Teclastのニューモデル、「T40S」の実機レビューです。Teclastは日本国内でも積極的に製品を展開していて、T40SもAmazonにて販売を開始していますが、AliExpressで5月10日から開催されるセールではそれよりも安く、2万円台以下で購入できます。
なお、レビュー機はTeclatからのサンプル提供品です。
・WEBブラウジングや動画視聴メインであれば十分な性能
・高音質「SWEET III」大型スピーカー
・質感の高い筐体
ここがイマイチ
・Widevineが「L3」のため一部定額画像配信サービスのHDビデオが再生不可
・最低限の機能しか用意されていないカメラアプリ
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1.スペック
スペック表
Teclast T40S | |
OS | Android 12 |
CPU | MediaTek MT8183 |
RAM | 8GB |
ストレージ | 128GB |
ディスプレイ | 10.4インチIPS(2,000 × 1,200) |
LTEバンド | — |
SIM | — |
ネットワーク | 801.11 a/b/g/n/ac、 Bluetooth 5.0 |
入出力 | USB Type-C、microSDカードリーダー |
カメラ | イン5MP/アウト13MP |
バッテリー | 6,000mAh |
サイズ | 248 × 157 × 8 mm |
重量 | 475 g |
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OSはAndroid 12、CPUはMediaTek MT8183です。現在ではMediaTek Kompanio 500という名称でも展開していて、日本国内で販売されているタブレットではAmazon Fire 10(2019/2021)やHP Chromebook 11等に採用されています。スマホに使われるCPUと比較するとエントリークラスの性能で3Dゲームをプレイするには厳しいですが、WEBブラウジングやSNSのチェック、パズルなど比較的ライトなゲームであれば十分こなすことができます。
RAMは8GB、内蔵ストレージは128GBで、MicroSDカードによるストレージ拡張も利用できます。ただ、8GBでも容量が足りないということはなく、よほど無茶な使い方をしない限りメモリ不足に陥ることはありません。
GPSを内蔵しているのでモバイルルーターと組み合わせればカーナビとして活用することも可能です。バッテリー容量は6,000 mAhです。なお、この製品は5G/LTE通信には対応しないWi-Fi専用機です。
2.筐体と使用感
付属品はSIMピン、ACアダプター、USB-C to Aケーブル、マニュアル(日本語表記あり)などのペーパー類です。レビュー機ではACアダプターが海外プラグでしたが、AliExpressで購入される場合は「USA Plug」を選択すれば日本のコンセントで使えます。またAmazonで販売されているモデルでは日本仕様のものが付属するはずです。
前面です。AliExpressやAmazonの製品ページに掲載されている画像ではベゼル幅が狭くなっていますが、実際の製品はそれよりも太いです(Teclastあるある)。とはいってもiPadやSurfaceシリーズに似て、それなりにはナローベゼルだと思いますので、もはやイメージ画像を「盛る」必要はないと思うのですが…。
背面は金属素材が用いられており、質感は高く、高級感もあります。カメラバンプ部のデザインも特徴的ですね。筐体色は「アガットグレイ」です。
左側面には電源ボタン、ボリュームボタン、USB-Cポートがあります。
右側面にボタンやポート類はありません。
上部にはMicroSDカードスロットがあります。一見するとSIMが刺さりそうですが、実際にはモジュールが内蔵されていないため、SIMスロット側は塞がれています。
下部にはスピーカーがあります。この製品はデュアルスピーカー搭載です。
システム
ランチャーアプリは素のAndroid 12で用意されている「Launcher 3」で、プリインストールアプリもAndroidシステム標準、Google純正アプリ、OTAアップデートアプリ(ワイヤレスアップデート)のみとシンプルな構成です。
使用していないバックグラウンドアプリの動作を制限することでパフォーマンス低下を抑える「DuraSpeed」が用意されていますが、MediaTek製CPUを搭載する端末に備わっている機能で、Teclast独自ではありません。
初期設定直後のストレージ情報です。ほぼカスタマイズされていないOSが搭載されていたこともあり、システムが使用している容量は8.4GBとコンパクトに収まっています。
Memory expansion(メモリ拡張)も利用可能です。割り当てる容量は2GBから8GBまでの間で設定可能でRAM領域を16GBまで拡張できます。メモリ拡張が不要であれば機能を無効化することも可能です。
工場出荷時にインストールされているソフトウェアのシステム情報です。Androidセキュリティアップデートは「2022年11月5日」のものが適用されていました。
ディスプレイ
ディスプレイは10.4インチサイズで、解像度は2,000 × 1,200です。Androidタブレットではよく見られる解像度ですが、美しい発色のIPS液晶を搭載し、表示品質には満足できました。
ただ残念ながらWidevineは「L3」にとどまっているのでNetflixやAmazonプライムビデオなどでHD以上の画質で動画を視聴することはできません(YouTubeのHDビデオ再生は可能です)。
最近はメジャーではない中国メーカーのAndroidタブレットでもWidevine L1をサポートする製品が増えていますし、Teclast製品でもWidevine L1のものがありますので、この点は少し残念に感じられました。
スピーカー
T40sではデュアルスピーカーが底面側に内蔵されています。クアッド構成ではないものの高品質なデジタルアンプと大型スピーカーを採用しているので音質は非常にクリアです。Dolby Atmosなどのサラウンド機能はサポートされていませんが、この価格帯のAndroidタブレットとしてはスピーカーの満足度も高いので、オーディオプレイヤーとしても活躍できそうです。
カメラ
カメラはイン5MP、アウト13MPです。標準カメラアプリの機能はシンプルで、画像モードと動画モードしか用意されていません。フィルター機能も用意されていませんが、HDR撮影は可能です。
アウトカメラは13MPとタブレットとしては高画素なので明るい場所であれば比較的きれいな写真を撮影可能です。拡大しても劣化は抑えられている印象で、SNSやブログでも十分活用できる画質だと思います。
夜景撮影はある程度光がある場所であればそれなりに撮れますが、よく見るとぼやけ気味です。夜景撮影が苦手、という点は同価格帯のAndroidタブレットでは似たような傾向ですし、そもそもタブレットで写真や動画を撮影する方は少ないかと思われますが、夜景撮影をする場合はスマホに任せた方が良さそうです。
3.性能テスト
参考:
iiiF150 R2022(Helio G95):350,565
POCO M4 Pro 5G(Dimensity 810):349,498
OnePlus Nord N10(Snapdragon 690):342,506
AGM Glory Pro(Snapdragon 480):340,772
POCO M3 Pro 5G(Dimensity 700):330,303
Redmi Note 11 Pro(Helio G96):336,280
realme narzo 50(Helio G96):287,043
DOOGEE S98(Helio G96):277,159
Redmi Note 11(Snapdragon 680):277,105
N-One NPad Pro(UNISOC T616):248,653
Teclast T40 Pro(UNISOC T618):246,826
Blackview A95(MediaTek Helio P70):227,817
Blackview Tab 15(UNISOC T606):221,558
CHUWI HiPad Plus(MT8183):172,713
Samsung Galaxy Note FE(Exynos 8890):177,984
Blackview BV6600 Pro(Helio P35):102,808
OUKITEL C22(Helio A22):99,664
AnTuTu Benchmark v9での総合スコアは192,774点でした。UNISOC T616と比較するとCPU性能が低めですが、WEBブラウジングやTwitter公式アプリの利用、Gmailアプリでのメールチェックといった作業ではあまりパフォーマンス的な差を感じることはありませんでした。
GPUのスコアは44,482点とやや高めです。しかし重量級ゲームをプレイするには厳しい性能であることには変わりありません。今となっては3Dゲームの中では比較的軽量なタイトルとなるEAのレースゲーム「Real Racing 3」のチュートリアルを走ってみたところ、プレイ自体は可能ですがフレーム落ちが若干目立つ印象でした。
4.Teclast T40s まとめ
Teclast T40SはAliExpress内のTeclast Official StoreおよびAmazonに製品ページがあり、Teclast Official Storeで5月10日午後4時(日本時間)からセールが開催されます。セール価格は129.99ドル(17,882円)です。この価格は製品ページにあるクーポンを使用したものです。また、Amazonでもセール中(5月14日まで)で、税込み22,865円となっています。
Widevineが「L3」にとどまっていてAmazonプライムビデオやNetflixといった動画配信サービスのHDコンテンツを再生できない点は残念に感じましたが、その点を除いても古くからAndroidタブレットを手かけてきたTeclastらしく筐体の質感は高く、ディスプレイやスピーカーの品質も高めでした。
寝ながらWEBブラウジングを楽しんだりYouTubeの鑑賞、電子書籍を読むといった作業はストレスなくこなせるので、安価なサブ機を探している方にもおすすめです。
5.関連リンク
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