MSIはいち早く第8世代(Coffee Lake)を搭載するゲーミングノートを発売していて、今回紹介する「GT75 Titan」もまた4月12日に新発売がアナウンスされているのですが、すみません、記事にするのが遅くなってしまいました。MSIは非常に多くのゲーミングPCを手がけていて、どれがトップモデルなのか?というのが難しいところですが、GeForce GTX1080をSLIで搭載する「GT83VR Titan SLI」というのがありまして、価格面ではこの製品が最上位ということになると思います。しかし、GT83VRのほうはまだCPUがCoffee Lakeになっておらず、その観点ではCore i9を搭載するGT75 Titanについてもハイエンド、と言っていいでしょう。
ゲーミングノートというのは、ある種異様な製品と言えるかもしれません。バッテリー稼働時間とか筐体サイズを犠牲にして、というか多くの場合まるっきり顧みることなく、ひたすらパフォーマンスを追求しています。なので、私を含めた非ゲーマーのガジェット好きにとっても「うわ、なにこれすごい!」と興奮してしまうような製品だと思います。
1.スペック
CPUはCoffee Lake世代のCore i9とCore i7で、ともに6コアの高性能バージョンとなります。Core i9を搭載するゲーミングノートはまだあまり出回っておらず、2018年5月時点ではある意味希少と言えますね。GPUはGTX1080ですから、これまたハイエンドなものが使われます。これより上位の構成として「GTX1080のSLI(2基搭載)」というのがありますが、価格が飛躍的に高くなってしまいますし、読者の方からいただいた情報によれば「SLIに対応するゲームがまだ少ない」ということなので、SLI構成を選ぶ人はそんなに多くないかもしれません。
RAMは標準で16GBですが、「MSI指定販売店」で最大64GBまで増設可能です。おそらくDIYでも行けるんじゃないかと思いますが、メーカーがこのように記載しているということは、自分で筐体を分解したらその時点で保証終了、ということになるんだろうと思います。
ストレージはCore i9モデルが512GB + 1TB HDD、Core i7モデルが256GB SSD + 1TB HDDとなります。また、この製品は販売チャネルによって型番と構成が異なります。
009JP: Core i9 / 512GB SSD + 1TB HDD
008JP: Core i7 / 128GB SSD + 128GB SSD+ 1TB HDD
018JP: Core i7 / 256GB SSD + 1TB HDD
009JPと018JPはMSI製品取り扱いショップ、008JPはビックカメラグループとヨドバシカメラでの取り扱いとなりますが、008JPはSSDがRAID 4構成となります。また、M.2 スロットの空きが1つありますが、RAMと同じく増設は「MSI指定販売店」扱いとなります。
ディスプレイは4K解像度でIPSレベル(IPS液晶と同等の視野角を持つディスプレイ。おそらく商標絡みだと思うので、事実上IPSと同じと考えていいと思います)、リフレッシュレートは120 Hzですから、ゲーム画面も非常になめらかに遷移すると思います。
ネットワークに関しては、有線・無線ともKILLERのチップが使われており、「Killer DoubleShot Pro」という機能により、タスクごとに有線LANと無線LANを割り当てることが可能です。つまり、より高速で安定した接続が必要なゲームには有線を、SNSやWebブラウザーには無線を割り当てることができます。
入出力ポートは非常に充実しています。「USB 3.1 Type-A × 5」っていうのは初めて見ました。あと、サイズに関しては特に触れません。大きくて重いのは間違いないですが、サイズうんぬんという製品性じゃないので。バッテリーに関しても同様です。このスペックでCPUとGPUをフル稼働させたら、公称値がどうであれ、1時間くらいしか持たないように思いますが、それもしかたがないことだと思います。
2.筐体
筐体にはかなりの厚みがありますね。また、サイズを絞り込んでいるという感じもしません。
背面には巨大な通気口があり、デザインアクセントになっています。このアングルから見るとめちゃめちゃかっこいいと思いました。
ちなみに冷却システムもすごいです。「Cooler Boost Titan」という名前がついていて、9基のヒートパイプと2基の大型ファンが装備されています。騒音については…わかりません。でも冷えることは間違いなさそうです。
キーボードはSteelSeriesの薄型メカニカルキーボードが搭載されます。キーストロークは3.0 mmと深めながら、アクチュエーションポイント(キー入力がオンになる深さ)が1.5 mmとなっており、高速なタイピングが可能です。もちろん個々のキーの配色やイルミネーションも専用ソフトウェアで設定可能です。なお、画像は例によって英語配列になっていますが、日本向けには日本語配列のものが用意されます。これだけ凝ったキーボードに日本語配列を設定してくれるのはありがたいことだと思います。
3.価格など
MSI GT75 TitanはMSI取り扱いショップなどで販売中で、5月18日現在の価格は下記のとおりです。
009JP(Core i9):489,800円
008JP(Core i7、ビック・ヨドバシ):485,773円
018JP(Core i7):439,800円
※税込価格
※009JPと018JPはパソコン工房、008JPはビックカメラの価格(ポイント10%つき)
さすがにそう簡単に買える価格ではありませんが、妥協なしにパフォーマンスを追求した製品だと思いますので、それを考えれば決して割高だとは思いません。また、008JPがずいぶん高い印象がありますが、ポイントが10%(48,577円相当)つきますので、それを考慮すれば妥当な価格だと思います。
CPUとGPUだけでなく、4Kディスプレイや安定したネットワーク通信、そしてメカニカルキーボードと、上級ゲーマーのみならずVR体験をしてみたい人や動画編集などのクリエイティブワークをしている人にも極めて魅力的な製品だと思います。
4.関連リンク
GT75 Titan:MSI 製品紹介ページ
MSI GT75 Titan 8RG-009JP:パソコン工房
MSI GT75 Titan 8RG-018JP :パソコン工房
MSI GT75 TITAN 8RG-008JP:ビックカメラ