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Perixx PX Ergo Mech PERIBOARD-535 レビュー - エルゴノミクスデザインのメカニカルキーボードを試す!

Perixx PX Ergo Mech PERIBOARD-535
エルゴノミクス・メカニカルキーボード「Perixx PX Ergo Mech PERIBOARD-535」の実機レビューです。Perixx(ぺリックス)はドイツ・デュッセルドルフに本社がある周辺機器メーカーで、日本のAmazonでも多数のキーボードやマウスなどを販売しています。余談ですが、エルゴノミクス系の、相当に個性的な製品が目立ちますので、AmazonのPerixxストアフロントもぜひご覧ください。

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PerixxのAmazonストアフロント
Perixxのストアフロント

今回レビューするPERIBOARD-535もエルゴノミクスキーボードで、「しかもメカニカル」です。エルゴノミクス・メカニカルキーボードは市場に全く出回っていない、ということはありません。また、左右が完全に分離するものなど様々な形状の製品がありますが、価格の方はお高めです。PERIBOARD-535は1月8日現在のAmazonでの価格が15,499円なので、このジャンルのキーボードとしては購入しやすいほうですね。というか「安い」と思います。

ここがおすすめ
・人間工学に基づくエルゴノミクスデザインは非常に個性的
・設定アプリなしでも手軽にマクロの設定が可能
・Kailhのロープロファイルスイッチ採用、軸色も選択可
・(赤軸の場合)打鍵音はやや小さめ
・エルゴノミクスのメカニカルキーボードとしては比較的安価
ここがイマイチ
・メカニカルらしさがやや弱め
・我流でタッチタイピングをしている人には慣れが必要か
販売サイトはこちら
Perixx Px Ergo Mech エルゴノミクスキーボード:Amazon

1.PERIBOARD-535 スペック

  PERIBOARD-535
対応OS Windows 7以降、macOS Big Sur 11.2.1以降
インターフェース USB Type-A(有線接続のみ)
キースイッチ Kailh ロープロファイルスイッチ
(青軸/茶軸/赤軸から選択)
キーストローク(接点) 1.5±0.5 mm
キーストローク 3.0±0.5 mm
キー数 107(英語配列)
ライティング RGBバックライト
打鍵耐久性 5,000万回
サイズ 474 × 202 × 44 mm
重量 1,043±50 g

コメント

レビュー時点で日本語配列の設定はなく、英語配列のみです。

接続は有線(USB Type-A)のみですし、バックライトも搭載していません。有線キーボードなのでもちろんバッテリーもありません。ウインタブで昨年レビューしたメカニカルキーボード(中国メーカーのもの)の多くが有線/USB無線/Bluetooth接続に対応しており、バックライトを搭載していたり、ボリュームノブ(音量調整用のダイヤル)を装備していたりと、機能盛りだくさんだったのに対し、PERIBOARD-535はスペック表だけを見ると比較的シンプルな構造であると言えます。

ただし、キーボードマクロの登録が可能で、設定アプリを使わず、キーボード本体のみで簡単な操作であればマクロにできます(インスタントマクロ)し、設定アプリも用意されていますので、アプリ上でもマクロの登録が可能です。

Perixx PX Ergo Mech
キースイッチは「Kailh ロープロファイル」で青軸、茶軸、赤軸が選べます。お好みに合わせて選べばいいのですが、個人的には仕事用で使うのであれば赤軸か茶軸がいいのでは?と思います。メカニカル「らしさ」という点では青軸が一番「らしい」のですが、いかんせん打鍵音がかなり大きくなってしまうので…。ゲーム用として使う場合は打鍵音はあまり気にしなくていいと思うので、青軸も魅力的ですけどね。

なお、レビュー機は「赤軸」でした。

2.PERIBOARD-535 筐体

Perixx PX Ergo Mech PERIBOARD-535 外箱
外箱です。特に珍しい形状とか構造になっているわけではなく「Designed by Germany」というのがカッコいいと思っただけ…。工業製品ではドイツメーカー製というだけで安心感がありますよね(ただし、製造は中国です)。

Perixx PX Ergo Mech PERIBOARD-535 説明書
本体以外の付属品は取扱説明書のみ。一応日本語もありますが、日本語になっているのは保証内容の説明と製品仕様の説明のみで、この製品のセールスポイントである「インスタントマクロ」の使い方は英語表記になっています。なので、英語が苦手な人にはちょっと面倒かもしれません(そんなに難しいわけでもないですけど)。

Perixx PX Ergo Mech PERIBOARD-535 上から

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前面です。アルファベットキーが中央から2つに分かれている、エルゴノミクスキーボードらしい特徴的なレイアウトになっています。また、キーボード面の下部にはパームレストもついていますね。筐体表面の素材は基本的にABS樹脂で、プレート部分(キーが装着されているベースの部分)のみ金属が使われています。パームレストもABS製なので、手触りがふかふか、とかクッション性がある、ということはありません。

Perixx PX Ergo Mech PERIBOARD-535 底面
底面です。スペック説明のところで書いた通り、この製品は有線接続のみのシンプルな構造なので、底面にはスイッチやUSBレシーバーの収納場所はありません。ただ「脚」の位置が一般的なキーボードとは逆です。

Perixx PX Ergo Mech PERIBOARD-535 脚
脚は2段階に角度を調整できる構造になっています。

Perixx PX Ergo Mech PERIBOARD-535 角度調整
横から見たところです。脚を立てると手前側がリフトアップする、やっぱり一般的なキーボードとは逆の形状になります。

Perixx PX Ergo Mech PERIBOARD-535 スイッチ
キースイッチです。レビュー機は赤軸でしたが、キースイッチの形状はCherry MXスイッチとは異なります。当然Cherryスイッチ用のキーキャップとは互換性がありません。

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Perixx PX Ergo Mech PERIBOARD-535 キートップ形状
また、この製品は特に中央にあるキー(TとかH、数字の6、7など)は特殊な形状をしており、汎用のキーキャップは使えませんね。

3.PERIBOARD-535 設定

アプリ

PERIBOARD-535はドライバーなしでも動作しますが、設定アプリをインストールすることにより各種設定ができるようになります。設定アプリは公式サイトにあります(ダウンロードはこちら)。

Perixx PX Ergo Mech PERIBOARD-535 設定アプリ

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設定項目にはバッテリー残量の表示やライティング(バックライト)設定もありますが、PERIBOARD-535はバッテリーを搭載しておらずバックライトもありませんので、これらの項目は使えません。

Perixx PX Ergo Mech PERIBOARD-535 設定アプリ

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キーマッピングの変更ができます。ちょっと面白いと感じたのが「マウスの左クリック、右クリック」を任意のキーに割り当てられる、というところですね。

Perixx PX Ergo Mech PERIBOARD-535 設定アプリ

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マクロの登録も設定アプリから行います。設定アプリは日本語化されていませんが、マクロの登録がちょっと難解と感じられた以外はそんなに難しくはありません。

インスタントマクロ

PERIBOARD-535は設定アプリなしでもマクロの登録ができます。ここでは詳細な設定方法のご説明は省略しますが、例えば「F1キーにCtrl+C(コピー)を、F2キーにCtrl+V(ペースト)を」といった比較的簡単なものであればすぐに設定可能です。私はマクロ機能のあるキーボードを常用していないのでキーボードマクロはほとんど使いませんが、このインスタントマクロ機能は非常に便利だと感じられ、「使ってみたいな」と思いました。

4.PERIBOARD-535 使用感

打鍵音、打鍵感については「赤軸のもの」です。青軸、茶軸とはかなり大きく異なりますので、この点にご注意ください。

打鍵音

赤軸は青軸や茶軸と比べ、打鍵音は小さめです。そしてPERIBOARD-535の打鍵音は「普通の赤軸よりもさらに打鍵音が小さい」ですね。ロジクールのSingature K855(ロジクール製の赤軸)と打鍵音を比較してみました。

Perixx PX Ergo Mech PERIBOARD-535 タイピング音

※音量を大きめにしてください

打鍵音が小さいだけでなく、打鍵音質も低め(低音)ですよね。ロジクールのほうが「高い音」です。そのせいもあり、感覚的な「メカニカルらしさ」はやや弱いです。ロープロファイルのスイッチなのでストロークが浅く、(素早いタイピングにはいいと思いますが)メカニカル本来の「ボタンを押している感」が弱めになります。また、構造上キーボードの底面とテーブルの間にできる空洞の大きさが場所によって異なるためか、キーの位置によって打鍵音が異なります。特に中央付近のキーはメカニカルっぽくない「ポコポコ」という音も混ざります。

さすがにメンブレンやパンタグラフといった一般的なタイプよりは騒々しいものの、(あくまで個人的な感想ですが)この程度の打鍵音ならオフィスなどでも使えるのではないか、と思います。

打鍵感

打鍵音と同様に、メカニカルっぽさはやや弱いと感じました。メカニカルキーボードはリニアタイプの赤軸であってもカチッとした打鍵感が得られますが、その「カチッとした」感覚がやや弱めです。特にアルファベットキーの中央部分。このあたり、どの軸色を選ぶか、また同じ軸色でも人によって感想が少し異なると思いますので「いいか悪いか」ということは何とも言えません。私はこれまで赤軸のキーボードを何台か使ったことがありますが、それらとは感触が異なりました。ただ、「このまま使い続けなさい」と言われれば素直に納得できるくらいの打鍵感です。

キー配列

ここの評価が一番難しいですね…。読者の皆さんは教材とかソフトでタイピングを学習したことがありますか?私は「我流」です。また読者の多くも「別に習ったことはない。使っているうちに自然とタッチタイピング(ブラインドタッチ)ができるようになった」という人が少なくないんじゃないか、と思います。

エルゴノミクスキーノードの場合、「左手でタイプするキー」と「右手でタイプするキー」が決まっています。例えば「Hは右手、Bは左手」です(キー配列を見ていただければわかると思います)。タイピングを学んだことがある人にとってエルゴノミクスキーボードは非常に使いやすいはずです。ただ、今回のレビューで気づいたんですけど、私はいつも「Hを左手で」タイプしていたようなんです(自覚はありませんでした)。なので、使っていて「あれ?」と思う場面がしばしばでした。

今回はお正月休みを挟んでのレビューでしたから、少し長めに、数日間にわたってPERIBOARD-535をメインキーボードとして使ってみました。その結果、いつの間にか「Hを右手で」タイプできるようになっていましたw なので、タイピングを学んだことがなく、我流でタッチタイピングをしている人も、少し我慢すれば慣れていけるんじゃないか、と思います。また、この製品は「ゲーミング」を意識していますが、ゲームプレイの際に重要となるW,A,S,Dキーの場合は「ほぼ左手」で操作するはずなので、特に問題はないでしょう。

一方で、右手と左手のポジションは一般的なキーボードよりも明らかに自然です。手首の負担が軽減され、肩こりなどの症状も多少緩和されるのではないかと思います。ただ、私は毎日長時間タイピングしていますが、手首の痛みとか強い肩こりを自覚していない(おじさんなので普通に肩こりはありますけどね)ので、PERIBOARD-535によってそれらの症状が消えたとか、軽くなったということは感じませんでした。

最後に「一般的なキーボードとは脚の位置が逆」という点ですが、すみません、私は最後までこの構造が使いやすいとは感じられませんでした。

5.PERIBOARD-535 レビューまとめ

Perixx Px Ergo Mech PERIBOARD-535はAmazonで茶軸と青軸が販売中で、1月8日現在の価格は税込み15,499円です。

エルゴノミクスということで個性的なデザインのキーボードですが、「正しいタイピング」を身につけている人は一般的なキーボードよりも自然なポジションで気持ちよく使えると思います。ただし、記事中でも触れた通り、「右手でタイプするキーと左手でタイプするキー」が事実上決まっているので、我流でタッチタイピングを覚えた人は一部のキーが使いにくく感じられる可能性はあります。でも「しばらく我慢すれば、自然と正しいタイピングに近づけるので、むしろラッキー」かもしれないですね。

私は長時間のタイピングに起因する手首の痛みとか肩こりといった症状がないので、この製品がそれらの症状を改善してくれる、あるいは予防してくれる、ということを明言できません。しかし、手の位置は一般的なキーボードよりも自然なので、それらの症状のある人が試してみる価値はあると思います。

あと、「メカニカル」の特性である「カチッとした感触」は少し弱めでした(赤軸の場合)。そのかわり打鍵音が小さく、アクチュエーションポイントも浅めなので、ノートPCのキーボードやメンブレンとかパンタグラフ方式のキーボードを使っている人にも違和感が小さめで、気持ちのいいタイピングが楽しめると思います。

6.関連リンク

PX ERGO Mech PERIBOARD-535 フルサイズ・メカニカル・エルゴノミクスキーボード 英語配列
Perixx Px Ergo Mech エルゴノミクスキーボード:Amazon

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コメント

  1. 匿名 より:

    前回のカタログを再構成しただけの手抜きのキーボード紹介(記事?)とは全然違うじゃないですか!
    ただこれの記事って半分は赤軸の紹介であって(欠点とか)、キーボードの紹介じゃないですよね?
    キーボード界隈は有識者とそうでない層(銀行の数値入力に特化した入力形式をみなが絶賛してるからと絶賛するような人たち)の差が激しくて書くのが難しい部分もあると思いますが、これだとまだまだそうでない層の人たちにも物足りない記事に映ると思います。
    eink端末の記事などのような素晴らしい記事をキーボードでも書けるように楽しみにしています。

    • wintab より:

      公開情報のみに基づいて書く紹介記事と、実機を手にとって使用感を確認するレビュー記事は得られる情報量が全く違います。。