こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。2017年夏版のWindows タブレット機種比較特集も終盤に差し掛かりました。前回まででAtom機はひと通り見てきましたので、今回からはCore m、Core iを搭載するミドル~ハイスペックのタブレットを見ていきます。そうすると「Surfaceタイプ」が視野に入るのですが、その前にワンクッション入れさせてもらいます。どうしても2機種、避けて通れない低価格な製品があります。お値段の方もSurfaceタイプよりワンランク下に位置し、Atom機の上位モデルとオーバーラップしそうな価格帯になっています。
ウインタブで「Surfaceタイプ」と呼んでいるのは「キックスタンドを持っていて、本体だけで自立でき、薄型のカバー一体型キーボードが用意されているもの」です。このタイプの特徴は外観が非常によく似ている(要するにMicrosoft Surface Proにそっくり)ことですが、今回紹介する2機種はキックスタンドを持たず、したがって外観もSurfaceには似ていません。そして決定的なポイントとして、Surfaceタイプよりも低価格である、ということが言えます。
目次
1.HUAWEI MateBook
価格: 67,980円(税込み)から
OS: Windows 10 Home
CPU: Intel Core m3-6Y30 / m5-6Y54
RAM: 4GB / 8GB
ストレージ: 128GB / 256GB
ディスプレイ: 12インチIPS(2,160 x 1,440)
ネットワーク: 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.1
カメラ: インのみ5MP
入出力: USB 3.0 Type-C、オーディオジャック
バッテリー稼働時間: オフィス用途9時間/動画鑑賞9時間/音楽29時間
サイズ: 278.8 x 194.1 x 6.9 mm / 重量 640 g
最初に言っておくと、この製品はもうすぐ新型が登場します。海外では新型である「MateBook E」が発表済みとなっており、日本でもこの夏には発売される予定です。しかし、この記事を書いている6月19日時点ではこの製品が現行モデルであり、海外で新型が発表されたこともあって、一段とお買い得になっています。
CPUはKabylakeではなく、ひとつ前のSkylake世代のCore m3もしくはCore m5、RAMは4GB/8GB、ストレージは128GB/256GBと、構成の選択肢がありますが、断然低価格でおすすめなのが最下位のグレードであるCore m3/RAM4GB/ストレージ128GBに専用キーボードをセットしたモデルで、これが最安値67,980円となります。上位モデルになると急激に価格が上昇し、Core m5/4GB/128GBモデルが最安値72,750円(キーボード別売りで実売価格9,000円程度)、Core m5/8GB/256GBモデルだと最安値で115,344円(キーボード別売り)となってしまいます。
この製品の魅力はCore mプロセッサー搭載によるパフォーマンスと12インチサイズで高精細なディスプレイ、そして厚さなんと6.9 mm、重量640 gという薄型・軽量の筺体です。また、別売りのスタイラスペン(実売価格7,000円程度)を使えば2,048段階の筆圧に対応する手書き入力も可能です。
また、専用キーボードは形状こそカバー一体型の簡易なものですが、キーサイズが大型でバックライトもつく本格的なものです。もちろん洗練されたデザインも魅力的で、キーボードが付属して7万円を切る価格というのは本当にお買い得だと思います。既に発表されている新型機ではCPUがKabylake化され、キーボードもさらに改善されていますが、キーボード込みで6万円台という低価格のグレードが用意されるか不透明なため、この製品の在庫があるうちに買っておく、というのはいい考えなのではないか、と思います。
紹介記事:HUAWEI MateBook - ティザーキャンペーンの正体はこれ!12インチWindows 2 in 1が日本でデビュー!
安値サイト(NTT-X):MateBook/M3-4G-128G-5MP/グレー/キーボードセット
2.ドスパラ Diginnos DGM-S12Y
価格: 49,980円(税込み)から
OS: Windows 10 Home / Pro
CPU: Intel Core m3-6Y30
RAM: 4GB / 8GB
ストレージ: 64GB / 128GB / 256GB(すべてSSD)
ディスプレイ: 12.2インチ(1,920 x 1,200)
ネットワーク: 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.0
カメラ: イン2MP / アウト5MP
入出力: USB 3.0、USB Type-C、microHDMI、microSD、オーディオジャック
バッテリー稼働時間: 約4.7時間
サイズ: 305 x 210 x 10.5 mm / 重量 935 g(キーボード635 g)
Core mを搭載するタブレットの中では最も低価格(特価販売の旧モデルを除く)な製品です。最安値49,980円のものはCore m3/RAM4GB/ストレージ64GB SSDという構成ですが、キーボードと筆圧(256段階、ソフトウェアによって1,024段階)に対応するスタイラスペンがついての価格であるのが驚きです。ストレージを少し上げて128GBにしても53,978円と、上に掲載したMateBookよりも安いです。
ディスプレイも1,920 × 1,200と十分な解像度を確保しており、Wi-Fiも5GHz帯に対応、前後にカメラを装備するなど、CPU性能だけでなく、必要とされる機能が備わっており、また必要と思われる周辺機器が標準で付属しているため、本体価格だけで当面追金は不要、というのがありがたいところ。
ウイークポイントとしては重量が重いこと、手書き入力機能がワコムではなくN-Trigのため、ワコムに慣れている人には多少違和感があると思われること、そしてキーボード配列にややクセがあることが挙げられます。ただ、やはり価格のアドバンテージはかなり大きいですね。
紹介記事:ドスパラ Diginnos DGM-S12Y ー スペックを考えれば非常にお買い得!な12.2インチ2 in 1(実機レビュー)
販売サイト(ドスパラ):Diginnos DGM-S12Y
3.サイズ感ならMateBook
今回の対象は2機種だけですが、わりとはっきりした違いがあります。CPUやRAM、ストレージに関しては両者のバリエーションモデルによって異なりますが、Core m3ということで言えばほぼ互角と思われます。どちらもしっかりしたメーカーなので、同じバーツを使っているのならほぼ同じ性能と考えていいでしょう。
ディスプレイに関しては解像度で上回るMateBookが有利です。また、デジタイザー性能もMateBookのほうが2,048段階の筆圧に対応しており、手書き入力性能についてもMateBookに軍配があがると考えていいと思います。
最も気になるのはサイズ感です。MateBookは12インチながら640 gと軽量で、タブレット部分の厚さもわずか6.9 mmと超薄型です。少なくともタブレット形態での利用を考えると重量級(タブレット部分で935 g)のドスパラ Diginnosとは格段の差があると言えます。
ディスプレイ、そして筺体構造という点ではどう考えてもDiginnosは太刀打ちできないと言えます。
4.価格は圧倒的にDiginnos
価格面を考えるとDiginnosの圧勝となります。Core m3/4GB/128GBと同スペックでの価格を比較すると、Diginnosは53,978円、MateBookは67,980円で、さらにDiginnosにはスタイラスペンが付属するのに対し、MateBookはスタイラスペンが別売りとなりますので、スタイラスペンの価格まで考慮すると、約2万円の差になります。
5万円以上のガジェットは(人によりますけど)適当に買い物できるようなものではないので、慎重に、そして後悔しないように製品選びをすると思います。それで「どうせ買うなら、5,000円くらいは余計に払ってもいいか」なんて考えて、ちょっとずつ予算が上がっていき、気がついたらかなりの出費になってしまった、という状況に陥りがちなので、「妥協点」はしっかり考えておく必要がありますよね。少なくとも私は予算オーバーしやすいタイプなので、一度設定した予算は理由のいかんを問わず、必ず守る、ということをいつも考えています(が、実際そうなりません)。
おそらくですが、DiginnosとMateBookの2万円の価格差、というのは妥当なんだろうと思います。2万円余計に払ったら、その分幸せになれそうな気がします。だけどね、さらにあと2万円追加したらSurfaceタイプが買えますよ、みたいな話にもなります。そしてさらに2万円足すとCPUがCore i5になるし、さらに2万円足すとCore i7が視野に…。
お互い、身の丈にあった買い物をしたいものです…。
5.まとめ
普段はドスパラびいき(そして、関係ないけどThinkPad推し)のウインタブですが、今回の対象2機種ではMateBookのほうに魅力を感じます。特にキーボード付きで67,980円のCore m3モデルが非常に気になってしまいます。
ただし、もう一方の対象機種、Diginnosはコストパフォーマンスが異常に高い、というのも事実です。デジタイザー性能をあまり気にすることなく、筺体重量がやや重いことに目をつぶれるならDiginnosのほうが割安、というのは間違いありません。というか、この2点が購入時の要件にあまり関係なく、ビジネス用途での購入であればDiginnosがいいと思います。逆にタブレットとして軽快に使い、より快適な手書き入力を楽しみたいのならMateBook、ということになるでしょう。
あとは予算ですね。自分に言い聞かせるような書き方になりますけど、設定した予算はなるべくオーバーしないように…。
6.関連リンク
Windows タブレット機種比較 ー 8インチサイズは選択肢が少ないものの少数精鋭!こんな状況を予想できた?(2017年夏版)
Windows タブレット機種比較 ー 8.9インチも個性派ぞろい!しかし選択肢は少ない(2017年夏版)
Windows タブレット機種比較 ー 10.1インチ、キーボードつきで3万円以下から買えるよ!(2017年夏版)
Windows タブレット機種比較 ー 10.1インチ、「AtomでRAM4GB」から選んでみる(2017年夏版)
Windows タブレット機種比較 ー 11.6インチ、ちょっと大きめのAtom機という選択肢もあり(2017年夏版)
コメント
絵描き用途として考えるならワコムのデジタイザーが使えるかどうかというのはすごく大事な問題で、2万の価格差がひっくり返る程のものですからMatebookに軍配が上がりますね。
PYUさん、こんにちは、コメントありがとうございます。絵描きさんならそうなりますよね!ビジネスマンだとどうかなあ。
ペン使いにとってはコンバチ型やらセパレートノート型やキックスタンド型より
Mateのようなピュアタブ型の方が形状的には都合がいいですね
ただこのジャンルはMobileStudio Proという例外を除けば
12インチと画面が小さくCoreMが主流なんで正直悩ましいです
こんにちは、コメントありがとうございます。やはり手書き系だとMatebookですね。2機種とも制約のあるなか、よく頑張っていると思います。