NECが13.3インチモバイルノート「LAVIE Pro Mobile(LAVIE Direct PM)」を発表しました。この製品には既存モデルが存在しない、「新しい製品シリーズ」です。NECの13.3インチと言えば「LAVIE Hybryd ZERO(LAVIE Direct HZ)」がありますが、こちらはコンバーチブル2 in 1筐体ですし、クラムシェルノートのLAVIE Pro Mobileと併売されますので、前身機というわけではありません。
なお、NECでは「カタログモデル(家電量販店や通販サイトで販売される、構成のカスタマイズができないもの)」と「カスタマイズモデル(NEC Directで販売される、注文時に構成のカスタマイズができるもの)」をラインナップしていて、前者は「LAVIE Pro Mobile」、後者は「LAVIE Direct PM」という製品名になっています。この記事ではこれ以降「カスタマイズモデル(LAVIE Direct PM)」を中心に説明していきます。
1.スペック
このスペック表はカスタマイズモデルのものです。OSはHome版とPro版を選べ、CPUはWhiskey LakeのCore i3/Core i5/Core i7から選択可能です。RAMは選択するCPUによって範囲が定まっていて、Core i3だと4GBのみ、Core i5は4GB or 8GB、Core i7は8GB or 16GBです。NECに限った話ではないのですが、Core i3ってもはや十分にハイスペックなCPUだと思うんですけど、RAMを4GBしか搭載できないケースが多いんですよね。ちょっともったいないです。
ストレージはCPUとRAMの構成にかかわらず、全モデルで128GBから1TBまでを選ぶことができます。また、ディスプレイは基本的に13.3インチのFHD解像度、IPS液晶で、Core i3以外はタッチパネルを選択可能です。
ネットワーク系ではLTEモジュールを追加できますが、やっぱりCore i3だと選べません。LTEの対応バンドは「1,3,8,18,19,26,28,41」で対応するSIMはNanoSIMです。
入出力ポートはType-C2つを含め合計で3つ、うちType-Cの1つはDC-INを兼ねますので、ちょっとだけ足りないかな、という気もしないではありません。また、有線LANポートは装備されていませんが、USB-LAN変換アダプタがオプションで用意されています(ただし税別8,000円)。
LAVIEのモバイルノートということで、やはり気になるのはサイズ、特に重量です。結論として「文句なしに軽量」ではありますが、以前のように世界最軽量を争う、という感じではありません。最軽量なのはカスタマイズ範囲に制約があるCore i3モデルで、世界最軽量ではないものの、783 gと非常に軽いです。ユーザー目線で言わせてもらえば「これで十分」でしょう。ここから数十グラム軽くなるよりも、使い勝手を良くしてもらったほうがありがたいですよね?一方で最も重いのがタッチパネルを搭載するモデルで、それでも941 gと、1 kgを切ります。個人的にはこれで全然文句ないです。
2.筐体
筐体デザインはシンプルで、NECの説明によれば「ヒンジや排気孔を極力隠し、凹凸を極限まで取り除いた一体感のあるシンプルデザイン」ということです。また、天板の素材はカーボンを採用し、LAVIE Hybrid ZEROに使われていたマグネシウムリチウム合金から変更されています。
この製品の横幅は307.8 mmなので、13.3インチノートとしては十分に小さいですが、クラス最小、というわけでもありません。同様に厚みも15.5 mmなので、「軽さ」のほうはともかくとして、大きさは最新の上級モバイルノートとしては特に目立つものでもないです。しかし、ベゼルは十分に細く、ヒンジも水平位置まで開口できますので、シンプルなデザインと合わせ、使いやすそうな印象があります。
キーボードにはNECのこだわりが感じられます。キーピッチは18.5mmと、従来のNEC製品よりもやや広く(ただし、これってノートPCとしては一般的なキーピッチであって、他社製品よりも広いというわけではありません)、キー表面には耐久性に優れた「プレミアムUVコーティング」により、マットな質感で指紋の付着や印字の摩耗を防ぐ加工が施されています。また、キーストロークは1.2 mmということなので、モバイルノートとしても割と浅めですね。
画像上から左側面、右側面、背面です。この画像を見て「もう1つくらいUSB(Type-A)」をつけてほしいなあ、と勝手なことを考えてしまいました。
この記事では主に「クラシックボルドー」の筐体色の画像を掲載しましたが、他に「メテオグレー」「フレアゴールド」が用意されています。ただし、Core i3モデルとCore i5のRAM4GBモデルだと「メテオグレー」しか選ばせてもらえません。
3.価格など
NEC LAVIE Pro Mobileのカスタマイズモデル(LAVIE Direct PM)はNEC Directで販売中で、5月15日現在の価格は134,820円(税込み145,605円、製品ページにある10%OFFクーポン使用時)から、となっています。この価格はCore i3/RAM4GB/128GB SSDという構成のものですから、スペックだけを見て他社製品と比較すると、決して割安とは言えません。
しかし、(世界最軽量ではないけれど)超軽量、そしてNECが細部までこだわって仕上げた筐体品質は素晴らしいと思われます。NECの品質というところまで考慮すれば、むしろ妥当な価格と言えるかもしれないですね。この製品のライバルとして思い浮かぶのはやはり「リアル世界最軽量」の富士通LIFEBOOK UHシリーズ(WU2/C3)でしょうね。まあ、NECファンが富士通のPCを買うとか、逆に富士通ファンがNECのPCを買うとかいうことはあんまりないんでしょうし、その場合、少しくらいの価格差で意思決定が揺らいだりもしないんだろうと思いますけど。
ただ、メーカーに特にこだわりのない場合、この2機種はどう考えても格好のライバルになると思うので、いろいろ比較してみてはいかがでしょうか。
4.関連リンク
LAVIE Pro Mobile:NEC公式サイト
コメント
NEC PCによればLAVIE Hybrid Zeroの後継機種だそうですよ
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1184443.html
UMPCが大型化しており9インチ弱で800g弱になりつつあるのでそれならこういう軽量ノートの方が使い勝手ありそうと考えるようになってきた。