こんにちは、かのあゆです。Blackviewのスマートフォン「A95」の実機レビューです。A95はCPUにMediaTek Helio P70を搭載するミッドレンジのニューモデルで、iPhoneに似た筐体デザインを採用している点が特徴となります。以前実機レビューをした「A55」と同じく、アウトカメラがトリプルレンズ・・・に見えるけれど、実はシングルレンズ仕様になっているなど、ちょっと気になる点はあるものの、全体的に使いやすい端末に仕上がっています。
・クリアな音質の内蔵スピーカー
・便利な機能が追加された独自UI、Doke OS 2.1
・十分なRAMとストレージ容量
ここがイマイチ
・ディスプレイ解像度が低め
・トリプルカメラ・・・と見せかけて実はシングルカメラ
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Blackview A95:BLACKVIEW Global Store(AliExpress)
目次
1.Blackview A95 スペック
スペック表
Blackview A95 | |
OS | Doke OS 2.1(Android 11ベース) |
CPU | MediaTek Helio P70 |
RAM | 8GB |
ストレージ | 128GB |
ディスプレイ | 6.528インチ(1,600 x 720) |
LTEバンド |
FDD-LTE:B1/3/7/8/20 TD-LTE:B40 |
SIM | nanoSIM × 2(SIM2はmicroSDと排他) |
ネットワーク | 802.11 b/g/n/ac、Bluetooth 4.2 |
入出力 | USB Type-C、MicroSDカード |
カメラ | イン8MP/アウト20MP |
バッテリー | 4,380 mAh |
サイズ | 163.7 x 75.5 x 8.55 mm |
重量 | 195 g |
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OSはAndroid 11ベースのBlackviewカスタムOS、「Doke OS 2.1」です。以前実機レビューを行ったBlackview A55に搭載されていたものと同一バージョンで、UIは素のAndroid OSに準じていますが利用アプリを制限できる「キッズモード」などいくつか便利な独自機能が追加されています。
CPUはMediaTek Helio P70です。ゲーミング向けに性能を強化したHelio Gシリーズと比較すると全体的な性能は控えめで、GPUの性能も低めですが3Dゲームをプレイしないのであればストレスを感じることはありません。RAMは8GB、内蔵ストレージは128GBという構成で、MicroSDカードによるストレージ拡張にも対応しています。
ディスプレイは6.528インチで解像度はHD+(1,600 × 720)です。
カメラはイン8MP、アウト20MPという構成です。アウトカメラにはソニー製イメージセンサー「IMX376」が採用されています。トリプルカメラを採用しているように見えますが、A55と同じくこれはあくまで「デザイン」で、実際にはシングルレンズ構成です。
Blackviewは日本国内でもAmazon.co.jpでスマートフォンの正規販売を行っており、技適を取得しているのも確認済みですが、レビュー時点ではまだ電磁表示には対応していませんでした。また対応バンドも少なめで、ドコモのプラチナエリア対応バンドとなるB19にも対応していません。
バッテリー容量は4,380 mAhで、18W出力の急速充電に対応します。
2.Blackview A95 筐体と使用感
付属品はマニュアル、USB-C to Aケーブル、ACアダプター(海外仕様)、専用ケースです。マニュアルには日本語表記もありました。
前面はA55と同じくティアドロップ型のノッチを採用しています。公式サイトなどで公開されているプレス画像では左右ベゼルが狭くなっていましたが、実機はそれよりもやや太めです。
背面です。筐体色は派手目な「ファンタジー・ギャラクシー・レインボー」ですが、A55よりもさらに「それっぽい(w)」デザインになっています。
ということで実際に手持ちのiPhone 12 miniと並べてみました。サイズ感やデザイン的にはむしろiPhone 13 Proの方が近いのですが、本当に背面デザインの再現度は高いと思います。なお前述のとおり、アウトカメラはトリプルレンズのように見えますが、実際にはシングルレンズ仕様で、あとの2つはダミーです。
左側面にはSIMトレイがあります。デュアルSIM仕様で、うち一つはMicroSDカードと排他利用となります。
右側面にはボリュームボタンと電源ボタン。
上部にはマイクが配置されています。
下部にはUSB-CポートとUSB-Cポートがあります。なお、この製品にはイヤホンジャックはありません。
システム
前述の通り、OSはAndroid 11ベースの「Doke OS 2.1」です。以前レビューしたA55はストレージ容量がわずかに16GBだったこともあり、プリインストールアプリは最小限でしたが、A95では128GBと余裕があるため、Google純正アプリとDoke OS標準システムアプリのほか、Gameloft製ゲーム(Asphalt Nitro、リアルサッカー、ディスニープリンセス・マジェスティック・クエスト)とWPS Officeもプリインストールされていました。プリインストールされているゲームはどれも3D性能が低い端末に合わせたものになっているため、A95でも快適にプレイできます。
A55にも搭載されていた機能制限モード「キッズモード」も健在です。お年寄りの方に渡すのであれば電話アプリとマップアプリ、WEBブラウザのみ、お子様に渡すのであれば電話アプリと教育アプリのみ実行できる設定にすると良いかもしれません。
他社カスタムUIでも搭載されていることが多いシステム最適化ツールも標準搭載されており、ワンタッチで不要ファイルの削除、メモリ解放を行えます。
工場出荷時のストレージ情報です。システムで使用している容量は8.99GBとコンパクトで、空き容量は約119GBと十分な容量が確保されています。
工場出荷時に搭載されているファームウェア情報です。Androidセキュリティパッチは「2022年1月5日」と新しめのものが適用済みとなっていました。
ディスプレイ
ディスプレイは6.5インチサイズで、解像度はHD+(1,600 × 700)です。FHD+解像度ではないのが残念ですが、価格帯を考慮すればやむを得ないかな、と思います。ただし、普段使いにおいては細かいドットが目立つということもありません。レビュー中に画像などを表示してみましたが、画質に関しても十分満足できるものになっていました。
スピーカー
スピーカーはモノラルです。前回レビューしたA55では音質がそれなりだったので正直そこまで期待してはいなかったのですが、予想以上に「頑張っている」印象を受けました。あくまでモノラルスピーカーなので本格的に音楽再生するのであれば別売の変換アダプターを購入して有線イヤホンで聴いた方が良いでしょうが、流し聞きする程度であれば十分な音質を確保しています。
カメラ
標準カメラのUIはなぜかA55と翻訳が異なっている箇所(A55では「美しさ」モードだったものがA95では「美顔」モードになっているなど)はありますが、基本的には共通のUIを採用しています。ただし上位モデルということで機能は増えており、「ナイトモード」も利用可能になっています。前述の通りこの機種はシングルレンズ仕様となっているので残念ながら超広角撮影やマクロ撮影には対応しません。
画質に関しては「きれいに撮れている」という印象で、明るい場所での撮影はもちろんのこと、暗所での撮影に関しても予想以上に明るく撮れています。暗所撮影に関してはさすがにパソコンで拡大してみるとノイズが目立ってしまいますが、SNSやブログで使用する分には十分すぎる画質だと思います。
3.Blackview A95 性能テスト
参考:
ASUS ROG Phone 5s(Snapdragon 888+):846,862
ASUS Zenfone 8(Snapdragon 888):785,280
Mi 11T(Dimensity 1200 Ultra):582,178
Xiaomi Pad 5(Snapdragon 860):566,309
Realme GT Master Edition(Snapdragon 778G):542,182
Galaxy Fold SCV44(Snapdragon 855):523,971
Xperia 1 SOV43(Snapdragon 855):511,163
Xiaomi Mi 11 Lite 5G(Snapdragon 780):500,573
OnePlus Nord CE 5G(Snapdragon 750):384,505
iiiF150 R2022(Helio G95):350,565
POCO M4 Pro 5G(Dimensity 810):349,498
OnePlus Nord N10(Snapdragon 690):342,506
POCO M3 Pro 5G(Dimensity 700):330,303
Redmi Note 11S(Helio G96):307,755
Redmi Note 11(Snapdragon 680):277,105
CHUWI HiPad Plus(MT8183):172,713
Samsung Galaxy Note FE(Exynos 8890):177,984
OUKITEL C22(Helio A22):99,664
AGM H3(Helio P22):84,184
BlackView A55S(Helio A22):78,630
geanee ADP-503G(MT6737M):46,316
AnTuTu Benchmark v9での総合スコアはHelio G95/G96やSnapdragon 680には届かないものの、概ね4年前に販売されていたハイエンドスマートフォンに搭載されていたExynos 8890に近いスコアを計測しています。GPUはVulkan APIに対応こそしているものの、ベンチマークスコアは低いので、プリインストールされている「Asphalt Nitro」などの軽い3Dゲームや2D主体のゲームであれば特に問題なくプレイできますが、「原神」などの重量級ゲームはグラフィック設定を最低に落としても快適にプレイするのは厳しい性能です。ただし通常利用に関しては特にストレスなく利用することが可能でした。
4.Blackview A95 レビューまとめ
Blackview A95はAliExpress内Blackview Global Storeに製品ページがあり、2月21日午後5時(日本時間)より発売記念セールが予定されていて、139.99ドル(約16,770円、製品ページの10ドルOFFクーポンを併用した価格です)で購入が可能です。CPUやRAM/ストレージ容量からみて、このセール価格であれば割安感がありますので、サブ機として悪くないのではないかと思います。
あまりにも「iPhone」そのままな背面デザインや、シングルレンズであるにもかかわらずダミーレンズをわざわざ搭載してトリプルレンズ仕様に見せかけている点など、「中華スマホ」らしい突っ込みどころはあるものの、Blackview独自のカスタムUIであるDoke OS 2.1は細かいところが配慮されていて使いやすいですし、内蔵スピーカーやカメラ性能も悪くないものになっています。個人的には、ダミーレンズ搭載というのもどうか、という気もしますので、次のモデルで改善してもらえれば・・・とは思います。
5.関連リンク
Blackview A95:BLACKVIEW Global Store(AliExpress)