GMKが旧世代のRyzen 7を搭載するミニPC「GMK NucBox4」を発売しました。世の中的には「CES2022」でIntelもAMDも新しいCPUをリリースしているところ、Ryzenの3000番台搭載の「新製品」ですが、そのぶん価格が抑えられ、性能面でも「まだまだ十分行ける」という感じです。
1.GMK NucBox4 スペック
スペック表
GMK NucBox4 | |
OS | Windows 11 Pro |
CPU | AMD Ryzen 7 3750H |
GPU | なし |
RAM | 16GB(最大64GB) |
ストレージ | 512GB M.2 SSD (2.5インチSATAスロット空き1) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | なし |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.2 |
入出力 | USB Type-C、USB 3.1 × 4、HDMI × 2、LAN(RJ45)、microSDカードリーダー、オーディオジャック |
カメラ | なし |
バッテリー | なし |
サイズ | 124.5 × 112 × 41 mm |
重量 | 339 g |
コメント
ニューモデルらしくOSはWindows 11 Proを搭載しています。CPUのRyzen 7 3750Hですが、Passmarkが公表しているベンチマークスコアは下記のとおりです。
Ryzen 7 3750H:8,288
Ryzen 5 5600H:17,368
Core i5-1135G7:10,179
Core i3-1115G4:6,365
現行(というか、つい先日旧型になりましたけど)のRyzen 5 5600Hには遠く及ばないものの、「第11世代(Tiger Lake)のCore i3とCore i5の間くらい」のスコアが出ていますので、これを見る限りまだまだ活躍できる性能にはなっていると思います。
RAMは16GBで「SO-DIMMスロット×2」及び「16GB×1」という表記があったことから、1スロット分の増設余地があるものと思います。最大搭載容量は32GB×2=64GBです。ストレージは512GBのM.2 2280 PCIe SSDで、換装可能(最大1TB)なほか、2.5インチSATAの空きスロットがありますので、かなりの大容量にすることもできます。
ただ、この画像だとSSDは2280サイズには見えないですよね。2230でしょうか?まあ、ここは(仮に購入したとして)実機が届いてから確認しても問題はないでしょう。
通信まわりではWi-Fi6(ax規格)には対応せず、入出力ポートに関してはUSBの規格があまり詳細に説明されていません。ただし、USB Type-Cは映像出力には対応するとのことです。この製品のUSBポートは合計で5つです。いつも書いていますが、ミニPCはディスプレイ、キーボード、マウスの接続が必須ですし、スピーカーやWebカメラも必要になると思われますので、5つでも余裕があるとまでは言えません(人によります。またキーボードやマウス、スピーカーをBluetooth接続にするなどの対策も取れますし、素直にハブを使うという手もあります)。
サイズはミニPCとしては標準的くらいでしょうか。MinisforumのミニPCよりは小さいですね。ただ、(ミニPCのサイズ感だと)他社製品と比較してタテ・ヨコに1~2センチくらい大きかろうと小さかろうと、特にメリット、デメリットはないと思います。
2.GMK NucBox4 筐体
ほとんどのミニPCは「小さな弁当箱」のような四角い形状ですが、NucBox4はエッジ部分のデザインが個性的です。以前NucBox2の実機レビューをした際に、MinisforumのミニPCよりも華奢な印象がありましたが、このデザインだと少し強度が上がっているかもしれないですね。筐体素材は不明です。ミニPCは「部分的に金属が使われた樹脂製」のことが多いです。
ちょっとわかりにくいですが、この「2台を積み重ねたところ」の画像で、ポート配置がわかります。前面(電源ボタンがあるほう)にはイヤホンジャック、USB Type-C、USB Type-A×2、背面にはDC-IN、HDMI×2、USB Type-A×2、有線LAN、そして左側面にはmicroSDカードリーダーがあります。
この画像は「ひっくり返して開口した」ところです。CPUがRyzen-Hなので当然ファンは搭載されています。通気口は底面ですね。ただ、この画像だとメンテナンス性がどの程度なのか、ちょっとよくわかりません。
3.GMK NucBox4 価格など
GMK NucBox4はGMK公式サイトで販売中で、価格は599.99ドルですが、クーポンコード「PR-KB4」で539.99ドル(約62,500円)で購入できます(1月16日まで。先着50台限定)。また、この製品は海外配送のため、輸入消費税(4,000円弱)がかかる可能性があります(普通はかかりますが、詳細なコメントは控えます)。また、購入的続きの画面で「I accept CGV」というところにチェックを入れる画面がありますが、調べてみたところCGVというのは「一般的な販売条件(Conditions Générales de Vente、英語だとgeneral terms and conditions)」のことのようなので、チェックを入れても問題ないと思われます。
旧世代ながらRyzen 7の高性能版(高TDP版)を搭載し、RAMとストレージの容量にも余裕があり、拡張性も確保していますので、個人的には悪くない価格だと思います。
ミニPCジャンルでは一昨年からMinisforumが急速に存在感を増したと感じていますが、GMKも超小型ミニPCのNucBoxから4代目となりましたので、今後のさらなる成長に期待したいところです。ちなみに私、NucBox2は現在もサブのデスクトップPCとして愛用しています。