1.サイズ
縦224.3ミリ×横132ミリ×高さ8.8ミリとライバルに比べると縦の長さが少し(1センチ弱)大きめです。これは液晶のサイズが8.3インチと少しだけ大きいということが要因です。それでも横幅と厚さはむじろ小さい部類に入りますので、後述するワンランク上のスペックを思えばお見事というほかありません。ただし、重さは430gあり、同じLenovoのMiix2 8 との比較では80gも重く、ライバルとの比較でもTOSHIBA dynabook tab VT484の445gに次ぐ重さとなっています。長時間片手持ちをすると人によっては「ジワジワくる」かもしれません。
2.デザイン
これは文句なしです!背面はガンメタリックのアルミ製、いうなれば「ThinkPad色」です。おそらく高級感は一番、そしてThinkPadの名を冠した押し出し感もきっちりあります。それと画像のようにThinkPadのロゴが入っており、「i」のドットのところが通電/充電時に光ります。んーカッコいいっす。一方表面ですが、WindowsボタンはMiix2 8 と同じく「へそ」の位置にあり、センサー式になっています。
3.性能
Windows8 タブレットはCPUやメモリ、そして液晶画面の解像度、外部出力端子など主要部分は「ワンメイク」といってよいほど似通ったスペックなのですが、ThinkPad 8 だけは違っています。CPUはAtomでも他機種のZ3740ではなくZ3770が搭載されていて、クロックスピートはZ3740の1.33GHzに対し1.46GHz、ベンチマークテストも上の画像の通り明らかに高性能です。また、画面の解像度も他機種が1280×800のWXGAであるところ、1920×1200のWUXGAとなっており、高精細です。1280×800であっても実用上不満はありませんが、ThinkPad 8 と並べてみればその差がよくわかります。そしてもう一つ、意外に目立たない部分ですが、microHDMI端子とmicroUSB3.0の端子がついています。HDMIがあれば外部モニタの出力も簡単ですし、microUSB3.0端子が付いているWindows8 タブレットはThinkPad 8 だけです。現状、microUSB3.0を生かすようなハードウェアや変換ケーブルは十分流通していないようですが、将来性を見据えればデータ転送時に大きなアドバンテージになると思います。
それと、ラインナップですが、こちらも他機種とはかなり違います。大きくはOSのバージョンで分かれていて、Windows8.1を搭載しているものと、Windows8.1Proを搭載しているもの(ビジネスパッケージ)があります。Windows8.1モデルのほうはこれまた珍しくMicrosoft Officeがバンドルされていません。また、ストレージ容量が64GBだけでなく、128GBも選べま「した」。現在は品薄のためかLenovo直販ショップでは128GBが選択できなくなっています。
ちょっと脱線します。多くの人が知っていると思いますが、もともと「ThinkPad」というのはIBMのブランドです。当初からビジネス向けの堅牢・高性能なノートPCとして評価が高く、全世界のWindowsノートの中でもおそらくNo.1のステイタスを誇っていたと思います。IBMはPC事業をLenovoに売却してしまいましたが、事業を引き継いだLenovoもまたThinkPadブランドを大切にし、サポート体制も他のLenovo製品とは別建てだと聞いています。そして設計は現在でも大和研究所(IBM時代からThinkPadを設計していた)が担当しています。
すごく個人的には、「ThinkPadの名前がついているのだったら安心して買っても大丈夫、後悔しないよ」と思っています。このThinkPad 8 にしてもその名を冠するにふさわしい性能と雰囲気を持っているんじゃないでしょうか?
4.アクセサリ
はい、私を含め他機種のユーザーが嫉妬するくらいにいい感じのアクセサリがあります。その筆頭がクイックショット・カバーです。iPadを使っている人がみんな持ってる通称風呂蓋カバーで、これまたiPadと同じくマグネット式カバーで表面を覆うとスリープ状態になります。これって他機種にはないんですよね。そしてクイックショット・カバーにはカメラ部分に折り目がついていて、折り目をめくるとそのまま撮影ができるという優れた特徴もあります。
次にキーボード。こちらはThinkPad 8 専用ではないのですが、トラックポイントつきの、これまたThinkPadらしい外付けキーボードが複数用意されています。特にThinkPad Tablet2用のものは、タブレットを立て掛ける溝もついていて、かなり使いやすそうです。このキーボードはThinkPad 8 ユーザーだけでなく、他のWindowsタブレットユーザーにも愛用者が多いようです。
この他にも「黒地に赤のアクセント」のThinkPadシリーズによく似合うマウスとかバッグがあり、統一感の高い周辺機器がたくさん用意されています。
5.評判
ThinkPad 8 に関してはWeb上のメディアで賞賛されている一方で、2ちゃんねるを見ているとかなりの不具合報告があります。不具合箇所は「スピーカー」です。スピーカーからノイズが出る、音割れが激しいなど、気にする人が相当数いて、クレームを入れて修理にだしても1カ月近く待たされてしまう、という状況のようです。もちろんすべての製品に不具合が出ているわけではないようですが、書き込みを見ていると結構不具合率が高いと思われます。
それともう一つは納期の問題。ThinkPad 8 にはストレージ128GBのモデルが用意されていますが、こちらが7万円を超える高額商品であるにもかかわらず半端なく品薄(Lenovo直販ショップでは注文すらできません)です。注文から2カ月待ちもザラ、という状態で、「届くころにはニューモデルが発表されているのでは?」という書き込みや「あまりにも納期が遅れるのでキャンセルして別のWindows タブレットを買った」という書き込みも多くみられます。そりゃそうです、この手の製品で2カ月も待ったら、型落ちしちゃいそうですよね。ちなみにLenovoの直販ページを見てみると「注文から33営業日で出荷」と書いています。なんじゃそりゃ!
6.関連リンク
Windowsタブレットの本命「ThinkPad 8」は買う気にさせるか?:日経トレンディネット
レノボ、”大和”開発陣に聞いた、まだまだあった「ThinkPad 8」開発秘話:マイナビニュース
↓【PC Review 047】ThinkPad 8 レビュー:ナイコンさんいらっしゃい