こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。Adobeが自社のドル箱ソフトウェアであるPhotoshop CCのiPad版を2019年にリリースすることを発表しました。詳細は不明ですが、Adobeによれば「フル機能のPhotoshop」であり、もちろんPSD形式のファイルを読み書きできるということです。なお、この記事はPhotoshopやCreative Cloudについての説明をする意図ではなく、この件を知って思ったことをオピニオン記事として書いておりますので、あらかじめご了承ください。
そういえば、クリエイター系のソフトウェアということだと、2017年にCLIP STUDIO PAINTのiPad版もリリースされていますよね。
1.Windowsの優位性
ウインタブのこれまでの見解は、「Windowsタブレットはパソコンである」というものです。言い換えると「AndroidやiOSはパソコンではない」ということになります。つまり、WindowsタブレットはPC用と全く同じOSを搭載していて、MacOSに対するiOSとは異なりますし、Android陣営はそもそもパソコン用と呼べるOSがありません(ChromeOSが該当すると言えるかも)。
そしてこのことは、「Windows用の、膨大なソフトウェア資産を活用できる」という大きなアドバンテージを生み出します。iOSの場合、MacOS用のソフトウェアは基本的に使えません。例えばExcelやWordはモバイル用のExcelやWordがiOS用やAndroid用にも用意されていますが、ご存知の通りフル機能が使えるExcelやWordとは別物です。フル機能のExcelやWordを使えるタブレット端末は唯一「Windowsタブレット」のみです。
ExcelやWordだけではありません。スペックの関係で快適に使えるのかどうかは別として、WindowsタブレットであればほぼすべてのWindowsソフトウェアを使うことができます。このことはWindowsユーザーにとって大きなメリットであると言えますし、Windowsタブレットを選ぶ最大の理由だと思います。
Photoshopといえば、WindowsそしてMacOSでは「メジャーなソフトウェア」です。「これがないと仕事にならない」というケースも少なくありません。一足先にiPad版がリリースされたCLIP STUDIO PAINTにしても、イラストレーター等の仕事をしている人にとってはPhotoshop同様、非常に重要な位置づけのソフトウェアと言えるでしょう。
2.Webサービスの進展
おことわり:この記事ではWebサービスのことを「アプリケーションソフトをインターネット経由で利用できるようにするための技術のことである。または、そのような形態で提供されるサービスのことである。」という定義で書いています。さらに、「ブラウザー上で、本来は専門ソフトウェアがこなすような作業をする」という利用シーンを想定して使っています。
ExcelやWordの機能のうち、ベーシックなところが使えればいい、ということなら、製品版のOfficeがなくともなんとかなります。ブラウザー上で使えるOffice Onlineとか、Office Mobileとか。また、Microsoftの製品やサービスでなくとも、Google ドキュメントやGoogle スプレッドシートを使うという手もありますし、実際にGoogle関連のサービスで事足りるようになった、という人も少なくないでしょう。
ただし、これらのサービスは「PC用のブラウザー」でなくてはうまく動作しない、というケースもあります。例えばChromeというブラウザーはPCでもスマホでも使えますが、同じChromeという名称でも機能は異なりますので、PC用のブラウザーで使えるWebサービスがスマホでは使えない、ということもあります。
私がウインタブの記事を書く際に使っているツールは、「ブラウザー上でWordPressのエディターを開いて編集する」「画像加工ソフトGIMPを使って画像加工する」「Excelでスペック表を作る」という感じです。このうち、Excelで作っているスペック表は非常に簡易なものなので、Webサービス(Excel OnlineとかGoogle スプレッドシートなど)でも十分かと思います。また、画像加工でもWebサービスでなんとかなる可能性が高いのですが、無理にWebサービスを使う必要がないので、そうしていないだけです。
ということは、今やウインタブの記事を書く程度なら、「ブラウザーだけで十分」と言えないこともないんです。もっと言うと、「Webサービスが使えるブラウザーが動作するのなら、OSはなんでもいい」ということになります。実際、Androidのデスクトップ環境を試したことがありますが、画像加工ツールをどれにするか(どれを使うにしても一定の習熟期間が必要)ということで悩んだものの、それ以外でウインタブの記事を書けない、ということはありませんでした。
3.OSの重要性が下がってきている
フル機能のPhotoshopがiPadで使え、さらにクリスタ(CLIP STUDIO PAINT)も使えるのであれば、もともと「ベスト」の呼び声も高いApple Pencilが使えるiPad(とiPad Pro)があれば、もはやイラスト制作用タブレットにWindowsを選ぶ必要はないかもしれません。「フォトショが使えないから、クリスタが使えないから」という理由付けも成立しません。いやむしろ、WindowsタブレットよりもiPadシリーズのほうが、これらのソフトウェアを必要とする人には向く、と言えるかもしれません。
私はiOS環境を使っていないので、突っ込んだことは言えませんが、おそらくウインタブの記事を書く場合もiPadが1台と、あとキーボードとマウスがあれば全く問題ないでしょう。もともとSNS関係のアプリはiOSに完備されているのでTwitterもFacebookもInstagramも使えますし、Spotifyも大丈夫ですね。
最近Pixel Slateの紹介記事を書きましたが、もしフル機能のPhotoshopがAndroidにも対応するようになれば、iOSと同様の理由でChromeOSに乗り換えようと思う人も増えるでしょう。
このように、PC用の「ビッグネーム」のソフトウェアがiOSやAndroidに移植される流れが進んだ場合、ChromeOSだけでなく、Androidで一部のメーカーが挑戦している「デスクトップ環境」を駆使すれば、「パソコンいらず」になる可能性も低くはありません。「Windowsのあのソフトでないと困る」というケースがどんどん減っていくのかもしれないですね。
4.まとめ
ウインタブの記事づくりの優先順位は「1.Windows、2.Android、3、4がなくて5.iOS」です。この傾向はしばらくの間、大きくは変わらないです。しかし、これまで書いてきたように、OSの位置づけ(あるいは障壁)が相対的に低下していく流れについては意識していかなくてはならないと思います。
私はこれまで、「WindowsとMacOSがパソコン用のOS、iOSとAndroidはスマホ用の簡易OS」という先入観がありました。これは正しい考えではないと思っていますが、それでも心のどこかにこういう固定観念があったと思います。
最近ライターのtakumiさんの影響もあり、もともと少し嗜んでいたAndroidのレースゲーム(具体的にはNeed For Speed No Limits)でよく遊んでいます。よく考えてみると、このゲーム、並のWindows PCだと重くて遊べないんじゃないか、と思えるくらいに凝ったグラフィックです。もともとNeed For SpeedシリーズはPCやXBOX用のゲームなんですけど、スマホ版もなにしろ面白いですし本格的です。(課金もできますけど)お金もかかりません。
今回の「フル機能のPhotoshopがiPadに」というニュースを見て、ウインタブの運営方法ももう少し考えていかなくちゃいけないなあ、と思いました。具体的にはソフトウェアとかWebサービスの情報収集をこれまでよりも厚めにしたい、というのと、「OSが〇〇だから」ということにこだわるあまり、「面白いもの」を記事にし損じることのないようにしよう、なんて考えています。
関連リンク
インスピレーションは至る所にあります。Photoshopで探しましょう。iPadに特化したPhotoshop CC。2019年リリース予定です。:Adobe
コメント
PhotoshopはCMYK変換は便利だけどそれ以外は他でもなんとかできるから需要は減ってきてるんだよな印刷所が柔軟じゃないのが全部悪い
こんにちは。そうかあ、印刷屋かあ。そういえばちょっと聞いたことがありますね。でも最新のPhotoshopってめちゃめちゃ高性能だと思います。私はGimpで十分ですけどw
カラマネどうすんねん
こんにちは。すみません、私はなんとも…。というか、そういう問題が起こりうるということすら理解できませんでした。