マウスコンピューターが「G-Tune」ブランドから15.6インチサイズのミドルクラス・ゲーミングノート「NEXTGEAR-NOTE i5560」を発売しました。この製品は「NEXTGEAR-NOTE i5550」のマイナーチェンジ版となりますが、「15.6インチでGTX1060」という、おそらくゲーマーにはボリュームゾーンと思われるレンジの製品で、メーカーのキャッチコピーは「VR対応の実力派ミドルクラスノート」です。
1.スペック
前身機i5550からの変更点は少ないです。マウスコンピューターはBTOメーカーなので、注文時に構成のカスタマイズが可能ですし、あらかじめRAMやストレージ構成の異なるベースモデルが数種類(この製品の場合は6種類)設定されています。
CPUはカスタマイズ項目で、Windows 10 HomeかProが選べます。CPUとGPUは固定で、Coffee Lake世代のCore i7-8750HとGeForce GTX1060(VRAM6GB)という組み合わせになり、カスタマイズによって変更することはできません。
RAMは8GB、16GB、32GBという3種類から選ぶことができ、ストレージは2基搭載可能で、500GB HDDのみ、というのも選べますし、最大で1TB SSD + 2TB HDDという組み合わせも可能です。
ディスプレイは15.6インチのFHD解像度ですが、形式(IPSかTNか)やリフレッシュレートに関しては開示されていません。最近発売されるゲーミングノートだとリフレッシュレートを開示している製品が増えていて、ゲーマーの間でもリフレッシュレートが注目されているようなので、この点は少し残念ですね。
入出力ポートはUSBが合計で4つ、映像出力専用ポート(HDMIとMiniDisplayPort)も2つ、入力、出力が独立した音声端子も備えていて、ゲーミングノートとしても充実していると思います。ポート類が充実しているというのはマウスコンピューター製品の特長でもあります。
サイズのほうはお世辞にもコンパクトだとか薄いとか軽いとかは言えないですね。最近はゲーミングノートでもコンパクトなサイズになっていたり、2 kgを切る軽さになっているものもありますが、用途的にどっしりした筐体を好む人も少なくないと思いますので、このサイズ感が悪いということでもないです。
それと、前身機のころからそうなのですが、この製品はそもそもバッテリーを長持ちさせようという発想がありません。一般的に外部GPU搭載のPCにはCPU内蔵のGPU(Intel HD Graphics)も搭載されていますので、状況によって2種類のGPUを自動切換しながら動作します。しかし、これは省電力(GeForceが動かない状態ではそこそこバッテリー稼働時間を長くできます)という点ではいいのですが、GeForceに動いてほしいときに動いてもらえない、という事態になることがあります。ウインタブの場合、一部のベンチマークソフトを実行する際にはNVIDIAの設定アプリを調整しないとIntel HD Graphicsで処理を完結しようとする機種がたまにあります。スコアを見ると一目瞭然(GeForceのほうが2倍以上高いスコアになります)なんですよね。
この製品の場合、「GeForceに完全固定」です。なので迷いがありません。しかし、GeForceが動く場面ではバッテリー稼働時間は顕著に短くなります。なので、バッテリー稼働時間の公称値が間違えているとは思いませんが、あまりあてにしないほうがいいでしょう。基本的にACアダプターは必須だと思います。
2.筐体
すみません、i5560の正面からの画像が入手できなかったので、前身機i5550の画像を掲載します。i5560は筐体のサイズがi5550と全く同じで、外観上の違いも見出せませんでしたから、筐体は変わっていないと考えていいと思います。サイズのところでも説明した通り、この製品は15.6インチサイズとしてはむしろ大型なので、ベゼル幅も太いですし、全体的にどっしりした印象があります。繰り返しになりますが、この製品はゲーミングノートのため、このサイズ感が悪いというわけではありません。
天板です。天板やパームレストにはアルミ素材が使われ、ヘアライン加工で仕上げられています。この製品はゲーミングノートらしい、塊感のある立体的な造形で、とてもカッコいいと思います。
キーボードレイアウトです。キーピッチは18.5 mmと余裕があり、キーストロークは2 mmなので、一般的なノートPCよりはやや深めと思われます。また、ゲーミングノートらしくW,A,S,Dのキーは別なカラーリングになっています。
また、この製品は「フルカラーLED」のバックライトがつき、明るさも4段階に調整できます。
この画像は前身機i5550のものですが、i5560も同一デザインのはずです。キーボード面はかなり立体的な造形になっていることがわかります。
わかりにくいですが、側面と背面のポート構成です。画像左が右側面、画像右下が左側面、そして画像右上が背面です。映像出力系と有線LANポート、DC-INが背面に配置されています。
3.価格など
マウス G-Tune NEXTGEAR-NOTE i5560はマウスコンピューター公式サイトで販売中で、9月22日現在の価格は144,800円(税込み156,384円)から、となります。ただし、この構成はRAM8GB、ストレージが500GB HDDのみとなるので、少なくともストレージはSSDを追加すべきかと思います。なので、実際の購入価格はプラス1万円~2万円くらい、と考えたほうがいいでしょう。
この製品はCoffee LakeプラスGTX1060と、ゲーミングノートとしてはスペックが高く、かつ「GPUがGeForceに完全固定」されるということもありますので、どちらかというと「ゲーマー専用」の製品なのかな、と思います。