こんにちは。かのあゆです。日本で正式に流通しているものや海外でのみ販売されている端末も含め、様々な機種が販売されているAndroid端末ですが、同じ時期に発売されたにもかかわらずOSのバージョンが異なっていたり、あるいは新しめの機種にもかかわらず最新のOSアップデートが受け取れず打ち切られてしまったりすることに疑問を感じたことはないでしょうか。
GIGAZINEに掲載された記事によると2017年2月の時点においてiPhoneやiPadなどに搭載されているAppleのモバイル用OSであるiOSの最新バージョン「iOS 10」の普及率は80%であるのに対してAndroidの最新バージョンである「Android 7.0/7.1 “Nougat”」の普及率はわずか1%でしかないようです。
iOS端末の約80%が最新の「iOS 10」であるのに対し「Android 7.0」はたった1%しかいない : GIGAZINE
現在のAndroid端末だと、2015年に登場した「Android 5.0/5.1 “Lollipop”」、あるいは2016年に登場した「Android 6.0 “Marshmallow”」が搭載され、使われているケースがほとんどを占めています。
この記事ではなぜAndroidの最新版がすぐに普及しないのかという事情について説明したいと思います。
目次
iOSやWindows 10 Mobile搭載端末はOS開発元がアップデートを提供
AppleのiPhoneやiPad、iPod touchはOSもハードウェアも自社で開発していることもあり、最新OSは正式にリリースされてから直ちに適用されます。
またAppleの場合ハードウェア寿命ぎりぎりまでOSのアップデートを継続するため、古い端末でも最新のOSが適用可能です。
例えば現在のiOSの最新バージョンである「iOS 10」は一番古い端末では2012年に発売したiPhone 5にも適用可能です。そのためiOS端末ユーザーのほとんどは意識していなくても確実に最新のバージョンを受け取ることが可能となっています。
iOS 10の普及率が80%という数字になっているのはこのような事情となります。
またWindows 10 Mobileに関しても端末メーカーがアップデートを管理するのではなく、OSを開発しているMicrosoft自身がアップデートを提供するため、こちらも同じくOSの要件がサポート対象外になるまでは基本的にどの端末でも最新のバージョンを適用できる仕組みになっています。
AndroidはOSのアップデートをメーカーが管理。判断次第では最新端末でもアップデートが打ち切りになる端末も
Androidの場合はGoogleがOSのアップデートの管理を行っているNexusシリーズやPixel、Android Oneなどを除き、ほとんどの端末がセキュリティパッチの適用も含めたアップデートの管理を端末メーカーが行っています。
そのためメーカーの判断によっては最新端末であっても初期搭載のOSバージョンのまま一切アップデートを行わないものもありますし、ほとんどの端末メーカーの場合素のAndroidをそのまま搭載せず、独自のホームランチャーやアプリを搭載するなどカスタマイズを行ってから出荷するため、アップデートされてもOSの正式リリースからだいぶ遅れてリリースされる例がほとんどです。
さらにドコモやau、ソフトバンクの、いわゆる「キャリア端末」の場合、アップデートはメーカーではなくキャリアの判断で行われます。キャリアでは日本独自仕様であるワンセグ・フルセグやおサイフケータイなどのハードウェア面のテストや、プリインストールされているキャリアアプリの動作テストを行ったうえでアップデートするかを判断するため、OSのアップデートを発表してから実際にアップデートできるようになるまで、時間を要するケースがほとんどです。
現在ではだいぶ改善されてきましたが、一時期はキャリアを通して販売される機種でも一度もアップデートを受けられず製品ライフサイクルを終えてしまう端末や、グローバル版ではアップデートされているにもかかわらず、日本向けはアップデートを打ち切られてしまうという例がほとんどでした。
Nougat世代ではだいぶ改善されてきた
ただし、すべての端末が最新のOSを受け取れないという現状をAndroidの開発元であるGoogleが黙って放置していたわけではありません。
昨年よりアップデートを積極的に行っているメーカーを実名で公表して積極的にアップデートを行っていない端末メーカーにアップデートを促す、いわば「強硬手段」をとっており、その結果Nougat世代に関しては日本国内のキャリアモデルに関してはドコモ、auともにアップデートを受け取れる端末がかなり増加しました。
特にNougat対応端末で一番古い2015年春に発売した「XPERIA Z4」は例年であればアップデートが打ち切られてもおかしくはない状況だったにもかかわらず、ドコモ版、au版ともにNougat対応を発表しています。このように、多くの日本メーカーの端末がアップデートを受け取れるなど、いい方向に改善されつつあります。
またSIMフリーモデルに関してもHuawei、Freetel、NuAns、Motorolaなどの端末メーカーは積極的にOSアップデートを提供する傾向があります。かつては初期搭載OSのまま一度もアップデートされないことが当たり前だった中華スマートフォンなどもVernee、Elephone、UMIなどは精力的に最新OSのアップデート対応を行うようになり、昔と比べればだいぶ状況は改善されたといえます。
Androidの場合OSが普及しだすのは次期OSの発表と同時期。もう少し短時間になれば…
OSアップデートに関してはNougat世代でだいぶ改善されたものの、iOSやWindows 10 Mobileと異なり、端末メーカーによるカスタマイズやキャリアのテストなどが入る関係上、どうしても最速で提供というわけにはいかず、最新OSがアップデート可能なすべての端末にいきわたるまでに時間がかかってしまう問題はまだ残ったままです。
前バージョンのAndroid 6.0 “Marshmallow”もようやく搭載端末が増え始めたのは現行バージョンであるAndroid 7.0”Nougat”が発表されたタイミングでしたし、Nougatも本格的に普及しだすのは次期OSが発表されるあたりになりそうです。
ただ以前の状況からすればより多くの端末が最新バージョンにアップデートできるようになったのは機能追加や以前記事で取り上げたセキュリティ関連の関係も含めいい傾向だと思います。
OSのアップデートまで時間がかかってしまうという問題はまだ残っていますが、古いバージョンのまま放置される端末は今後減っていくことになりそうです。
関連リンク
iOS端末の約80%が最新の「iOS 10」であるのに対し「Android 7.0」はたった1%しかいない : GIGAZINE
GoogleがAndroidのアップデートを迅速に配布すべくスマホメーカーに強硬手段をとる : GIGAZINE
XPERIA X Compactと過ごすかのあゆブログ
コメント
レイヤー層分けてGUIとアプリケーションとAPIとシステムでそれぞれ下位互換持たせてOSアップデート出来るようにしてくれよ。
このメーカー主導が泥を買っても損した気分にさせるんだよね