今回レビューすることになったCube iWork 8 AirはCherry Trail世代のIntel Atom x5 Z8300とFHD IPS液晶を備えながらGearBestでの販売価格は1万切りと驚異的な安さを実現したWindows 10とAndroid 5.1(Intel x86-64版)を搭載した8インチタブレット。デザイン面などはウィンタブさんの初回レビュー記事にある通りなので省略いたします。
Anniversary Updateに成功
今回はWindows環境とAndroid環境のバックアップとWindows 10、Androidそれぞれの環境構築についてまとめたいと思います。
ウィンタブさんのレビューにもある通り、この機種はWindows側の空き容量が初回起動時で6GB程度しかないためそのままではWindows 10 Anniversary Updateが適用できません。(ちなみに出荷段階では昨年10月にリリースされたコードネーム“Threshold 2”ことビルド10586がインストールされています)。
ただしWindows Update経由やアップグレードアドバイザ経由でのアップグレードはできないのですが、メディアクリエイションツールでインストールUSBメモリを作成し、そこからインストールすれば以前のWindows 10のバックアップ作成先をmicroSDカードに指定できるようになるため、Cドライブに5GB程度の空きさえあれば通常通りアップグレード可能になります。
そのためアップグレード…の前に念のためAndroid環境も含めiWork 8 AirのeMMCの中身をすべてバックアップしておきます。これでいざAndroid側のパーティションが壊れた時や初回出荷時の状態に戻したいときも安心できます。今回はフリーのイメージバックアップツール「Easeus Todo Backup Free」を使いました。ちなみに本機の場合BIOS設定は電源キー+ボリューム上で電源投入することで入ることができ、そこから外部USBメモリなどからのシステム起動が可能でした。
ちなみにメーカーであるCUBE自身も本機用のWindows 10(TH2)&Android 5.1のリカバリーイメージを配布しているので念のためこちらも用意しておくと本当に初期状態に戻せるので安心かと思われます。ただしダウンロードには百度(バイドゥ)のダウンローダーアプリの導入が必須なのでその点のみ注意が必要です。また無料会員だとダウンロード速度にリミットがかかるのでえらくダウンロードに時間がかかります。
すべて準備できたらいよいよ実際にアップグレード作業に取り掛かります。ネットワークに接続してしまうと未導入のWindowsストアアプリやWindows Update関連の更新ファイルのダウンロードが開始となり、Cドライブの空き容量が一気に3GB程度に減ってしまうため、まずはローカルアカウントでログインし、本当に初回起動直後(or PCのリセットで初期状態に戻した状態)の状態からオフライン環境でアップグレードを実行します。
インストール途中で現在のWindows 10のバックアップの保存先を聞かれる画面が出てくるので10GB以上の空きがあるmicroSDカードを指定してあげます。
あとは実際にアップグレード作業を行うのみです。途中何回かタブレット本体がリブートされます。初回のファイルコピー時に本機のeMMCの読み書きの速度が遅いせいか1時間程度時間がかかりましたが、その次の再起動からは割とすんなり作業が完了しました。
再起動が完了すれば無事Anniversary Updateの適用が完了します。あとはディスククリーンアップでWindows 10の前ビルドのバックアップとアップグレード時に作成された一時ファイルをクリーンアップしてあげればアップグレード作業は完了です。ちなみにこの状態でCドライブの空き容量は5GB程度となっていました。
あとは各種データの保存先をmicroSDカードに指定し、好きなアプリを導入していきます。
ちなみにWindows版Antutuベンチのスコアはこのような感じになります。おおむねAndroid側で動かしたのと同じようなスコアとなりますが、GPUのドライバのチューニングの差の関係から3D関連のスコアはWindows起動時のほうが高い印象です。
Android側の環境も構築してみる
Android側の環境構築はiWork 8 Airに入っているAndroid 5.1自体が素のAndroid 5.1そのものなので割と簡単です。ちなみにTeclast X10 3Gとは異なり、こちらは言語として最初から日本語ロケールが入っているためシステムUIも含め完全に日本語化も可能。プリインストールされている中華アプリはアンインストールできないので無効化することをお勧めします。
Google Play Storeも入っているのでソフト関連は普通に導入でき…るのですが、なぜか一部ソフトはダウンロードしようとした瞬間Play Storeアプリを落として正常にダウンロードできないものがかなりありました。確認した感じでは以下のアプリはPlay Store経由でのダウンロードができませんでした。
Microsoft Word Mobile/Excel Mobile/PowerPoint Mobile
Asphalt 8 Airborne
Need For Speed No Limits
Mortal Kombat X Mobile
Facebook
Chrome/Chrome Dev
Antutu 3D ベンチ(こちらは別途APKファイルからインストールで動作確認済み)
Antutu 3Dベンチ自体は別途APK配布サイトから入手したものをインストールしたところ問題なく動作したのですが、Facebook公式クライアントはAPKファイルからインストールしたところアプリがクラッシュしてしまい、ChromeはIntel x86-64向けのものを入れようとしても「インストールできない」とはねられてしまいます。どうも本機に搭載されているAtom x5 Z8300だと動作しないアプリが多いような印象です。
ウィンタブさんのレビューでのAntutuスコアは55918で、これは1年前のハイエンドSoC、SnapDragon 808や810に近い性能で十分高いものになっているので3Dゲームも満足いく性能…かと思ったのですが、どうもAndroid版Intel HD Graphicsドライバの出来が微妙なのか3D性能自体は思ったより高くない印象。現在のSoCであればMaxout(計測不可)となってしまう3DMark Ice Stormですら8329とあまり高い数値ではありません。
フル版はインストール不可だった「Asphalt 8 Airborne」よりグラフィックレベルや各種エフェクトをカットした簡易版「Asphalt Nitro」は導入できたので動かしてみたのですが、本来Asphalt 8本編よりも「軽い」はずの本作ですらもっさりしてフレームレート数もそんなに出ていない印象。本機の解像度がFHDなのもあると思いますがあまりAtom x5上で動くAndroidでは3Dゲームの動作は期待しないほうがよさそうというのが正直な印象でした。
そのほかの導入できたアプリに関してはストレスなく動作しており、WEB端末としては快適に利用することができました。
今回は環境構築のレビューになってしまいましたが、次回はデュアルブートならではの本機の活用方法をレビューしていきたいと思います。
関連リンク
Cube iWork 8 Air:GEARBEST
※かのあゆさんが使用している製品はGEARBESTの提供によります
Cube iWork 8 Air - 高精細ディスプレイとしっかり感のある筐体が魅力!8インチデュアルブートタブレット(実機レビュー):ウインタブ
かのあゆブログ
※この記事の執筆者が運営するブログです
コメント
アップグレード時のファイルコピーが遅いのはeMMCじゃなくてMicroSDの書き込みが遅いせいだね
バックアップ先をUSBメモリにすれば短縮できるよ
機種によっては給電しながらのアップグレードが出来なくなるけどね
トシさん、こんにちは、コメントありがとうございます。返信が遅れすみませんでした。相変わらずレベルの高いコメントっすなあ。タブレットの場合、ご指摘のストレージ読み書きの他にUSBが2.0だとかそもそもCPUが低スペックだとか、いろいろありそうですよね。私は時間がかかるということにはすっかり慣れてしまって、最近は全然気にしてません。というか寝る前に作業開始、というのがデフォルトです。バッテリー切れだけ注意ですけど。
ウインタブ 管理人様
お世話になっております。EaseUS Softwareです。
突然のコメント、失礼致しました。
御サイト上で弊社の製品をご紹介頂きまして感謝しています。
この記事を拝読した後、ちょっとお願いしたいことがございますが、より詳しい内容をお読みになりたいユーザーのために、記事中にEaseUS Todo Backup Freeの日本語公式ページをご追加頂けませんでしょうか?
http://jp.easeus.com/backup-software/free.html
お手数をお掛けまして、すみません。
また、EaseusもEaseUSにご修正頂ければ助かります。
どうぞよろしくお願い致します。
このタブでアンドロイド版 剣と魔法のログレス の動作確認していただけませんでしょうか?