サンワサプライがタブレットスタンドも装備する高機能なドッキングステーション「USB-CVDK4」を発売しました。ドッキングステーションというのはハブをさらに多機能にしたもので、多くの場合「セルフパワー(自らに給電が必要)」となります。ドッキングステーションとハブの境界線というのは私にもよくわかりません。見た目はどう見てもハブなのに「ドッキングステーション」を名乗る製品も多いですし(逆のパターンは見かけませんけどね)。
ただ、この製品は見るからに「ドッキングステーション」という感じがします。ウインタブでは過去にサンワサプライ製ではありませんが「Plugable UD-3900 ドッキングステーション - タブレットをデスクトップPCに!(実機レビュー)」という実機レビュー記事を掲載したことがあります。お恥ずかしいことに当時はこのドッキングステーションを活かせるようなPC環境になく、十分なレビューができませんでした。
現在私は、メインのPCが「Lenovo ThinkPad 13」、サブPCというか自宅でのデスクトップ環境として中国のミニPC「VORKE V1 Plus」を使用しています。VORKEは実態としてデスクトップPCなので、23.8インチの液晶ディスプレイとキーボード、マウスを接続しています。この記事とは直接関係ありませんが、私のようにメインのPCがモバイルノート、という人も少なくないと思われ、そんな人にはサブPCとして中華ミニPCをおすすめしています。もちろん私の実体験に基づいての「オピニオン」です。
しかし、今回紹介する「ドッキングステーション」を使えば、この論理は崩せますね。ノートPCをあたかもデスクトップPCのようにして使うことができますから。もちろんドッキングステーションというのはお値段も決して安くはないです。そこそこのミニPCが買えてしまうくらい。なので、論理を崩せるというか、「代替案として有力」ということも言えると思います。
少し長ったらしくなりますが、これがスペック表です。まず、PC(あるいはタブレット。WindowsもしくはMacOSのもの)とドッキングステーションはUSB 3.1 Gen1(要するにUSB 3.0です)のケーブル1本で接続します。繰り返しますが、ケーブル1本だけでの接続となります。
一方でドッキングステーションにはめちゃめちゃたくさんのポートがついています。
こんな感じですね。これは絶対使うだろうという周辺機器に「外部ディスプレイ(4K出力で2系統まで)」「キーボード」「マウス」(この2つはUSB 2.0ポートでも大丈夫でしょう)があります。また有線LAN接続もしたいところ。これらを接続した後でUSB 3.1(USB 3.0)ポートが2つ、Type-Cが1つ、イヤホンジャック、マイクジャックが使えます。また、この製品はセルフパワーなので、電力の供給が必要になります。モバイル用ではなく、デスクトップ用ということです。
で、どこが便利なのかと言うと、ドッキングステーションとディスプレイ、マウス、キーボード、その他の周辺機器は「繋ぎっぱ」にしておいて、外出する際はノートPCだけ接続を外して(USBケーブル1本だけでOK)持ち出し、自宅もしくは事務所などの作業場所に戻ってきたら再びノートPCをドッキングステーションに接続します。そうすると、「ケーブル1本でデスクトップ環境が実現」します。
私の経験上、ディスプレイ、キーボード、マウスくらいまでならハブでもこれが実現できます(実際VORKEのミニPCを使い始めるまではこれで頑張ってました)。しかし、それ以上の周辺機器の接続はしたことがありません。おそらく外付けのストレージなんかを接続する場合はバスパワー(給電不要)のハブだと厳しいと思います。なので、この製品は接続する周辺機器が多い人には強い武器になります。
これがドッキングステーション USB-CVDK4の本体です。基本的にタワー型として使うことになります(多分横置きでも大丈夫だと思います)。
さらに、タブレットスタンド(厚さ15 mmまでOK)もついていますので、タブレットとの相性もいいです。ただし、特に映像出力なんですけど、4K出力なんかをする場合はドッキングステーションだけでなくPCそのものの性能も関係してきますので、このドッキングステーションの機能をフルに発揮するとしたらAtomタブレットだと厳しいでしょうね。また、そもそもUSB 3.1(3.0)ポートがついたものでないと接続できませんし。なので、Surfaceタイプのような、比較的高性能なタブレットがあったほうがいいと思います。
ここまで見てきて、「PCやタブレットを充電しながら使えないの?」ってことを考えてしまいます。今回の新製品「USB-CVDK4」ではなく、既存モデルに「USB-CVDK2」というのがありまして、この製品だとPCとの接続をUSB Type-Cで行い、しかもUSB PD対応なので、PCやタブレットを充電しながら(ただし、接続するPCがType-Cからの給電可能であることが要件です)周辺機器を使うことができます。
また、サンワサプライでは「USB-CVDK1」「USB-CVDK3」という既存モデルもあり、それぞれ異なる機能になっていますので、用途に合わせて好きなタイプを選べます。これら既存モデルは実売価格が低めになっています。
サンワサプライ「USB-CVDK4」はサンワダイレクトで販売中で、8月10日現在の価格は税込み31,800円(送料無料)となっています。また「USB-CVDK1」は税込み25,700円、「USB-CVDK2」は税込み26,800円、USB-CVDK2」は税込み22,800円です。詳しくはそれぞれの製品ページでご確認いただければ、と思いますが、私が確認した限りだと、最新モデルUSB-CVDK4が強化されているのは主にディスプレイ出力(HDMIポート × 2で4Kの同時出力が可能)なので、複数の外部ディスプレイを使っていないのであれば既存モデルのほうがお値ごろでいいのでは?と思います。また、Type-CポートでPCに充電しながら使うのであればUSB-CVDK2ですね。
この製品に限らず、本格的なドッキングステーションというのはそこそこのお値段になります。中華のミニPCだと150ドルくらいから買えてしまうので、実はそんなに価格差もなかったりするんですよね。私の場合はノートPC + ミニPCで使っていますが、いくらクラウドストレージが便利になったとはいえ、「やりかけの作業の続きをする」みたいなパターンだとノートPC + ドッキングステーションのほうがいいかもしれません。
関連リンク(サンワダイレクト)
USB3.0ドッキングステーション USB-CVDK1
USB Type-C専用ドッキングステーション USB-CVDK2
USB3.0ドッキングステーション(タブレットスタンド付き)USB-CVDK3
USB 3.1ドッキングステーション(HDMI出力・4K対応・有線LAN)USB-CVDK4
コメント
MacBookにも良さそうですね