UGREEN Nexode Pro 100W レビュー－ 1つは持っておきたい、ノートパソコンとスマホの同時急速充電が可能な充電器

こんにちは、natsukiです。UGREENの最新急速充電器「UGREEN Nexode Pro 100W」の実機レビューをお届けします。手ごろな価格とそつのない性能で、充電器の決定版とも言える製品です。合わせて、別記事にて同シリーズの上位版「UGREEN Nexode Pro 160W」もレビューしています。詳細なレビューはそれぞれに記事を分けますが、必要に応じて比較します。

このレビューは、メーカーであるUGREENより提供いただいたサンプル機により実現しました。「UGREEN Nexode Pro 160W」も「UGREEN Nexode Pro 100W」も、急速充電器として代表的なスペックを持つ製品ですが、一方で、出力が上がれば当然ながらその分価格も上がるのが充電器です。100Wと160Wそれぞれを比較して、各自の環境に合った選択のために役立てていただければと思います。

販売サイトはこちらです
UGREEN Nexode Pro 充電器 65W 3ポート：Amazon
UGREEN Nexode Pro 充電器 100W 3ポート：Amazon
UGREEN Nexode Pro 充電器 160W 4ポート、単ポート140W：Amazon

1.最新の「UGREEN Nexode Pro」シリーズ
2.スペック
3.筐体
4.実測
5.65W/100W/160Wどれを選ぶべき？
6.価格と販路
7.関連リンク

1.最新の「UGREEN Nexode Pro」シリーズ

「UGREEN Nexode Pro」シリーズは、発売したばかりのUGREENの最新急速充電器ラインナップです。全容については、下記紹介記事をご覧ください。

UGREEN Nexode Proシリーズ－最新GaNチップ搭載で同社として歴代最小サイズの急速充電器:ウインタブ

新世代になったことの特徴としては、やはりサイズ感です。
・UGREEN Nexode Pro 65W:53×40×33mm、115g(スペック上)
・UGREEN Nexode Pro 100W:71×43×33mm、195g(実測)
・UGREEN Nexode Pro 160W:70×70×33mm、320g(実測)

USB Powerdelibery（USB PD）の普及に合わせて、急速充電器は出力・サイズともに、世代を経るごとに進化してきました。私の手持ちのUSB Powerdelibery対応充電器と、今回レビューする「UGREEN Nexode Pro」シリーズを並べてみます。

こうしてみると、充電器の進化が一目瞭然ですね。

2.スペック

UGREEN Nexode Pro 100Wの各ポートの出力と、組み合わせ時の出力は以下の通りです。本製品はUSB Type-Cポートを2つ備えていますが、かなり出力が違うのには注意が必要です。

100Wの出力があれば、一般的なノートパソコンへの給電に十分耐えます。例えば、私のメインマシンであるLenovo YOGA770は、純正充電器の最大出力65Wで、実測では低負荷使用時でおおむね45Wの電力を要求するので、100Wの出力があれば十分です。だいたい、13.3インチ～14インチのモバイルノートは最大消費電力が65Wのものが多く、15.6インチクラスのノートパソコンだと最大消費電力100Wのものが増えます。ざっと確認した限り、Core Ultra 7搭載の15.6インチノートパソコンでも100Wなので、よっぽどゲーミングやクリエーター向けの高負荷ノートパソコンでない限り、100Wあれば対応できるでしょう。

一方、30Wの出力では、省電力のエントリー機種を除き、ノートパソコンの多くは厳しいでしょう。Lenovo YOGA770も、30Wのポートに接続した場合は、電力不足の警告が表示されます。スマホの場合は、多くのスマホで30Wあれば、十分な急速充電速度が得られます。手持ちの例では、XIAOMI Mi 11 Lite 5Gは、USB Powerdeliberyの場合27Wの急速充電に対応しています(XIAOMI独自規格の場合33W)。もちろん、XIAOMIの120W神充電など、上を見ると切りがありませんが、30Wはスマホの急速充電としては、実用十分な出力です。

従って、おおざっぱに言って、このポート構成は、ノートパソコンを1台とスマホの急速充電1台に、USB Type-Aポートでもう1台の周辺機器やスマホ充電をまかなうパワーがあると言えるでしょう。ノートパソコンを使いながらスマホも充電し、さらにワイヤレスイヤホンやマウスなどの周辺機器も充電する、という用途に適した構成です。

3.筐体

UGREEN Nexode Pro 100Wの筐体を見てみます。

同梱品です。最小限の構成です。

ポートは、USB Type-C×2ポート、USB Type-A×1ポートの、合計3ポート。ただし先述の通り、USB Type-Cポートの最大出力は100Wと30Wで、かなり差があります。高出力のポートは、パソコンとスマホを模したマークと囲み線で強調されています。USB Type-Aの最大出力は22.5Wと、USB Type-Aにしては高出力です。

サイズ感は、ご覧の通り。これは、小さい！コンセント端子は、折りたたみ式になっています。

先にも比較しましたが、3年前のUGREEN社65W4ポートの製品と比べても、こちらの方が小さい。1世代前のUGREEN Nexode PD 65Wが、67×40×31mm、115gなので、サイズ的にはそれとほぼ変わりません。サイズ据え置きで出力はアップしているわけです。

重量は実測195gと相応にあります。持った感じもズッシリと中の詰まった重みがあります。ただスペック値よりひとまわり軽いですね。

4.実測

実際に手持ちの機器を使って性能のほどを見てみましょう。レビューにあたっては、主に以下の機器を使用しています。いずれも、バッテリー残量10％～40％程度での充電を行って計測しています。
・スマホ XIAOMI 12T:独自充電規格最大120W、PD充電規格不明。設定から「充電速度のブースト」をONにして充電。
・ノートパソコン Lenovo YOGA770:PD対応。純正充電器は最大65Wで実測では約45Wで給電している模様。給電がおおむね30W台前半になると警告が表示されるので、テスターをかませなくても、警告が表示されないことでおおよその給電が分かる。

充電速度(電力)の計測には、「サンワサプライ PD電力表示機能付き USB Type-Cケーブル 500-USB078」を使用しました。電力計測テスターは何種類か持っているのですが、今回のレビューに際し色々と試したところ、このクラスの高電力充電になってくると、テスターのスペック上の対応電力(電圧・電流)が十分なはずでも、実際にはテスターをかませたことで無視できない電力低下が見られる場合があり、私の手持ちの中ではこの製品がもっとも影響を最小限にできると思われたためです。なお、もちろん、ケーブルも十分に対応電力に余裕を持ち、信頼できるメーカーのものを使用しています。

XIAOMI 12Tを、かなりギリギリまで使ってからの充電です。独自規格では120Wをうたいますが、さすがに汎用的なUSB Powerdeliberyではそこまでの出力は出ません。それでも、ご覧の通りのかなりの高出力。状況によりバラツキがあるのですが、おおむね残量70％まではご覧の約60Wで充電し、70％を越えると電力が下がっていく感じです。スマホでこの給電力なら、みるみるうちに充電されていきます。

Lenovo YOGA770は、通常使用時なら、ご覧のようにおおむね40W台半ばで給電します。Lenovo YOGA770は、最大消費電力でも65Wのため、MAX30Wの第2USB Type-CポートにXIAOMI 12Tをつないで高速充電を行っても、Lenovo YOGA770側にはまったく影響がありませんでした。

実用的には、ノートパソコンを使いながらなら、スマホの充電を行うなら、30Wの出力でも実用十分です。スペック表から予想されるように、ノートパソコンを使いながら、スマホの充電も行う、という用途に十分な性能を持ちます。最大消費電力100Wのノートパソコンの場合、もちろん常時100Wの電力を要求するわけではないので、スマホの充電との両立は可能だと思いますが、高負荷時に無理が出るかもしれません。さらにもうひとつのUSB Type-Aポートで、他のスマホや周辺機器などの充電も行えます。もちろん、急ぎでなければスマホ3台同時充電も十分可能です。

5.65W/100W/160Wどれを選ぶべき？

65W/100W/160Wのラインナップを揃えるUGREEN Nexode Proシリーズですが、それぞれの特性は次のようになるでしょう。

今回、65Wについては実機レビューしていませんが、出力については実質同じであるUGREENの旧世代製品が参考になります。その使用経験から言うと、Lenovo YOGA770に給電した場合、単独ならいいのですが、同時にスマホの充電を行うと電力不足の警告が出ます。従って、65Wの出力では、ノートパソコンへの給電とスマホの充電を同時に行うのは力不足でしょう。

100Wの出力であれば、この記事でレビューしたように、Lenovo YOGA770へ給電しながらスマホへの充電(ただしMAX30W)を行うことも余裕です。最大消費電力65Wクラスのモバイルノートならば、パソコンの使用とスマホの充電を完全に両立することができ、100Wクラスになると、パソコン単独使用は問題なし、スマホの急速充電との併用は、低負荷時であれば十分可能といったところでしょう。

上位の160Wなら、出力に大きく余裕があり、かなり高スペックのノートパソコンまでカバーできます。また、モバイル用CPUのノートパソコン2台に加えて、スマホの急速充電(MAX30W)も可能です。ポート数が4つあるというのも嬉しいですね。ただし、その分価格も上がります。

まとめると、スマホの充電か比較的低電力のノートパソコンへの単独給電だけなら65WでもOK。ノートパソコンへの給電とスマホの充電を両立したいなら、この100W。ハイスペックなパソコンや、パソコン2台など、高度な要求があるなら160Wで。100Wは、価格と汎用性のバランスがよく、基準となる充電器かと思います。

6.価格と販路

価格は、記事執筆現在、Amazonにて

・Nexode Pro 65W：5,880円（4,998円）
・Nexode Pro 100W：8,990円（7,641円）
・Nexode Pro 160W：15,480円（13,158円）
※カッコ内は3月5日まで開催中のタイムセール価格

となっています。さすがに160Wはスペック相応の価格になるので、上記の比較を参考に、各自の環境に合った製品を検討してみるとよいでしょう。上述のように、この100Wは価格に対して対応力が高く、迷ったらこれという、バランスのよい構成になっていると思います。

充電器は、価格だけでなく信頼性も重要なことは言うまでもありません。個人的に、レビュー中にも出てきたUGREENの旧世代65W充電器は、数年にわたり我が家のメイン充電器として日常から旅行時まで実に重宝しています。毎日常に、家族のスマホの充電やパソコンの給電に引っ張りだこですが、安定して使えています。その他にもUGREENの周辺機器はいくつか使っていますが、いずれも長持ちしていて、まず間違いのないメーカーといってよいかと思います。

価格は、UGREENも含めて、大手メーカーの製品であればそこまで大きな差はありませんが、UGREEN Nexode Proは新しい分、コンパクトなサイズ感が売りです。特に100Wは、1世代前の65W製品とほぼ同じ、旧世代の65W製品よりも大幅に小さいという、素晴らしいサイズ感です。普段使いはもちろん、旅行のお供にも最適です。また、メーカーごとに規格が乱立しているスマホの充電について、UGREEN Nexode Proは、Samsung 2.0規格への対応が明記されており、XIAOMI製品についても、実際の使用で高い対応性を見せました。このように、ソフト面での対応により、より最適化された充電が望めるということも新製品のメリットと言えるでしょう。