こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。先日「eMeet OfficeCore M220 Lite」という、会議用のスピーカー(スピーカーフォン)を実機レビューさせてもらったのですが、今回はその続編といいますか、新型のレビューとなります。その名も「eMeet Luna」。Office Core M220のほうは2個セットでしたが、Lunaは単品販売されています。基本機能はM220と大きく変わりませんが、デザインが一新され、単品販売されるために価格もお手頃、そして「Voice IAモード」や「オートゲインコントロール」といった、より「人の声に集中できる」新機能も搭載されています。今回のレビュー機はeMeetからサンプル提供していただきました。この場にて御礼申し上げます。ありがとうございました。
なお、 OfficeCore M220 Liteとは非常によく似た製品特性なので、 OfficeCore M220 Liteのレビュー記事も合わせてご覧ください。
eMeet OfficeCore M220 Lite レビュー - 電話会議用として高品質!音声の集音と再生に特化した実用性の高いスピーカーです。テレワークに最適!(実機レビュー)
1.スペック
対応機器: スマホ/タブレット/パソコン
接続方式: Bluetooth/USB/AUX
バージョン: Bluetooth 4.2
集音範囲: 360°
電池容量: 3.63V/2,600mAh
持続時間: 最大15時間連続通話
受電仕様: DC5V/1A
サイズ: 120 × 120 × 36.5 mm /235 g(実測値291 g)
LunaはPCやタブレット、スマホなどのデバイスに接続して使います。非常に乱暴な言い方をすると、基本機能としては「よくあるスピーカー」ではあります。最近のBluetoothスピーカーやイヤホンなどのほとんどが対応している「電話の受話/回線切断」とか「通話」が可能です。要はスピーカーだけでなく、マイクもついていて、ボタン操作などでかかってきた電話(LINEなどのアプリも含む)を受けたり切ったりできます。
そして、一般的なスピーカーやイヤホンと大きく異なるのは「マイク機能」が非常に充実しているという点です。「人の声を確実に、明瞭に拾う」ことが最重視されています。
この画像が最もイメージしやすいかと思います。数人(5人から8人位)が座っている会議室のテーブルの上にLunaを置けば、出席者全員の声を拾うことができます。なので、本体には3つのマイクが搭載され、360度集音可能です。
OfficeCore M220 Liteのレビューでも、テーブルの中央においたM220を、場所を変えていろんな位置から会話してみましたが、見事なまでに均一な音声を聞かせてくれました。「声を確実に拾い、相手に伝える」機能に特化したスピーカー(スピーカーフォン)なんです。
Lunaになって、さらに「声を確実に拾う」機能がレベルアップしました。一つは周囲の音をインテリジェントに除去してくれる「Voice IA」、そしてもう一つは「オートゲインコントロール(人声強化機能)」です。今回のレビューでは、このあたりの新機能をチェックしてみたいと思います。
2.筐体
同梱物です。ペーパー類は「安全のための手引き(左上)」「取扱説明書(左下)」「延長保証案内(中央上)」が入っていました。いずれも日本語表記があり、中国製品にたまに見受けられる不自然な日本語はありませんでした。内容は必要十分なものであると思います。また、延長保証に関しては、「標準で1年間、カスタマーサポートにAmazonの注文番号を連絡すればさらに1年間延長され、合計で2年間の保証が受けられる」というものです。
ケーブル類はAUXケーブル(3.5 mmジャック)とUSB Type-A(オス)- USB Type-C(オス)、USB無線接続用のUSBドングルが入っていました。この製品はUSB有線、USB無線、AUX、そしてBluetoothで機器(PCやスマホなど)と接続することが可能です。
本体です。従来モデルのOfficeCore M220 Liteからデザインが大きく変更され、全体的に丸みを帯びたものになりました。表面素材は金属で、高級感、という感じもなくはありませんが、事務用の機材として信頼できそうな、しっかりした素材感です。本体重量は291 gと、メーカー公称値(235 g)との誤差がかなり大きいです。ただし、製品特性上、この誤差によって著しく使用感が変わるということはないものと思われます。
上部中央には5つのLEDインジケーターがあり、「赤、青、緑、黄緑」の合計4色で点灯します。LEDの数と色によってバッテリー残量や電話(通話できるアプリを含む)着信、機器との接続ステータスなどを表示する仕組みです。
下部に7つのボタンがズラッと並んでいて、見た目カッコいいとも言えますし、操作のハードルが高そう…という印象を与えがち、とも言えます。画像左から「Voice AIのオン/オフ、通話開始/終了、音量ダウン、マイクのミュート/ミュート解除、音量アップ、Bluetooth(ペアリング)、電源オン/オフ」となります。それぞれのボタンにはアイコンがあり、使用時に特に戸惑うことはありません。しいて言えばVoice AIのボタンだけ事前に知っておかないとうまく使えないかも、というくらいでしょうか。
また、昨今はZoomなどの会議システムで「マイクのミュート」にまつわる悲喜劇をよく耳にしますが、そこは「人間設定」の領域なので、どうしようもないのかな、と。ただ、マイクボタンは目立つ位置にあり、サイズも若干大きめになっていますので、使いにくいことはないはずです。
底面です。この面のみプラスティック製ですね。ゴム足もあり、滑りにくくなっています。前身機M220は底面が少し滑りやすい構造だったので、この点は改善されていると思います。また、USBドングルを収納できるようになっています。そして、もちろん技適マークも不備なく表記されています。
側面です。この画像を見ると、Lunaの形状が「かなり丸っこい」ことがわかります。ポートは画像左からUSB Type-C、AUX OUT/LINK、AUX IN、そしてセキュリティロックスロットです。このうち、AUX OUT/LINKのポートに関して少しだけ説明させていただきます。
AUX OUT/LINKはその名の通り基本的には「音声出力」で、ここに別なスピーカーを接続すればLuna本体と接続したスピーカーの両方から同じ音が出ます。これは当たり前ですね。それともう一つ、Lunaが2台あればAUX OUT/LINKポートを使ってカスケード接続が可能です。この場合は2台のLunaのマイクなども有効に使えますので、やや広い会議室などでも使いやすくなります。ただし、以前レビューしたOfficeCore M220 Liteとは異なり、Lunaは単品販売なので、カスケード接続するためには、もう一台購入する必要があります。
3.使用感
通話品質
今回はスマホでのBluetooth接続とPCとのUSB無線接続をテストしてみました。Bluetooth接続、USB接続とも容易に接続ができ、特にトラブルはありませんでした。ただし、私の接続環境の問題かもしれませんが、Bluetooth接続のほうが音が大きく、USB接続だと音が小さめになりました。どちらも実用上は特に問題ないかと思います。
音声の品質ですが、以前レビューしたM220と同様、非常にクリアに聞こえます。また、この製品のセールスポイントである、「360度集音」ですが、話す位置や距離を変えてもクリアなのは変わりません。なので、声を的確に伝えるという点では高く評価できます。また、これは欠点とは言えないと思いますが、距離が離れていても「あの人マイクから遠くにいる」ということはわかりにくくなってしまいます。もともと通話音声はモノラルなので、話者がマイクの右側にいるのか左側にいるのか、ということはわかりませんが、それでも距離感くらいは多少わかりますよね?しかし、この製品の場合、距離感が薄れてしまう、というのはあります。
それと、Voice AIですが、効きは実感できました。具体的には「音(キーボードのカチャカチャ音や壁をコンコンと叩く音)を鳴らしながら話す」というのをいろいろやってみたのですが、確かに声以外の音は小さくなります。ただ、その効果は劇的、という感じではなく、少し周囲の音が小さくなるかな、といった感じでしたね。会議はそんなに騒々しい場所ではしないと思いますし、もともとLunaの集音性能は非常に高いので、Voice AI機能によってめちゃめちゃ聞きやすくなった、という感じではありません。もちろんこの機能があることが邪魔になることもないので、必要な場面が出てきたら使うようにすれば「助かった」ということもあるでしょうね。
音質
「普通のスピーカー」として音楽などを聴いたらどうなるか?ということを試してみました。スマホに接続してSpotifyで音楽を聴いてみたのですが、前身機のM220よりはずいぶん改善されているように思います。ただ、もともと音楽を聴く目的で作られたスピーカーではないので、音楽用のスピーカーとして購入するのはどうかなあ、とは思いますね。Lunaは1万円しますけど、1万円出せば結構いい音楽用のスピーカーが買えてしまいますからね。
Zoom会議などが増えていて、それを主目的にLunaを購入し、会議以外の時間に音楽用として使う、ということなら十分ありですね。低音から高音までそこそこのバランスで聴けますし、変にこもった感じとか、特定の音域が強調されているということもなく、普通に聴けますし、ボリューム調整により大きな音量(必要十分以上の音量)にすることもできます。
4.まとめ
eMeet LunaはAmazonで販売中で、6月15日現在の価格は税込み10,999円ですが、製品ページに10%OFFクーポンがありますので、これを使うと9,899円で購入ができます。
前身機のOfficeCore M220 Liteでは、「とにかく声を拾い、相手に伝える」ための製品と感じられ、期待される品質は見事にクリアしていたものの、「音楽とかは無理」という評価をしました。しかし、Lunaはもう少し汎用性があり、過度の期待はしないほうがいいとは言え、会議に使っていないときに音楽などを聴くこともできるくらいの音質を確保しています。また、2個セットではなく単品で購入できるというのも個人利用の場合はありがたいですね。
今回Voice AIなどの新機能も追加され、もともと高品質であった会議用スピーカーとしての性能にさらに磨きがかかり、個人利用にも優しい仕様になった、という点は高く評価できます。テレワークが急激に普及してきましたので、企業などでの利用だけでなく、自宅でテレビ会議などの頻度が高いという個人ユーザーも購入を検討していいと思います。
5.関連リンク
eMeet Luna:Amazon
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クーポンコード「D3U8TKHY」
クーポン割引後の価格は7,586円となります(8月7日現在)