こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。ここのところ、中華製品ばかりではありますが、「アウトドア系のスマホ」の紹介記事を書く機会が増えています。個人的に最近で最も気になるのは「Ulefone Armor 2」で、おそらく読者の中にも触手を動かされている人がいるんじゃないでしょうか?
今回紹介する「CAT S60」は中華製品ではありません。重機メーカー「CAT」のブランドで販売されているもので、この製品よりもスペックが低い「CAT S40」についてかのあゆさんが紹介記事を書いています。S40はとても魅力的なスマホだと思いますが、いかんせんスマホとしてのスペックが少しばかり厳しいと感じました。しかし、S60のほうはミドルスペックくらいの性能がありますし、「サーマルカメラ」という世界初の機能も搭載しています。この製品がS40と同じく、オンキョーから販売されることになりました。
1.スペック
OS: Android 6.0
CPU: Qualcomm SnapDragon 617
RAM: 3GB
ストレージ: 32GB
ディスプレイ: 4.7インチ(1,280 x 720)Gorilla Glass 4
LTE: Band1/3/7/8/19/28
SIM: nano SIM x2(DSDS不可)
ネットワーク: 802.11 b/g/n、Bluetooth 4.1
カメラ: イン5MP/アウト13MP + サーマルカメラ
入出力: microUSB、オーディオジャック
バッテリー: 3,800mAh
サイズ: 147.9 × 73.4 × 12.66 mm / 223 g
まずはスマホとしてのスペックからみていきましょう。この製品は1年ほど前に海外で発売されたため、OSはAndroid 6のままですし、CPUもSnapdragon 617と、最新のものではありません。Snapdragon 617はAntutuでは45,000点程度のスコアとなりますので、3GBのRAMとあわせ、2016年水準でミッドハイ、2017年水準だとミドルスペックくらいの性能と言えそうです。また、ディスプレイは4.7インチと比較的小ぶり(だからといって小型軽量というわけではないです)で、解像度はHDレベルなので、そんなにいい方ではありません。
また、正規輸入品ということもあり、LTEではドコモのプラチナバンドである「19」にもしっかり対応します。ただし、デュアルSIMモデルではありますが、どちらか一方でLTEを使用してしまうともう一方が2G(日本では使えません)しか使えないということなので、DSDS(2枚のSIMによる同時待ち受け)には対応しません。というか事実上日本ではシングルSIMモデルとなります。
機能面で面白いのは、アウト側に「サーマルカメラ(プレスリリースによれば「Thermal Imaging camera Powered by FLIR」)を搭載しており、
こんな画像(温度によって表示される色が異なります)の撮影が可能になっていることです。そういう仕事をしていない人にメリットがあるかと言えば、「ない」んでしょうけど、必要になるケースがないとは言い切れないですね。
カメラについてはイン5MP/アウト13MPとなっていて、決して低いスペックではありませんが、最新のスマホと比較してしまうと少し物足りないかもしれません。
あと、重量は堂々の223 gです。ディスプレイサイズ4.7インチということなので、iPhone 7(4.7インチ)とサイズ比較してみましょう。
CAT S60: 147.9 × 73.4 × 12.66 mm / 223 g
iPhone 7: 138.3 × 67.1 × 7.1 mm / 138 g
製品特性を考慮すれば、これは決してマイナスポイントにはならないと思いますが、もはや4.7インチのサイズ感ではない、ということは理解しておきたいですね。
2.筐体
これはシビれるカッコよさ!なぜ「CAT」のロゴがつくとこんなにも魅力的になるんでしょう?筐体上部がなんか盛り上がってますが「FLIR」というロゴが入っているので、サーマルカメラ関係なのかもしれませんね。また、背面が徹底的にフラットな形状になっていて、「2.5D曲面って何ですか?」と聞かれているようですw
展開図です。サイド部分にボタンが多くついています。左側面の黄色いボタンはユーザーが操作を割り当てられる仕組みになっているようです。その下に「SOSボタン」がついてます。ただし、SOSボタンの機能については説明がなく、おそらくUlefone Armor 2と同様、「長押しすると指定した先に位置情報のメールが送られる」機能だと予想します。
背面のカメラはこんな感じ。一方が13MPカメラ、もう一方がサーマルカメラと思われます。
この製品は当然「IP68」という、最高水準の防水・防塵機能があり、MILスペック(米国国防省規格 MIL-STD-810G)にも準拠していて、「高さ1.8mからのコンクリートへの落下試験をクリア」してます。
防水に関しては筐体の上下に「2 m / 5 m」のスイッチがついていて、水深によってスイッチを切り替えます。当然5 mのほうが高い防水性能になりますが、その場合は通話とスピーカーが使えなくなるそうです。なんか説得力ありますね!
3.価格など
CAT S60は10月中旬にONKYO DIRECTで発売される予定で、価格はオープンですが「9万円前後」とのことです。最新の中華スマホのほうがスペックが高く、価格もずっと安いですが、なにせCAT製ですからねー。だって、重機なんかはいい加減な設計・製造で不良品を作ると大惨事になると思いますから、スマホと言えどもCATブランドで販売する以上、並外れた信頼性があるんだろうと思います。別に中華製品がいい加減だとは思いませんが「場数が違う」というのは間違いないでしょう。雪山で遭難して、そのときにスマホが故障したらホントにマズイですもんね。
その意味で、この製品は各方面のプロフェッショナル向けで、それだけに「そんなに安くはない」ということだと思います。
4.関連リンク
CAT S60:ONKYO 製品紹介ページ
コメント
値段的にはandroid用のサーマルカメラは3万円ぐらいしますね
工事現場で運用するのにマイクロUSBでつながってるだけの心細さを払しょくする力強さを感じます
外壁の雨漏りや太陽電池パネルの破損を温度で確認できたりするそうです
マザーボードの発熱箇所の改善なんかに役立つみたい
とある自作系ブログでもサーマルカメラ使ってました
場所によっては持ち込むと機密保持のために没収されそうw
9万だとパナソニックの競合機のリースの方が安上がりなのと
余程サーマルが必要なニッチ現場じゃないと数が捌けないだろうし心配になってきます
実際には儲け度外視で技術的にできるから探りも込めてやってみっかー
って所でしょうが
こんにちは、コメントありがとうございます。サーマルって、いっぺん試してみて、あとはもう使わない、っていうのが一般人には関の山ですもんね。