こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。早いものでThinkPad 8を購入してから半年近くが過ぎました。いつも書いていますが私はThinkPadの他にASUS VivoTab Note 8とacer Aspire Switch 10を持っていて、用途に応じてこの3台を使い分けています。Vivotabも8インチWindowsタブレットの中では「名機」といってよい製品ですが、Windows 10 Insider Previewをインストールしている関係で、使用頻度はあまり高くない、というかOSが実用品として使い物になっていないので、自宅でのテスト用になっています。Aspire Switchのほうは10インチでキーボードが使えるため、書き物が多い日とかに持ち歩きます。こちらは明確にThinkPadとはかぶらない使い方です。外出時に持ち出す頻度としてはThinkPadが8割くらいでAspire Switchが2割くらい(たまには両方とも持ち出します)、Vivotabは上記の理由でほぼ自宅専用となっています。
今回はThinkPad 8を半年使ってみての感想を書きたいと思います。いつもは読んでくれる人の役に立つような客観性のある記事づくりを心がけているのですが、今回はウルトラ主観的な記事になります。なぜなら私は「ThinkPad愛」が人の数倍強いからです。なので、あんまり参考にならないと思いますが、どうかご了承ください。
1.固くて重くて高性能
筐体はアルミニウム製です。もちろん表面はガラスですけど、それ以外は金属感バリバリです。これによるメリットとデメリットの双方があります。メリットはなんといっても筐体のしっかり感です。車に例えてみるとスバルです。え?何のことかわからない?じゃあもう少し詳しく説明します。私はホンダ、トヨタ、そしてスバルと3台の自家用車を乗り継いでいます。現在使っているのは10年選手のレガシイで型番が「BP」という現行モデルから見ると2世代前のもの、3リッターで水平対向6気筒という、現行のレガシイには設定されていないエンジンを搭載しています。ひとことで言うと「固くて重くて、でも高性能」な車です。そもそも「水平対向6気筒」という時点でストライクゾーンです。国産車では他にありませんから。これだけであと10年は乗りたくなります。そしてスバルの車は剛性感が異常です。全然ふにゃふにゃしたところがありません。乗り心地も固くてゴツゴツしてますが、それよりもエンジニアのこだわりとか頑固さが伝わってきて、運転していてなんと気持ちがいいことか!燃費ですか?リッター6キロですが、それが何か?
話をタブレットに戻しましょう。ウインタブを運営している関係で、これまで多くの8インチタブレットを試用してきましたが、ThinkPad 8は筐体のしっかり感が抜群です。絶対的No.1と言っておきます。レガシイじゃないですけど、「固くて重い」です。重い、というのは当然デメリットでもあり、本体重量は430gあります。最新の8インチタブレットは300g台前半まで軽量化されていますから、その差は100g近くありますね。
いわゆる風呂蓋カバーはカバーの開閉で本体のスリープ/スリープ解除ができる、iPadと同様の機能がありますが、iPadの風呂蓋のようにカバーを折りたたんでグリップ代わりに使う、ということはできません。この風呂蓋は表面がブラック、裏面がレッドの1種類しかなく、本体との接続部分が金属製で実測値113gもあります。無駄に思えるくらい頑丈な感じです。本体+カバーだと540g以上ということになり、10インチタブレットと大して変わりません。長時間手で持っていると結構疲れます。
その代わり、筐体はたわみそうな気がしませんし、スイッチ操作ひとつとってもしっかり感というか気持ちよさがあります。「重いけど使ってて気持ちいいから許す」という感じです。また、上の画像で見えると思いますが、USBポートはmicroUSB3.0です。私はOneDriveにほとんどのデータをアップロードしているため、このポートを使って大容量のデータを転送したことがなく、あまりありがたみは感じていませんが、転送速度は十分速いと思います。また、このポートはmicroUSB2.0も使えます。例えばVivoTab用の充電ケーブル(microUSB2.0)を挿入して充電することもできます。でも、互換性があるとはいえポートの形状が異なるので無理な力が加わるといくら頑丈なThinkPad 8でもポート破損の可能性はあると思われます。
「筐体がしっかりしていて頑丈」「操作感が気持ちいい」とかの感覚で満足感を持つというのは、カメラマニアとか腕時計マニアのそれに近いんじゃないか、と思います。カメラとか腕時計が好きな人って、必ずしも最新モデルとか最高性能を、っていうことじゃなくて、その製品が持っている「味わい」のようなものを重視していますよね。別にタブレットのスイッチ類って押せればいいんであって、押した感じが気持ちいいとかを重視する人がどのくらいいるのかわかりませんし、筐体にしても壊れなければ固かろうと柔らかかろうと気にしない、っていう人のほうが多いと思います。なので、大多数の人にはどうでもいいのかもしれませんね。
2.8インチ最高スペックながら、そんなに高速でもない
OS: Windows 8.1 with Bing 64bit
ディスプレイ: 8.3インチIPS液晶(1920×1200)
CPU: Intel Atom Z3795
RAM: 4GB
ストレージ: 128GB
これが私のThinkPad 8の基本スペックです。これ以上のスペックを持つ8インチタブレットはいまだにありません。64ビットOS、Z3795、RAM4GBというのは8インチとしては他に類をみない、孤高のスペックです(ストレージ128GBというのは同じLenovoのMiix 2 8に設定があります)。
ただし、VivoTabとAspire Switchを併用しているものとして断定しますが、このスペックであっても、ThinkPad 8は体感的にそれほど高速なタブレットではありません。体感的に、ということでなく、各種のベンチマークテストを実施しても、確かにスコアは高いですが、他機種の2倍とかのはっきりした差にはなりません。もちろん64ビット専用のソフトウェアなどを使うのなら、他の8インチタブレットでは物理的に使えないわけですから、完全にThinkPad 8にしかできない、ということが言えるのですが、少なくとも私が常用しているソフトウェアとか、簡単に入手できるソフトウェアにはそういうものはありません。
システムの安定性は高いです。そうそうめったにアプリが落ちるとか、フリーズするという場面には出くわしません。ですが、他の8インチタブレットも同様に安定性が実用上十分に高いので、これまたThinkPad 8ならでは、ということはできません。
結局8インチタブレットの場合、グラフィック機能や基板系の制約が大きくて、CPU本来の性能を完全に引き出すのが難しいんじゃないか、と個人的には思っています。私はいつも「タブレットのCPUはZ3735Fで十分、RAM1GBでも多少気を使ってやればぜんぜん使える」という論調で記事を書いているのですが、それは上に書いたような実体験と感想に基づくものです。
じゃ、ThinkPad 8のスペックは無駄に高すぎるのか、といえば決してそうではありません。ThinkPad 8のスペックは明らかに8インチ中でぶっちぎりですから、仮にうまく動かないソフトウェアやストアアプリ、WEBサービスなどがあっても、「ThinkPadができないことは他の8インチタブレットでもできない」という認識を持っていいはずです。Windowsタブレットという製品ジャンルはまだまだ本格化して日が浅いので、この先どんな新手のサービスが出てくるのか、新しいジャンルのアプリが出てくるのか未知数です。仮にそういうものが世に出たとして、それがThinkPadで動くのであればよし、動かなければ「しょうがない」ということです。どうせ他の8インチタブレットでも絶対に無理なはずですから。このスペックは所有者にそんな安心感、悟りを与えてくれるのです。
3.ストレージ128GBは気配り不要の快適さ
それと、ストレージ128GBというのはさすがに快適です。「無神経に使える」ということです。私はウインタブでしょっちゅうWindowsストアアプリのレビュー記事を書いている関係で、普通の人よりも多くのアプリをインストールします。ストレージ32GBのVivoTabでこれをやると、こまめにアプリをアンインストールしていかないと不安になりますが、ThinkPadの場合はその辺の管理がかなり適当で大丈夫です。容量1GBを超えるようなストアアプリを複数インストールしてもまだまだ余裕があります。ちなみに上の画像は最近使っていないアプリを削除した後のもので、削除前は15GBくらいアプリが入ってました。
常日頃から「ストレージは32GBでも大丈夫」ということを書いていて、それは決して間違ってはいないと思いますが、128GBのストレージというのはストレージに対する気配りを不要にしてくれる、ということも間違いありません。
3.バッテリーは「もたない」
バッテリー稼働時間ははっきり言って短いです。正確に測定してはいませんが、たぶん満充電から4~5時間弱、というところです。また、凝ったグラフィックのストアアプリで遊んでいると、背面(縦持ちしたときの左上あたり)が熱くなります。バッテリーの稼働時間が公称値よりも短いということではVivoTabもAspire Switchも同様で、ThinkPad 8が特別悪い、ということではないと思いますが、充電ケーブルは一緒に持ち歩く必要はあるでしょうね。
4.デバイス好きは買って損しないよ
結論から言うと、この記事の上の方に書いた「ThinkPad 8は車で言うとスバル」というのはやはり妥当な表現なんじゃないか、と思います。固く(ボディの剛性感が高い)、重く、 燃費が悪く(バッテリーがもたない)、そして高性能(必ずしも速いわけではない)、というのはすごく適切な評価だと個人的に思います。
私は昔から、そう、IBM時代からThinkPadという製品が大好きで、ノートPCでは別格の存在だと思っていました。ThinkPad 8が市場に出たとき、すごく欲しかったんですけど、手頃な価格でデジタイザが搭載されているVivoTabの方を先に購入してしまいました。VivoTabは期待以上の製品でしたが、やはりThinkPad 8がどうしても欲しくてたまらず、結局購入してしまいました。しかも分割払いです。もちろんウインタブを運営しているので、タブレットをいろいろ試してみる、というモチベーションは普通の人よりもずっと強いのですが、購入当初VivoTabとうまく使い分ける明確な用途はありませんでした。今でこそVivoTabをWindows 10 Insider Preview用のテスト機と位置づけることによって使い分けができていますが、購入した直後は「完全に用途の重複した製品を買ってしまった」と若干悩みました。でもやっぱりThinkPad 8は可愛い存在というか、所有する喜びのある製品だと思います。
今回の記事で私の「ThinkPad愛」を理解してもらえるとも思えないんですが、とにかくカタログスペックを越えた素晴らしさがあるし、後継機種が明日発売されたとしても気にせずに長く使っていきたいんだよね、という気持ちだけはお伝えしたいと思います。
コメント
去年の10月下旬にThinkpad8を買いました。
構成はストレージが64GBなのを除いてウインタブさんとまったく同じです。
ウインタブさんとだいたい同じ期間使っていますが、同じ感想を持っていますよー。
・・・実は、艦これ用にタブレットを探してるうちにガジェット好きの血が騒いでThinkpad8を
買っていたんですけどねw
でも、所有欲を満たしてくれる完成度の高さには本当に満足しています。
こんにちは、コメントありがとうございます。
ですよね!買ってしまったが最後、高かったことは忘れてしまうし、重いとかの欠点はどうでもよくなるんですよね!「本物」っていう納得感がありますよね!お互いThinkPad 8を末永く愛用しましょう。
Thinkpad愛、わかります。
私もIBM時代からのThinkpadユーザーですが、Thinkpad8と10を迷ったあげく、10のLTEモデルを購入してしまいました。ですが、8もいまだに欲しいタブレットの一つです。少なくとも現行の8インチWindowsタブレットでThinkpad8を超えるものが存在していないのは本当に同意です!
これからもThinkpadも含めてウィンタブのレポート楽しみにしています。
ぽこたさん、こんにちは。コメントありがとうございます。ThinkPad 10、いいですねえ。うらやましいです。私もどっちにしようか悩んで結局8のほうにしてしまいましたが、できれば10も欲しいです。しかもLTEモデルとのこと、Surface 3は完璧にいりませんね。お互いThinkPadと長く付き合っていきましょう。