BTOパソコンメーカーのFRONTIERが、15.6インチのゲーミングノート「LNシリーズ」を発売しました。「エントリークラスのゲーミングノート」ということなのですが、パッケージングを見ると単にゲーム専用PCとしてだけでなく、むしろ「高性能スタンダードノート」として使えそうな製品で、価格もスタンダードノートとオーバラップしています。
1.スペック
FRONTIER LN(2020) | |
OS | Windows 10 Home / Pro |
CPU | Intel Core i7-10750H |
外部GPU | NVIDIA GeForce GTX1650(4GB) |
RAM | 8GB/16GB/32GB/64GB |
ストレージ | 240GB / 480GB / 1TB SSDなど(ストレージ2基搭載可能) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 15.6インチIPS (1,920 x 1,080) |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.0 |
入出力 | USB 3.2 Gen2 Type-C、 USB 3.2 Gen 1 × 2、USB 2.0、HDMI、mini DisplayPort、イヤホンジャック、マイクジャック、有線LAN(RJ45)、SDカードリーダー |
カメラ | Webカメラ(100万画素) |
バッテリー | 15.2V/3175mAh/49Wh |
サイズ | 359.5 × 238 × 21.9 mm |
重量 | 1.987 kg |
この製品は注文時にOSのバージョンやRAM/ストレージ容量などをカスタマイズすることができます。CPUは第10世代(Comet Lake-H)のCore i7-10750Hで、これは現時点でゲーミングノートの標準とも言える型番です。GPUはGeForce GTX1650で、こちらもエントリークラスのゲーミングノートでよく使われているものです。ウインタブでは過去に何度もこのCPUとGPUの組み合わせ(のPC)をレビューしていますが、「常に最高画質」ということでなければほとんどのPCゲームは問題なくプレイできます。大会出場を目指しているような上級ゲーマーは別として、カジュアルにオンラインゲームを楽しみたいということなら十分な性能だと思っています。
RAMは最低で8GB、最大で64GBまで増設可能です。ゲームプレイを楽しむという観点だと、RAMは16GB以上あるほうがいいかと思います。また、ストレージは最低で240GB SSDですが、これを最大2TBまで増設可能ですし、もうひとつ別にSSDあるいはHDDを搭載することもできます。いくつかゲームをインストールしてプレイしたいということだと、240GBというのは明らかに不足で、最低でも500GBくらい、できれば1TBくらいにはしておくほうがいいでしょう。ちなみに私が使っているゲーミングノートは512GBですが、「そんなにゲームを入れていないつもり」なのに、空き容量は100GBを切っています。オンラインゲームって数十GBくらいのものがゴロゴロありますんで、240GBだと「あっという間」です。
ディスプレイは15.6インチIPS液晶、FHD(1,920 × 1,080)解像度です。視野角の広いIPS液晶というのは歓迎ですが、リフレッシュレートは60 Hzにとどまっています。カジュアルゲーマー向けということであればこれで悪くないかな、という気はしますが、FPSゲームや格闘ゲームをプレイする腕のいいゲーマーには物足りないでしょうね。
通信まわりではWi-Fi6(ax規格)に対応し、入出力ポートもかなり充実しています。この構成であればゲーム用としてもビジネス用としても不足を感じることはないでしょう。
サイズは2019年モデルに対し、特に奥行きが小さくなっています。とはいえ重量が2キロ弱ありますので、モバイルノートとして使うのは厳しいですね。スタンダードノートとしては悪くないサイズ感だと思います。
2.筐体
この製品、筐体デザインがゲーミングノートとしてはかなりおとなしめです。高性能スタンダードノートとして使うのであれば歓迎できますね。左右のベゼルが細く、なかなかスタイリッシュだと思います。
キーボードの拡大画像がありませんでしたので、ここでキーボードについてもご説明します。テンキーのついた日本語配列で、キーピッチ約18.2 mm、キーストローク約1.8 mm ± 0.2 mmと開示されていて、キーピッチに関しては標準的からやや狭めくらいと言えます。また、バックライトはRGB(色数はそんなに多くないようですが)で、この画像のようにピンクっぽくもできますし、普通に白にもできます。また、Per-Key RGB(個々のキーのバックライト色を任意に設定できるもの)ではないようです。
天板です。少し立体的な造形になっていますが目立つ装飾はありませんし、筐体色も落ち着いたものになっています。ゲーミングノートとしては地味ですが、ビジネス利用の際には悪くないでしょう。
側面と前後面です。USBポートは左右側面にバランスよく配置され、背面にもHDMIやminiDPといった映像系ポートが配置されます。側面のデザインも落ち着いた印象で、背面の通気口が大型である以外はゲーミングノートっぽさが感じられません。
底面です。さすがに通気口はかなり大きめになっています。
3.価格など
FRONTIER LN(2020)はFRONTIER公式サイトで販売中で、8月7日現在の価格は102,800円(税込み113,080円)から、となっています。この製品はスタンダードノートっぽい外観になっていますので、ビジネス利用などの場合は最低価格のもの(RAM8GB/240GB SSD)を選ぶという手もありますが、せっかくのGTX1650搭載機ですから、RAM16GB/1TB SSDという構成になる116,800円(税込み128,480円)のモデルがおすすめですね。RAMとストレージ容量が相当大きくなっても価格は思ったほど上がりませんし。
平日は仕事に、夜や休日にはゲームに、といった使い方をするにはピッタリのノートPCだと思います。
4.関連リンク
LNシリーズ(HM470/10th):FRONTIER