GPDが新しいコンセプトのUMPC「GPD Micro PC」を2月15日にクラウドファンディング「INDIEGOGO」に出品します。この製品については2018年12月にライターのかのあゆさんが紹介記事を書いてくれたのですが、その頃はまだ詳細なスペックが明らかになっておらず「業務用っぽいUMPC」である、という説明でした。クラウドファンディングでの出資募集がスタートするのはもう少し先ながら、すでにINDIEGOGO内に製品ページができており、詳細なスペックも明らかになっていますので、改めてご紹介します。
1.スペック
標準搭載されるOSはWindows 10 Proです。また、Ubuntu MATE(Ubuntuの公式派生品)もサポートされ、GPD社のサイトからダウンロードが可能になっています。CPUはGemini LakeのCeleron N4100で、ウインタブとしては「このCPUならそこそこ戦える」と思っています。エントリーノートに搭載されるCeleronではN4000(2コア)とN4100(4コア)が一般的ですが、型番は似ていても性能はN4100のほうがずっと上です。Core iとかCore mには及ばないにせよ、UMPCに搭載されるCPUとしては決して悪くはないでしょう。
RAMは4GB、ストレージは128GB M.2 SSDです。ディスプレイは6インチなので、GPD Pocket 2やOne Netbook One Mix 2Sの7インチよりも小さく、解像度も1,280 × 720と、少し落ちます。そして何よりも「タッチ対応しません」。そのかわり、後述しますが、キーボードにかなりの工夫が凝らされています。
GPD Micro PCの大きな特徴として、豊富な入出力ポート、というのが挙げられます。かのあゆさんも紹介していましたが、シリアルポート(RS-232)を装備しているというのが最大の特徴で、このポートはもはや一般のPCユーザーには縁のないもの、と言っていいですが、産業用機器などにはまだ使われていますので、「プロユース(エンジニア向け)」を意識したものと言えます。
USBポートもType-Cが1つ(充電口も兼ねます)、Type-Aが3つと、UMPCとは思えないくらいの数が装備され、HDMIや有線LANポートも備えます。もちろんmicroSDカードリーダーもついています。
サイズのほう、タテ・ヨコはともかくとして、厚みは結構ありますね。ただし重量は軽いです。GPD Pocket 2やOne Mix 2Sは500 gを越えてしまいますから。ただ、製品のコンセプトがGPD Pocket 2とかOne Mix 2Sとはかなり異なっていますので、単純に比較してもあまり意味ないかも。
2.筐体
ヒンジは中央に太いものが1本だけ。サイズは非常にコンパクトですが、昔のワークステーションみたいな感じです。また、この画像では、キーボード面の配置について説明されています。タッチパッドは右上、クリックボタンは左上(3ボタンです)と、少し特殊と感じるレイアウトです。
左上がマウスのクリックボタンに相当するもの、左下はタッチパッドです。右上は冷却ファンのオン/オフ切り替えスイッチ(これもキーボード面にあります)、そして右下では「バックライト付きキーボード」をアピールしているのと同時に、数字キーの配列が特殊であることを示しています。具体的には数字キーが2列になり、キーボード面の左側に集中しているのですが、GPD社によれば「数字入力だけの場合は、左手の親指ですべての操作を完了できる」ということでこの配列になっているとのことです。
画像が小さくてわかりにくいですが、こんな感じのキーボードデザインです。
ポート類は主に背面にありますが、左側面にもUSBポートとmicroSDカードリーダーがあり、オーディオジャックは前面に配置されます。UMPCのサイズでこれだけのポートを詰め込んだのはすごいですよね。
筐体素材はABS合成樹脂(難燃性、高耐熱性、高剛性を備えたもの)。このようにストラップホールもついています。「お仕事用」ですね。
これはイメージ画像ですが、各種「現場」での作業を意識し、筐体は堅牢に作られています。ストラップホールにせよ、ABS樹脂の筐体素材にせよ、見た目の高級感とかスタイリッシュさよりも実用性とか耐久性を重視した設計と言えます。
さらに底面にはネジ穴が2つ切ってあります。これでモニターアームなどに装着することができます。
ハンズオン動画もありました。GPD Pocket 2やGPD Win 2とのサイズ比較などもなされています。また、この動画を見るとキーボードのサイズはGPD Pocket 2よりもかなり小さく、ブラインドタッチというよりは「親指タッチ」という感じの使い方になりそうですね。
3.価格など
GPD Micro PCはクラウドファンディング「INDIEGOGO」で2月15日から出資募集を開始する予定です。クラウドファンディング価格は299ドル(約33,000円)と言われています。
この製品はディスプレイもタッチ対応ではないし、使いもしないシリアルポートもついているし…、といった、一般ユーザー的にはネガティブな評価もあるでしょうが、なんとなくウインタブ読者のストライクゾーンに入りそうな気がしてなりません。やや無骨なデザインもいいですし、出先ではPDA的にメールやSNS、スケジュール確認なんかに使い、自宅や仕事場ではディスプレイとキーボード、マウスを接続してミニPC的に、などと、とっても楽しそうな利用シーンが目に浮かんできます。さらにINDIEGOGOで購入(出資)すればGPD Pocket 2とかOne Mix 2Sの半値で買えてしまう、というのも大きいですよね!
4.関連リンク
GPD MicroPC is a Multi-interface Productivity Tool:INDIEGOGO
※クラウドファンディングのスタート時刻は2月15日の北京時間午前10時(日本時間午前11時)です
コメント
これで標準サイズのSDカードが使えたら完璧でした…
RS-232CもUSB変換使えば問題は無いですが
最近は販売しているメーカーも少ないですしWindows10だと公式のドライバが無かったり。
(搭載されているチップの型番調べてそちらのサイトに行けば大体はOKですが)
RJ45も付いてるのでその場でパッとやる程度のデバッグ用途としては十分ですね。
実際に初代GPD Pocketで作業してましたし。
正直、値段も高くないし悩んでます…
こんにちは。RC232に反応されるような方はこの製品がお気に入りのようです。ちなみに私はRC232など使うことはありませんが、なぜかプロ仕様っぽい製品は好きですw
簡単なデバッグやデータチェックなら十分なスペックですが、やはり解像度が少し小さいのが不満ですね
縦800か、1366×768以上の解像度があれば使い勝手がより良かったのですが……
今のままでもGPD WIN2と同じくごろ寝パソコンや簡易ワークステーションとしてだけでなく、ポート数を生かしてモバイルサーバーやデータハブなんかとしても使えますけどね
こんにちは、ああ、ここにもプロっぽい人が…。個人利用だとこのサイズでタッチ対応しないのが実はかなり厳しいような気もします…。
富士通のLOOX Uを思い出して仕方がないデザインですね。
LANや計測器のターミナルとして使いやすそうで、
どうにも食指が動いてしまいます。
まだ我慢ですが。
こんにちは。コメント内容から察するにやっぱりプロっぽい方のご様子…。