Intelが第8世代(Coffee Lake)のモバイル用CPUを発表しましたが、ノートパソコンに採用されている例はまだあまり多くありません。ウインタブで紹介記事を書いたものとしては「ドスパラGALLERIA GCFシリーズ」と「DELL Gシリーズ」そして「DELL 宇宙最強(ALIENWARE)」くらいですかね。今のところ、ハイスペックなゲーミングノート系の製品に限られています。しかし、Coffee Lakeを最速のスピードで採用したメーカーが他にもあります。MSIです。ウインタブではこれまでMSIの製品紹介を積極的にはしてこなかったのですが、「ゲーミングPCの雄」であることは間違いないです。ただ、MSIはメーカー直販サイトがなく、どちらかと言うと実店舗での対面販売が主力と感じていたこともありまして、これまで「記事にしにくかった」というのが正直なところです。
MSIはCoffee Lake搭載のゲーミングPCを複数発売していますが、まずはウインタブ的に一番気になる薄型軽量タイプ「GS65 Stealth Thin」から紹介していきたいと思います。
1.スペック
メーカーのプレスリリースによれば、この製品はMSI取り扱いショップ(実店舗が多いと思います)のほか、ヨドバシカメラ、ビックカメラ、通販サイトだとAmazon、NTT-Xストアで販売されます。つまり、ネット通販でも購入はしやすいです。
CPUはCoffee Lake世代の6コア「Core i7-8750H」が搭載され、RAMは16GB、ストレージは512GB SSDとなりますが、取扱店舗によって型番が微妙に異なり、ストレージ構成が変わってきます。また、GPUについてはGeForce GTX1060もしくはGTX1070が搭載されますが、これも型番によって決まります。
GS65 8RF-001JP: GTX1070/512GB M.2 NVMe
GS65 8RF-002JP: GTX1070/512GB M.2 SATA3
GS65 8RF-007JP: GTX1070/256GB M.2 NVMe + 256GB M.2 NVMe
GS65 8RF-005JP: GTX1060/256GB M.2 NVMe + 256GB M.2 NVMe
GS65 8RF-006JP: GTX1060/512GB M.2 NVMe
要するにこの製品には内部的にM.2スロットが2つある、ということです。ただし、注意したいのはRAMとストレージの増設について「MSI指定販売店でのみ増設可能」という但し書きがあることです。「DIYで増設するとメーカー保証が切れるよ」という意味なのか「特殊な工具が必要なのでDIYは出来ないよ」という意味なのかはわかりません(多分前者でしょう)。
ちなみに、型番末尾「001JPと006JP」はMSI取り扱いショップ、「002JP」はAmazonとNTT-X、「005JPと007JP」はビックカメラグループとヨドバシカメラでの取り扱いになります。
次にディスプレイです。ここでもMSI特有の言い回しがあります。スペック表に「IPS」と書いていますが、実際は「IPSレベルタイプ」です。具体的には「PS液晶パネルの持つ特徴の一つである『視野角上下左右178度』に相当する視野角を持った液晶パネル」とのことで、ちょっとややこしいです。以前ドスパラの人に「IPSというのはジャパンディスプレイの登録商標なので、ジャパンディスプレイ製品にしか使えません」という趣旨の話を聞いたことがありますが、おそらくそのたぐいの話なんじゃないか、と思います(MSIの説明はこちら)。
しかしこのディスプレイ、リフレッシュレートが144Hzということなので、ノートPC用のディスプレイとしては抜群に高性能です(リフレッシュレートが高いと画面遷移が高速となり、描画がなめらかになります)。
ポート類は「数」としてはゲーミングノートの標準だと思いますが、「質」は高いです。USB Type-CはThunderbolt 3ですし、フルサイズ(Type-A)USBも3.1 Gen 2と伝送速度が高速なものが装備されます。映像出力系もHDMIとMiniDisplayPortの2系統を備えます。Thunderbolt 3も含め、同時に3つの外部ディスプレイへの出力が可能となっています。
この製品のセールスポイントは(高いシステムスペックもさることながら)ゲーミングノートとしてはコンパクトで薄型・軽量なところです。筐体については後述しますが、薄型だからといって機能面にしわ寄せが来ているわけでもないようです。この画像は筐体内部のものですが、「4本のヒートパイプと3基のファン(Cooler Boost Trintyといいます)」を採用し、強力な冷却機能を実現しています。もちろんパフォーマンスを最適化するためのソフトウェアもインストールされていますよ。
2.筐体
この製品はゲーミングノートとしては非常に珍しく「狭ベゼル」です。ベゼル幅4.9 mmというのはDELL XPS 13の4 mmには及びませんが、「すげえ細い」と言っていいでしょう。ベゼル幅が細いことにより、PC利用時の没入感が高まるのはもちろん、製品の横幅も357.7 mmと驚異的に小さくすることが出来ています。詳しく確認していませんが、15.6インチサイズのノートPCの場合、標準的なものだと横幅は380 mm前後、狭ベゼルタイプの製品でも360 mmを切っているものはごく少ないと思いますので、この製品はゲーミングノートであるにもかかわらず、「15.6インチで最小クラス」だと言えます。
天板です。この製品のカラーリングは「ブラックでエッジ部分がゴールド」になっており、ゲーミングノート特有の派手さがありません。また通気口はそれなりに大きいですが、他のゲーミングノートのように巨大な通気口をデザインアクセントにしているという感じもないです。このアングルから見ると、「ちょっと高級なノートPC」という感じですね。
側面です。通気口のところにカラーが入っているのがアクセントと言えばアクセントです。筐体の厚さは17.9 mmなので、モバイルノート並みに薄いです。
キーボードです。SteelSeriesとコラボして作られたゲーミング用のもの、とのこと。画像は英語配列ですが、日本向けには日本語配列となります。それと、この製品は15.6インチサイズですが、テンキーはつきません。横幅がかなり小さいので、妥当な判断と思われます。
もちろんカラフルなバックライトも装備されています。専用ソフトウェアで個別キーの配色や発光パターンを設定可能です。
ACアダプターも小型化されています。「28% smaller」という記載があり、おそらく体積が28%小さくなったのだろうと思います。2 kg切りの本体重量と合わせ、たまに趣味で持ち歩くのなら十分いけそうですね。
3.価格など
MSI GS65 Stealth ThinはMSI取り扱いショップやAmazonなどで販売中で、5月5日時点の価格は下記のとおりです。
GS65 8RF-001JP: 319,800円(パソコン工房)
GS65 8RF-002JP: 335,799円(Amazon)
GS65 8RF-007JP: 349,693円(ビックカメラ)
GS65 8RF-005JP: 298,933円(ビックカメラ)
GS65 8RF-006JP: 279,799円(パソコン工房)
※税込み価格
上に書いたように、この製品は型番によって取扱店舗が異なります。この価格を見る限り、001JPが一番割安感があるのかなあ、と感じます。GTX1070搭載機は30万円をオーバーし、GTX1060搭載機は30万円を少し下回るくらいの価格です。
支払い金額が大きくなるので、「安い」とは言えませんが、最新のシステム構成、薄型軽量の筐体、ゲーマーのために配慮された設計やソフトウェアということを考慮すると「割安」とは言えると思います。また、外観が比較的おとなしいので非ゲーミング用途に使うのも良さそうですよね。個人的にはかなり強い魅力を感じます。
4.関連リンク
第8世代インテル Core プロセッサー搭載 MSIゲーミングノートパソコン発売のご案内:MSI
MSI GS65 Stealth Thin 8RF-001JP:パソコン工房
MSIゲーミングノート GS65 8RF-002JP:Amazon
MSI GS65 STEALTH THIN 8RF-007JP:ビックカメラ
MSI GS65 STEALTH THIN 8RE-005JP:ビックカメラ
MSI GS65 Stealth Thin 8RE-006JP:パソコン工房