中国のCENAVAが15.6インチノート「F158G」を発売しました。中華PCではおなじみのCeleron搭載機か、と思いきや、CeleronもあるんですけどCore i7搭載モデルも設定されていたりして、結構面白いと感じられる製品です。ただ、最近良く見かける「旧世代のCore iプロセッサー」を使うという、ウインタブ的には好きなアプローチになっているものの、ちょっと気になる部分もありました。
1.スペック
CENAVA F158G | |
OS | Windows 10 Home |
CPU | Intel Celeron J4105 / Core i3-6157U / Core i7-6560U |
外部GPU | なし |
RAM | 8GB |
ストレージ | 128GB / 256GB / 512GB SSD |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 15.6インチIPS (1,920 x 1,080) |
ネットワーク | 802.11 b/g/n、Bluetooth 4.0 |
入出力 | USB 3.0 × 2、HDMI、microSDカードリーダー、オーディオジャック |
カメラ | Webカメラ(0.3MP) |
バッテリー | 44.4Wh (4000mAh/11.1V) |
サイズ | 360 x 238 x 18 mm |
重量 | 1.68-1.88 kg |
冒頭にお伝えしたとおり、この製品はGemini Lake世代のデスクトップPC用CPUであるCeleron J4105、Skylake世代(第6世代)のCore i3-6157U / Core i7-6560Uと、3種類のCPUを選択できます。また、Core i3とCore i7に関しては旧世代ながら内蔵GPUにIntel Irisを搭載していますので、グラフィック性能にも期待ができます。
これは8月1日(日本時間)のPassmark公表ベンチマークスコアです。Ice Lake(第10世代)のCore i7、Core i3、そして最近のエントリーノートでは定番と言えるGemini LakeのCeleron N4100の数値ですが、「まあ、こんなもん」という感じですよね。
こちらはCENAVA F15Gに設定されている3種類のCPUのベンチマークスコアです。「あれ?SkylakeのCoreプロセッサーってこんなにスコア低かったっけ?」って思いますよね?私自身Core i3-6100Uを搭載するノートPCをずっと使っていたので、この結果には納得がいかず、Skylakeの他のCoreプロセッサーの数値も確認しましたが、Passmark的にはこのくらいのスコアで妥当なようです。特にCore i3はCeleron J4105にすら負けちゃってますよね。
いつもデータを使わせてもらっているPassmarkですが、今回ちょっとだけ反論させていただきます。私がつい最近までメインPCとして使っていたThinkPad 13の実機レビュー記事をご覧ください。この製品、Core i3-6100U(Passmarkスコア2,614)を搭載しているのですが、「ドラクエベンチが5,400点です」。ウインタブの経験上、ドラクエベンチで5,000点を出したCeleronというのは存在しません。2,500点出ればマシなほうで、2,000点に届かないものも珍しくありません。
SkylakeのCoreプロセッサーがIce LakeのCoreプロセッサーよりも性能が低い、というのは読者の皆さんなら当然「織り込み済み」にしていいことではあります。また、記事の中立性をある程度意識してPassmarkの数値を掲載しましたが、SkylakeのCore i3を使っていたものとして、「Celeronより性能が低いとは全く思わない」という意見をつけさせていただきます。
スペック説明を先に進めます。RAMは搭載CPUに関わらず8GB、ストレージは、やはり搭載CPUに関わらず128GB/256GB/512GB SSDから選択可能です。なお、中華PCでよく見かける「底面のM.2 スロット」に関しては製品ページ中に説明がなく、それらしい画像も見当たりませんでしたので、「ストレージ拡張はできない」と考えておくほうが安全かと思います。
ディスプレイは15.6インチのFHD解像度、IPS液晶と、数値面では文句のない水準です。IPSかTNか、というのはウインタブでも気にしているところですが、Banggood、Geekbuyingの製品ページとメーカーのPR画像に「IPS」という記載がありましたので、ここは信用していいでしょう。
入出力ポートは15.6インチノートとしては少ないですね。USBポートが2つだけというのは寂しいです。これにUSB Type-Cポートが1つプラスされるとずいぶん評価が変わるのですが。
筐体は小さく、軽いです。入出力ポートが少ない理由と言えるのかもしれません。特に重量1.68 kg(Celeronモデルのみ)というのはスタンダードノートとしては非常に軽量と言え、たまに外に持ち出すくらいの使い方は十分可能だと思います。
2.筐体
左右だけでなく、上部のベゼルもかなりの細さです。中華PCなので多少画像を盛っている可能性が高いですが、横幅が360 mmということなので、実物もナローベゼルであることは間違いないでしょう。ただ、上部ベゼルはこの細さだとWebカメラを搭載できないはず…。
ああ、ありました。下部ベゼルの左側にカメラのレンズが見えます。実用面から言うと配置は悪いです。テレワークなどで(好むと好まざるとに関わらず)頻度が増えているWebミーティングやビデオチャットには向かないでしょう。もしくは不自然な位置でPCと向き合うかですね。
天板は無地で、メーカーロゴすらありません。また、筐体素材はCeleronモデルのみプラスティック+金属の底面、Coreプロセッサーモデルは「オールメタル」と説明されています。なので、Celeronモデルのみ重量が1.68 kg、Coreモデルは1.88 kgと、差がついているんですね。
キーボードにはテンキーが装備されています。キーピッチなどは十分取られていると思われますが、見た感じテンキー部分とアルファベットキー部分の境目がなく、ちょっと使いにくいかもしれませんね。また、このキーボードはバックライトも装備しています。
側面と入出力ポートの配置です。うえー、これまた画像を盛ってますね。盛りすぎて筐体がポキっと折れそうなくらいです。上に書いたとおり、ポートの数は少ないです。
3.価格など
CENAVA F158Gは中国の通販サイト「Banggood」と「Geekbuying」で販売中で、8月1日現在、Celeron J4105/128GB SSDという最もベーシックな構成のモデルがBanggoodで319.99ドル(34,188円)、Geekbuyingで311.99ドル(34,111円)ですが、Banggoodでは送料無料、Geekbuyingは送料14.14ドル(1,546円)がかかります。
また、最上位となるCore i7/512GB SSDという構成だと、8月1日現在、Banggoodでは649.99ドル(69,446円)、Geekbuyingでは539.99ドル(59,038円、フラッシュセール価格)なので、送料を考慮してもGeekbuyingのほうがずっとお買い得です。購入されるタイミングで両サイトの価格を比較してみるといいでしょう。
ウインタブが低スペック機が好きだから、というのはありますけど、上に記載したベンチマークスコアを見ても、Celeron J4105の性能はまずまず、と言えますので、それなら安価なCeleronモデルでいいかな、という気はしますね。8月1日現在の価格を見ても3万円台半ばくらいであれば中華PCとしては悪くない価格だと思いますし。
4.関連リンク
CENAVA F158G:Banggood
CENAVA F158G:Geekbuying