こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。中華製品でもタブレットが低調なのはご存知の通りですが、それに代わって人気となっているのが低価格なモバイルノートです。なかでもJumper製品は2016年の「EZBook 2」を皮切りに、日本でも人気が出ています。最新モデルは「EZBook 3シリーズ」で、CPUにApollo Lake世代(一部Kaby Lake)を搭載し、2万円程度から購入でき、スペックも充実しています。
しかし、「EZBook 3」と言ってもかなりのワイドバリエーションになっていて、記事を書いているウインタブでも「訳がわからない」というのが正直なところ。あと、この記事で各機種の画像も掲載していますが、はっきり言って全然見分けがつきませんw そこで、この記事ではこれまでに紹介記事を書いた「EZBook 3」6機種について、相違点と機種選びのポイントを考えてみたいと思います。ただし、ウインタブでは6機種中2機種しか実機レビューしていないため、スペックなどについて一部「推測」が入ってしまいますので、その点あらかじめご了承をお願いいたします。
目次
13インチ
まずはディスプレイサイズで整理してみます。EZBook 3シリーズには13.3インチと14(14.1)インチの2種類のサイズがあります。重量に注目する場合は14インチでもそれほど重くはないので、どちらのサイズを選んでもモバイル利用は可能です。しかし、当然13.3インチのほうが筐体サイズが小さくなりますので、より携帯性が高いということは言えます。一方でディスプレイが大きい方が視認性が高まりますので、少し大きめでもいいから画面が見やすいほうを、という場合は14インチがいいでしょう。
EZBook 3 Pro
OS: Windows 10 Home
CPU: Intel Celeron N3450(Apollo Lake)
RAM: 6GB
ストレージ: 64GB eMMC
ディスプレイ: 13.3インチIPS(1,920 x 1,080)
バッテリー: 9600mAh
サイズ: 310 x 200 x 13 mm / 1.44 kg(実測値1.3 kg)
価格: 249.99ドル(28,328円)
紹介記事:Jumper EZbook 3 Pro ー 13.3インチ、高質感な中華モバイルノート「これほんとにJumper?」(実機レビュー)
geekbuying製品ページ:Jumper EZbook 3 Pro
EZBook 3 SE(3Xから名称変更)
OS: Windows 10 Home
CPU: Intel Celeron N3350(Apollo Lake)
RAM: 3GB
ストレージ: 64GB eMMC
ディスプレイ: 13.3インチIPS(1,920 x 1,080)
バッテリー: 9,600Wh
サイズ: 315 x 208 x 15 mm / 1.3 kg
価格: 166.99ドル(18,923円)
紹介記事:Jumper EZBook 3X - 13.3インチ、Apollo Lakeを搭載しつつ激安!なモバイルノート
geekbuying製品ページ:Jumper EZbook 3SE
6機種中、13.3インチの製品はこの2機種だけです。スペックを見れば非常にわかりやすいですが、「3 Pro」が上位モデル、「3 SE」が下位モデルということで整理できます。「3 Pro」のほうはウインタブで実機レビューをしているため、品質はそれなりによくわかっているつもりですが、金属製で高級感のある筐体が採用されており、ディスプレイもIPSで非常に美しいです。一方で「3 SE」のほうは実機に触れたことがなく、中国の通販サイト「geekbuying」の情報が頼りです。この製品は非常に価格が低くなっており、そこから推測すると「ディスプレイはIPSという表記があるが、実際にIPSなのかは疑問」「筐体は3 Proとサイズが異なり、おそらくプラスティック製」となります。
14(14.1)インチ
EZBook 3
OS: Windows 10 Home
CPU: Intel Celeron N3350(Apollo Lake)
RAM: 4GB
ストレージ: 64GB eMMC
ディスプレイ: 14.1インチ(1,920 x 1,080)
バッテリー: 38Wh、最大4時間
サイズ: 330 x 220 x 21 mm / 1.3 kg
価格: 199.99ドル(22,662円)
※なお、この記事において、価格情報は原則的に8月20日現在のgeekbuyingのものを使用しています
紹介記事:Jumper EZBooK 3 - 人気の低価格14.1インチモバイルノートにApollo Lakeが搭載されたので、いろいろ試してみた(実機レビュー)
geekbuying製品ページ:Jumper EZbook 3
EZBook 3 S
OS: Windows 10 Home
CPU: Intel Celeron N3450(Apollo Lake)
RAM: 6GB
ストレージ: 256GB SSD
ディスプレイ: 14.1インチ(1,920 x 1,080)
バッテリー: 10,000mAh、3-5時間
サイズ: 335 x 220 x 21 mm / 1.3 kg
価格: 279.99ドル(31,728円)
紹介記事:Jumper EZBook 3 S - こんどはRAM6GB & ストレージ256GBで3.7万円!人気の中華14インチモバイルノート
geekbuying製品ページ:Jumper EZbook 3S
EZbook 3 Plus
OS: Windows 10 Home
CPU: Intel Core m3-7Y30
RAM: 8GB
ストレージ: 128GB SSD
ディスプレイ: 14インチ(1,920 x 1,080)
バッテリー: 9,600mAh
サイズ: 332 x 222 x 13.7 mm / 1.3 kg
価格: 449.99ドル(49,443円)
※この製品のみGearbestの価格情報を使用しています
紹介記事:Jumper EZbook 3 Plus - 14インチ、Core m搭載のハイスペック中華ノート、Jumperがんばってるじゃん!
Gearbest製品ページ:Jumper EZbook 3 Plus
EZbook 3L Pro
OS: Windows 10 Home
CPU: Intel Celeron N3450(Apollo Lake)
RAM: 6GB
ストレージ: 64GB eMMC
ディスプレイ: 14インチ(1,920 x 1,080)
バッテリー: 9,600Wh
サイズ: 332 x 222 x 13.7 mm / 1.3 kg
価格: 254.99ドル(28,895円)
紹介記事:Jumper EZbook 3L Pro - 14インチのEZBook 3にさらなる新顔! Apollo Lakeにアルミ筐体、シリーズの「中位」くらい!?
geekbuying製品ページ:Jumper EZbook 3L Pro
14インチはこの4機種です。この中でウインタブが実機レビューしたのは一番上の「EZBook 3」のみです。EZBook 3は従来機EZBook 2の正統後継と言える製品で、決して低品質なものではありませんがディスプレイはIPSではなく、筐体もプラスティック製でした。ここからは私の推測になりますが、「EZBook 3S」についてはEZBook 3のCPU、RAM、ストレージを強化したモデル(特に256GB SSDというのがすごいですね!)で、ディスプレイや筐体品質はEZBook 3と同一と思われます。
続いて「EZBook 3 Plus」と「EZBook 3L Pro」です。この2機種はおそらく同一の筐体が使われており、アルミ製となります。ディスプレイについては2機種ともIPS液晶が搭載されていると思われます(確実な情報ではありません)。また、筐体底面にSSD増設用と思われるスロットを装備しています。「EZBook 3 Plus」はこの6機種中唯一CeleronではなくCore m3を搭載し、処理性能は抜群に高くなっています。また「EZBook 3L Pro」については製品名が示すとおり、13.3インチの「EZBook 3 Pro」のサイズ拡張版的な位置づけと言えるでしょう。
性能
この6機種に搭載されるCPUは3つに絞られます。Apollo Lake世代のCeleron N3350とN3450、そしてKaby Lake世代のCore m3-7Y30です。ダントツで高性能なのはCore mであることは間違いなく、このCPUを搭載する「EZBook 3 Plus」が最も高性能です。この製品はRAMも8GB、ストレージも128GB SSDとなっていますので、EZBook 3という閉じたシリーズの中での比較だけでなく、一般的なモバイルノートPCとして考えても中位クラスの実力があるといえます。もはやエントリークラスではありませんね。
次にCeleron N3350とN3450の違いですが、ベンチマークテストをすると、思ったよりも大きな差があります。まず、ウインタブが実機レビューでテストした「ドラゴンクエスト X ベンチマーク」の結果です。
Jumper EZBook 3 Pro(Celeron N3450): 1,965
Jumper EZBook 3(Celeron N3350): 1,540
※数字が大きい方が高性能
また、Passmarkが公表しているベンチマークスコアにも結構開きがあります。
Celeron N3450: 1,790
Celeron N3350: 1,127
実機レビュー中に、テキストライティングや動画視聴、Webブラウジング程度をするぶんには、あまり大きな体感差はありませんでしたが、自分の所有機として長期間使っていれば、結構な差になる可能性もありますね。
また、RAMに関しても3GB、4GB、6GB、8GBと、いろいろありますね。基本的には「多ければ多いほどいい」ので、8GBが最も快適なのは間違いないですが、「EZBook 3 SE」の3GBじゃダメなのか?という疑問もありますね。そもそもノートPCでRAM3GBというのはめったに見ません。なので3GBで足りるのか(つまり、ある程度不満なく使えるのか)ということについてはなんとも言えませんが、個人的には以前RAM2GBの2 in 1でテキストライティングやWebブラウジング、動画視聴などをしていた経験があり、「Chromeのタブをたくさん開かずに、アプリはこまめに終了させる」のであれば大丈夫なのではないか、と思います。
ストレージについては「EZBook 3 S」と「EZBook 3 Plus」がSSD搭載となっており、この2機種が高性能です。ただし、CPUがCeleronなのであれば、そんなに大きな体感差にはならないように思います。また、「EZBook 3 Pro」「EZBook 3L Pro」「EZBook 3 Plus」についてはSSDの増設が可能です。ただし「EZBook 3 Pro」は筐体底面を開口する必要があり、(ロットによりますが)SSD増設のための配線作業が必要になる場合があるので、ある程度腕に覚えのある人でないとおすすめできません。
これらのことから、当然のように「Core m/RAM8GB/SSD」を搭載する「EZBook 3 Plus」が最も高性能、ついで「Celeron N3450/RAM6GB/SSD」の「EZBook 3 S」、そして「Celeron N3450/RAM6GB」の「EZBook 3 Pro」「EZBook 3L Pro」という順になると思います。
筐体品質
アルミ筐体だと高級でプラスティックだと安っぽい、というのは必ずしも正しい理解ではありませんが、EZBookという製品に限って言えば「正しい」と思います。これはウインタブでアルミ筐体(EZBook 3 Pro)とプラスティック筐体(EZBook 3)の双方をレビューした経験に基づく感想です。
6機種中プラスティック筐体なのは「EZBook 3」「EZBook 3 SE(ウインタブ推定)」「EZBook 3 S(ウインタブ推定)」の3機種、アルミ筐体なのは「EZBook 3 Pro」「EZBook 3 Plus」「EZBook 3L Pro」の3機種です。
プラスティック筐体であることが悪いとは言いませんが、筐体品質が気になるという場合はアルミ筐体の機種を選ぶことをおすすめします。
まとめ
6機種のEZBook 3のうち、全てにおいて最も内容がいいのはCore m搭載機の「EZBook 3 Plus」です。スペック面、筐体品質、拡張性(SSD増設余地)のいずれも高水準と言えます。その代わり価格はダントツ高いですね。
激安大好きウインタブが気になるのはもちろん最低価格の「EZBook 3 SE」で、この価格であれば多少スペックが劣ったり、筐体が安っぽかったりしても我慢できるのではないか、と思います。もちろんノートPCとしての最低水準はクリアしていると思いますし、私が日常的に使っている「テキストライティング」「Webブラウジング」「動画視聴」くらいなら性能面であまり心配しなくていいと思います。また経験上、Office系のソフト(Accessで大きなデータベースを扱ったり、Excelで複雑なマクロをする、という場合を除きます)もサクサク動くと思います。
この記事ではJumper EZBook 3シリーズ6機種の「サイズ」「処理性能」「筐体品質」について比較してみました。当たり前の話、全部優れているのは高価で、見劣りするのは安価です。あとはご自身の予算とかニーズによって判断されることだと思います。読者のみなさんの機種選びの参考になれば幸いです。
コメント
先週14インチ無印3オーダーしちゃいました! こうやってまとめてもらった記事を読んだら “ああやっぱりアッチにしとけば・・・”的な後悔が押し寄せてくるかとも思いましたが、まあ妥当な判断ナリという結論ですw
「i5第2世代・SSD128GBメモリ8GB」ノートPCをインチ・メーカー違いでつごう4台購入、用途別に使い分けている自分にとって、どの程度まんぞくできて不満が出てくるのか楽しみです。
私的に密かに注目しているのが、”EZBook 3 S” です。
ストレージ:256GB SSD
RAM:6GB
価格:279.99ドル(31,728円)
という、流行りの中華ノートPCスペックとは一線を画しているハイコスパが特徴です。
しかしながら、プラスチック筐体 と 非IPS液晶 が欠点です。
(海外サイトでもこれらの欠点が指摘されております)
これらに目をつぶれれば、間違いなく買いでしょう。