Lenovo ThinkPadシリーズの2018年モデルを順に紹介していますが、今回は15.6インチスタンダードノート「T580」です。ThinkPadシリーズについては個人的にも思い入れがありまして、自分でもしっかり製品の中身をチェックしながら記事を書いていきたいと思っております。なので、2018年モデルすべてを紹介するのに今しばらくお時間をいただくと思いますが、「このThinkPad推しヤローはしょうがねえなあ」ということでご容赦いただければと思います。
さて、T580です。ウインタブの紹介するパソコンとしては大型の15.6インチで、ジャンルとしては「スタンダードノート」ということになりますが、「かなり密度が濃い」製品だと思います。もっと言うと、うるさ型のウインタブ読者がスタンダードノートを買うとしたら「これにしたい」って思えるくらいの「自由度」が感じられます。
1.スペック
この製品は上級ノートPCと言ってよく、CPUはCore i5もしくはCore i7のいずれか、ということなのですが、選べる型番がめちゃめちゃ多いです。Core i5は第7世代(7000番台)と第8世代(8000番台)、Core i7は第8世代が選べ、それぞれvPro対応(型番の100の位が3か6)、非対応(型番の100の位が2か5)も選べます。vProは企業など組織でパソコンの一元管理をするのに便利な機能で、個人利用の場合は(不要とはいい切れませんが)あまり必要なものではありません。
また、この製品は外部GPU「GeForce MX150」を搭載可能です。MX150はGeForceシリーズの中ではローエンドに位置するもので、ゲーミングパソコンとして使う場合は物足りないものの、ThinkPadのようなビジネスマシンのパフォーマンス向上目的にはピッタリなものです。これが搭載されているのといないのではグラフィック性能に大きな差が出ます。
RAMはめちゃめちゃ細かく容量を指定できます。笑っちゃいました。この製品はCore i5/i7機なので8GBくらいは欲しいところですが、最大で32GBまで搭載可能なので、おそらく誰もが不満ないRAM容量にできると思います。
ストレージはHDDとSSDを選べ、容量選択の幅も大きいです。ただし、SSD + HDDといったデュアル構成には出来ません。個人利用ならSSDのほうが快適に使えると思います。
ディスプレイがまた、豊富な選択肢を用意してくれています。個人向けにはすべてIPS液晶で、FHD(1,920 × 1,080)解像度のものはタッチ対応と非対応を選べ、4K(3,840 × 2,160)解像度だと非タッチ液晶のみとなります。
ポート類も15.6インチらしく充実してますね。USBポートは合計で4つ、HDMI、有線LANが装備されます。あとD-subがあればベストだと思いますが、USB Type-Cポート+アダプターでなんとかしろ、ということだと思います。
バッテリーは2つ搭載可能です。下位グレードだと標準では1つだけしか装備されませんが、上位グレードは標準で2つになります。このスペック表に記載している稼働時間はバッテリーを2つ搭載した場合のものになります。なお、後述しますが、2つのバッテリーのうち1つは着脱が容易な構造になっています。
最後にサイズです。これね、ちょっと微妙です。15.6インチのスタンダードノートとしては小さくて軽いです。横幅365.8 mmというのは最小クラスではありませんが、狭ベゼルのスタンダードノートとそんなに変わりません。また厚さも最厚部で20 mmになっていますが、これもスタンダードノートとしては薄い方です。そして重量です。2キロを切ってきました(ただし、搭載するバッテリーの種類によってはもう少し重くなると思います)。
ウインタブでは経験的に「モバイルノートは1.5 kgまで」ということにしていて、1.5 kgを越えるとその製品をマイルドにディスりはじめるのですが、この製品はもともとモバイルノートという位置づけではないので、ディスる対象ではありません。むしろ高く評価します。しかし、「じゃモバイルできるのか?」という点については、個人的にはちょっと厳しいだろうなあ、と思います。これは貧弱なおっさんの感想であって、屈強な若者だと苦もなくモバイルできるのかもしれないです。また、毎日持ち歩くのではなく、必要に応じて外に持ち出す、ということなら問題ないのかもしれません。いずれにしても、スタンダードノートとしてはコンパクトで軽量だと言えます。
2.筐体
ThinkPadの筐体説明は毎回困ってしまいます。みんな同じデザインだからです。この製品に関しても無骨なブラックの筐体色で、見るからにThinkPadですよね。ただ、サイズのところでも触れたとおり、15.6インチとしてはコンパクトなサイズなので、ベゼルも細いですし、このアングルから見るとなかなかカッコいいです。
安心してください(誰に言ってる?)、この製品、やっぱりThinkPadです。筐体素材は不明ですが、おそらく金属だったりカーボンだったりはしない、つまりプラスティック製だろうと思います。しかし、筐体の頑丈さについては心配いらないです。というかめちゃめちゃ頑丈にできているはずです。
キーボードです。15.6インチサイズなのでテンキーがつきます。この画像は英語配列のものですが、日本語配列を選ぶこともできますし、バックライトの有無も選べます。また、画像には指紋センサーも写っていますが、これはオプション扱いとなります。
この製品は指紋センサーのほか、IRカメラ(Windows Helloの顔認証用)もオプションで用意されています。なので、生体認証によるセキュリティはしっかり確保されます。
他のThinkPadシリーズと同様、ヒンジは180度開口します。それと、底面を見るとバッテリーが着脱式になっていることがわかります。これは個人的にはかなり好感が持てるポイントです。
入出力ポートです。この画像の上側(左側面)にはドッキングポート(USB Type-Cポートと兼用)があります。2018年モデルのThinkPadシリーズはこの構造を取っているものが多く、ドッキングステーションとの併用を強く意識しているようです。拡張性はドッキングステーションで確保しろ、ということでしょうね。ただし、2月15日現在、ThinkPadシリーズ用の新型ドッキングステーションの製品ページはまだできていないようです。
3.価格など
Lenovo ThinkPad T580はLenovo直販サイトで販売中で、2月15日現在のクーポン価格は税込み128,045円から、となっています。ThinkPadの15.6インチには他にE580がありますが、E580がエントリーからミドルクラス、T580がミドルからハイクラスという位置づけと思われます。実際価格もT580のほうが高価に設定されています。
ひととおり確認してみて、ThinkPadのスタンダードノートは構成のカスタマイズ余地が非常に大きく、ユーザーの幅広いニーズを見事にクリアできそうに思いました。記事の冒頭に書いたとおり、この製品であればウインタブ読者も思う存分好みの構成に仕上げられるのではないか、と思います。
コメント
こんばんは
記事内の「外部GPU」という言葉ですが
「外付けGPU」と語感が似てややこしいいと思いました。
理由がなければ、古臭い言葉ですが「ノート用GPU」
あるいは「ディスクリートGPU」
と書いたほうが、混乱がなく、わかりやすいと思います。
いかがでしょうか。
こんにちは、コメントありがとうございます。ご意見参考にさせていただきます。私は「ディスクリートGPU」とか「dGPU」とかの表現は却って初心者の方に不親切だと思ってます。「ディスクリート(discrete)」の日本語訳がすぐに浮かんでくる人ってそう多くないですよね。そんなわけで、なにかいい表現を考えたいと思います。
横入りですが、独立GPUでいいのでは?