中国メーカーのONE-NETBOOKとその正規代理店であるテックワンが11月21日、都内にて「One Mix 3 Pro」の国内販売を発表しました。発表会に出席してきましたので、製品紹介と合わせ、ONE-NETBOOKの今後の動向についても簡単にレポートします。
1.One Mix 3 Pro
はい、日本仕様の詳細が公表されました。テックワンが運営する「ONE-NETBOOK日本公式サイト」にしっかり製品ページができています。
One Mix 3 Pro:ONE-NETBOOK日本公式サイト
One Mix 3 Proの最大の特徴は「第10世代のCore i5-10210Yを搭載していること」です。開発コードネーム「Amber Lake Y」つまり以前のCore mプロセッサーの流れをくむ超省電力タイプで、私はこのCPUを搭載しているPCを他に知りません。つまり、他に先駆けて導入された、ということです。発表会でONE-NETBOOK社のJack社長より、「Intelとの強力なパイプにより、最新CPUをいち早く採用できる体制が構築できた」とのことで、後述する開発中モデルに関しても最新のCPUが採用されるとのことでした。
また、日本仕様の目玉として、「日本語キーボード」が採用されます!
このキーボードはテックワンとの共同開発によるもので、「Deleteキーを上部に」「よく使う@キーを通常位置に」といった工夫がなされています。Jack社長いわく「ONE-NETBOOKにとって最大の海外市場である日本に対する最大の誠意」とのこと。
ウインタブでは当初、この「Pro版」について若干懐疑的なところがあり、すでにCore i7-8500Yを搭載する「One Mix 3S プラチナエディション」をラインナップしているにも関わらず、ここで性能面が未知数の「第10世代のCore i5」を搭載して「ニューモデルです」と言われても…、ということを書いたことがあります。
しかし、日本仕様が明らかになった今、「すみませんでした…」ということです。まず、価格がプラチナエディションよりもずっと安いんですよね(プラチナは141,800円、Proは116,999円。いずれも税別)。そして、発表会に出席していたONE-NETBOOK社のJason副社長によれば「筐体は基本的にOne Mix 3と同じですが、ヒンジ構造を改善しました。また、内部の冷却機構に手を入れて、冷却性能を高めています」とのことでした。単にCPUの世代が新しくなっただけでなく、目につきにくい部分にしっかり手を入れて、キーボードも日本仕様に、そして価格も引き下げた、ということなら、私達ユーザーにとっても大歓迎だと言えます。
それと、One Mix 2Sでおなじみの「Koiエディション」が今冬追加されます。実機も展示されていました。
鮮やかで美しいレッドの筐体色に天板には鯉のロゴ。このロゴが中国っぽいですが、ONE-NETBOOK社は中国企業であることに誇りを持っているのだろうと思います。Koiエディションの価格はまだわかりませんが、通常版と大差ないのであればこちらにしてもいいかな、と感じました。
ONE-NETBOOK日本公式サイトにあった画像です。One Mix 3 Proの特徴がわかりやすくまとめられています。それと、製品ページをチェックしていてちょっとびっくりしたのが、「スタイラスペンが2,800円(税抜き)」という点です。Microsoft Pen Protocol(旧N-trig)の4,095段階の筆圧に対応するものとしては激安ですよね!
また、質疑応答の中で「LTEモデルの追加予定は?」というのがありまして、Jack社長の回答は「今後搭載していきたい。現状、開発チームにタスクとして指示している」というものでした。2020年にはLTEモデルが追加されそうですね!
One Mix 3 Proは12月下旬の出荷開始で、ONE-NETBOOK日本公式サイトにて11月21日から予約注文を受け付けています。価格は116,999円(税込み128,698円)です。上に書いたように、Core i7-8500Yを搭載するプラチナエディションよりもかなり低めの価格設定になっていますので、非常に魅力的だと思います。
2.One Mixシリーズ、販売好調
テックワンの中林社長からも発表がありました。One Mixシリーズはヨドバシカメラ、ビックカメラ、Amazonという有力な販売チャネルを得て、予想を上回る販売実績になっているとのことです。また、One Mix 2Sでは「サクラピンク」という淡いピンク色の筐体色も用意し、これが女性顧客に大変好調だった、とのこと。
読者の皆さん、そして私が刮目して見るべきグラフw ウインタブの主張は「UMPCはディスプレイサイズにもキーボードサイズにも制約があるので、高性能なCPUは不要。Celeronで十分」というものでしたが、日本での販売実績を見ると、その主張とは「正反対」です。上位モデルのほうが売れていて、一番人気は高額なプラチナエディションになっています。
中林社長いわく、以前ブロガーなどに対して実施したアンケートで「強いUMPC愛を感じた」とのことですが、このグラフはそれを裏打ちしているものと言えるでしょう。これを受けて、テックワンの今後の課題は「コアなUMPCファンではない人に、いかにしてUMPCを広めていくか」ということだとのお話があり、「国内1年保証をつけていて、ONE-NETBOOK社との連携により、修理の80%以上を国内でまかなえている」という実績もあるので、より安心して購入できることをアピールしていきたい、とのことでした。
3.開発中の「One-GX1」
機密保持案件となり、画像を掲載できません。発表会の席上にモックがあり、それをもとに少しだけ説明をしていただきました。
「7インチのゲーミングUMPC」です!
2020年の発売予定で、CPUはTiger Lakeです。Tiger Lakeは10nmプロセスを採用する、Ice Lake後継(Wikipediaより)のCPUとされています。
7インチサイズなので、本体はOne Mix 3よりも小さく、One Mix 2Sに近いくらいですが、両サイドに「ゲームパッド」を装着できます(着脱式)。このゲームパッドは「任天堂Switch」によく似たものと考えていいです。つまり、一人用のコントローラーとしても使えるし、片方ずつ二人で使うこともできる、という構造になっています。
筐体のデザインは「DELL ALIENWARE」っぽいです。つまり、ヒンジがやや前方についていて、「お尻が大きい」スタイルですね。また、入出力ポートが背面にあったりして、小さなゲーミングノート、という雰囲気がよく出ています。画像がないのでじれったいと思いますが、どうかご容赦ください。
4.まとめ
ウインタブが初めてONE-NETBOOK社のOne Mixを紹介したのが2018年5月で、わずか1年半前のことながら、当時は「全くの無名。むしろ怪しい」という感じでした。しかし、今やヨドバシとかビックでも買えるような「定番UMPCの一つ」に成長してしまいましたね。ONE-NETBOOK社の真摯なものづくりの姿勢と、正規代理店テックワンの努力の賜物だと思います。
主役のOne Mix 3 Proだけでなく、One-GX1という開発中の製品を「チラ見」することができ、「ますますONE-NETBOOKから目が離せない」と感じました。
コメント
CPUがm3になった事で何でも出来る7インチUMPCが誕生したのが昨年。この1年で大型化、i7やメモリ16GB、日本語キーボードなどどんどん進化していった。
一方で使用時間についてはほぼ変わらず2時間程度と短く電源やモバブが必須で入力ポートが貧弱でType-Cハブも必須。鞄にオプション品色々入れなきゃいけないから鞄がとても重くなった。
これ1台鞄に入れとけばいつでも何の用途でも使えて軽くてどこでも繋がるってのがUMPCの理想だけどm3積んで本当に何の用途にでも使えるようになっただけに逆に理想から遠のいた気がした。
このサイズながら何の用途でも使える時点で相当な進歩ではないでしょうか?
電池持ちはLiS固体二次電池であれば今の3倍の容量が期待できるのですが、実用的量産体制に入って出回らない限りは無理でしょう
そんなことより、One-GXはかなり興味深いですね
Tiger-lakeの仕様がIce-lakeを電力的により効率化したものであると言う話なので、G7を搭載していれば今のRyzen-Uよりグラフィック性能が優秀な可能性は高いですね
G4クラスでも小型という点はアドバンテージでしょう
また、解像度も1080p予定らしいので、ここもGPD WIN MAXより明確に有利ですね
7型であればB6用紙程度のサイズで、持ち運びに不便しないでしょう(※One Mix1Sのサイズから推測
コントローラーが取り外せて用途変更も容易と言うことなので、非常に欲しくなるガジェットですね
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