こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。今回はウインタブとしては珍しくAndroidタブレットの実機レビューとなります。最近は「Androidをどう使うか」ということにも関心がありますし、低価格帯のWindows タブレットに精彩がない、というのもありまして、おなじみの中国の通販サイト「GEARBEST」に「お前、こんどは何をレビューしたいんだ?」と言われて思わずAndroidタブレットを選んでしまいました。ということで、今回もGEARBESTに製品を提供していただいてます。ありがとうございました!
さて、この製品、Android機ということもあり、これまでウインタブでは紹介記事を書いていないのですが、「10.1インチの大型Androidタブレットで3G対応SIMフリー(日本では使っちゃダメ)、しかもお値段12,000円(GEARBEST価格)」ということで、AndroidというOSではありますが、Officeアプリなんかを使えばビジネス用途もいけそうな製品なんですよね。
1.スペック
OS: Android 5.1
CPU: MediaTek MT8392
RAM: 1GB
ストレージ: 16GB
ディスプレイ: 10.1インチIPS(1,280 × 800)
ネットワーク: 802.11 b/g/n、Bluetooth GSM 850/1800MHz WCDMA 2100MHz
カメラ: イン0.3MP / アウト2MP
入出力: microUSB、オーディオ、DC-IN、microSD、標準SIM
サイズ: 260 x 163 x 9.6 mm / 567 g
補足します。ここはウインタブなのでOSのAndroid 5.1はいいとして、CPUの「MT8392」ってどうなのよ?ということになると思います。結論から言うと、決してハイスペックなものではなく、RAM1GBというのと合わせて考えるとだいたい察しがつくかな、というところでしょう。ディスプレイも解像度が1,280 × 800と、10インチサイズとしてはそれほど高精細ではないですね。ベンチマークスコア等については後述します。
この製品、Wi-Fiは5GHz帯に対応しますし、SIMスロットを備えていて3G通信が可能です。Band 1に対応し、電話アプリも入ってましたから、電話しようと思えばできます(ファブレット、ということです)。もちろん3Gは試してませんけど。
2.筐体
まずは同梱物のチェックです。本体のほか、DC端子―USB(オス)のケーブル、USB(オス)-microUSB(オス)のケーブル、そしてUSB(メス)-microUSB(オス)の変換ケーブル、取扱説明書(英語および中国語)、保証書が入っていました。ケーブル類は数が多いですねw ただし、ACアダプターはついていないため、PCやUSB充電器から充電することになります。
筐体上部です。画像右端から電源ボタンと音量上下ボタンです。このあたりはWindows タブレットと似ていますね。そして、真ん中あたりに2つ「穴」がありますけど、左側がSIMスロット、右側がmicroSDスロットです。
左側面です。ポートとかボタンとか、突起物があるのは筐体上部と左側面のみです。画像左からmicroUSB、DC-IN、オーディオジャック、マイクです。つまり、この製品はmicroUSBを充電/給電には使わないため、充電しながらUSBが使えるという、Windows タブレットユーザーがうらやましがるという特徴があります。
下部にはなにもありません。10インチのWindows タブレットならキーボード接続用のコネクターがあったりするんですが、この製品はそういうのはありません。
右側面にもなんにもないです。
背面はプラスティック製で色はブラックになっています。スピーカーも見えますが残念ながらモノラルです。背面の質感は決して悪くないですね。プラスティック製でも安っぽさは感じません。また感触もよく、滑りにくいと感じました。
それもそのはず、背面をよく見ると非常に細かい模様(凹凸)が入っていて、これが感触とか質感のよさに寄与しているようです。
手持ちの9.7インチタブレット(iPadとほぼ同寸です)「Teclast X98 Pro」と比較してみました。ディスプレイサイズが大きい分だけ筐体も大きいですね。
アップで見ると素材感とかエッジの処理がかなり異なっていることが分かります。X98 Proは本家のiPadにならってラウンドした形状になっているのに対し、この製品はかなり角ばっています。さすがに並べてしまうとX98 Proのほうが質感が高いと感じますが、X10も決して安っぽくは感じません。
3.日本語化が大変!
最初に大事な話ですが、この製品、日本語化に苦労します。もっというと完全な日本語化というのが難しいです。英語が随所に残ってしまいますね。
Androidは言語の切り替えが容易で、設定画面からワンタッチで言語切り替えができます。これは中国のWindows タブレットを日本語化するよりも数段ラクで、作業とも言えないくらいなものです。しかし、この製品(一部の海外製品も)の場合、言語切り替えのメニューに日本語が表示されていません。内部的には日本語がインストールされているのですが、ユーザーがいじれないようになっているんです。
とりあえず英語のままでいいかな、とも思ったのですが、せっかくの機会ですし、自分でいろいろ調べてみました。そして、下記のサイト2つが非常にわかりやすかったので、それをもとに作業してみました。
WindowsでAndroid ADB Shell を使うための設定 【USB接続】:お部屋でモバイル
MoreLocale 2が動かない! Moto Gを日本語化する方法:マニアック香港
「MoreLocale 2」というアプリをインストールして、この2つのサイトに書いている手順を組み合わせて作業するんですけど、かなりの重労働です。PCに必要な環境(Android SDK)をインストールするのにかなりの時間を要しました。作業そのものは決して難しくはないのですが、PC操作に慣れていない人にも簡単、なんてことはとても言えません。
また、単に日本語化すればそれでいい、ということでもなく、「日本語のキーボード」と「IME(日本語入力システム)」が必要です。要するに「Google日本語入力」をインストールするだけなんですが、これを入れてやらないと表示は日本語になっても日本語で文字を入力することができません。
また、この作業を終了しても完全な日本語化ができた、ということではなく、日本語と英語が混在するような環境です。例えば設定メニューは英語のままですし、Excelなどのアプリは日本語化されます。個人的にはこれで実用上問題ないと思いますが、完璧を期したい、とい人には厳しいかもしれません。
あと、日本語化した後、外付けUSBキーボードとマウスを接続してみましたが、問題なく認識しました。
4.システムとプリインストールアプリ
一応スクリーンショットを掲載しておきます。OSはAndroid 5.1、ストレージは16GBで、空き容量は12GB以上確保されています。microSDスロットも用意されていますし、実用性は問題ないでしょう。
プリインストールアプリもそんなに多くありません。まあ、中国語が表示されるのがイヤならアンインストールすればいいだけですしね。でも、Teclastのユーティリティアプリで「Teclast OTA」というのがあって、簡単にシステムのアップデートができるのはいいと思います。
5.試してみた
非Windowsデバイスのベンチマークアプリとして有名な「Antutu」でテストした結果です。ウインタブではAntutuを使う機会が全然ないので、このスコアがいいのか悪いのか、よくわかりませんね。Webで情報を収集したところ、iPhone 6Sが120,000以上だったりしていて、それらハイエンド機との比較では「勝負にならない」というレベルです。中下位クラスのスマホ並み、と理解していいでしょう。
Windows タブレットでも使っている、「GTレーシング2」で遊んでみました。このアプリは重量級の部類に入ると思う(ただし、Androidアプリはもっと重いのがたくさんあります)のですが、非常に快適に遊べました。Teclast X10をゲーム専用機として捉える場合はともかく、普通にいろいろなアプリをインストールして使いたい、というのなら、この性能で不満はないんじゃないかな、と思います。
サイズ感については同クラスのWindows タブレットと大差ありません。画面の視認性や手持ちした際の感覚も変わりませんね。でも、Android機としては画面サイズが大きいので、ゲームをしたり、Excelを使ったりという場合にはかなり新鮮、というか使いやすく感じると思います。
6.まとめ
Teclast X10 3Gは中国の通販サイト「GEARBEST」で販売中で、価格は105.49ドル(12,078円、5月8日現在)となっています。10インチサイズのAndroidタブレットというのは日本ではあまり低価格帯のものが出回っておらず、Android 5.1搭載のものとしては「KEIAN KPD108R」が価格ドットコム最安値で11,129円、「geanee ADP-1004」が15,880円、というのがありました。もちろんそれほどスペックが高いわけではなく、おそらくTeclaast X10よりも性能的には劣ると思われます。また、X10には3GながらSIMフリー機である、というメリットもあります(海外で使ってね)。
しかし、記事で書いた通り日本語化が面倒だし、完全には日本語にならないし、ということもあり、気軽に大画面のAndroidタブレットを、という場合は日本製品を購入したほうがいいと思います。
この製品が輝きそうなのは「Root化して使い倒す」ような場合でしょう。ある程度Androidに関する知識のある人が、自分で調べながらあちこち使いやすくカスタマイズするんだ、くらいの気持ちがあればむしろ楽しいと思います。その意味だと私は力不足ですね。ガジェットマニアなら喜びそう。
7.関連リンク
Teclast X10 3G Phablet:GEARBEST
コメント
中華以外のAndroidタブレットあまり見なくなったような。
こんにちは、コメントありがとうございます。確かに減ってる気がします。iiyamaから最近出てましたね。
>>低価格帯のWindows タブレットに精彩がない
ですよねー
もしよかったらスティックpcのmeegopad07レビューしてほしいです
RAM4GBとか魅力的ですし
こんにちは、コメントありがとうございます。UBUNTUっすね、これ。私も試してみたいので、GEARBESTに頼んでみます。でも在庫薄そう…
meegopad t07proでした
それか以前紹介されたvoyo V3とかも魅力的ですねえ
某掲示板でレビューとかあるんですがやはり匿名ということもありウインタブさんのレビューでもみてたいですね
2さん、大変申し訳ありませんでした。いただいたコメントがシステムの判定でなぜかスパムフォルダに入っていました。公開が遅れましたこと、お詫びいたします。中国のスティックPCもレビューしてみたいですが、スティックPCは日本メーカーのほうが割安だったりしますからねえ。でもスペック番長の中国製品も魅力はありますね。
こんばんは
自分は中華タブは13年までに2台買ったきり買ってません
2つともcubeのものでしたが、非常にacアダプタがもろく、バッテリーも一年ほどで1時間持たなくなり…、13年のものは3万円ほどでメモリ2gb、4コアの1.6GHzでantutu2万届かないくらいでしたのでこの手のものの進化は早いですねぇ
baytrailの泥タブがantutu35000ほどで、値段もそこまで安くなく…
androidだとatomよりARMのほうが安く、高性能で互換性も高くetc…でしたのでatomの開発に関してはこちらもかなり関係してるんでしょうねぇ
AMDのように差別化して別の特徴を持ったらまた話が違ったのかもしれません
77さん、こんにちは、コメントありがとうございます。余談ですが、BayTrail機でAndroidのゲームやってたら筐体が激熱になったりしました。中国タブについては現在でもご指摘のようなもろさを露呈する製品も多いし、当たり外れが大きいので、ある程度覚悟が必要、という状況は大きくは変わってないかもしれません。
こんにちは。このタブレットは充電専用のDCコネクタがありますが、一般的なタブレットと違ってマイクロUSBポートでの充電はできないのでしょうか?それともDCとマイクロUSBポートのどちらでも可能でしょうか?お時間ありましたら検証のほどお願いいたします。
こんにちは、コメントありがとうございます。返信がおそくなり、すみません。今製品が手元になく、チェックできません。ごめんなさい。
現在この製品を使っているライターのかのあゆさんによれば、microUSB給電はできない、とのことでした。