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Lenovo ThinkPad P1 Gen3の実機レビュー - 本格的な業務に対応しつつ15.6インチで1.7kgを実現、携帯性に優れたプレミアムモバイルワークステーション

ThinkPad P1 Gen3 トップ
こんにちは、オジルです。LenovoのThinkPadシリーズで「プレミアムモバイルワークステーション」と銘打たれている本格志向の製品、ThinkPad P1 Gen3をお借りする機会を得られましたので実機レビューをお届けします。日頃ウインタブでもクリエイター向けのノートPCを紹介する機会は多々ありますが、本製品はCPU性能はもとより外部GPUにGeForceではなくQuadroを搭載しており、よりクリエイター・技術者に向けた製品となっています。
ThinkPad P1 Gen 3:Lenovo

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1.スペック

  ThinkPad P1 Gen3
OS Windows 10 Home / Pro
CPU Intel Core i7-10750H / Core i9-10885H / Xeon W-10855M
外部GPU NVIDIA Quadro T1000 / T2000 ※いずれも4GB GDDR6 Max-Qデザイン
RAM 8GB/16GB/32GB/64GB
ストレージ 512GB/1TB/2TB SSD(ストレージ2基搭載可能)
光学ドライブ なし
ディスプレイ 15.6インチ液晶 FHD(1,920×1,080) / 4K UHD(3,840×2,160)
※タッチ選択可
ネットワーク IEEE802.11 a/b/g/n/ac/ax(Intel Wi-Fi 6 AX201)、Bluetooth 5.1
入出力 USB 3.1 Type-C(Thunderbolt 3)× 2、USB 3.1 Gen1 × 2、HDMI、オーディオジャック、SDカードリーダー、NanoSIMスロット(WWAN選択時)、電源ジャック
カメラ WEBカメラ(720p) IRセンサー選択可能
バッテリー 稼働時間 最大約17.1時間
サイズ 約 361.8×245.7×18.4mm
重量 約 1.7kg

ThinkPadはシステム構成のカスタマイズが可能となっています。基本的にベースモデル(4つあります)を選択後、各項目をカスタマイズしていくのですが、レビュー機は最上位となる「製造・建築3次元CAD & 解析/CAE向けパフォーマンス」の基本構成である、Core i9-10885H/Quadro T2000/RAM 16GB/512GB SSD/4K(非タッチ)という内容でした。本記事ではこのベースモデルを中心に記載していきます。

OSはWindows 10 ProがベースとなっていてHomeを選択する場合は8,800円の減額、英語版か日本語版かの選択もできるようになっていますね。この辺りは利用者のニーズに応じて、といったところでしょうか。

CPUは8コア16スレッド、第10世代Comet LakeのCore i9-10885Hを搭載します。この型番はPCのリモート管理機能などを行えるvPro対応です。こちらのベースモデルでは、よりワークステーション用途に特化するということであればXeon-10855Mも選択可能で、もし変更する場合は1,100円の追加ですから金額面ではほとんど違いはありません。

外部GPUはこのベースモデルではNVIDIA Quadro T2000のみ、もしくは選択せずに33,000円の減額で外すパターン(レアケースだと思いますが…)しかありません。NVIDIAのGPUといえば真っ先にGeForceを思い浮かべる方がほとんどだと思いますけど、QuadroはRGB各色10bitで10億色以上(GeForceは8bit=約1677万色)の色表現が可能なのでクリエイター向きですし、APIがOpenGLに最適化されているためCADなど特定の用途には抜群のパフォーマンスを発揮するでしょう。ちなみにスペック表に記載の「Max-Qデザイン」についてご存じではない方向けの情報として、簡単に説明すると「小型・軽量タイプ」ということですね。その代わり省電力・静音設計となるため、無印と比べると僅かにパフォーマンスは下がるのですが。ともあれ、これにより本製品の厚さ18.4mm、重量1.7kgに貢献しています。

RAMは基本構成が16GBで、32GBや64GBに増設も可能です。ハイパフォーマンス機ですから、作業の内容によっては16GBでは物足りない場面も出てくるかもしれません。とはいえ(専門職ではない)一般的なビジネス用途では16GBで困るということはまずないかと思います。同様にストレージもベースの512GBからニーズに合わせて最大2基搭載できますので、必要な方は増やしてみてもいいかもしれません。

ディスプレイはベースが4Kの600nit、別途400nitのタッチ対応OLEDも選択可能です。また、もしFHDを希望する場合には300nit/500nitから選べるようにもなっています。ただし、前述したQuadroの特長を活かすためにも4Kを選択しておくのが無難かと思います。

入出力関連は特に不足しているとは思いませんが人によってはType-AとType-Cの振り分けを嫌う(後述します)かもしれません。なお、LAN端子は備えておらず、Type-C変換のイーサネットアダプタが付属します。カメラはこちらのベースモデルではIR(赤外線センサー)搭載のみとなっています。

サイズや重量に関しては一般的な15.6インチのノートPCと比べるとコンパクトで軽いほう…という表現に落ち着きますが、ことモバイルワークステーションにおいては30mm近かったり3kg近かったりする製品もあるわけで、このサイズ感は実用性を考慮すれば十分携帯性に優れていると言えるでしょう。

以下、レビュー機の構成です。

ThinkPad P1 Gen3 スペック1

ThinkPad P1 Gen3 スペック2

ThinkPad P1 Gen3 スペック3

2.筐体

ThinkPad P1 Gen3 トップ

ThinkPad P1 Gen3 アダプター

まず同梱品です。ACアダプターのほか、画像にはありませんがType-C変換のイーサネットアダプタとペーパー類が入っていました。アダプターは貸し出し品ということもありフィルムを開封して戻せなくなるのが怖かったためそのままです。画像では反射して視認できませんが「170W」の刻印があり、重量もアウトドアスマホ並み。コード重量も合わせると400gオーバーとなるため持ち運ぶ際には注意が必要です。

ThinkPad P1 Gen3 天板

天板には左上にThinkPadロゴのみのシンプルなデザイン。拡大すると…

ThinkPad P1 Gen3 ロゴ

赤丸部分がインジケーターになっているのはThinkPadおなじみの仕様です。また、引きの画だと分かりませんが、細かなカーボン柄になっているのがさりげなくとってもオシャレですよね!なお、カーボン柄は4つあるベースモデルの中で唯一この最上位モデルだけに許された特権。「X1 Carbonかな?」と思いきや実はワークステーション、まさにプレミアムです。

ThinkPad P1 Gen3 裏面

底面は排気口となっており、シンプルながらシンメトリーで上品な佇まいです。左下には製品名の「ThinkPad P1 Gen3」とともに、素材がカーボンファイバーとマグネシウムであることが記載されています。

ThinkPad P1 Gen3 左側面

左側面です。左から、電源端子、Type-C×2、HDMI、オーディオジャックです。

ThinkPad P1 Gen3 右側面

右側面です。左から、SDカードスロット、Type-A×2、一番右はセキュリティロックですね。少し画像が見えづらく、公式画像を掲載いたしますのでご容赦ください。

ThinkPad P1 Gen3 ポート

画像中の①SIMトレイはオプションでWWANを選択すると搭載されます。レビュー機にはありませんでした。USBは左側が全てType-C、右が全てType-Aという構成になっているのですが、せめて左側にもうひとつType-Aがあればもっと便利そうなのになあ…と思うのは私だけでしょうか?

ThinkPad P1 Gen3 ディスプレイ

ディスプレイ部分です。ベゼルに関しては他のシリーズと変わらないように思います。上下のベゼルはトップクラスに狭くはないのですが、なぜかしっくりきてしまうのがThinkPadマジックなのか、もはや様式美の域だと勝手に解釈。上部にあるカメラは物理シャッター搭載で、下部ベゼルには左に「Lenovo」、右に「P1」とシンプルな構成です。

ThinkPad P1 Gen3 キーボード
ThinkPadおなじみのキーボードはP1だからといって変わることはありません。もちろん「あの」赤いトラックポイントもあります。テンキーがないのは人によって評価が分かれるところだと思いますが、私としては「テンキーは別にいらない。必要なら外付け。それよりも操作性重視」というタイプなのでこちらのほうが好みですね。画像中の右上が電源ボタン、その下にあるのは指紋認証です。なお、画像はありませんがバックライト搭載も搭載します。きらびやかにこそ光らないものの2段階調節が可能なので、薄暗い環境で作業をする際は便利でしょう。

ThinkPad P1 Gen3 開口

ディスプレイは180°開口します。このスタイルはエントリークラスの製品以外ではもはやスタンダードになってきましたね。余談ですが、プレゼン時に便利、という表現はよく見かけるんですけど(実際に私も使ったことがあります…)、今回少し考えてみたらあまりそういうシーンは現実的でないような気がしてしまいました。ぐるっと5,6人くらいで画面を囲むようなミーティング等であれば活路を見出せそうですが、さていかに。全開した瞬間にディスプレイの上下が逆になる、とかだったらマンツーマンの商談などで大活躍しそうですけどね。それよりも、どこまで開口するのか不安にならなくて済む安心感の方がメリットとしてよっぽど大きいような気がします。

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3.使用感

ディスプレイ

ThinkPadで4K…この時点で言わずもがなではありますが、600nitの輝度は明るさ最大だと眩しいくらいですし、発色が良いのは明確な審美眼を持たない私でもはっきりと分かります。また、本製品はX-Rite Pantoneのファクトリーカラーキャリブレーションを搭載しているため、工場出荷時の発色を維持できるだけでなく、Adobe RGBやDCI-P3など用途に応じてプロファイルを変更することも可能です。

ThinkPad P1 Gen3 X-Rite

キーボード

実は久しぶりにThinkPadを触ったのですが、テンキーを搭載しないこともありキーピッチは約19mmとゆったりしていて、ストロークも一般的なノートPCよりも深い(そして若干重い?)のでしっかり打鍵できるのが「らしさ」だなとしみじみ感じました。キートップが湾曲していて中央部分が少しくぼんでいるのもフィット感があって良いですね。とにかくまあ、稚拙な表現で恐縮なんですけど、かなり好きです、これ。個人的には左下にCtrlキーがあるキーボードに慣れ過ぎてしまい、ショートカットキー入力の際に何も起こらず「あ、ここFnか…」という事象が何度も発生してしまったのが残念。私のせいなんですけど(ウインタブ注:BIOSでFnとCtrlキーの入れ替えが可能です。詳しくはこちら)。

サウンド

私自身、音質に深いこだわりがなく、気が向いた時に「ながら聴き」をする程度の耳なので大層なことは言えない、という前提でのお話です。今回はYoutubeでクラシックやJ-POP、Youtuberがやたら喋っている動画など数パターンで試してみましたが、高音域・低音域ともにスッと耳になじみ、総じてクオリティが高い印象を受けました。そこまで聴き比べをしたことはありませんけど、少なくともこれまでに触ってきたノートPCの中では体感的に最も音の広がりを感じられたような気がします。まるでノートPCとは思えないほど、と言ってしまっても過言ではないくらい完成度が高く、さすがDOLBY ATMOSのスピーカーシステムを搭載しているだけのことはあります。

バッテリー

画面の明るさは50に設定、Youtubeを連続再生しながらウェブサイトの閲覧や本記事の執筆を行い、また何度かベンチマークソフトを走らせてみたところ、約5時間で80%程度のバッテリー消費となりました。製品スペック的に健闘しているのではないでしょうか。ブラウジングやオフィスソフトを中心とした日常利用では稼働時間はもっと伸びそうですし、たとえば外に持ち出して重いアプリケーションを動かしながらプレゼンなどを行う際には3時間程度にまで減ってしまうかもしれません。長期戦の場合にはバッテリーの持ち出しも考慮に入れたほうがいいでしょう。公称では約17時間程度の稼働時間となっているのですが、よっぽど明るさを下げて必要最低限の動作に留めるなどしない限りはまず無理でしょうね。

温度・ファン

ベンチマークソフトの動作中に若干温かくなることはありましたが、決して熱くなるというほどのことではありません。その分ファンがしっかり仕事をしてくれている、ということになるんでしょうけど、代償というか「それなりにしっかりとファン音がする」印象です。本業の会社で使用しているDELLのビジネスノートも動作時にはそこそこ音がするのですが、本製品のファン音のボリュームはどちらかというと静音タイプのデスクトップPCに近いものがありますね。ただ、デスクトップが「ブォー」だとすると、「シャー」といった感じなので性質が異なりますし、頻繁にファンが動作するわけではないので不快になるレベルではないかと思います。

4.性能テスト

ゲーミングPCではないという点、外部GPUがGeForceではなくQuadroという点を踏まえた上で「あえて通常のPCとしての性能テストを行ってみた」という前提でご覧いただけると幸いです。本来であれば私がCADを扱っているような立場ならもっと最適な検証ができたのでしょうけど、貸し出し期間中に軽く調べたらOpenGLのテストをできるものが見当たらず、CINEBENCHの旧バージョンなら対応していましたが現在は非対応になってしまいました。しかし、私があれこれ言及するよりも本職の方のほうが深い知見を有しているはず。というわけで、もし業務以外で利用する場合はどうなのか、という観点で見ていきます。

3D MARK

ThinkPad P1 Gen3 PCMARK1

ThinkPad P1 Gen3 PCMARK2

ThinkPad P1 Gen3 PCMARK3

参考:
ASUS ROG Strix SCAR 15(i9-10980HK、RTX2070SUPER):8,435、20,017、47,193
Lenovo Legion 750i(Core i7-10750H、RTX2080SUPER Max-Q):8,156、18,070、40,408
MSI GE66 RAIDER(i7-10875H、RTX2070):7,882、18,288、46,133
HP ENVY 15(i9-10885H、RTX2060 Max-Q):5,597、13,382、33,102
ASUS ROG Zephyrus G14(Ryzen9 4900HS、RTX2060 Max-Q):-、13,719、31,513
MSI GP75 Leopard (Intel Core i7-10750H、RTX2070):7,415、17,589、40,262
MSI Prestige 14(i7-10710U、Max-Q):3,111、6,973、22,126
ASUS ZenBook 15 UX534FT(i7-8565U):2,988、6,789、20,260
ASUS ZenBook 14 UM4125IA(Ryzen 7 4700U):-、2,925、10,314
ASUS VivoBook S15 M533IA(Ryzen 7 4700U):-、2,834、10,545
HP ENVY x360 13(Ryzen 5 4500U) : -、2,667、9,673
HP ENVY x360 15(Ryzen 5 4500U) : -、2,581、9,545
HP ENVY x360 15(Ryzen 5 3500U) : -、2,269、7,922
Lenovo ThinkPad E595(Ryzen 5 3500U): -、2,259、7,741
Lenovo ThinkPad E495(Ryzen 5 3500U): -、2,257、7,874
マウス m-Book X400B(Ryzen 5 3500U): -、1,528、4,659
HP ENVY X360 13(Ryzen 7 3700U): -、1,513、6,808
HP ENVY 13 X360(Ryzen 3 2300U): -、1,513、5,396
ASUS VivoBook S15 S531FA(Core i7-10510U): -、1,241、4,733
dynabook GZ83(Core i7-10710U): -、1,239、4,815
Lenovo ThinkPad X1 Yoga(2019)(Core i7-8665U):-、1,211、4,946
Lenovo ThinkPad X280(Core i7-8550U): -、1,211、4,871
Lenovo ThinkPad T490s(Core i7-8565U): -、1,181、4,845
DELL XPS 13(9380)(Core i7-8565U): -、1,189、4,586
HP Spectre x360 13(Core i7-8565U): -、1,178、4,574
DELL XPS 13(9370)(Core i7-8550U): -、1,161、4,719
Microsoft Surface Laptop 2(Core i5-8250U): -、1,157、4,652
Microsoft Surface Pro 6(Core i5-8250U): -、1,136、4,524
ドスパラ Altair F-13KR(Core i5-8250U): -、1,126、4,746
東芝 dynabook AZ65/G(Core i7-8550U): -、1,116、4,367
※左からTimeSpy、FireStrike、SkyDiverのスコア

まずは3DCGの性能をチェックする「3D MARK」から。画像で見るとグラフィックカードを認識していない旨の文言がありますが、これはQuadroだから?スコアとしては外部GPU非搭載機よりも明らかに高いため、認識していないことはなさそうですが…。数値はゲーミングノートには及ばないものの、GTX1650搭載機と近しいものになっています。スコアだけ見るとゲーム自体は概ねプレイできそうですが、OpenGLで代表的なのはマインクラフトくらいで多くのゲームはDirectXです。相性がどうなのかは気になるところで、場合によっては挙動に影響が出るかもしれません。

PCMARK 10

ThinkPad P1 Gen3 PCMARK

クリックで拡大します

参考:
HP OMEN X 2S 15(i9-9880H、RTX2080 Max-Q):6,447
Lenovo Legion Y740(17)(Core i7-9750H、RTX2080Max-Q): 6,151
MSI GE66 RAIDER(i7-10875H、RTX2070):6,081
ASUS ROG Strix SCAR 15 G532LWS(i9-10980HK、RTX2070SUPER):6,023
ASUS ROG Zephyrus G14(Ryzen 9 4900HS、RTX2060 Max-Q):5,852
Lenovo Legion Y740(15)(Core i7-9750H、RTX2070 Max-Q): 5,830
ASUS ZenBook Pro Duo UX581GV(Core i9-9980HK、RTX2060): 5,727
MSI Bravo 15(Ryzen 5 4600H、Radeon RX5300M): 5,635
Lenovo Legion Y7000(Core i7-9750H、GTX1650): 5,618
ドスパラ GALLERIA GCR1660TGF-QC-G(Core i7-9750H、GTX1660Ti): 5,573
ASUS ROG Zephyrus S GX502GV(Core i7-9750H、RTX2060): 5,506
ドスパラ GALLERIA GCR2070RNF(Core i7-9750H、RTX2070): 5,505
DELL G7(Core i7-8750H、GTX1060): 5,401
ドスパラ GALLERIA GCF2060GF-E(Core i7-8750H、RTX2060): 5,328
MSI GP65 Leopard(Core i7-9750H、RTX2060): 5,299
ドスパラ GALLERIA GCF1070GF(Core i7-8750H、GTX1070): 5,122
ASUS ZenBook 14 UM4125IA(Ryzen 7 4700U): 5,014
MSI GF75 Thin(Core i7-8750H、GTX1050Ti): 5,009
ドスパラ GALLERIA GCF1060GF-E(Core i7-8750H、GTX1060): 4,976
ASUS VivoBook S15 M533IA(Ryzen 7 4700U): 4,975
ドスパラ GALLERIA Mini 1060(Core i5-7500、GTX1060): 4,906
ドスパラ GALLERIA GCF2070GF-E(Core i7-8750H、RTX2070): 4,893
HP ENVY x360 15(Ryzen 5 4500U) : 4,738
ASUS ZenBook 15 UX534FT(Core i7-8565U、GTX1650): 4,709
HP ENVY x360 13(Ryzen 5 4500U) : 4,678
ドスパラ GALLERIA GCF1050TGF-E(Core i5-8300H、GTX1050Ti): 4,545
ASUS ROG Zephyrus G GA502DU(Ryzen 7 3750H、GTX1660Ti): 4,365
OMEN X by HP(Core i7-7820HK、GTX1080): 4,290

次は画像編集やブラウジング、オフィスソフトなどを総合的に評価する「PCMARK 10」です。スコアを比較してみると決して高い数値ではありませんが、そもそもエントリークラスの製品群が含まれていませんし、もうこれくらいの水準であればちょっとやそっとの作業ではパフォーマンス不足を感じることもないでしょう。こと本製品に至っては一般的なビジネスノートと用途が少し異なるため「メイン業務をこなしつつ一般業務も問題なく行える」点で評価すべき、ということで参考データとします。

CINEBENCH

ThinkPad P1 Gen3 CINEBENCH

参考:
ASUS ROG Zephyrus G14(Ryzen 9 4900HS、RTX 2060 Max-Q)(注):1,247、10,998
MINISFORUM EliteMini X400(Ryzen 5 PRO 4650G):1,245、8,651
MINISFORUM H31G(Core i5-9500F):1,105、5,922
MSI GP65 Leopard(Core i7-9750H)(注):1,077、5,999
ひつじさん 自作PC(Core i7-6700 GTX980ti):1,031、5,078
ASUS ZenBook 14(Core i5-8265U)(注):1,023、3,691
Microsoft Surface Laptop Go(Core i5-1035G1(注):1,006、3,559
ひつじさん 自作PC(Core i3-7100T):840、1,826
HP Pavilion x360(Core i5-7200U)(注):790、1,740
※左から順にシングルコア、マルチコアのスコア
(注)ノートPC、(注)ないものはデスクトップPC

CPUの処理能力を評価する「CINEBENCH」です。前述の通りOpenGLの性能評価がなくなってしまったのが残念でなりません。さてスコアですが、R23のサンプルデータが少ないため一概には言えないものの、さすがのCore i9といったところで、シングルコア・マルチコアともに高い水準。値としてはRyzen 5 PRO 4650G(デスクトップ用CPU)に近いスコアとなりました。しかし、こうして見るとRyzenは驚異的ですね…。

CristalDiskMark

ThinkPad P1 Gen3 DISK

最後に、SSDの読み書き速度を測定する「CrystalDiskMark」です。これはもう画像を見れば一目瞭然、シーケンシャルアクセスは読み・書きともに速く、特に書き込み速度については高水準と言えるでしょう。ランダムアクセスに関しても突出して高い値ではないものの優れています。これで不満を感じるようであれば…もう…というくらい高速なストレージで、全般的にキビキビとした挙動が随所に散見されました。

5.まとめ

Lenovo ThinkPad P1 Gen3は、4つのベースモデルから選択後に個々のカスタマイズを行う仕様で、1月7日時点での基本構成におけるクーポン適用後の販売価格は以下のようになっています。

■スタンダード(100台限定) 250,316円(税込み)
Core i7-10750H/Win10 Home/8GB/256GB SSD/FHD(300nit)/Quadro T1000
■医療系デジタルイメージングエントリー 321,596円(税込み)
Core i7-10850H/Win10 Home/16GB/512GB SSD/FHD(500nit)/Quadro T2000
■スタンダード 374,880円(税込み) ※クーポンなし
Core i7-10750H/Win10 Pro/16GB/256GB SSD/FHD(300nit)/Quadro T1000
■製造・建築3次元CAD & 解析/CAE向けパフォーマンス 380,204円(税込み)
Core i9-10885H/Win10 Pro/16GB/512GB SSD/4K(600nit)/Quadro T2000

今回のレビュー製品は最下段のモデルでした。それぞれのベースモデルを見比べてみると、本格的に業務で使うことを考えれば実は一番コスパがいいのかも。決して安くない製品ではありますけど、上記は平日のクーポン適用価格であり、Lenovoのクーポンは週末になると割引額がアップする傾向にありますので、気になる方は定期的にウォッチしてみるといいでしょう。

外部GPUにQuadroを搭載していて利用者を選ぶ本製品、技術者やクリエイターの業務に対応するのはもちろん、ビジネスノートとしても十分にパフォーマンスを発揮し、息抜きにゲームを楽しむこともできます。それでいてさらに持ち運び可能なサイズ感まで携えた、まさに「プレミアムモバイルワークステーション」の表現がしっくりくる逸品でした。ThinkPadファンならずとも強くおすすめできる製品です。

6.関連リンク

ThinkPad P1 Gen 3:Lenovo

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