MinisforumがミニPCのニューモデル「EliteMini B550」の予約販売を開始しました(出荷時期は5月末)。「ミニPCはデスクトップPCの一種」といつも書いていますが、そうは言ってもCPUなどのパーツにノートPC用のものが使われていることが多いですし、「基本的にいじることができるのはRAMとストレージくらい」だったりします。しかし、このB550はCPUがデスクトップPC用で、さらに「換装可能」です。また、デスクトップPC用のグラフィックカード(外部GPUユニット)の接続も可能な高性能マシンです。
目次
1.EliteMini B550 仕様
スペック表
EliteMini B550 | |
OS | Windows 10 Pro |
CPU | AMD Ryzen 7 4700G / Ryzen 7 5700G |
GPU | なし |
RAM | 16GB/32GB(最大64GB) |
ストレージ |
256GB/512GB SSD ※2×M.2 2280 SSD スロット(SATA/NVMe PCle) ※1×2.5 インチ SATA HDD スロット |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | なし |
ネットワーク | Wi-Fi6、BlueTooth 5.2 |
入出力 | USB3.2 Gen2 Type-C、USB3.2 Gen2 × 4、Display Port、HDMI × 2、LAN(RJ45)、マイクジャック(音声入力)、オーディオジャック(音声出力) |
カメラ | なし |
バッテリー | なし |
サイズ | 240 × 209 × 128 mm |
重量 | 1,155 g |
バリエーションモデル
Ryzen 7 4700G搭載モデル
・ベアボーン
・RAM16GB/256GB SSD
・RAM16GB/512GB SSD
・RAM32GB/512GB SSD
CPUについて
初期搭載のCPUはデスクトップPC用のRyzen 7 4700G(Zen2)/Ryzen 7 5700G(Zen3)です。4月3日現在のPassmarkスコア公表値は下記の通り。
Ryzen 7 4700G:20,138
Ryzen 7 5700G:24,574
Ryzen 7 5800H:21,490
※(参考)一番下のRyzen 7 5800HはノートPC用の高性能CPU
B550はCPUの換装が可能です。ただし、「TDP65W以下のAM4ソケット Ryzen 4000/5000シリーズCPU」という条件があり、例えばRyzen 7 5800X(TDP105W)など、条件を満たさないものは搭載できません。また、換装可能なCPUの中にはGPUを内蔵しないものもありますが、内蔵GPU非搭載のCPUにする場合はグラフィックカードの接続が必須となります。
デスクトップPC用グラフィックカード利用可能
B550はグラフィックカード(外部GPU)の接続ができます。注意したいのは「本体にグラフィックカードの接続に必要な専用ドックが付属する。グラフィックカードは別途用意する必要があり、さらに(上の画像にはありませんが)グラフィックカードに電力を供給するための電源ユニット(PSU)も必要」という点です。
それと、標準搭載のCPU、Ryzen 7 4700Gと5700GはGPUを内蔵している(つまり、APU)ので、グラフィックカードなしでも動作します。なので、ドック接続をせず、「よくある」ミニPCの形態でも普通に使えます。
RAMとストレージ
RAMはDDR4・SODIMM(ノートPC用のサイズです)スロットが2つで、注文時に16GBを選択すれば8GB × 2、32GBを選択すれば16GB × 2という構成になります。最大搭載容量は64GB(32GB × 2)です。
ストレージはM.2 2280スロットが2つ、SATAとNVMe PCIe3.0に対応します。おそらく初期状態では256GBあるいは512GBのM.2 NVMe SSDが1枚装着されていて、1スロットが空きになっていると思われます。また、2.5インチSATA HDD スロットの空きがあります。
入出力ポート
映像出力系ではHDMI × 2およびDisplay Port × 1があり、最大3画面の出力が可能です。USBポートはすべてGen2規格で合計5つ、製品ページの説明を見る限りType-Cポートは映像出力には対応していないようです。他に有線LANポート、イヤホンジャック、マイクジャックを装備しています。
なお、ここではB550を単体で使用する場合のポート構成について説明しています。グラフィックカードを接続して使う場合、特に映像出力に関してはグラフィックカード側のポート構成に依存します。
同梱物
・オープンフレーム(専用ドック)
・ハンドバッグ(ケース)
・HDMIケーブル
・SATAケーブル
・4ピン/8ピン/10ピン/24ピン電源ケーブル
・電源アダプター/電源ケーブル
・VESAマウント
・取扱説明書(日本語対応)
過去のレビュー経験上、MinisforumのミニPCには必要なもの(ケーブルやVESAマウントなど)が一通り付属していることが多く、ケーブル類を追加で購入しなくてはならないようなケースはほとんどないと思います。ただし、上に書いたようにグラフィックカードは付属せず、グラフィックカード使用時に必要となる電源ユニットは別途用意する必要があります。また、これも繰り返しになりますが、グラフィックカードがなくても(ベアボーンモデルを除き)本体のみでミニPCとして使えます。
2.EliteMini B550 価格など
Minisforum EliteMini B550はMinisforum公式サイト(日本向け)で予約販売中(出荷予定は5月末)で、価格は下記のとおりです。
Ryzen 7 4700G
・ベアボーン(OSなし):62,390円
・RAM16GB/256GB SSD:75,690円
・RAM16GB/512GB SSD:78,690円
・RAM32GB/512GB SSD:86,690円
Ryzen 7 5700G
・ベアボーン(OSなし):74,390円
・RAM16GB/256GB SSD:86,690円
・RAM16GB/512GB SSD:89,690円
・RAM32GB/512GB SSD:97,690円
なお、Minisforum公式サイトで購入する場合、「海外配送」となります。ここに記載した価格には消費税を含んでおらず、輸入消費税がかかることがあります(原則としてかかりますが、詳細は控えます)。輸入消費税は商品代金の60%が課税対象となります。また、宅配業者(DHLなど)に納税のための手数料を支払う必要もありますので、「ざっくり5,000円から7,000円」くらいの追加支払いが発生すると思います。
EliteMini B550はCPUにデスクトップPC用のものを搭載し、ミニPCとしてはシステムスペックが非常に高い製品です。また、デスクトップPC用のグラフィックカードを装着できるので、本格的なゲーミングPCとして使うこともできます。ただし、CPU換装には型番の制約(TDP65W以下のRyzen 4000/5000番台)があったりしますし、ベアボーンモデルにはRAMやストレージ、OSが入っておらず、追加でパーツを用意する必要があるなど、PC初心者の人にはおすすめしにくいところもあります。逆に、デスクトップPCユーザーや自作PCユーザーには省スペースで「いじりがいがあるPC」と言えるかもしれません。
3.関連リンク
Minisforum EliteMini B550:Minisforum
コメント
あくまで憶測ですけど見た感じライザーケーブルでつないでるようなものなのでPCIeにSATAカードとか刺してゲームを大量に入れられるストレージマシマシ構成もできそう(M.2もNVMeなのでそこにライザーカード繋げばグラボも付きますし)