マウスコンピューターがデスクトップ用CPUを搭載するハイスペックなクリエイター向けノートPC「DAIV-NG7620」と発売しました。ここのところクリエイター向けノートPCを紹介する機会が少しずつ増えてきました。このジャンルはBTOメーカー各社が注力し始めていて、各社それぞれ独自の製品ブランドを使用しています。マウスの場合は「DAIV」が製品ブランドになります。現状クリエイター向けPCはゲーミングPCとの差別化が十分に出来ておらず、既存のゲーミングPCの名称とロゴを変更しただけ、という製品が多いです。
今回紹介するDAIV-NG7620も筐体はゲーミングPCのものをそのまま使用しているようですが、非常に高いスペックになっていて、クリエイター用としてもゲーム用としても間違いなくハイエンドクラスと言えます。
1.スペック
CPUのCore i5-8400 / Core i7-8700はともに本来デスクトップ用です。Passmarkが公表しているベンチマークスコアを確認してみましょう。
Core i7-8700: 15,240
Core i5-8400: 11,781
Core i7-8550U: 8,199
Core i7-7700HQ: 8,881
※2月23日現在のPassmark公表値。数値が大きい方が高性能
Core i7-8550Uは最新のモバイルノートやスタンダードノートに使われることが多い第8世代のもの、Core i7-7700HQはゲーミングノートに広く使われている第7世代のものです。このように第8世代のデスクトップ用CPUはノートPC用のCPUとは歴然たる差があります。ただし、消費電力が大きいため、普通ならノートPCにはノートPC用のCPUが使われます。でないとすぐにバッテリーが切れちゃいますから。
GPUはGeForce GTX1080で、ノートPC用としてはハイエンドのものが搭載されます。実際このGPUが搭載されるノートPCはまだ決して多くはなく、ひとつ下のGTX1070をトップモデルとするメーカーもあります。同じマウスのゲーミングノートで「NEXTGEAR-NOTE i71130」という、GTX1080を2基(SLI)搭載する超モンスター製品もありますが、常識的に考えてDAIV-NG7620のCPUとGPUの構成は最上位レベルと考えていいでしょう。いや、デスクトップ用のCPUを搭載するという時点で常識からは外れちゃってるかもしれませんね。
RAMは最大で64GBまで、ストレージは最大でM.2 SSDを2基、SSDもしくはHDDを2基、合計4基まで搭載可能です。注文時の最大容量は4TB(M.2 SSD 1TB × 2、SSD 1TB × 2)となります。
ディスプレイは17.3インチで4K解像度(AdobeRGB比100%も実現)です。クリエイター向けの製品なので、用途に見合う品質だと言えるでしょう。また、この製品は映像出力ポートが3系統(HDMI、mini Display Port × 2)あり、本体内蔵のディスプレイと合わせ、同時に4画面で4K出力が可能です。
USBポートも合計で6つありますし、音声入力、出力も充実しています。拡張性に関しては文句なし、と言えます。
バッテリー稼働時間は公称値で2.9時間ですが、この製品の場合、かなり負荷の高い作業に使うことになると思いますので、実際にはそれよりも稼働時間はずっと短くなるのではないかと思います。UPS(停電時などに一時的に電源を供給し、機器を保護する装置。無停電電源装置)の代わりと考えたほうがいいかもしれません。
2.筐体
17.3インチで横幅は40センチオーバーという、堂々たる巨体です。ベゼルを細くするとかの小細工もありません。また、筐体の厚みも4センチ越え(一般的なモバイルノート2台分以上の厚さ)です。なお、この製品の筐体は「マウス G-Tune NEXTGEAR-NOTE i7901」と同じものと考えます(確証はありません)。i7901についてはウインタブで実機レビューをしていますので、参考にしてみてください。
天板です。このアングルから見ると、めちゃめちゃカッコいいと思いませんか?仮にこのデザインの小型ノートPCが発売されるとしたら、多少分厚くても欲しくなるくらいです。
キーボードです。W,A,S,Dキーがハイライトされていて、すごくゲーミングノートっぽいです。キーピッチは18.4 mm、キーストロークは2 mmです。キートップにはわずかに凹みがつけられていていますね。バックライトも装備されますが、ベースと思われるNEXTGEAR-NOTE i7901とは異なり、バックライト色はホワイトのみです。
側面と前後面です。特に側面画像ですよ!この厚さ、圧倒的ですよね。その割に光学ドライブは装備されませんし、内蔵することも出来ません。ポート類は十分な数と種類になっていますが、側面と背面に振り分けられ、映像系が背面に集められています。
この厚さだとキーボード面がテーブルからかなり高い位置になってしまいますので、手前側にパームレスト(リストレスト)が必要になると思います(実体験あり)。
3.価格など
マウス DAIV-NG7620はマウスコンピューター公式サイトで販売中で、価格は299,800円(税込み323,784円)から、となっています。この価格だとCore i5になってしまいますし、パソコンの価格としては決して安くはありませんが、スペックから見て高いとも言えませんよね。
この製品は筐体とかシステム構成はゲーミングノートそのまま、と感じますが、Core i5モデルもありますし、RAMやストレージ容量が比較的小さめのモデル設定もあります。また、バックライト色もレインボーカラーではなくホワイトのみにするといった、ディテール部分でゲーミングノートとの差別化努力もなされていると思います。この製品を必要とする人は、例えば動画編集に特化するとか、音楽制作に特化するとかの使い方をするんだろうと思います。なので、一般ユーザーが考えるRAM容量とかストレージ容量ではなく、特化した使い方に合わせたカスタマイズをすることになるんでしょう。クリエイターでも実務経験とかPC知識がある人に歓迎されそうです。ゲーミング用としても文句なしでしょうけどね。
コメント
いつも楽しく拝見しています。
最近中華成分が薄くて残念です。
安くて癖のある中華デバイスをもっと紹介してほしいです。
こんにちは、コメントありがとうございます。中華タブとスマホのレビューをライターさんのご尽力で公開しました。中国も春節休暇が明けますので、これから頑張っていろんな製品を紹介していきます。
ノートPCにデスクトップPC用のCPUを積んだマッシブな製品に心惹かれるのは、例えていうなら、その昔に話題になったフォルクスワーゲンの四輪車用の1600cc又は2000ccエンジンを積んだアマゾネスや、シボレーの四輪車用V8・6100cc又は8200ccエンジンを積んだボスホスのビッグブロックといった変態バイクに心惹かれるのと通じるところが有るのかも知れない
こんにちは、コメントありがとうございます。素晴らしいたとえだと思いました。私10年以上前にレガシイの3リッター買ったんですけど、それに近い気持ちがありました。あと、ルノー・サンクかなんかにそういうのありましたねー。
こんにちは
この製品所有してますが、キーボードのバックライトカラーは一応変更可能ですよ。
3エリア(左、中央、右)限定ですが、色分けも可能です
それと、画面は何気にG-SYNCに対応してたりします。
そこそこのセールスポイントなのに製品紹介ページにも書いてないなんて勿体無いですよね