レノボがゲーミングノート「Legionシリーズ」のニューモデルを発表しました。「Legion 770i」「Legion Slim 770i」「Legion 570i Pro/570 Pro」「Legion 570」と、一挙にたくさんの機種が発表されているのですが、この記事を執筆している6月29日現在、製品ページができているのは1機種のみです。そのため、今回は製品ページのあるLegion 770iについてご説明します。
1.Legion 770i スペック
スペック表
Legion 770i | |
OS | Windows 11 Home |
CPU | Intel Core i7-12800HX |
GPU | NVIDIA GeForce RTX3070Ti Laptop(8GB) |
RAM | 16GB(最大32GB) |
ストレージ | 1TB M.2 PCIe NVMe SSD |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 16インチIPS(2,560 × 1,600)165Hz |
ネットワーク | 802.11a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.1 |
入出力 | USB Type-C(Thunderbolt 4) × 2、USB3.2 Gen2 Type-C、USB3.2 Gen1 Type-C、USB3.2 Gen1 × 2、オーディオジャック、HDMI、LAN(RJ45) |
カメラ | Webカメラ(1080p) |
バッテリー | 99.9Whr(約11.0時間) |
サイズ | 358.1 x 263.5 x 19.4(最薄部)mm |
重量 | 2.3 kg |
コメント
Legion 770iは7月1日にレノボ直販サイトでの販売がスタートする予定ですが、この記事執筆時点ではまだ上記の1スペックしか明らかになっていませんので、ここでは公開された1スペックについてのみご説明します(一部ウインタブの予想も織り交ぜます)。
CPUは第12世代(Alder Lake)のハイエンドシリーズ「HX型番」のCore i7-12800HXです。オーバークロックに対応し、Intelによれば「デスクトップ級」のパフォーマンスを備えているとのことです。
まだ「サンプル数1」ではあるのですが、Passmarkがベンチマークスコアを公表していました。比較対象はゲーミングノートによく使われているCore i7-12700H、そして最新の上位クラス・モバイルノートでよく見かけるCore i7-1260Pです。これを見るとCore i7-12800HXのスコアは顕著に高く、「なんじゃこりゃあ!」というレベル。ノートPC用のCPUで3万点オーバーって出るんですね、と思いました。
ただ、MSIの最新ゲーミングノートに搭載されているCore i9-12900HXのスコアが31,055(サンプル数2)でして、この先測定サンプルが増えていけばCore i7-12800HXのスコアは大きく変動する可能性があります。
レノボはThinkPad以外の製品について、CPUがIntelのものには型番(の数字部分)末尾に「i」をつけることがほとんどで、CPUがAMDのものと差別化しています。従来モデルのLegion 760は型番に「i」がつかず、したがってCPUはAMD製でした。この「770i」もCPUがAMD製の「iがつかない770」が発売される可能性はありそうですが、現時点でその情報はありません。
GPUはGeForce RTX3070Tiです。もちろん非常に高性能な型番ではありますが、従来モデルではRTX3080の設定がありましたので、後日RTX3080/RTX3080Ti搭載モデルが追加されるのではないか、と予想しています。ただ、この点についても情報はありません。
まあ、全く「情報はありません」と言うわけではなく、この製品の北米版と言える「Legion 7i Gen 7」「Legion 7 Gen 7」というモデルが存在しており(6月29日現在は未発売)、AMD CPU搭載モデルも、RTX3080Ti搭載モデルもあるんですよね。
Legion 7i Gen 7 (16” Intel) Gaming Laptop:Lenovo (USA)
Legion 7 Gen 7 (16” AMD) Gaming Laptop:Lenovo (USA)
レノボなどの世界的大手メーカーの場合、北米版がそのまま国内版として発売されるわけではないので、770iにCore i9やRTX3080Tiが搭載されるかどうか、また770 (AMD)が日本でも発売されるかどうかについては定かではありませんが、参考までに…。
RAMは16GBでデュアルチャネル(8GB×2)、最大32GBまで搭載可能です。ただし、「最初からRAM32GBのバリエーションモデル」が設定されるのかは不明です。SSDは現状1TB SSDのみが公表されています。ここも「選べそうな気がする」んですけどね。
ディスプレイは16インチで解像度は16インチのIPS液晶、解像度は2,560 × 1,600(アスペクト比16:10)で、リフレッシュレートは165Hzです。ここは従来モデルの760から変わっていません。
入出力ポートはUSB Type-Cポートが4つ(うち2つがThunderbolt 4)、USB Type-Aポートが2つと、ちょっと変則的な気もしますが、かなり充実しているとは思います。また、有線LANポートやHDMIポートもありますが、SD(microSD)カードリーダーはありません。
サイズを760と比較してみます。
770i:358.1 x 263.5 x 19.4(最薄部)mm / 2.3 kg
760:356 x 261.8 x 20.1~23.5 mm / 2.5 kg
タテ・ヨコが少しだけ大きくなり、気持ち薄くなった、という感じですが、体感差はないでしょう。また、重量も少し軽くなりました。
2.Legion 770i 筐体
従来モデルのLegion 760はウインタブでも実機レビューをしています。筐体は別物と思われますが、サイズと外観がよく似ていますので、こちらのレビュー記事もあわせてご覧下さい。
Lenovo Legion 760の実機レビュー - Ryzen 9とGeForce RTX3080搭載の最強ゲーミングノート!過去最高のパフォーマンスを見せてくれました!
770iの正面画像です。上下左右ともベゼル幅がかなり細くなっていて、ゲームプレイ時の没入感を高めてくれそうです。また、キーボード面下部にLEDライトがあるのがわかります。「Legionの700番台」は上位モデルなので、筐体のデコレーションも充実しています。
天板と背面です。ヒンジがやや前方に取り付けられており、後部にオーバーハングがあります。このレイアウトはLegionの伝統とも言えるもので、最新モデルでも踏襲されています。
また、この画像を見ると、天板ロゴ部分、背面と側面の通気口部分にもライティングがありますね。筐体素材については不明ですが、おそらく金属製と思われます。
キーボードです。この画像では英語配列になっていますが、日本仕様は「84キーJIS配列、RGBバックライト・キーボード、テンキー」と開示されています(84キーにテンキーは含みません)。なお、RGBバックライトについての詳細は不明、しかし760ではCorsairのiCUEが設定アプリになっていましたので、この770iでもiCUEが採用されている可能性があり、細かくライティングを調整できると思います。
また、「交換用セラミックキーキャップ(WASD)」が付属します!どんな感じなんでしょうねー。
側面と入出力ポートの配置です。Legionシリーズは背面にもポートを装備しています。
なお、冷却系については「Legion Coldfront 4.0」が使われています(760はLegion Coldfront 3.0でした)。760では「筐体は熱くなるが冷却性能は高く、当然ゲームプレイに支障なし」と評価していますので、より新しくなった冷却システムにも期待していいと思います。
3.Legion 770i 価格など
Lenovo Legion 770iは7月1日からレノボ直販サイトで販売がスタートし、販売価格は「375,000円(税込)前後より」とアナウンスされていますが、レノボ直販サイトは発売直後から30%前後の割引が設定されることが多く、実際には375,000円よりもずっと安く購入できると思います。ちなみに従来モデルの760は6月29日現在、「Ryzen 7 5800H/RTX3070/RAM16GB/1TB SSD」という構成のモデルが204,356円(39%OFF)で販売されています。
Legion 760は実機レビューの際に各種ベンチマークスコアが極めて高く、また筐体品質も素晴らしいものでした。Legionシリーズの上位モデルとなる770iも期待を裏切らない品質になっているものと思います。あと、「レノボだけに」価格にも大いに期待したいところです。
4.関連リンク
Legion 770i(第12世代インテル):Lenovo