Lenovo ThinkPadシリーズのモバイルノート「ThinkPad T14s Gen 6 Strix Point(AMD)」にモデルが追加されました。製品名にあるように、もともとはCPUにAMD Ryzen AI 7 PRO 360(コードネームStrix Point)を搭載しているのですが、新たにコードネームKrackan PointのCPUを搭載するモデルが追加されました(しかし、6月21日現在だとKrackan Point搭載モデルも同じ製品ページで販売されています)。
「ThinkPadのT14/T14s」はめちゃめちゃバリエーションが多いんです。T14(14インチで半据え置き型)が3モデル、T14s(14インチで軽量なモバイルノート)が3モデル、そしてT14sには2-in-1筐体のモデルもあるので、合計でなんど「7モデル」もあります。
「他のT14s」についてはこちらの記事をご覧ください。この記事ではT14s Gen 6 Strix Pointの従来モデルからの変更点に絞って説明します。
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スペック表
ThinkPad T14s Gen 6 Strix Point(AMD) | |
OS | Windows 11 Home/Pro |
CPU | AMD Ryzen AI 7 PRO 360 Ryzen AI 5 PRO 340/Ryzen AI 7 PRO 350 |
GPU | なし |
RAM | 16GB/32GB/64GB (LPDDR5X, オンボード) |
ストレージ | 256GB/512GB/1TB SSD(M.2 2280 PCIe-NVMe Gen4) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | OLED(2,880×1,800)100%DCI-P3, タッチ IPS(1,920×1,200)100%sRGB, タッチ IPS(1,920×1,200)100%sRGB IPS(1,920×1,200)45%NTSC IPS(1,920×1,200)45%NTSC, タッチ ※すべて14インチ |
ネットワーク | Wi-Fi7、Bluetooth5.4、(LTE/5G) |
入出力 | USB4 Type-C× 2 USB 3.2 Gen1 Type-A × 2 オーディオジャック、HDMI、(SIMスロット) |
カメラ | Webカメラ(5MP)顔認証対応 |
バッテリー | 58Whr |
サイズ | 313.6 x 219.4 x 16.9 mm |
重量 | 1.3 kg~ |
※赤字は今回追加された仕様
CPUについて
冒頭に書いた通り、ThinkPad T14s Gen 6 Strix Point(AMD)の従来モデルの搭載CPUはAMD Ryzen 7 PRO 360、今回追加されたモデルの搭載CPUはRyzen AI 5 PRO 340/Ryzen AI 7 PRO 350です。
これを見ると、Ryzen AI 7 PRO 360(Strix Point)よりもRyzen AI 7 PRO 350(Krackan Point)のほうがスコアが若干上なので「Strix Pointのほうが上位なのに、変では?」と思われるかもしれません。このスコア差の理由は私にもわかりませんが、Passmarkのテストでは考慮されていないAI系・グラフィック系の性能はStrix Pointのほうが上です。Ryzen AI 7 PRO 360のNPU性能は50TOPS、CPU全体だと72TOPSで、Ryzen AI 7 PRO 350のNPU性能は50TOPSと同等ながら、CPU全体だと66TOPSにとどまります。
これは内蔵GPUの差によるものです。360のGPUはRadeon 880M、350のGPUはRadeon 860Mで、880Mのほうが高性能なので、AI処理とかPCゲーム、コンテンツクリエーションではやはり360のほうが上になるはずです。
…正直なところ「それほど性能差はないよね」という気もしますけどね…。
RAM・SSD・ディスプレイ
CPU以外でも若干の構成差があります。まずRAMですが、従来モデルは「32GBか64GB」であるのに対し、追加モデルは「16GBか32GB」となります。
それとディスプレイです。従来モデルには有機ELディスプレイの設定はなく、IPS液晶のWUXGA(1,920×1,200)解像度で「45%NTSC(並クラスの発色品質)・タッチ対応」と「100%sRGB(高い発色品質)・タッチ非対応」の2種類しか選べませんが、追加モデルでは上に記載した5種類のディスプレイ仕様を選べます。
その他の装備や筐体は従来モデルと追加モデルで同じです。
2.価格など
Lenovo ThinkPad T14s Gen 6 Strix Point(AMD)はレノボ直販サイトで販売中で、6月21日現在の価格は従来モデル(Ryzen AI 7 PRO 360)が200,299円から、追加モデル(Ryzen AI 5 PRO 340/AI 7 PRO 350)が169,895円からです。
追加モデルはRyzen AI 5 PRO 340というワンランク下の型番が設定されているから安い、というのもありますが、カスタマイズ画面でRyzen AI 7 PROに変更しても17万円台で購入できます。AI処理性能まで視野に入れるとStrix Point搭載の従来モデルのほうが多少は高性能ですが、個人的には「このくらいの性能差で2万円以上の差額があるのなら追加モデルのほうがいいのでは?という気もしますね。
3.関連リンク
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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コメント
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