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Blackview BV6600 Proの実機レビュー - サーマルカメラを搭載するエントリークラスのタフネススマホ、リバースチャージ対応でモバイルバッテリーとしても活用可能です

Blackview BV6600 Pro 実機レビュー
こんにちは、かのあゆです。Blackviewのタフネススマートフォン、「BV6600 Pro」の実機レビューです。最近なにかと中国メーカー製タフネススマホを実機レビューする機会が増えてきましたが、このBV6600 Proはスペックは高くはありません…が、3万円台で購入できる端末でありながらサーマルカメラを搭載している点が最大の特徴となります。

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なお、レビュー機はBlackviewよりサンプル提供していただきました。Blackviewにはこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございます。

ここがおすすめ
・低価格ながらサーマルカメラ搭載
・大容量バッテリー搭載でモバイルバッテリーとしても活用可能
ここがイマイチ
・今となってはエントリークラスのHelio P35
・夜景撮影の性能は高くない
販売サイトはこちら
Blackview BV6600 Pro:Blackview Official Store(AliExpress)

1.BV6600 Pro スペック

スペック表

Blackview BV6600 Pro
OS Android 11
CPU MediaTek Helio P35(MT6765V)
RAM 4GB
ストレージ 64GB
ディスプレイ 5.7インチ(1,440 × 720)
LTEバンド FDD:B1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18
19/20/28A/28B/25/26/66
TDD:B38/40/41
SIM形式 Nano SIM × 2(SIM2はmicroSDと排他)
ネットワーク 802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.0
入出力 USB Type-C、microSDカードリーダー
カメラ イン8MP/アウト16MP+5MP+サーマル
バッテリー 8,580 mAh
サイズ 159 × 79.4 × 18 mm
重量 325g

コメント

OSはAndroid 11です。Android 13のリリースも近いなか、できれば最新のOSを搭載してほしかったところではあるのですが、この製品の発表時期が2021年9月とまだAndroid 12がリリースされる前だったこともあり、この点に関しては仕方ないところです。ただし、記事執筆時点ではAndroid 12へのアップデートは提供されておらず、また他のOTAアップデートの配信も提供されていないため、今後OSアップデートが実施されるかどうかは不明です。BlackviewはカスタムUIとして「Doke OS」をリリースしていますが、BV6600 Proでは採用されておらず、ほぼ素のAndroid OSに近いものになっています。

CPUはHelio P35です。2018年12月に発表された型番で、当時はミッドレンジクラスという位置づけでしたが、2022年現在ではエントリークラスの性能となっています。今から4年前のCPUということもあり、通常利用に関しては特に不満なく利用できるものの、ゲーム用途では2D主体のものでないと快適にプレイできないと考えた方が良いでしょう。RAMは4GB、内蔵ストレージは64GBという構成で、MicroSDカードによるストレージ拡張にも対応します。

ディスプレイは5.7インチサイズで、解像度はHD(1,440 × 720)です。パネルは視野角が広いIPS液晶が採用されています。

カメラはイン8MP、アウト16MP + 5MP + サーマルレンズという構成です。アウト、インカメラともにエントリークラスとしては標準的なものとなっており、特に特筆すべき部分はないのですが、BV6600 ProではFLIR製サーマルカメラが搭載されているのが最大の特徴となります。同じくFLIRのサーマルカメラを搭載する「CAT S62」は約6万円からと高価ということもあり、3万円台のタフネススマホに搭載されていることに驚かされます。

ワイヤレスネットワークは802.11a/b/g/n/acとBluetooth 5.0に対応します。VoLTEには対応しており、国内向け主要モバイルネットワークもフルサポートしていますが、技適の電磁表示は確認することができませんでした。

バッテリー容量は8,580 mAhと大容量のものを搭載しています。リバースチャージにも対応しているので、モバイルバッテリー代わりとしても活用可能です。

2.BV6600 Pro 筐体と使用感

付属品
付属品はマニュアル(多言語対応、日本語表記あり)、USB-A to Cケーブル、SIMトレイオープナー、ACアダプター(海外プラグ)です。

前面
前面です。BV6600 Proではノッチは採用されておらず、一昔前のスマートフォンでよく見られたデザインを採用しています。タフネススマホでもティアドロップやパンチホールノッチを採用する機種が主流になってきたので、今見ると逆に新鮮に感じられます。

背面
背面です。滑りづらいラバー加工が施されているほか、カメラバンプ部には金属素材が採用されており、なかなかかっこいいデザインに仕上がっていると思います。中央にはNFCマークが配置されています。今回のレビュー機は「オアシス・グリーン」ですが、このほかの筐体色として「サンセット・オレンジ」と「ナイトフォール・ブラック」が用意されています。

左側面
SIMトレイ
左側面にはSIMトレイ、サイドキー(カスタムキー)が配置されています。SIMトレイは一見するとそのまま開けられそうに見えるのですが、かなり固いため付属のSIMトレイオープナーを使用しないと開けることができません。SIMトレイはMicroSDカードとの排他式です。

大容量バッテリーを搭載していることもあり、側面から見るとその分厚さが目立ちますね…。

右側面
右側面にはボリュームキー、電源キーがあります。

上部
上部にボタンやポート類は配置されていません。

下部
下部にはUSB-Cポートとモノラルスピーカーがあります。3.5 mmイヤホンジャックは搭載されていないので、有線イヤホンを接続する場合は別途変換ケーブルを用意する必要があります。

システム

デフォルトホーム

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プリインストールアプリ

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工場出荷時にプリインストールされているOSはAndroid 11です。以前実機レビューを行ったA55では「Doke OS」というBlackview独自カスタムOSが搭載されていましたが、BV6600 Proでは基本的に素のAndroid OSに準じたソフトウェアが採用されています。

プリインストールされているアプリはAndroidシステム標準、Google関連アプリのほか、サーマル撮影アプリ「MyFLIR」、ゲームアプリ「SONGPOP 2」「Asphalt Nitro」「MC:Rebell Guns」、WEBブラウザ「Opera」、オフィススイート「WPS Office」がプリインストールされています。「Asphalt Nitro」や「MC:Rabel Guns」などはシステム要求が低めでHelio P35を搭載しているBV6600 Proでもプレイできるタイトルです。

再度キー割り当て変更

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サイドキーの割り当ては設定から変更可能で、「キーを一回押した際」、「二回押した際」、「長押しした際」の動作をそれぞれ割り当てることが可能です。カメラアプリの起動やフラッシュライトの点灯など、あらかじめプリセットされている動作だけでなく、好みのアプリを割り当てることも可能です。

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ストレージ情報

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工場出荷時のストレージ情報です。内蔵ストレージ64GBという構成は数年前であれば大容量といえたのですが、Androidアプリが大容量化してきた現在となっては若干心許ない印象です。ただしBV6600 Proはスペックがそこまで高くない関係で大容量ゲームをインストールして使うこともないでしょうから、写真データなどをMicroSDカードに保存するようにすれば容量不足に困ることはないかと思われます。

システム情報

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工場出荷時のシステム情報です。Androidセキュリティアップデートは「2021年7月5日」のものが適用されています。セキュリティ面のことを考えるとできれば最新のセキュリティアップデートを配信してほしいところではあるのですが、この記事執筆時点ではOTAアップデートは配信されていません。

ディスプレイ

ディスプレイは5.7インチサイズで、解像度はHD(1,420 × 720)です。パネルは視野角が広いIPS液晶が採用されています。解像度はエントリークラスのスマートフォンとしては標準的なスペックで、本当に近くで見ないとドットが目立つと言うこともないのですが、前回実機レビューを行ったiiiF150 Air 1 Proがエントリークラスながら解像度がFHDとなっていたことを考えると、もう少し頑張ってほしかったところではあります…。

表示に関しては若干白っぽさを感じる部分もあるものの、極端に品質が悪いと感じることはありませんでした。

スピーカー

スピーカーはモノラル出力のものが搭載されています。製品のコンセプトからそこまで音質に重きを置いている訳ではなさそうですが、サンプルで収録されている着信音を流してみたところ、ボリュームを上げると音割れが発生するなど、正直音質はそこまで良くない印象を受けました。有線イヤホンを接続…、と言いたいところなのですが、BV6600 Proでは前述の通り3.5 mmイヤホンジャックは搭載されていないので、別途変換ケーブルを用意する必要があります。音楽や動画コンテンツを楽しみたいのであれば変換ケーブルを使用するか、あるいはワイヤレスイヤホンの利用をお勧めします。

カメラ

カメラUI

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標準カメラのUIは特に癖のないものになっていますが、近年搭載されている端末が増えてきたAIによるシーン識別やナイトモードが備わっていないなど、機能面では若干物足りなさを感じます。

カメラサンプル1

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カメラサンプル2

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AIによる識別は利用できないものの、明るい場所では十分きれいに撮れます。中野ブロードウェイ紹介記事で取り上げた三田製麺所の超特盛辛つけ麺もおいしそうです。

夜景サンプル

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ただし夜景に関してはノイズが目立ち、SNSやブログで共有するのも厳しいかな…、というのが正直な感想です。前述の通りナイトモードも搭載されていないため、「エントリークラスそのもの」の性能です。

サーマルカメラサンプル

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サーマル撮影サンプル

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BV6600 Pro最大の魅力はやはりサーマルカメラでしょう。標準カメラアプリとは別に「My FLIR」アプリが用意されています。同じくサーマルカメラを搭載しているAGM Glory Pro/Glory G1Sと比較すると若干UIがわかりづらいと感じたものの、(ファンレス故に長時間使用していると熱くなってくる)Macbookの温度変化もしっかり確認することができました。サーマルカメラのためにBV6600 Proを選択するのもありだと思いますし、むしろサーマルカメラの存在こそがこの製品の最大の購入理由と言えるでしょうね。

MSXモード

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かのあゆ自身あまりサーマルカメラを使い慣れていないこともあり、機能に関しては把握していなかったのと、読者の方から「スーパーファインコントラスト」機能に関するコメントをいただいたので実際に試してみました。

フリアーシステムズのサーマルカメラアプリには「スーパーファインコントラスト」(MSX)と呼ばれるモードが用意されており、可視光によるディティールを赤外線画像に追加することにより鮮明な画像を撮影可能です。

MSX OFF

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まずはMSXモードをオフにして赤外線カメラ機能のみ有効にして撮影してみました。この状態だと温度の確認はできるものの、細かいディティールは確認できません。

可視光カメラ

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今度は可視光カメラ機能のみを有効にしてみました。このモードだと標準カメラアプリで撮影するのと同じ状態になりますが、当然温度の変化を確認することはできません。

MSXモード

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最後にMSXモードで撮影してみます。赤外線画像と可視光画像を同時に撮影することにより、赤外線カメラのみの撮影よりも鮮明な写真を撮影可能です。温度の変化を確認できるのはもちろんのこと、キーボードの文字などもはっきりと確認できています。

3.BV6600 Pro 性能テスト

AnTuTu Benchmark v9

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参考:
Xiaomi 12 Pro(Snapdragon 8 Gen 1):971,423
ASUS ROG Phone 5s(Snapdragon 888+):846,862
ASUS Zenfone 8(Snapdragon 888):785,280
Mi 11T(Dimensity 1200 Ultra):582,178
Xiaomi Pad 5(Snapdragon 860):566,309
realme GT Master Edition(Snapdragon 778G):542,182
Xperia 1 SOV43(Snapdragon 855):511,163
Xiaomi Mi 11 Lite 5G(Snapdragon 780):500,573
Oneplus Nord CE 2 5G(Dimensity 900):430,049
Redmi Note 11 Pro + 5G(Dimensity 920):427,053
Samsung Galaxy Fold SCV44(Snapdragon 855):414,302
OnePlus Nord CE 5G(Snapdragon 750):384,505
iiiF150 R2022(Helio G95):350,565
POCO M4 Pro 5G(Dimensity 810):349,498
OnePlus Nord N10(Snapdragon 690):342,506
AGM Glory G1S(Snapdragon 480):340,864
AGM Glory Pro(Snapdragon 480):340,772
POCO M3 Pro 5G(Dimensity 700):330,303
Redmi Note 11 Pro(Helio G96):336,280
POCO M4 Pro 4G(Helio G96):311,030
Redmi Note 11S(Helio G96):307,755
realme narzo 50(Helio G96):287,043
Redmi Note 11(Snapdragon 680):277,105
Blackview A95(MediaTek Helio P70):227,817
DOOGEE S98(Helio G96):277,159
CHUWI HiPad Plus(MT8183):172,713
Samsung Galaxy Note FE(Exynos 8890):177,984
OUKITEL C22(Helio A22):99,664
AGM H3(Helio P22):84,184
BlackView A55S(Helio A22):78,630
geanee ADP-503G(MT6737M):46,316

Helio P35搭載機をレビューするのは久々です。さすがにAnTuTu Benchmark v9でのベンチマークスコアはそこまで高くないだろうと思っていたのですが、予想以上に健闘していると感じました。ただ、それでもHelio A22とほぼ同等のスコアなので、現在となっては「エントリークラス」の性能ですね。

GPU性能がかなり低いため、2Dメインのゲームやプリインストールされている「Asphalt Nitro」のような軽量なタイトルであれば問題はないのですが、システム要件が緩い「APEX Legends Mobile」も含め、現在リリースされている3Dゲームをプレイするのは「難しい」でしょう。

4.BV6600 Pro レビューまとめ

Blackview BV6600 Proは6月18日現在AliExpress内のBlackview Official Storeにて251.99ドル(34,245円)で販売中です。端末のスペックとしてはエントリークラスのスマートフォンそのものなのでメイン端末として使用するのは厳しいのですが、この端末最大の魅力はなんと言っても「3万円台であるにもかかわらず、サーマルカメラが搭載されている」点でしょう。

同じくサーマルカメラを搭載するAGM Gloryシリーズは約9〜10万円、BV6600 Proと同じくFLIRのサーマルカメラを搭載しているCATのS62は約6万円で販売されているので、この点だけでも魅力的に感じられます。

また8,580 mAhと大容量バッテリーを搭載しており、リバースチャージもサポートされているので、モバイルバッテリーとして活用可能です。サーマルカメラを搭載しているスマートフォンとしてはかなりの低価格なので、アウトドア用のサブ機を探している方におすすめです。

5.関連リンク

Blackview BV6600 Pro:Blackview Official Store(AliExpress)

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コメント

  1. 匿名 より:

    > サーマルカメラの存在こそがこの製品の最大の購入理由と言えるでしょうね。
    > この端末最大の魅力はなんと言っても「3万円台であるにもかかわらず、サーマルカメラが搭載されている」点でしょう。

    サーマルカメラに通信機能ついているのが本機種の最大の魅力で、
    (スマホ部分を最低限にして価格を抑えた割り切りの良さ)
    一番の魅力のサーマルカメラについてのレビューがたかが数行ってのはもったいない。

    サーマルカメラ搭載機のカメラをいくつか取り上げているのだから
    もうすこしサーマルカメラについて書かないと
    他のレビューサイトと大差ない気がします。

    「My FLIR」アプリを使いこなせて無くMacBookのりんごのロゴが
    サーマルイメージとズレていたり…
    AGM Glory PRO /AGM Glory G1Sのサーマルカメラのレビューとの差が激しい。

    「My FLIR」アプリのサーマルイメージと実画像を合成するMSX機能は特に有用かと思います。
    ので、加筆する機会が有ればお願いします(もう実機は手元にないのかな?)
    https://www.flir.jp/discover/professional-tools/what-is-msx/

  2. かのあゆ より:

    >>匿名さん
    サーマルカメラ自体あまり使う機会がなくて機能把握できてなかった部分もあるので、この記事のサーマルカメラ関連の項目はもう少し使ってから加筆する予定です。ご指摘ありがとうございます!スーパーファインコントスト機能もちょっと確認してみます!

    • 匿名 より:

      > サーマルカメラ関連の項目はもう少し使ってから加筆する予定です。
      楽しみに更新待ってます!

    • 匿名 より:

      https://win-tab.net/wp-content/uploads/2022/06/xiaomi12_pro_flia.jpg
      撮影後も「ギャラリー」アプリで、スーパーファインコントスト機能(MSX)や温度測定スポット(十字)も変更可能ですよ。

      MSXを選択後にスライドを調節して、熱画像と実画像の位置調整が出来ます。Xiaomi 12 Proの熱画像と実画像のズレを調節するともっとわかりやすい写真になります。