほとんどせず、発熱も全く気になりませんでした。ベンチマークテスト中はファンモードを「フルスピードモード」にしたこともあり、ファン音は大きめとなりましたが、それでも一般的なゲーミングノートとの比較では静かな方だと思います。また、発熱についてもキーボード面に熱を感じたものの、それほど温度は高くなりませんでした。

5. レビューまとめ

ASUS Gaming V16はASUS Storeにて販売中で、8月18日現在の価格は下記のとおりです。

・Core 5/RTX 4050/16GB/512GB:139,800円
・Core 7/RTX 4050/16GB/512GB:179,800円
・Core 5/RTX 5050/16GB/1TB:179,800円
・Core 7/RTX 5050/16GB/512GB:199,800円
・Core 7/RTX 5060/16GB/1TB:209,800円
・Core 7/RTX 5060/32GB/512GB:209,800円
・Core 7/RTX 5060/32GB/1TB:239,800円

今回、せっかくのRTX 5050搭載機のレビュー機会であったにもかかわらず、3D Markなどグラフィック系テストの結果を掲載できないのが残念です。ただ、(ASUSのゲーミングノートなので)性能面はGeForce搭載機としての水準はクリアしているものと仮定して、価格が低めなのが魅力です。特にCore 5/RTX4050搭載モデルはエントリーゲーマーにも手が届きやすい価格だと思います。RTX 5060搭載機だと20万円オーバーとなり、TUF Gamingシリーズの価格帯に接近してしまいますけどね。

筐体品質は高く、デザインも比較的おとなしめなのでPCゲーム以外にコンテンツクリエーションや高負荷なビジネス用途にも向きますし、「仕事用、ときどきゲーム用」という使い方がイメージしやすい製品かな、と思います。

6. 関連リンク

執筆者:ウインタブ
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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