かのウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じた話です。この記事のタイトルはAndroidとChrome OSの「統合」としていますが、元記事だと「Chrome OSをAndroidに吸収(fold)」となっています。
Alphabet’s Google to Fold Chrome Operating System Into Android:The Wall Street Journal
もっともこれはGoogle(あるいは親会社Alphabet)が公式に発表したものではなく、WSJが独自の取材によってスクープしたものなのですが、元記事によれば、「2017年に統合するが、2016年にはプレビュー版(early version)をリリースすることが予想される」とのことです。
Chrome OSが現状あまり思わしくないレベルにとどまっていることは、私達にも理解できますね。IDCによれば、PC用OSの3%のシェアに満たない、ニッチプレイヤーである、ということです。一方Androidの方はといえば、10億台以上のデバイスにインストールされた、世界最大級のモバイルOSに成長しています。アプリの方はいわずもがな、Google Playストアには100万を超えるアプリが出品されていますが、これらのアプリはもちろんChrome OSで使えないものがほとんどです。
なんだかMicrosoftとは正反対の理由で同じ結論、って言えませんか?MicrosoftはGoogleと逆にPC向けOSでは問答無用のトップシェアながら、Windows Phoneはスマホシェアの数%しか獲得できていませんから。
カギを握るのはやっぱり「アプリ」なんでしょうね。PC用とスマホ用、どうしてもどちらか一方が強く、もう一方が弱いわけで、強い方にはサードパーティーがどんどんアプリを供給してくれて、さらに使いやすく、便利になっていきますが、十分なシェアが取れないOSにはサードパーティーはそっぽを向きます。慈善事業じゃないんだから、儲からない(インストールしてもらえない)ことがわかっているところに参入はしないでしょう。
ウインタブでも最近記事にしましたが、GoogleはAndroidを搭載した10インチ2 in 1「Pixcel C」を発表しています。私はこの製品にAndroidが搭載されていることは「軸足をタブレット(つまり非PCニーズ)に置いていることがWindowsタブレットにとって逆に脅威なのでは」と書きました。この感想が正しいのかどうか、まだわかりません。しかし、AndroidとChrome OSを統合する、ということが、この先AndroidがPC用のOSとして拡張していく、ということを意味するのであれば、モバイルWindowsにとっては間違いなく脅威になるでしょうね。
関連リンク
Alphabet’s Google to Fold Chrome Operating System Into Android:The Wall Street Journal
コメント
AndroidがPC化すれば、それは、Windowsにとっては、脅威でしょうね。
Chrome OSのようなソフトの少ないOSを売り出すより遥かにいいと思います。
まあ、Androidにも大きな問題があります。
それは、Windowsなら、Windows Updateがありますが、
OSに脆弱性があった場合、Googleの意思でAndroid OSを更新できないということ。(Nexusを除いて)
最近では、stage frightの脆弱性が問題になっています。
Android自体、根本的な設計を見直す必要があるのかもしれません。
Fさん、こんにちは、コメントありがとうございます。私はAndroid機としてはNexsus 7しかもっておらず、自動更新対象なので、いただいた内容は知りませんでした。でも、この後のAndroidのバージョンアップで自動更新も可能になるかもしれませんね。結局プレーンな標準Androidが一番人気があるということですし、こてこてにカスタマイズし続けるのはAmazonくらいになっちゃうかもしれませんからw