こんにちは、natsukiです。今回は、気分転換に面白ガジェット工作をしようという記事です。突然ですが、「テンセグリティ構造」って知っていますか?張力によって、まるで宙に浮いているかのようにみえる構造です。今回は、これを自作してみました。結果的に、スタンドとしては微妙なものとなってしまいましたが、不思議なオブジェとしてなら、そこそこの出来となりました。1回作ってみるとポイントが分かるので、次回には実用レベルを上げて作れそうです。休日工作としていかがでしょうか。
1.構造の把握
お手本にしたのは、Amazonなどで販売されている、ブロックのテンセグリティ構造。というか、これらを見かけて作ってみようと思い立ちました。
うんうん、要は、「真上から見たときに糸を垂らす点が三角形になっていればいいのね」という、きわめて雑な構造把握で作りはじめてしまいます。
2.製作
部品作成
材料は、加工が簡単なプラ板を使いました。プラ板の基礎知識として、加熱することにより長さは約2.5分の1に縮みます。また、縦と横で収縮率が違うので、曲線や斜めの切り抜きにはゆがみが出ます。
特に図面は引かず、頭の中で考えただけで切り進めてしまっています。
こんな風になる予定。
「T字」の部分は、ドローンスタンドにする欲が出たので、切り離して着脱可能に改造しました。
釣る穴を開けます。
その糸を結ぶ部品も作ります。
焼成
これらの部品を、オーブンに入れて焼いていきます。注意点として、このように細い部材の場合、縮むときにのたうつため、ほっておくと互いにくっつき合ってぐちゃぐちゃになってしまいます。私の場合は、オーブンの蓋を半開きにして、さいばしを突っ込んで抑えながら焼きました。
焼き上がったら素早く平らなお盆などの上に移して、何か適当な板で押して、平らにします。熱いので、熱で変形したり、塗料が付いたりするような素材に触れないように。
組み立て
組み合わせる部分をヤスリで整形して、瞬間接着剤で固定。これだけだと強度が弱いので、補強部品を作って貼りつけています。うーん、瞬間接着剤を使うなら、プラ板は曇りガラスタイプの方が接着剤が目立たなくてよかったかな?
糸には、100円ショップで売っていた透明縫い糸を使いました。
糸を結び、とりあえず釣ってみますが、うまくいきそうで、倒れてしまいます。むむ? ここでようやく、バランスがデリケートなことに気づきます。ただ、基本構造は問題なさそうなので、あとは調整でなんとかなりそう。
微調整
いろいろいじくって分かってきたのは、左右方向のバランスが繊細だということ。特に、2本の支柱が、焼き上げただけだと、どうしてもそりやねじれが出てしまって、これが致命的みたい。そこで、固定したはんだごてに部品を近づけて局所的にあぶり、柔らかくなったら手で修正(やけどに注意)を繰り返し、ゆがみを地道に直していきます。糸の長さも、微調整。このあたり、かなりの器用さと根気が要りました。
3.完成
できました! 動画でもご覧ください。
ドローンを載せてみましょう。バッテリーホルダーに、T字のパーツを通すような構造になっています。
えーっと、一見、うまくいっているように見えますが、この構造だとバランスが微妙すぎて無理をしています。よく見ると、T字の部分の横棒を斜めにしてなんとかバランスをとっているのが分かります。載せているというより、しがみついてる感じになっちゃってますね。また、重さも支えられず、実はこいつは中のFC(基板)を抜いてある「ガワ」だけです。何かものを載せるスタンドとしてのバランスと強度を得るためには、糸をもう1本追加で張る構造を考えた方がよさそうです。
とはいえ、面白オブジェとしてはなかなかの出来になったと思うのですが、いかがでしょうか? 何も載せない状態をご覧ください。
4.まとめ
使ったもの
かなり行き当たりばったりで作りましたが、結果的に、使った材料と加工道具は以下の通りです。
「材料」
・プラ板
・透明縫い糸(テグスなどでもOK)
「加工道具」
・オーブン
・さいばし
・アルミホイル
・カッター
・カッター板
・パンチ
・ヤスリ
・瞬間接着剤
・はんだごて(プラ板のゆがみ修正用)
次作へ
作ってみて分かったことは、基本構造さえ理解していれば、寸法はけっこうアバウトでいけてしまうということ。ただし、糸3本の構造ではバランスが極めて微妙なため、自重を支えるのが精一杯。糸をもう1本追加すれば、それなりのものを載せられるスタンドも可能そうな手応えを得ました。
アイデア次第では、いろいろと応用もできるかもしれません。単純に、ながめていて飽きない面白さもありますよ。みなさんも作ってみてはいかがでしょうか。