LenovoのデスクトップPC「ThinkCentre neo Ultra Gen 2 (Intel)」の製品紹介記事です。ウインタブではあまり取り上げないデスクトップPCですが、(ちょっと苦しいけど)ミニPCと言えなくもないくらいのサイズ感です。また、一般的なミニPCとは異なり、CPUとGPUがデスクトップPC用なので、パフォーマンスも非常に高いです。
1. スペック表
項目 | 仕様 |
---|---|
OS | Windows 11 Home/Pro |
CPU | Intel Core Ultra 5 235 / Core Ultra 7 265 Core Ultra 9 285 |
GPU | NVIDIA GeForce RTX 5060 |
RAM | 16GB/32GB/64GB(DDR5-5600、最大64GB) ※スロット×2 |
ストレージ | 512GB/1TB/2TB SSD (M.2 2280 PCIe NVMe) M.2 2280 (SSD/NPU用)×3 |
ディスプレイ | なし |
無線通信 | なし/Wi-Fi 6/Wi-Fi 7、Bluetooth ※M.2 2230スロット×1 |
ポート類 | USB4 Type-C (Thunderbolt 4) USB 3.2 Gen2 Type-C USB 3.2 Gen2 Type-A×5 USB 3.2 Gen1 Type-A DisplayPort、HDMI (オンボード) DisplayPort×3 、HDMI (GPU) LAN (RJ45)、オーディオジャック |
カメラ | なし |
バッテリー | なし |
サイズ | 195×191×111 mm |
重量 | 3.6-3.9 kg |
2. OS/CPU/GPU
OSはHome版とPro版がありますが、Pro版を搭載するモデルは割引対象になっていないため、かなり割高です。この記事を執筆している8月19日現在だとHome版を購入して自分でPro版にアップグレードするほうがずっと安く上がります。
CPUはデスクトップPC用のCore Ultra 5 235/Ultra 7 265/Ultra 9 285で、いずれも法人など組織でのPC管理に有効なvProに対応しています。
これはPassmarkが公表しているベンチマークスコアです。右側の2つはノートPC用の型番で、参考として掲載しました。
ご覧の通り、デスクトップPC用のCPUだけあって性能はノートPC用CPUよりも上です。ただし、ベースパワー(PBP)は65Wと、ノートPC用に比べて高いです。また、この3型番はNPUも内蔵していますが、処理性能は最大13TOPSと低めで、Copilot+ PCの要件を満たしていません。
GPUもデスクトップPC用のGeForce RTX 5060を搭載しています。
Passmark公表のベンチマークスコアです。右の2つはノートPC用のGPUです。GPUスコアに関しては「搭載CPUや冷却機構」などが影響するため、CPUスコアほど信頼性は高くありませんが、その前提で言うと、G3D Rating(総合性能)でノートPC用のRTX 5070に匹敵する性能です。
CPU、GPUともデスクトップPC用なので交換は可能です。ただし、一般的なデスクトップPCよりも筐体がずっと小さく、内蔵電源も350Wなので、市販のグラフィックカードをそのまま使う、というのは無理があります。CPUやGPUを交換する場合は「Lenovo指定のものに限定される」と考えておきましょう。
3. RAM/SSD
RAMは2スロットあり、16GB/32GB/64GBを選べます。16GB/32GBの場合はシングルチャネルにすることもできますので、後日増設するのも容易です。ただ、メーカーによればRAMの最大容量は64GBまで、とのことです。
SSDは512GB/1TB/2TBから選べ、もう一枚追加することもできます(最大2TBまで)。この製品はM.2 スロットが4つありますが、メーカー説明では「Four M.2 slots (one for WLAN, one for AI Card, two for SSD)」となっており、SSDは2枚までとなります。
4. 筐体
筐体サイズはミニPCとして見ると大きく、ウインタブが過去に記事を掲載した製品だとGMKtec EVO-X2に近いです。
ThinkCentre:195×191×111 mm / 3.9 kg
EVO-X2:193×185.8×77 mm / 重量不明
えー、記事で明言するのは微妙ですけど、まあミニPCと考えてもいいかな、という気はします。ポート類は充実しており、GeForceを搭載していることもあって特に映像ポートの数が多いです。
5. 価格など
Lenovo ThinkCentre neo Ultra Gen 2 (Intel)はLenovo公式サイトで販売中で、8月19日現在の価格は「Windows 11 Home/Core Ultra 7/RTX 5060/32GB/512GB」という構成で240,460円です。
記事中で引き合いに出したGMKtec EVO-X2が「Windows 11 Home/Ryzen AI Max+ 395/64GB/1TB」という構成で224,990円(8月19日現在のAmazonでの価格)なので、正直どっちが割安なのか考え込んでしまうレベル。…まあ、製品サイズは似ていますけど、仕様が全然違うので単純比較は難しいですけどね。高負荷な作業をするとThinkCentreのほうが電気代がかかる、とは言えると思います。
ハイエンドクラスのミニPCの購入を考えている人は、ThinkCentre neo Ultra Gen 2を選択肢に入れても良いんじゃないでしょうか。
なお、この製品に関してはメーカーサイトに「ガイドとマニュアル」というドキュメント群のページがありますので、より詳しく知りたい人はこちらをご覧ください。
6. 関連リンク
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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