こんにちは、natsukiです。やや今さらの話題になりますが、Windows11 24H2へのバージョンアップで引き起こされた問題の1つに、それまで普通に使えていた共有フォルダにアクセスできなくなるというものがありました。私も、実際にWindows11のミニPCをファイルサーバーとして活用しているため、この問題に遭遇しました。現在は、設定を変更して無事に運用を続けています。ということで、Windows11 24H2 アップデート以降の、Windows11での共有フォルダ設定方法を解説します。
目次
1.前提条件
前提として、同一ネットワーク(Wi-Fi)内での共有フォルダへのアクセスについて解説します。
また、共有フォルダを持つパソコン(ホスト)は、当然Windows11で、この記事内では、そこにアクセスする側(クライアント)もWindows11として解説します。後述のように、クライアント側は必ずしもWindowsである必要はなく、実際に私もAndroidスマホやタブレットからアクセスしています。ただし、クライアント側が、Windows7などの古いシステムだと、問題が生じます。
2.以前はアクセスできていたのに、アクセスできなくなる
Windows11 24H2へのアップデート後、共有フォルダにアクセスしようとすると、上の画面のような表示が出てアクセスできない、というような症状が出る場合があります。後述のように、この場合はAndroidなどからでもアクセスできなくなります。上の画像は、実際に私のパソコンに表示されたものですが、エラーメッセージには、状況によってバリエーションがあるようです。
3.ホスト側の設定方法
ここからの作業は、共有フォルダがある、アクセスされる側(ホスト)のPCで行います。
共有用ユーザーを作成する
パスワード付きの「共有用のユーザー」が必要になったというのが、バージョン24H2からの大きな変更点です。以前は、共有フォルダにはデフォルトの「Everyone」という、パスワードを持たないユーザーを設定しておけばよかったものが、パスワードを持つ「共有用のユーザー」を設定しなくてはなりません。
まず、「設定>アカウント」から、「アカウントの詳細」にある「他のユーザー」を開きます。
「アカウントの追加」を選択。
アカウントの作成画面になります。ここで、メールアドレスや電話番号は空欄にしたまま、「このユーザーのサインイン情報がありません」を選択します。
次の画面でも、メールアドレス入力欄は空欄にして、「Microsoftアカウントを持たないユーザーを作成する」を選択。
ユーザー名とパスワードを設定します。この情報は、アクセスを行うクライアント側から入力することになるので、控えておきましょう。この後、パスワードを忘れた場合の質問を設定して完了です。
「設定>アカウント>他のユーザー」を改めて開き、新しいユーザーが登録されていたらOKです。
共有フォルダの設定
共有フォルダの設定は、以前とほぼ変わりません。
共有したいフォルダを選択して、右クリックから「プロパティ」を開き、「共有」タブの「共有」を開きます。
共有する相手の選択肢に、さきほど作った共有用のユーザーが表示されるので、これを選びます。以前であれば、ここで「Everyone」を選択するのが簡単でした。
新たに登録した共有用のユーザーのアクセス許可のレベルを選択します。
ネットワークの詳細設定
「設定>ネットワークとインターネット>ネットワークの詳細設定>共有の詳細設定」を開き、上の画像のように設定します。以下の項目をONにします。ここは以前と変わりません。
・プライベートネットワークの「ネットワーク探索」:オン
・プライベートネットワークの「ファイルとプリンターの共有」:オン
・すべてのネットワークの「パスワード保護共有」:オン
なお、「ネットワーク探索」をOFFにするとアクセスする側(クライアント)のエクスプローラーの「ネットワーク」に表示されなくなります。ただ、ショートカットなどで、フォルダやファイルに直接アクセスすることは可能です。
4.クライアント側の設定方法
アクセスする方(クライアント)の設定は簡単です。共有フォルダにアクセスしようとすると、はじめのようにユーザー名とパスワードを求められるので、ホスト側で設定した、共有用のユーザー名とパスワードを入力すれば、共有フォルダにアクセスできるはずです。
5.ネット上には他の方法も紹介されているが、避けた方がいいものもある
ネット上を検索すると、他にもいくつかの方法が紹介されていますが、問題があり避けるべきものもあるので、注意が必要です。
まず、「ローカルグループポリシーエディター」や、レジストリの変更によって、バージョン24H2以前の設定に戻すという方法が多く紹介されています。しかし、この方法は次の理由から避けるべきです。第1に、そもそもうまく行かない場合があるということ。実は、私ははじめ、緊急回避としてこの方法を試したのですが、なぜかうまく共有フォルダにアクセスすることができませんでした。原因はよく分かりません。第2に、もちろん、古いセキュリティ設定に戻すということは、セキュリティ上のリスクが高まるということ。第3に、この原因となるセキュリティ設定の変更はWindowsアップデートによって行われているので、手動で古い設定に戻しても、Windowsアップデートによって改めて設定を変えられてしまい、また共有フォルダへのアクセスができなくなってしまう可能性があります。
他に、クライアント側がWindows7などの古いシステムであった場合に起こる現象で、古いプロトコルであるSMB 1.0を共有に使っていた場合に、Windows11 24H2ではこのプロトコルが無効化されたので、手動でSMB 1.0を有効にするという方法もよく紹介されています。もちろん、SMB 1.0を使うこと自体がセキュリティ上問題があるので無効化されたわけで、この場合は、SMB 1.0を使うようなシステムからの共有フォルダへのアクセスを控え、更新を考えるべきです。
また、共有フォルダの「プロパティ>共有タブ>詳細な共有設定」からクライアント側のアカウントを登録するという方法もあるようです。私の環境だと、この方法はうまくアクセスできませんでした。
6.Androidから接続する場合
Windowsパソコンの共有フォルダへは、共有フォルダへのアクセス機能を持ったファイルマネージャーアプリであれば、アクセス可能です。ただし、スマホにデフォルトで入っているファイルマネージャーはこの機能を持たないことが多いため、自分で探す必要があります。私は「X-plore File Manager」というアプリを使っています。

Androidからも、Windows11 24H2 アップデート後は、共有フォルダへのアクセスができなくなり、「ユーザー名」と「パスワード」が要求されるはずです。上の画像は、「X-plore File Manager」のものです。
ここに、共有用のユーザー名とパスワードを入力すれば、共有フォルダへアクセスができるようになります。このあたりは、アプリによっても違うかと思います。そもそもAndroidのファイルマネージャーアプリの場合、ものによって共有フォルダへのアクセスなど、高度な機能がどこまでできるかも違うので、ご注意ください。
7.まとめ
Windows11 24H2のアップデートにともない、それまで問題無く使えていた共有フォルダに突然アクセスできなくて困ったという人は、かなりいるんじゃないでしょうか。私のようにミニPCをファイルサーバーとして使う場合、その自由度は大きな魅力ですが、こういうWindowsシステムのアップデートによる仕様変更に振り回されることがあるのは注意点ですね。
8.関連リンク

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