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先日機種紹介をした「完全ワイヤレスイヤホン＋スマートウォッチ」な「Wearbuds」ですが、8月29日12:00に、いよいよ日本のMakuakeでクラウドファンディングがスタートしました！日本のクラウドファンディング開始に先立ち、実機を試用させて頂きましたのでその結果の印象などをレビューにまとめてみます。製品の立ち位置も含め、実際に使用してみて分かったこともたくさんあります。おもしろガジェット好きな方もそうでない方も納得感のある製品だと思いますよ。なお、この製品ですがAiPower様より、初期ロットのものを試用させて頂きました。ありがとうございます。
1.スペック
機種紹介でも伝えていましたので引用します。
イヤホン：
対応コーデック：aptX、AAC（ハイレゾ認証取得）
バッテリー容量：左右それぞれ35ｍAh
持続時間：5.5時間（ケース有：12時間）
充電時間：1時間
防水：IPX5
伝送距離：約10メートル
伝送方法：Bluetooth 5.0
ウォッチ：
プロセッサ：ARM Cortex-M4
ディスプレイ：0.96インチ 80×160（液晶）
センサー：7軸加速度センサー（圧力センサー内臓）
振動センサー
バッテリー容量：160mAh
充電時間：1.5時間
防水：IPX6
ウォッチ機能：心拍数、歩数計、睡眠モードなど/通話、メッセージ/アプリ（Facebook / Twitter / インスタグラム）通知
※付属品はマニュアル、イヤーチップ（予備）、充電ケーブル（画像はイヤーチップの予備を掲載漏らしています…。こんな風に箱の端にまとまって入っていました）。
イヤホンとしてのカタログスペックはおおよそ不満のないものになっています。apt-X HDやLDAC、HWAといった音質を最優先しているコーデック類には非対応なものの、apt-XにAAC対応であれば多くの人にとっては問題ないレベルです。バッテリーも5.5時間利用可能であれば十分でしょう。いざとなれば充電も出来ますしね。
ハイレゾ認証に関してはMakuakeの製品ページにマークが記載されていますが、各サイト上で積極的な表記が消えています。カタログスペック上、これは致し方ない点ですし大きな問題ではありません。日本国内だとハイレゾ認証が求めるスペックはbluetoothだと事実上満たせませんし、現在だと新しくハイレゾ認証のワイヤレス版が策定されているもののLDAC対応（HWAも認証を得られる可能性はあります）が条件になるのではないか、と言われているくらいで具体的なコーデックの認証状況は不明、といった状態です。ハイレゾ認証自体、製品の品質そのものを示すものではありませんから、有無は気にしなくてもよいと思います。
一方スマートウォッチ側の機能は最小限です。音楽再生のコントロールができない点や日本で使う場合においてLINE通知等が見れない点は残念ですが、それを除けば最低限の機能は一通り持っています。バッテリーもよほどハードな使い方をしない限り1日きっちり持ちますし、不満らしい不満は出ません。あくまでメインのスマートウォッチがない前提、ではありますが。
ただ、この製品の主軸はあくまでイヤホンであってスマートウォッチは付加要素、と捉えた方が満足度は高くなると思います。
2.筐体
イヤホンを格納するだけあってやや分厚いのは気になりますが、それを除けば上品なスマートウォッチです。デザインもシンプルですし、万人受けするのではないでしょうか。壊れやすそうな可動部などもなく好印象です。
充電端子部分は専用ケーブルですが、逆差しが出来ないようにされています（マグネットが反発します）。ラフな扱い方をしても問題なさそうなのが安心感につながりますよね。
面白いのがベルトです。装着方法が独特で取り外しが非常に楽です。装着時に少し苦労するのと、腕の細い女性には最小径でも大きすぎる点は気がかりですがそれを除けば特徴的でよいと思います。なお、このバンドは交換可能ですがあくまでWearbuds純正のものに限るはずです。
イヤホンそのものはシンプルなデザイン。特に奇をてらったところはありません。
3.イヤホンについて
当初低域量が多いと予想していましたがすみません。言いきれないです。装着位置で結構印象が変わります。私の場合、当初装着時は隙間があったのかかまぼこ型の特性だと感じましたが、装着が適切であれば低音量が少し多めな印象。タイトな鳴らし方ではありませんが最低限の情報量は確保しています。こもり感もほぼ無いといっていいでしょう。聴覚上ドラムのロータムの胴鳴りやキックのアタック音、ベースが多少目立つ音作りかなと。この辺りは低音として一番低い部分ではないので、やや腰高な印象はあります。人によりこの点は好みが分かれるかもしれません。
低音以外も周波数特性はリスニング用途として多少味付けをしている印象。中域～中高域辺りがほんの少し持ち上がっているように感じます。こうした方が聴き心地が良いのを分かってやってるな、と。エレキギターの描写が上手いですね。それと定位の明瞭感や音場表現が非常に優秀なイヤホンだと言えます。この辺りはオープンタイプのイヤホンに似た印象で、価格度外視で「良い」と言えるレベルです。完全なワイヤレスイヤホンは初めて使用しましたがクロストークの発生がないというのは明確な利点ですね…。
当初は解像度の不足を感じましたが使用につれだんだん改善はしているように思います。最終的にはこの点も価格相応に落ち着きそうな気がしています。音の線は細めです。
現状は価格相応な音、ですが、とくに高域の解像度が良くなれば単体でも良いイヤホンと言ってもらえるレベルになれると思います。bluetooth前提であればかなりいい線行ってると思いますよ。
欠点としてはまずイヤーピースのチョイスが大変難しい、という点が挙げられます。スマートウォッチに格納する都合上、大きさや形状に制限がありかなり選択を狭められることになります。入手が容易そうなメーカーからいくつかチェックしましたが、画像の物はいずれもアウトです…（メーカーとしてまだ試していないのはPioneer、AKG等でしょうか）。なお、イヤーピースについては後日単品販売されるとのことです。
それから細かい点ではイヤホンに記載されているロゴの向きも気になりました。小さいロゴなので目立ちにくいですが耳への装着時に逆になります。
また、操作系がイヤホンに集約されている点は便利な反面で装着したり位置を調整したりする際に誤動作させてしまいやすく、そこもちょっとだけフラストレーション。操作系そのものも多用する曲再生に関わるものは覚えやすいですが、他はなかなか覚えるのに時間がかかりそうです。
心配していた信号強度は俗にいう「中の上」です。繁華街中心部や大型トラックの通過など、「音切れても仕方ないな」って感じるところでは切れてしまう印象。ただ理由なく切れたりはしないですし、納得感があるためあまり苛立ち等はありません。もちろん左右片方だけが聴こえ続ける、みたいなことはありませんでした。
装着感も良好です。すぐにイヤホンが取れて落ちてしまう、なんてこともありません。ランニングで使用しても問題ないでしょう。
試せてはいませんが、防水対応なのでお風呂イヤホンにも使えちゃいますね。
4.スマートウォッチについて
まず充電を1度しておかないとスマートウォッチそのものが起動しない点に注意。機能面では非常にシンプルで、心拍数の計測に加え、ウォーキング、ランニング、サイクリングの歩数や距離、消費カロリー、継続時間の計測が可能です。更にアプリ連携で睡眠時間と深度の計測、階数の上下移動も計測してくれています。操作はタッチパネルで行います。インスタグラム等の通知については私の環境では確認できず…でした。また、スキン機能もとくにありません。液晶は屋外でも視認性が高く特に問題ありません。
スマートフォンとの接続はbluetoothで行いますが、（androidであれば）スマホ本体と接続する前にアプリをダウンロードしてそれに従いましょう。アプリ側が独自に接続をしているようで、いったん接続が切れてもアプリを起動すれば再接続をしてくれます。この辺りの使い勝手は手馴れている人の方がかえって引っかかる仕様ではありますが、初心者には極めて優しい作りですね。
なお、各通知などは音ではなくバイブで行われるようです。
5.まとめ
WearbudsはINDIEGOGO、KICKSTARTERで大成功を収めていますが、冒頭に記載の通り、8月29日に日本国内向けにMakuakeでクラウドファンディングがスタートしました。8月29日12:30現在の最低価格は13,500円です。
一見するとユニークさが先行しがちな製品ではありますが、内実きっちり作られている、という印象が強かったです。スマートウォッチとして見てしまうとシンプルさが目立ちますが、イヤホンケースにベルトがついていて、スマートウォッチにもなる。そんな製品なのだと考えれば印象が随分と変わりそうです。カバンにつけたりも出来るし相応に利便性があるんですよね。見た目に反しておすすめできる商品でした！