Lenovoが発表したThinkPadシリーズの2018年モデルが順次直販サイトでの取扱いを開始しています。そのため、個人ユーザーも購入検討が可能になってきました。今回はThinkPadのモバイルラインのフラッグシップ機「X1 Carbon」の2018年モデルを紹介します。ThinkPad推しのウインタブとしては最も気になる製品です。ここのところHPのプレミアムノート「Spectreシリーズ」を試用する機会があり、気持ちが揺れ動いているものの、やはりX1 Carbonはいいですよねー。
1.スペック
X1 Carbonに限らず、ThinkPadシリーズは構成のカスタマイズが可能です。また、個人利用、法人利用の両方を視野に入れているため、例えばCPUはCore i5、Core i7とも多くの型番から選択することができます。それぞれの型番はクロックスピードなども微妙に異なりますが、大きな相違点として「vPro(組織的にPCを一元管理するのに役立つ機能です)」の対応/非対応というのがあります。Core i5-7300U、Core i5-8350U、Core i7-8650UがvPro対応で、Core i5-8250U、Core i7-8550UはvPro非対応ながら、個人向けの上級モバイルノートに広く採用されている第8世代のCore iプロセッサーです。
X1 Carbonは2018年モデルでも外部GPUの搭載は見送られています。ビジネスマシンなので必要ない、と言ってしまえばそれまでですが、競合製品だとモバイルノートでもGeForce MX150あたりを搭載している製品が増えているので、このへんは少し残念ですね。ゲーミングPCではないのでGTX1050とか1060ではなくとも、せめてエントリークラスのGPUでも搭載してくれればパフォーマンスはかなり向上すると思うのですが。
RAMは8GBもしくは16GB、ストレージはSSD専用で、128GBから1TBまで、細かく選択ができます。また、128GB以外のSSDはOPAL(自己暗号化などのセキュリティ仕様)対応となっています。
ディスプレイはFHD(1,920 × 1,080)とWQHD(2,560 × 1,440)を選べ、FHDにはタッチ対応モデルも用意されます。またWQHDモデルは300nitと500nit(nitはディスプレイ輝度を表す単位です)の2種類があります。入出力ポートに関してはThunderbolt 3対応のUSB Type-Cが2つ、フルサイズ(Type-A)のUSB 3.0も2つと、薄型ノートとしてはかなり高い拡張性があります。
あと、現状Wi-Fiモデルの設定しかありませんが、おそらくLTEモデルも追加されるだろうと思います。バッテリーは稼働時間が伸びました。2017年モデルでも15.5時間というロングライフを実現していましたが、2018年モデルはさらに稼働時間が伸び、最大17.2時間となっています。それと、急速充電機能もかなり優秀で、「1時間で80%の充電が可能」とのことです。バッテリーだけで終日稼働ができそうですね。
サイズ面(ポートの構成も)は2017年モデルとほとんど変わりません。実機を並べてみないとなんとも言えませんが、筐体は変わっていないような気がします。
2.筐体
ThinkPadと言えば、少し無骨なイメージがありますし、サイズも競合製品と比べて決して小さかったり薄かったりはしない、というのが私の先入観です。しかし、X1 Carbonは違いますね。この画像を見てわかる通り、かなりの狭ベゼルとなっています。また、厚さも16 mm弱、重量も1.13 kgですから、14インチサイズのノートPCとしてはトップクラスの薄型軽量筐体であるといえます(ただし、最薄とか最軽量ではありません)。
この記事のトップ画像もそうなのですが、X1 Carbonには「なんと」ブラック以外の筐体色も設定されています(2017年モデルにも設定がありました)。この画像は「シルバー」のキーボードです。しかし、日頃「ThinkPadは見た目全部同じ」などと若干ディスってはいたものの、実際にブラック以外のThinkPadを目にすると、やっぱり違和感ありますね。私この色のThinkPadは見たことがありません(なお、2月12日現在、シルバーの筐体色は販売が開始されていません)。
キーボードそのものについては「いつものThinkPad」です。使いやすさには疑いを挟む余地はないと思います。また、ThinkPadは日本語配列と英語配列を注文時に選択できる数少ないノートPCです。X1 Carbonについては標準でバックライトと指紋センサーが装備され、カスタマイズでNFCも装備できます。
ヒンジが180度開口するというのもThinkPadシリーズ(Lenovoのノート全般)に共通する特徴です。また、この画像には底面も写っていますが、バッテリーは着脱式にはなってませんね。
X1 Carbonに限らず、ThinkPadシリーズにはドッキングステーションが用意されています(別売)。Lenovoによれば、ドッキングステーションもリニューアルされたということなのですが、現状は製品ページが出来ていないようです。ただ、このドッキングステーション、純正オプションとしては割安ですね。従来品に関しては週末クーポンなどで12,000円台くらいで購入できます。これって、他社の純正オプションだと「多機能ハブ」くらいの価格なんですよね。
ThinkPad ドッキングステーション:Lenovo
3.価格など
Lenovo ThinkPad X1 CarbonはLenovo直販サイトで販売中で、2月12日現在のクーポン価格は税込み160,834円から、となっています。160,834円のモデルだと「Core i5-8250U/RAM8GB/128GB SSD/FHDディスプレイ」となりますので、このままでも文句なしですが、ストレージはもう少し大きくしたほうがいいかもしれないですね。
一通り新しいThinkPad X1 Carbonを見てきましたが、正直なところ「マイナーチェンジ」という感じです。少なくとも見た目の変化はほとんどありません。しかし、CPUが第8世代となりましたし、もともとかなり先進性の感じられる製品なので、依然として「ThinkPadのフラッグシップ」にふさわしい製品だと思います。でも、個人的にThinkPad推しなので、ちょっとだけ要望を書かせてもらうと、「外部GPU」は欲しいですね。私自身はオンラインゲームはやらないのですが、そうは言っても現代のPC事情って「グラフィックありき」なのは否定できません。なので、ビジネスマシンと言っても、このクラスになると外部GPUはあったほうがいいと思いますし、常にトップクラスの性能を要求されるX1 Carbonならなおさら…、と思います。
コメント
外部GPUは電気喰いますから、ビジネスモバイル機には
バッテリーのほうを考慮したつけない仕様なんじゃないでしょうか?
Carbonはいいけど、値段もそれなりにいいからなかなか
なおさん、こんにちは、コメントありがとうございます。ここのところThinkPadの記事を毎日少しずつ書いてるんですけど、多分ウインタブとウインタブ読者にはT480sのほうが好みに合うような気がします。
X1 Carbonはトップクラスの性能を求めていないと思いますが・・・
後、せっかく色に触れるのであれば、今回から、ThinkPadのロゴの色が変わったことも触れるべきでは? 写真でもわかるはずです。ブラックの方は2017より渋い色です。
後、表側はX1というロゴが付きました。