マウスコンピューターは13.3インチモバイルノート「m-Book Jシリーズ」から、Celeron 3867Uを搭載する「J322」を発売しました。m-Book Jシリーズはウインタブでも実機レビューをしたことがあり、CeleronからCore i7まで、またLTEモジュールも追加可能なワイドバリエーションな製品で、J322はそのボトムラインに位置するモデルです。
マウス m-Book J レビュー - 13.3インチ、マウスの主力モバイルノートは実用性を追求してます(実機レビュー)
1.スペック
マウスコンピューターはBTOメーカーです。というか、最近YouTubeで乃木坂の白石麻衣さんと齋藤飛鳥さんによる「マウスダイナー」のコミカルな広告をよく目にしますので、みなさんとっくにご存知かと思います。BTOについてよくわからないという方はこちらの動画をご覧ください。いやね、ただリンクを張りたかっただけなんですけどね…。
m-Book J322はOSのバージョン(HomeかProか)、RAM容量、ストレージ容量、そしてLTEモジュールの追加有無などのカスタマイズが可能です。CPUはあまり聞き慣れない「Celeron 3867U」です。このCPUはKaby Lake R世代に属していて、Kaby Lake世代のCeleron 3865Uの後継と思われますが、ベンチマークスコアなどの情報はまだありません。常識的に考えて3865Uよりはワンランク上の性能になっているでしょう。
RAMは最小で4GB、最大で32GBですが、選択するベースモデルによってはRAMのカスタマイズができない場合もあります。ストレージは基本的にSSD専用で、最低で64GB(eMMCではなくSSDです)、カスタマイズにより最大で1TB SSD + 2TB SSDなどという超大容量の構成も選べます(それをしちゃうとプラス10万円ですけどね)。また、一部HDDも選択できます。
ディスプレイは13.3インチのFHD解像度です。IPSなのかTNなのかは不明ですが、ウインタブでm-Book JシリーズのCore i5モデルをレビューした際には「IPS相当」であると評価しています。従来のm-Book J Celeronモデルは解像度がHD(1,366 × 768)でしたから、CPUの型番だけでなく、ディスプレイもレベルアップしたということになります。
また、m-Book JシリーズはオプションでLTEモジュールを追加することができます。MVNOのデータ通信SIMは通信料金が非常に安いので、ここはぜひ追加しておきたいところ。しかし、「LTEの対応、非対応を選べる」というのがうれしいですね。
入出力ポートはマウスらしく充実しています。というか、この部分がm-Book Jシリーズの、いやマウスのノートPCの大きな魅力です。ただし、その分サイズは13.3インチのノートPCとしては大きく、そして重いです。横幅324 mmというのはいまどきの13.3インチノートではあまり見かけないくらいの大きさですし、重量の1.4 kgというのも重すぎるとは言えませんが、少なくとも軽いほうじゃありません。ただし、マウスのノートがちょっとだけ大きくて重いのにはちゃんとした理由があります。
2.筐体
今回のJ322追加により、筐体は変化していません。この筐体がデビューしたのは2018年1月なので、そんなに古いわけではありませんが、太いベゼル幅なんかはある意味新鮮に感じられます。
筐体は美しいホワイトです。素材はプラスティックですが、剛性感があり、非常にしっかりした作りになっています。もちろん安っぽさは全くありません。
キーボードです。マウスの13.3インチなので「Enterキーの周囲のキーがやたらと大きい」です。このキーボードレイアウトは一見かなり癖がありそうに見えますが、実は使いやすかったりします。このように大きいサイズのキーがあることによって他のキーの配置が自然なものになりますし、実際に試用したものの感想としては「小さすぎるよりもはるかにマシ」ということです。
入出力ポートです。この製品は多くの種類のポートを備えているだけでなく、「すべてフル規格」です。「でもType-Cが1つくらいあっても…」というのはあるかもしれませんが、それは置いておくとして、ビジネス利用にはとってもありがたい仕様だろうと思います。相変わらずD-subもありますしね…。
もう一つマウスが頑固に維持しているのが着脱式バッテリーです。m-Book Jシリーズの場合、注文時に予備バッテリーをを追加することもできますし、標準バッテリー(3,275mAh)のほか大容量バッテリー(5,900mAh)も用意されています。モバイルノートPCでバッテリーが着脱式の製品は今やほとんど見かけなくなりましたが、私達ユーザーにしてみれば着脱式のほうが圧倒的に便利と言えます。当然筐体サイズや重量にもある程度のしわ寄せが来ると思いますが、入出力ポートの内容と着脱式バッテリーというのはマウスのこだわりポイントと言えるでしょう。メーカーとして考える「使い勝手のための優先順位」が他メーカーとは少し違うということですよね。
3.価格など
マウス m-Book J322(Celeron)はマウスコンピューター公式サイトで販売中で、3月14日現在の価格は44,800円(税込み48,384円)から、となっています。最低価格のものだとRAM4GB/ストレージ64GBになりますので、せめてストレージだけでももう少し大きく、ということだとRAM4GB/ストレージ120GBというベースモデルが54,800円(税込み59,184円)となります。なんか、(保証面が少し心配ですが)当初はストレージ64GBモデルにしておいて、あとでDIYでSSD増設、というパターンのほうが安く上がりそうですね。最近SSDも値下がりしてますし。
この製品、サイズは決して小さくはないし、重量も軽くはありませんけど、マウスなりの「使い勝手を確保する」という主張がしっかり盛り込まれていると思います。ビジネスマンには特におすすめしたいですし、もう少しパワフルなマシンを、ということならCore i5とかCore i7を搭載するモデルもシリーズには存在します。長く使える製品だと思います。