こんにちは、輪他です。今回はOUKITELのエントリーアウトドアスマートフォン、WP8 Proの実機レビューです。中華スマートフォンの黎明期から登場し続けている耐久性能を売りにしたアウトドアスマートフォンですが、年々製品のクオリティが向上しており、今回ご紹介するWP8 Proも、エントリーモデルながら完成度の高いものになっています。
この製品については以前紹介記事を掲載しています。また、この機種の上位版となるOUKITEL WP7の実機レビューも実施していますので、こちらもあわせてご覧いただけると幸いです。
OUKITEL WP8 Pro - エントリークラスながら、アウトドアでしっかり使えるスマートフォン
OUKITEL WP7の実機レビュー - これぞガジェット!Helio P90を搭載したタフネススマホ、追加モジュールでさらにパワーアップ!
なお、レビュー機はメーカーのOUKITELよりご提供いただきました。この場を借りて OUKITELにはお礼申し上げます。
1.スペック
OUKITEL WP8 Pro | |
OS | Android 10 |
CPU | Mediatek Helio A25 |
RAM | 4GB |
ストレージ | 64GB |
ディスプレイ | 6.49インチHD+(1,560×720) |
LTEバンド | B1/3/7/8/19/20 |
SIM | Nano SIM×2 |
ネットワーク | Bluetooth 4.2、802.11 a/b/g/n/ac |
入出力 | micro USB、micro SDカードリーダー(SIM2との排他仕様) 側面指紋センサー、NFC、3.5mmイヤホンジャック |
カメラ | イン8MP+アウト16MP+2MP+2MP |
バッテリー | 5,000mAh |
サイズ | 178×84.7×12.9 mm |
重量 | 260g |
OSはAndroid 10、CPUはMediaTekのエントリーCPU、Helio A25(MT 6762D)を搭載しています。Antutuベンチマークスコアが10万点弱ほどのCPUで、普段使いなら問題なく使用できる性能を備えています。
RAMは4GB、ROMは64GBと、最近のエントリークラスのスマートフォンとしては標準的です。CPUのスペックから考えても6GBのRAMを搭載する必要はなさそうですし、十分な構成だと思います。
ディスプレイは6.49インチのHD+解像度です。数値上ではちょっと不安になる解像度ですが、先に結論を言ってしまうと想定よりは悪くないといった印象のディスプレイとなっています。
バッテリーは5,000mAhとアウトドアスマートフォンらしく大容量で、エントリー帯のCPUと、解像度の抑えられたディスプレイとの組み合わせのおかげで長時間の駆動に期待できます。
2.筐体
まずは付属品です。WP8 Pro本体に加え、説明書、SIMピン、充電/データ通信用のmicro USBケーブル、micro USB-USB AメスのOTGケーブルが同梱されていました。
液晶画面には、ウォータードロップ型のノッチが採用されています。ベゼルもそこまで太くありませんので、最近のベゼルレススマートフォンに慣れた人でも、違和感なく使用することができると思います。
背面です。カメラは中心部の一枚のガラスの中に3つのレンズとフラッシュが埋め込まれているデザインになっています。 筐体の端に配置するよりは、中央にまとめて配置した方が落下時の衝撃が少ないってことなんでしょうかね? HuaweiのMate 30シリーズに近いデザインです。
カメラの下には、様々な衝撃への耐久性を示す5つのアイコンが、さらにその下には防水防塵規格である、IP-68の文字が彫り込まれています。この辺りにNFCも埋め込まれており、Bluetooth機器などとの接続に使用できます。
OUKITELのロゴの下にはスピーカーとマイクが配置されています。「く」の字のような形のスリットがスピーカーとなっていますが、右側のスリットはフェイクであり、スピーカーは左側のスリットにのみ配置されています。
右側面です。上からSIM/micro SDカードスロット、電源ボタン、指紋認証センサーが配置されています。
SIM/micro SDカードスロットは硬いプラスチック製のカバーによって保護されており、このカバーを開けて、右側の穴にSIMピンを差し込むことでようやくスロットにアクセスすることができます。
左側面です。こちらには音量ボタンと、SMARTボタン(ショートカットキー)が配置されています。
上部です。イヤホンジャックを搭載していますが、シリコン製のキャップに覆われています。
イヤホンジャックのポートがかなり奥まった位置に配置されていますので、コネクタ部分の大きいイヤホンは使用できない可能性があります。キャップの劣化による防水防塵性能の低下を考えると、ここのキャップを開けて有線のイヤホンを使用するよりも、Bluetooth接続のTWS(完全ワイヤレスイヤホン)などを使用したほうが良さそうです。
底面です。こちらにはマイクとmicro USBポートが配置されています。もう2020年も後半期ですし、そろそろUSB Type-Cポートに統一して欲しいところではありますが、まぁエントリーモデルですので仕方ありませんね。
付属のOTGケーブルを使用すれば、リバースチャージも可能となっています。WP8 Proが搭載しているのは5000mAhのバッテリーですので、流石にスマートフォンを充電するには心許ないですが、TWS(完全ワイヤレスイヤホン)などを出先で充電する分には十分です。
3.UI
ホームのランチャーはAOSPではなく、OUKITELによってカスタムされたものになっており、アプリドロワーのないiPhoneのような仕様になっています。とはいえ、普通のAndroidですので、サードパーティ製のホームアプリを使用すれば自分の好きなようにカスタムできます。
アウトドアスマートフォンらしく、ToolBagアプリを搭載しています。コンパスや水平器、音量測定などの機能を使用することができます。ただ、水平器に関しては、明らかに傾いた状態で0度と表示されるなど、あまり正確性に信頼を置けるものではありませんでした。
左側面に配置されているSMARTキー(ショートカットキー)に3つのショートカットを割り振ることができます。一回押し、長押し、二回押しで、それぞれ録音やスクリーンショットなどの機能の使用や任意のアプリの起動を行うことができます。
4.カメラ
背面のカメラはメーカーによると16MPのメインカメラが一つと、詳細不明の2MPのカメラが二つ搭載されていることになっています。紹介記事を書いた際はこの二つのカメラの仕様が分かりませんでしたが、今回使用してみた結果、おそらく一つはマクロカメラ、もう一つはポートレート用の深度カメラだと分かりました。
まずは特に何も設定せず日中に撮影した画像です。発色も悪くなく、結構鮮明に撮影できている印象です。普通にいい感じじゃないですか?
こちらは同じ場所から、それぞれ通常の状態とズームを最大(4倍)にして撮影した画像です。最大ズームの状態でも、解像度不足などに陥ることなく、綺麗に撮影できています。
こちらは夜間モードに設定して撮影した画像です。夜間の撮影は、さすがにちょっとノイジーな印象になってしまっています。
ポートレートモードで撮影した画像です。かなりぼやけた印象の写真になっています。
マクロレンズで撮影した画像です。オートフォーカスを搭載していない、固定フォーカスレンズを採用しているので、被写体にカメラを近づけ、ちょうどよく鮮明に映る場所や角度を探して撮影を行うことになります。
5.性能テスト
Antutuベンチマーク(ver.8.3.4)のスコアです。
参考:
nubia RedMagic 5G(Snapdragon 865): 610,070
ASUS Zenfone 7(Snapdragon 865):601,169
nubia RedMagic 3S(Snapfragon 855+): 497,776
ASUS Rog Phone 2(Snapdragon 855+) : 487,784
Xiaomi Mi9(Snapdragon 855): 414,693
Samsung Galaxy S10e SM-G9700(Snapdragon 855) : :10,899
Sony Xperia XZ2 Compact SO-05K:(Snapdragon 845) : 289,484
Sony Xperi: XZ1 Compact SO-02K(Snapdragon 835):257,717
Samsung Galaxy S8 SC-02J(Snapdragon 835)):237,841
Huawei Mate 10 Pro(Kirin 970) : 210,485
Blackview BV9800(Helio P70):188,265
Sumsung Galaxy A51(Samsung Exynos 9611) :184,566
UMIDIGI S3 Pro(Helio P70):179,103
CUBOT X20 Pro(Helio P60) :170,560
Smartisan U3 Pro(Snapdragon 660) : 167,968
Teclast M30(Helio X27) : 116,771
UMIDIGI Z2(Helio P23): 107,355
Ulefone Armor X5(Helio P23) :102,062
Rakuten Mini(Snapdragon 439):94,364
Dragon Touch NotePad 102(UNISOC SC9368A):93,806
Xiaomi Redmi 6(Helio P22) : 83,181
OUKITEL WP5(Helio A22):75,720
CUBOT King Ko)g Mini(Helio A22) :74,165
KYOCERA Android One S4(Snapdragon 430): 68,802
6.ゲーム
OUKITEL WP8 Proはゲームモードを搭載しています。
指定したゲームを起動すると、「ゲームアシスタント」のポップアップが出現し、通知/通話の遮断や、通知バーの無効化の設定が可能です。さらに、CPUの処理性能のリソースをゲーム用に調整することで、ベンチマークにて計測された性能以上のゲーム体験を実現しています。
CoDモバイルをプレイしてみました。
CoDモバイルではゲームの起動時、自動的にその端末の性能にあったグラフィックスの上限が指定されます。OUKITEL WP8 Proではグラフィック品質は「低」設定が上限になってしまっていますが、フレームレートは「高」の設定が選択できるようになっていました。
何度かプレイしてみましたが、エントリーモデルとはいえ全く戦えないといったようなことはなく、ある程度以上の戦果を上げることができました。フレームレートはミサイルなどの描写の負担が大きい場面以外ではカクつくことなく、毎秒40~50フレームあたりで安定していました。
ゲーム画面の左側に写っている紫色の半円をタップすると、先述の「ゲームアシスタント」のポップアップが出現し、それぞれゲームを起動させたまま設定の変更を行うことができます。
7.まとめ
これまでアウトドアスマートフォンを何台も作り続けてきたOUKITELですが、今回のWP8 Proは、エントリーモデルながら、筐体の剛性もしっかりしており、アウトドアスマートフォンらしい機能やゲームモードなどの2020年のトレンドの機能を搭載するなど、サブ機としてしっかり活躍してくれる端末だと感じました。
OUKIEl WP8 ProはALiExpress内のOUKITEL Official Storeにて、11月3日現在の価格は125.99ドル(13,448円)です。また、11月11日のシングルデー・セールでは119.99ドル(12,808円)で販売されることが予告されていますので、購入するならこのタイミングかと思います。
8.関連リンク
OUKITEL WP8 Pro : 公式サイト
OUKITEl WP8 Pro : AliExpress OUKITEL Official Store