ウインタブが熱心に紹介させてもらっているAndroid OS搭載のスマートウォッチにニューモデルです。「Rollme S08」という、聞き慣れないメーカー名の製品ですが、なかなかの仕様になっています。個人的にいまOS搭載スマートウォッチを購入するのなら「LEMFO LEM12」か「Zeblaze THOR 5 Pro」だと思います。LEMFOもZeblazeもこれまでに多くのOS搭載スマートウォッチを手掛けていますので安心感がありますし、両モデルとも発売から日が浅く、(このジャンルの製品としては)比較的スペックが高いです。
今回紹介するRollme S08は、この2機種に似たスペックながら、独自の機能も備えていますので、あまり聞き慣れないメーカーの製品ですが、十分購入候補にしていいんじゃないかと思います。
1.スペック
ご存じでない人のために念のため書きますが、Android OS搭載のスマートウォッチというのは「腕時計の形をしたスマホ」です。SIMカードを挿入すれば単体で電話もできますしネット接続してアプリをインストールしたりもできます。なので、建前上はAndroidOSの機能がすべて使えるということになります。また、スマホとペアリングして普通のスマートウォッチとして使うこともできます。以下、この前提でお読みいただければと思います。
OSはAndroid 7.1.1、CPUはMT6739で、RAM3GBにストレージ32GBと、ここまではLEM12とTHOR 5 Proと全く同じです。OS搭載スマートウォッチに使われるAndroid OSは現時点でまだバージョンアップができておらず、7.1.1が最新です。スマートウォッチ用にUIがカスタマイズされていますので、簡単にはアップデートが出来ないんでしょう。おそらくLEMFO、Zeblaze、そしてこのRollmeと、UIの調達元は同じだと思われます。
CPUのMT6739というのもちょっと古いし、スペックも低いんですが、OS搭載スマートウォッチの場合、Androidのフル機能が使えるとはいえ、画面サイズが極小なのでスマホのようにPUBGとかデレステはプレイできません。「サイズに起因する操作性のボトルネック」のため、スペックの高いCPUを搭載しても意味がないですね。なので、MT6739で十分かと思います。同様にRAMとストレージ容量に関しても十分な余裕があると言えます。
ディスプレイは1.69インチと、LEM12やTHOR 5 Pro(ともに1.6インチ)よりも少し大きいです。また解像度も450 × 450と、やはりLEM12(400 × 400)やTHOR 5 Pro(320 × 320)よりも高精細になっています。
LEM12、THOR 5 Proと同様、前面と側面にカメラを搭載しています。ただ、画素数は高めで、前面(ビデオチャット用)が5MP、側面(一般的な写真撮影用)が8MPです。ただ、ウインタブの経験上、このジャンルの製品に搭載されているカメラはビデオチャット用を別とすれば使い勝手はよくありませんし、撮影品質も画素数からイメージできるようなものではありません。せいぜいメモ程度と考えておくほうがいいでしょう。
この製品のアピールポイントとして、バッテリーが大容量というのが挙げられます。OS搭載スマートウォッチの泣き所は「バッテリーが持たない」という点なのですが、この製品は1,360 mAhと、このジャンルとしては非常に大きいバッテリーを搭載しています。LEM12は「充電台にバッテリーを仕込む」という裏技を使っていますが、本体内蔵のバッテリー容量としてはスマートウォッチ最大かと思います。
サイズは大きいですね。OS搭載スマートウォッチのサイズ感って、公称のスペックだとわかりにくいところもあるのですが、厚さ、重量ともLEM12(厚さ17 mm、重量70 g)、THOR 5 Pro(厚さ16.8 mm、重量65.8 g)よりは大きくなっています。ただし、
この製品はIP68レベルの防水・防塵性能があります。「腕に巻くもの」なので、特に水濡れには注意したいところですが、この製品に関しては心配無用です。ちなみにLEM12はIP67、THOR 5 Proは防水に関して特に開示されておらず、生活防水くらいの性能と思われます。
2.筐体
正面から見たところです。前面にビデオチャット用のカメラレンズがあり、なんとなくですが使いやすそうに見えます。現状ビデオチャットやWeb会議が増えていると思いますので、Webカメラ機能には期待したいところ。筐体素材は「ベゼルがセラミック製」と開示されています。おそらくケース全体は金属製と思われます。
それと、この製品、というかLEM12とTHOR 5 Proもそうなのですが、顔認証に対応しています。ただし、私は顔認証対応のスマートウォッチを使ったことがありますが、(その製品固有の問題だと思いますが)精度が低く、まともにロック解除できなかったという経験をしていますので、顔認証に関しては「使ってみないとなんとも言えない」ですね。
側面です。一般的な腕時計のリューズの位置に側面カメラがあります。また、操作ボタンは2つですね。このへんのレイアウトは他機種と変わりません。
背面です。センサーが見えませんが、この製品には心拍数測定機能や歩数計、カロリー消費計など、一般的なスマートウォッチの機能は全て備えています。
それと、ここは人によっては重要なポイントかも知れませんが、この製品はバンドの交換ができません。スマートウォッチにファッション性を求める人にはマイナスポイントかと思います。
3.価格など
Rollme S08は中国の通販サイト「Banggood」でプレオーダー中で、4月26日現在の価格は139.99ドル(15,331円、ただし先着50台)です。この価格は競合しそうなLEMFO LEM12よりも安く、Zeblaze THOR 5 Proといい勝負くらいです。
IP68レベルの防水・防塵性能を備え、ディスプレイは少し大型で高精細、という競合製品よりも優れた面がある一方、競合製品よりもややサイズが大きくなってしまうという、歓迎できない面もあります。あとはお好み次第かと思いますが、購入の選択肢として有力なのは間違いないでしょう。
4.関連リンク
Rollme S08:Banggood